本日(2026/04/10)、第439回オンライン「寅の日」!! #物理圏外の物理的現象 #traday #寺田寅彦

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▼前の竹藪の椿の花が落ちていた!!
 寅彦の真似をして、花の「仰向き」「うつ伏せ」の数を数えてみた。
・全部で206
・「仰向き」200!!
・「うつ伏せ」6 !!
 これって「物理学」!?

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▼本日(2026/04/10)は、第439回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは、私の大の苦手な「物理学」である。

【4月テーマ】「寅彦と物理学」

 その一回目の本日は「物理学圏外の物理的現象」を読む。
 
◆本日(2026/04/10)、第439回オンライン「寅の日」!!

●「物理学圏外の物理的現象」(青空文庫より)


▼私自身の課題は、「苦手意識」からどこまで抜け出すことができるかである。
 まず、そもそも論からはじまる。

 物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。本来の意味では立派に物理的現象と見るべき現象でも、時代によって全く物理学の圏外に置かれたかのように見えることがありうるのである。

 なんとなくなだめてもらった気分になるから不思議だ。
 さらにこう言ってもらうと、ひよっとしたら私にも…と思ってしまうのだった。
 これだけの例から見ても、その当代の流行問題とはなんの関係もなくて、物理学の圏外にあるように見える事がらの研究でも、将来意外に重要な第一線の問題への最初の歩みとなり得ないとは限らない。それでそういう意味で、現在の物理学ではあまり問題にならないような物理的現象にどんなものがあるかを物色してみるのも、あながち無用のわざではないかもしれない。
 そういう種類の現象で自分が多年心にかけていたものがいろいろあるが、それらの多数はいずれも事がらが偶然的偏差に支配されるために、結果が決定的再起的でないような種類に属するものである。

 そして、あの「金米糖」が登場する。
 金米糖(こんぺいとう)を作るときに何ゆえにあのような角(つの)が出るか。角の数が何で定まるか、これも未知の問題である。すすけた障子紙へ一滴の水をたらすとしみができるが、その輪郭は円にならなくて菊の花形になる。筒井俊正(つついとしまさ)君の実験で液滴が板上に落ちて分裂する場合もこれに似ている事が知られた。葡萄酒(ぶどうしゅ)がコップをはい上がる現象にも類似の事がある。

 自分の不勉強を棚に上げて言わせてもらうなら、こんなのも「物理学だよ」と教えておいてほしかったな。
 「おまえが知らなかっただけだよ」と言われてしまえばそれまでの話だが。
 私の知らない「新物理学」の芽生えを感じる。ひょっとしたらこれならば私にもの期待も生まれてくるのである。
 これらの現象を通じて言われることは、普通の古典的な理論的考察からすれば、およそ一様に均等に連続的にあるいは対称的に起こるであろうと考えらるるものが、実際には不均等に非対称的に不連続的にしかも統計的に起こるのである。このような場合を適当に処理すべき理論はもちろんのこと、その理論の構成に基礎となるべき概念すらもまだ全然発達していないのであるから、今のところでは物理学者はこれらをどうしてよいかわからない。従って問題にしようともしなければ、また見ても見ないつもりで目をつぶって通り過ぎるのが通例である。

ところが、最近に至って物理学の理論の基礎に著しい革命の起こった結果として、物理現象の決定性といったような基礎観念にもまた若干の改革が行なわれるようになった。その結果としておもしろいことには、われわれが従来捨てて顧みなかった上記の種類の不決定な事がらに対して、もはやいつまでもそうそう無関心ではいられなくなって来たと私には思われる。なぜかというと、上記の種類の現象の根本に横たわる形式的要素が、新物理学の基礎に存するそれらとどこか共通なものを備えているからである。

これから想像すると、おそらくその他の類似の問題でも、基礎形式的にこれと類するものがあるであろうと思われるのである。ただこれらの多くの場合はより多く事がらが複雑であって到底簡単な少数有限の方程式などで解決されるべきものではないであろうと予測される。

▼「新物理学」!!
 「ふしぎ!?」はまだまだあるのだ。

新物理学の考え方がいろいろな点で古典的物理学の常識に融合しないように感ずるのは、畢竟(ひっきょう)古典的物理学がただ自然界の半面だけを特殊な視野の限定されためがねで見ていたために過ぎないのであって、そのやぶにらみの一例としては、私がここで特に声を大きくして宣伝したような部類の統計的現象を全然閑却していたことも引証されようかと思う。
 物理学圏外の物理的現象と称すべきものは決して上記の部類に限らない。広大無辺の自然にはなお無限の問題が伏在しているのに、われわれの盲目なためにそれを問題として認め得ない結果、それが存在しないかのように枕(まくら)を高くしているのである。

 期待を持たせられるコトバがつづく。
しかし世界の広い学界の中にはまれに変わり種の人間もいて、流行の問題などには目もくれず、自分の思うままに裸の自然に対面して真なるものの探究に没頭する人もあるから、いつの日にかこれらの物理学圏外の物理現象が一躍して中央壇上に幅をきかすことがないとも限らないであろう。そういう革命的の仕事は、おそらくアカデミックな学者の手によってではなく、意外な方面の人の自由な頭脳によってなし遂げられはしないかという気がする。
 
 物理学圏外の物理現象に関する実験的研究には、多くの場合に必ずしも高価な器械や豊富な設備を要しない。従って中等学校の物理室でも、また素人(しろうと)の家庭でもできうるものがたくさんにあると思われる。しかしいかなる場合にでも、その研究者が物理学現在の全系統について、正しい要約的な理解を持っていることだけは必須(ひっす)な条件である。

 うれしいコトバの後には、浅学無知・無手勝流を流儀とする私にはチクリと痛いところをつかれた!!
 流石デアル。
 最後には、こう呼びかけられていた。
過去百年の間に築き上げられたこの大規模の基礎を離れて空中に楼閣を築く事は到底不可能なことである。しかし物理学の基礎的知識の正当な把握(はあく)は少しの努力によって何人(なんぴと)にでもできることであるから、それを手にした上で篤志の熱心なる研究者が、とらわれざる頭脳をもって上記のごとき現象の研究に従事すれば、必ず興味あり有益なる結果が得られるであろうと考える。

 こう書かれて、94年!!
 現代「物理学」に疎い私にはわからない。
 私たちは「どこに」いるのだろう!?
 

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本日(2026/03/29)、第438回オンライン「寅の日」!! #神話と地球物理学 #traday #寺田寅彦

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▼気にはなっているのだが、なかなか遅々としてすすまない取り組みがあった。

◆「動く大地」を科学する

 である。
 周辺までは行きながら、諸事情で次の一歩を躊躇しているのである。
 でもけっしてあきらめるつもりはない。
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

▼本日(2026/03/29)は、第438回オンライン「寅の日」である。
 3月のテーマはこの寅彦の警鐘ズバリである。

【3月テーマ】「天災は忘れられたる頃来る」

 その三回目の本日は少し視点をかえて「神話と地球物理学」を読む。
 
◆本日(2026/03/29)、第438回オンライン「寅の日」!!

●「神話と地球物理学」(青空文庫より)


▼まず最初にいつ書かれたものか確認しておこう。

(昭和八年八月、文学)

つまり、1933年8月である。
 ズバリ本旨から入って行く。
 われわれのように地球物理学関係の研究に従事しているものが国々の神話などを読む場合に一番気のつくことは、それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである。

 ただし、大いなる注意点があるという。さすが、寅彦だ!!
 誤解を防ぐために一言しておかなければならないことは、ここで自分の言おうとしていることは以上の神話が全部地球物理学的現象を人格化した記述であるという意味では決してない。神々の間に起こったいろいろな事件や葛藤(かっとう)の描写に最もふさわしいものとしてこれらの自然現象の種々相が採用されたものと解釈するほうが穏当であろうと思われるのである。

▼ここでぜひとも注目しておきたい一文がある。

 ウェーゲナーの大陸移動説では大陸と大陸、また大陸と島嶼(とうしょ)との距離は恒同(こうどう)でなく長い年月の間にはかなり変化するものと考えられる。それで、この国曳(くにびき)の神話でも、単に無稽(むけい)な神仙譚(しんせんだん)ばかりではなくて、何かしらその中に或(あ)る事実の胚芽(はいが)を含んでいるかもしれないという想像を起こさせるのである。

ウェゲナーが地質学協会の講演ではじめて「大陸移動説」を唱えたのが1912年1月6日である。
 寅彦がこう書いたのは、最初に確認したように1933年8月!!
 これこそ寅彦の先駆性そのものだ!!
 もう一度神話にもどろう。
  神話というものの意義についてはいろいろその道の学者の説があるようであるが、以上引用した若干の例によってもわかるように、わが国の神話が地球物理学的に見てもかなりまでわが国にふさわしい真実を含んだものであるということから考えて、その他の人事的な説話の中にも、案外かなりに多くの史実あるいは史実の影像が包含されているのではないかという気がする。少なくもそういう仮定を置いた上で従来よりももう少し立ち入った神話の研究をしてもよくはないかと思うのである。

 古きこと新しきことでもあるのかも。
 きのうの出来事に関する新聞記事がほとんどうそばかりである場合もある。しかし数千年前からの言い伝えの中に貴重な真実が含まれている場合もあるであろう。少なくもわが国民の民族魂といったようなものの由来を研究する資料としては、万葉集などよりもさらにより以上に記紀の神話が重要な地位を占めるものではないかという気がする。

 「寅彦を活用する」という視点でみるなら、興味深い随筆であることは確かである。

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第68回オンライン句会「寅の日」4月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼さあ、いよいよ桜の季節である!!
 毎年、同じことを言っているようだが、桜と言えばやっぱり

 さまざまなことを思ひ出す桜かな 芭蕉

 である。今年はどんな桜の句に出会えるかな。
 楽しみである!!

▼楽しみと言えば、オンライン句会「寅の日」では、この3月例会で何人かの新規メンバーに加わってもらった。
 実にいいですね!!
 新鮮な感覚で句を詠んでおられる。
 大いに刺激を受け、感動もした。
 やっぱり句会はいいですね。
  
▼あらためて、第68回オンライン句会「寅の日」4月定例会の案内をあげておきます。

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第68回オンライン句会「寅の日」4月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを
 「俳号」=俳句を詠むときのペンネームのようなもの 

3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2026年4月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2026年4月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2026年4月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼「句会」に興味あっても、リアル「句会」のハードルは高いですよね。
 ましてや、はじめて「句会」に参加するという場合はなおさらですよね。
 ところがオンラインならとっても簡単です。
 自分の都合のよいときに、自分の都合にあわせて参加すればいいのです。
 なぜ先達たちが、
 「句会」が面白い!!楽しい!!
 と夢中になるのかすぐわかってきます。

 さあ、今年はどんな桜の句と出会えるかな!?
 どんな句が詠めるかな!?

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2026年4月のオンライン「寅の日」は #寅彦と物理学 #traday #寺田寅彦

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今年の節分に立てた「立春の卵」、今も3個はアタリマエに立ち続けていた。
 「あれ、すごいねまだ3個は立ち続けているんだね。すごいね!!」
 「ほんとうだね」
 「地球がずっとひっぱり続けているんだね」
 「えっ!?」
 「地球ってすごいね。ずっとひっぱっていてつかれないのかな」
 「ちょっときゅうけいしないのかな」
 「……」
 「これって物理学!?」

▼2026年4月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期だ。
 15年目スタートの4月のテーマはこの「物理学」でいこう。
 
【4月テーマ】「寅彦と物理学」

 4月にオンライン「寅の日」は2回ある。
■2026年4月のオンライン「寅の日」!!
◆第439回オンライン「寅の日」 …4/10(金)
◆第440回オンライン「寅の日」 …4/22(水)

▼今もなお大苦手の「物理学」!!
 ところが、寅彦の随筆を読むようになって、ひょっとして「物理学」って面白いものかも!?
 と思い始めた。
 今一度、私にとって「物理学」とは!?を問い返しみたい。
 「物理学」という用語がテーマにあがっている随筆2編を選んでみた。
・「物理学圏外の物理的現象」
・「物理学の応用について」

■2026年4月のオンライン「寅の日」!!

◆第439回オンライン「寅の日」 …4/10(金)「物理学圏外の物理的現象」(青空文庫より)

◆第440回オンライン「寅の日」 …4/22(水)「物理学の応用について」(青空文庫より)


▼「物理学」ってなんでもあり!!
 なんだね。人生も終わりに近づいて、今さらではあるが
 私にとって「物理学」とは!?
 「物理学」の面白さとは!?
 「物理学」再発見!! の一ヶ月としたいものだ。
 
 さて、「立春の卵」は4月終わりまで立ち続けるかな。

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本日(2026/03/17)、第437回オンライン「寅の日」!! #津浪と人間 #traday #寺田寅彦

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▼ここにも寅彦の名前があった。
●宝永地震津浪溺死者之塚碑(高知県須崎市西糺町)
 明治三十四年十一月十二日の寅彦日記には、「宝永津浪溺死の碑を見る。石地蔵あまた立たせ玉ふ。御首なきも見ゆ。」と書かれている。
(『寺田寅彦の光跡を求めて』 四宮義正著 より)
 たまたま通りがかった人が何気なく手を合わせておられたのが印象的だった。
 「由来の碑」の最後にはあの警鐘のフレーズと寺田寅彦の名前があった。

▼本日(2026/03/17)は、第437回オンライン「寅の日」である。
 3月のテーマはこの寅彦の警鐘ズバリである。

【3月テーマ】「天災は忘れられたる頃来る」

 その二回目の本日は防災・減災三部作のひとつ「津浪と人間」を読む。
 
◆本日(2026/03/17)、第437回オンライン「寅の日」!!

●「津浪と人間」(青空文庫より)


▼この随筆がたった今、書かれたものかと思うほど説得力をもつものだった。

 同じような現象は、歴史に残っているだけでも、過去において何遍となく繰返されている。歴史に記録されていないものがおそらくそれ以上に多数にあったであろうと思われる。現在の地震学上から判断される限り、同じ事は未来においても何度となく繰返されるであろうということである。

 なんとも哀しい現実!?ナラバ
 さて、それから更に三十七年経ったとする。その時には、今度の津浪を調べた役人、学者、新聞記者は大抵もう故人となっているか、さもなくとも世間からは隠退している。そうして、今回の津浪の時に働き盛り分別盛りであった当該地方の人々も同様である。そうして災害当時まだ物心のつくか付かぬであった人達が、その今から三十七年後の地方の中堅人士となっているのである。三十七年と云えば大して長くも聞こえないが、日数にすれば一万三千五百五日である。その間に朝日夕日は一万三千五百五回ずつ平和な浜辺の平均水準線に近い波打際を照らすのである。

 寅彦は強く強く唱えていた!!
 しかし困ったことには「自然」は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである。紀元前二十世紀にあったことが紀元二十世紀にも全く同じように行われるのである。科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。

▼ナラバどうするか!?
 寅彦はけっしてそれを忘れてはいなかった。

残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するより外はないであろう。

 津浪の恐れのあるのは三陸沿岸だけとは限らない、寛永安政の場合のように、太平洋沿岸の各地を襲うような大がかりなものが、いつかはまた繰返されるであろう。その時にはまた日本の多くの大都市が大規模な地震の活動によって将棋倒しに倒される「非常時」が到来するはずである。それはいつだかは分からないが、来ることは来るというだけは確かである。今からその時に備えるのが、何よりも肝要である。

 科学(理科)教育の重要性を強調するのだった!!
人間の科学は人間に未来の知識を授ける。

それで日本国民のこれら災害に関する科学知識の水準をずっと高めることが出来れば、その時にはじめて天災の予防が可能になるであろうと思われる。この水準を高めるには何よりも先ず、普通教育で、もっと立入った地震津浪の知識を授ける必要がある。

地震津浪の災害を予防するのはやはり学校で教える「愛国」の精神の具体的な発現方法の中でも最も手近で最も有効なものの一つであろうと思われるのである。

 寅彦の警鐘は、時空を超えて今も、いや「これから」もずっと有効である!!

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オンライン「寅の日」14年の歩み(6) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #寅彦活用法 #土佐の寅彦詣 #サイエンスカフェ寅の日

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「寺田寅彦を「活用」する」!!
 鎌田浩毅さんが、寺田寅彦についてたいへん興味深いことを言ってくれていた。

 「アウトリーチに関する私の修行は今も進行中であり、寺田が残してくれた試行錯誤の記録は知恵袋となっている。彼の専門と思想を引き継ぐ者として、これからも寺田寅彦を「活用」していきたいと思う。」(「寺田寅彦を「活用」する」鎌田浩毅『科学者の目、科学の芽』(岩波書店)P174より)」

 「にわかファン」の私などにはすぐさま真似のできることではないが、ここに「これから」を考える大きなヒントがあるように思っていた。

▼15年目の歩みに向けて、「これまで」を概観しておきたかった。
「寺田寅彦記念館友の会」では、年二回の定例研修会があった。
 私はこれまでこの研修会を機に「土佐の寅彦」を訪ねる旅をしていた。
 それを私は勝手に
●「土佐の寅彦」詣!! 
 とよんでいた。寅彦の「にわかファン」である私にとっては、とてもうれしい旅だった。
 すべてをここから学んだと言っても過言ではなかった。
「土佐の寅彦」詣は「これから」も可能なかぎり続けたいものである。
「土佐の寅彦」詣で必ず訪れる定番スポット5つをきめていた。
(1)寺田寅彦記念館
(2)高知県立文学館(寺田寅彦記念室)
(3)墓所
(4)高知地方気象台遠隔露場
(5)寺田寅彦の銅像(2018.07.24~)
  これらにプラスしてオプションで気になるゆかりの地を訪れることが最高に楽しみだった。

▼14年の歩みなかでも、特に思い出深い企画があった。  
●第一回オフライン「寅の日」in姫路(2014/11/15 )
●オンライン「寅の日」100回達成記念オフin神戸 (2015/06/20 )
●オンライン「寅の日」200回達成記念企画in名古屋(2018/08/28) 
・場所 『金平糖博物館』(愛知菓子会館内)
 である
 そして、500回達成記念オフを企画しぜひ実現したいものである。

▼15年目の「これから」でめざしたいことを列挙しておきたい。
・サイエンスカフェ「寅の日」の活用
・よりパブリックな場での展開
・自由度を高めより創造的な展開

●私の寺田寅彦「活用」法の発見!!

 これが「これから」の最大のテーマである。

(了)


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オンライン「寅の日」14年の歩み(5) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #俳句入門 #気象入門 #寅彦随筆十選

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▼【お薦め随筆】寺田寅彦の「○○随筆」十選!!
 をつづける!!
 なお数字はこれまでに読んだ回数である。

◆寺田寅彦「俳句入門」十選 !!
(1) 俳句の精神 12
(2) 天文と俳句 12
(3) 俳諧の本質的概論 8
(4) 思い出草 3
(5) 伊吹山の句について 4
(6) 俳句の形式とその進化 2
(7) 子規の追憶 2
(8) 俳諧瑣談 2
(9) 夏目漱石先生の追憶 3
(10) 連句雑俎 3

▼実に面白い!!
 まったくのシロウトであることかえりみず、寅彦(寅日子先生)に師事する
●俳句結社「寅の日」!!
までつくってしまった。
 さらにはオンライン句会「寅の日」まで起ち上げてしまった!!
 今またあらたなメンバーを加えて、次なる展開が楽しみなところだ。

◆第67回オンライン句会「寅の日」3月例会案内!!
 
▼次の十選にいこう。
 次は「気象入門」である。正確には八選である。

◆寺田寅彦「気象入門」八選 !!
(1) 颱風雑俎 10
(2) 茶わんの湯 9
(3) 夕凪と夕風 7
(4) 海陸風と夕なぎ 5
(5) 春六題 3
(6) 伊吹山の句について 4
(7) 凍雨と雨水 3
(8) 夏の小半日 3

▼これまた興味深い随筆ばかりであった。
「大気の物理学」である天気に寅彦が興味をもたないはずはなかった。
 ある面でその道のプロでもあった。
 その随筆から学びながら「天気の変化」を科学するのもまた楽しい!!

◆「天気の変化」を科学する 

(つづく)

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オンライン「寅の日」14年の歩み(4) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #中谷宇吉郎 #寅彦随筆十選

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▼「ねえ君 ふしぎだと思いませんか」
 この寅彦のコトバも、やっぱりあの中谷宇吉郎が書き残してくれていた。
 (「指導者としての寺田先生」中谷宇吉郎 青空文庫より

 私が理研にいた三年の間に、先生の仕事を手伝った主な題目は火花放電の研究であった。ずっと以前、先生が水産講習所へ実験の指導に行っておられた頃の話であるが、その実験室にあったありふれた感応起電機を廻(まわ)してパチパチ長い火花を飛ばせながら、いわゆる稲妻形に折れ曲まがるその火花の形を飽(あ)かず眺めておられたことがあったそうである。そして先(ま)ず均質一様と考うべき空気の中を、何故(なぜ)わざわざあのように遠廻りをして火花が飛ぶか、そして一見全く不規則と思われる複雑極まる火花の形に或る統計的の法則があるらしいということを不思議がられたそうである。「ねえ君、不思議だと思いませんか」と当時まだ学生であった自分に話されたことがある。このような一言ひとことが今でも生き生きと自分の頭に深い印象を残している。そして自然現象の不思議には自分自身の眼で驚異しなければならぬという先生の訓えを肉付けていてくれるのである。

▼ これまでオンライン「寅の日」で読んできた119編の随筆は昨年とかわらなかった。
 少し強引に4つに分類していた。
 分類基準はきわめて曖昧でかつ気儘である!!
 重なっているのもあるが

 A 【防災・減災】『天災は忘れられたる頃来る』 11編
 B 【科学・科学教育】『ねえ君、不思議だと思いませんか?』 88編
 C 【俳句】『歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である』 13編
 D 【気象】寅彦の「雲見」!! 7編 

 さらに、この分類に基づき
【お薦め随筆】寺田寅彦の「○○随筆」十選!!
 をきめていた。

▼まずは【防災・減災】である。
◆寺田寅彦「防災・減災」十選!!
(1) 日本人の自然観 15
(2) 天災と国防 14
(3) 津浪と人間 12 
(4) 颱風雑俎 10
(5) 神話と地球物理学 8
(6) 地震雑感 6
(7) 小爆発二件 2
(8) 流言蜚語 1
(9) 災難雑考 1
(10)銀座アルプス1

▼つづいて、いちばん幅広い【科学・科学教育】である。
◆寺田寅彦「科学・科学(理科)教育」十選!!
(1) 科学者とあたま 12
(2) 研究的態度の養成 10
(3) 雑感(「理科教育」より) 9
(4) 科学上の骨董趣味と温故知新 8
(5) 物理学実験の教授について 8
(6) 科学に志す人へ 4
(7) マーカス・ショーとレビュー教育 3   
(8) 方則について 1
(9) 物理学の応用について 1
(10) 知と疑い 1

(つづく)

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本日(2026/03/05)、第436回オンライン「寅の日」!! #天災と国防 #traday #寺田寅彦

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▼「天災は忘れられたる頃来る」
 この寅彦の警鐘について、中谷宇吉郎は次のように語っていた。
 (「天災は忘れた頃来る」中谷宇吉郎 青空文庫より

  もともとこの言葉は、書かれたものには残っていないが、寅彦の言葉にはちがいないのであるから、別に嘘(うそ)をいったわけではない。面白いことには、坪井忠二(つぼいちゅうじ)博士なども、初めはこの言葉が、寅彦の随筆の中にあるものと思い込んでいたそうである。それでこれは、先生がペンを使わないで書かれた文字であるともいえる。

▼本日(2026/03/05)は、第436回オンライン「寅の日」である。
 3月のテーマはこの寅彦の警鐘ズバリである。

【3月テーマ】「天災は忘れられたる頃来る」

 その一回目の本日はそのコトバにもっとも近い文言が出てくるという
 「天災と国防」を読む。
 
◆本日(2026/03/05)、第436回オンライン「寅の日」!!

●「天災と国防」(青空文庫より)

▼まず最初にこの随筆がいつ書かれたものかを見ておきたい。

(昭和九年十一月、経済往来)

 末尾にこう書かれているから、昭和九(1934)年、今から92年前である。
 寅彦は1935年の12月31日に亡くなっているのでその前年ということになる。
 少し時代背景も考えながら読み進めるとより深く理解できるかも知れない。

 それではしばし、寅彦の警鐘に耳を傾けたい。

 日本はその地理的の位置がきわめて特殊であるために国際的にも特殊な関係が生じいろいろな仮想敵国に対する特殊な防備の必要を生じると同様に、気象学的地球物理学的にもまたきわめて特殊な環境の支配を受けているために、その結果として特殊な天変地異に絶えず脅かされなければならない運命のもとに置かれていることを一日も忘れてはならないはずである。

  しかしここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。

 文明が進むに従って人間は次第に自然を征服しようとする野心を生じた。そうして、重力に逆らい、風圧水力に抗するようないろいろの造営物を作った。そうしてあっぱれ自然の暴威を封じ込めたつもりになっていると、どうかした拍子に檻(おり)を破った猛獣の大群のように、自然があばれ出して高楼を倒壊せしめ堤防を崩壊(ほうかい)させて人命を危うくし財産を滅ぼす。その災禍を起こさせたもとの起こりは天然に反抗する人間の細工であると言っても不当ではないはずである、災害の運動エネルギーとなるべき位置エネルギーを蓄積させ、いやが上にも災害を大きくするように努力しているものはたれあろう文明人そのものなのである。

 では中谷宇吉郎が指摘したように警鐘のコトバに接近するのはどのあたりだろうか!?
 このあたりかな。
 それで、文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか。

そのおもなる原因は、畢竟(ひっきょう)そういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顛覆(てんぷく)を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう。

 しかし昔の人間は過去の経験を大切に保存し蓄積してその教えにたよることがはなはだ忠実であった。


▼寅彦は警鐘を鳴らし続けていた!!

時の試練を経ない新様式の学校や工場が無残に倒壊してしまったという話を聞いていっそうその感を深くしている次第である。やはり文明の力を買いかぶって自然を侮り過ぎた結果からそういうことになったのではないかと想像される。

古い民家の集落の分布は一見偶然のようであっても、多くの場合にそうした進化論的の意義があるからである。そのだいじな深い意義が、浅薄な「教科書学問」の横行のために蹂躙(じゅうりん)され忘却されてしまった。そうして付け焼き刃の文明に陶酔した人間はもうすっかり天然の支配に成功したとのみ思い上がって所きらわず薄弱な家を立て連ね、そうして枕(まくら)を高くしてきたるべき審判の日をうかうかと待っていたのではないかという疑いも起こし得られる。

 こういうこの世の地獄の出現は、歴史の教うるところから判断して決して単なる杞憂(きゆう)ではない。しかも安政年間には電信も鉄道も電力網も水道もなかったから幸いであったが、次に起こる「安政地震」には事情が全然ちがうということを忘れてはならない。
 
天災の起こった時に始めて大急ぎでそうした愛国心を発揮するのも結構であるが、昆虫(こんちゅう)や鳥獣でない二十世紀の科学的文明国民の愛国心の発露にはもう少しちがった、もう少し合理的な様式があってしかるべきではないかと思う次第である。

 92年の時空を超えて、防災・減災の第一歩として、今いちど寅彦の警鐘に耳を傾けてみよう。
 

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オンライン「寅の日」14年の歩み(3) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #高知県立文学館 #青空文庫

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▼いつまでも寅彦の「にわかファン」である私にはとてもアリガタイ起点がもうひとつあった。
 
◆高知県立文学館

 まずここに「寺田寅彦記念室」が常設であることがアリガタイ!!
 ミニ企画コーナーの入れ替えがあったようだ。
 貴重な資料がストーリーをもって展開・展示してある。
 さらに「寺田寅彦実験室」のビデオは必見!!

▼14年間で読んできた寅彦の随筆のリストアップを続けよう。
 読んだ回数ごとに順番にリストアップしてみる。

【8回】
12 俳諧の本質的概論      
13 科学上の骨董趣味と温故知新
14 神話と地球物理学
15 物理学実験の教授について   

【7回】
16 夕凪と夕風
17 日常身辺の物理的諸問題   
18 自然界の縞模様

【6回】
19 地震雑感
20 物理圏外の物理現象
21 藤の実

【5回】
22 海陸風と夕なぎ
23 量的と質的と統計的と     
24 物質群としてみた動物群
25 ルクレチウスと科学
26 レーリー卿  

【4回】
27 身長と寿命          
28 地図をながめて 
29 蓑虫と蜘蛛
30 伊吹山の句について
31 科学者と芸術家        
32 5月の唯物観         
33 科学に志す人へ        

【3回】
34 思い出草
35 線香花火
36 金平糖 
37 春六題
38 蜂が団子をこしらえる話    
39 うじの効用
40 夏目漱石先生の追憶
41 化け物の進化         
42 怪異考            
43 電車の混雑について
44 凍雨と雨水
45 とんびと油揚         
46 連句雑俎
47 とんぼ
48 マーカス・ショーとレビュー教育  
49 映画芸術
50 コーヒー哲学序説
51 柿の種 
52 アインシュタイン        
53 夏の小半日          

 こんな途方もない作業をしながら、その随筆の断片を思い出したりするのだった。
 これもまた楽しい!!

▼さらに【2回】【1回】とつづけよう。

【2回】
54 からすうりの花と蛾
55 西鶴と科学
56 コスモスとアリ(柿の種)
57 小爆発二件
58 団栗             
59 俳句の形式とその進化     
60 子規の追憶          
61 俳諧瑣談
62 物理学と感覚
63 視角             
64 沓掛より           
65 花物語
66 カメラをさげて        
67 知と疑い
68 アインシュタインと教育観    

【1回】
69 音の世界
70 においの追憶
71 毛ぎらい           
72 エレベーター         
73 流言蜚語           
74 田園雑感            
75 路傍の草
76 日本楽器の名称         
77 火山の名について       
78 歌の口調
79 詩と官能            
80 感覚と科学
81 蓑虫
82 案内者            
83 災難雑考
84 方則について         
85 新春偶話            
86 物理学の応用について     
87 自然現象の予報        
88 静岡地震被害見学記
89 小さな出来事         
90 三斜晶系           
91 やもり物語          
92 夏              
93 秋の歌            
94 疑問と空想           
95 透明人間           
96 製陶実演           
97 向日葵            
98 竜舌蘭
99 映画の世界像
100 映画の時代
101 庭の追憶
102  漫画と科学  
103 鉛をかじる虫
104 新星(「小さな出来事」)
105 凌霄花(「花物語」)
106 森の絵
107 震災日記より
108 ピタゴラスと豆
109 言語と道具
110 ラジオ雑感
111 鐘に釁る
112 随筆難
113 なぜ泣くか
114  夢
115 こわいものの征服
116 病室の花
117 瀬戸内海の潮と潮流    
118 塵埃と光
119 銀座アルプス

▼回数については、カウントの仕方にけっこう曖昧なところがあるので、これが絶対回数とは限らない。
 しかし、これだけリストアップすると圧巻だ!!
 なによりうれしいのは、今すぐにも誰にでも読めることだ!!
 アリガタイ!! 青空文庫に感謝である。深謝

◆作家別作品リスト:No.42 寺田寅彦 (青空文庫)

この他に、番外編として、中谷宇吉郎の随筆を読んだこともある。

【番外編】 
1 「指導者としての寺田先生」(中谷 宇吉郎) 
2 「寺田寅彦の追想」(中谷宇吉郎)     
3 「「茶碗の湯」のことなど」(中谷宇吉郎)

 こちらも今すぐ読むことができるのは実にアリガタイ!!

◆作家別作品リスト:No.1569 中谷宇吉郎 (青空文庫)

(つづく)

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