本日(2025/12/11)、第428回オンライン「寅の日」!! #自然界の縞模様 #traday #寺田寅彦

▼「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
と寅彦に言われてみて、はじめてその「ふしぎ!?」に気づくのだった。
ナルホド 「ふしぎ!?」だ!!
その「ふしぎ!?」の謎解きを「科学」という。
自然界にいっぱいある「ふしぎ!?」
寅彦の眼は、どうしてかくもみごとにその「ふしぎ!?」をとらえるのだろう!?
▼本日(2025/12/11)は、第428回オンライン「寅の日」である。
12月は、自然界をみつめる「寅彦の眼」から大いに学びたい。
【12月テーマ】「寅彦と自然観察」
本日は、その一回目である。
読むのは「自然界の縞模様」である。
◆本日(2025/12/11)、第428回オンライン「寅の日」!!
▼私は自然界の「縞模様」を狭義に誤解していたようだ。
さっそく説明してくれていた。アリガタイ!!
ここでかりに「縞模様(しまもよう)」と名づけたのは、空間的にある週期性をもって排列された肉眼に可視的な物質的形象を引っくるめた意味での periodic pattern の義である。
そして、なんとも興味深いことを言っている。
これらの現象の多くのものは、現在の物理的科学の領域では、その中でのきわめて辺鄙(へんぴ)な片田舎(かたいなか)の一隅(いちぐう)に押しやられて、ほとんど顧みる人もないような種類のものであるが、それだけにまた、将来どうして重要な研究題目とならないとも限らないという可能性を伏蔵しているものである。今までに顧みられなかったわけは、単に、今までの古典的精密科学の方法を適用するのに都合がよくないため、平たく言えばちょっと歯が立たないために、やっかいなものとして敬遠され片すみに捨てられてあったもののように見受けられる。しかし、もしもこれらの問題をかみこなすに適当な「歯」すなわち「方法」が見いだされた暁には、形勢は一変してこれらの「骨董的(こっとうてき)」な諸現象が新生命を吹き込まれて学界の中心問題として檜舞台(ひのきぶたい)に押し出されないとも限らない。
寅彦がこう書いて、92年!!
適当な「歯」はみつかったのだろうか!?
うれしいことに、最初の具体例にあげてくれていたのは「金平糖」だった。
「金平糖」の「ふしぎ!?」を追った日々をおもいだしながら、次なる文を読んだ。
何よりもまずわが国に特有で子供の時からなじみの深い「金米糖(こんぺいとう)」というものの形が自分の興味を引いた。どうしてあのように角(つの)ができるか、どうして角の数が統計的に一定になるか、この疑問を年来いだいて今日に至る間に、おりにふれてはこれによく似たいろいろの問題が次第に蓄積して来た。
一定の解もあげてあったが
ある条件のもとには、偶然的にでき始めた凸凹(とつおう)が次第に成長し、その角(つの)の長さと粒の大きさとには一定の関係がある事、その大きさにある上下の限界のある事などがだいぶわかって来たが、角の数を決定する根本原理についてはまだ充分な解釈を下すに至らなかった。しかしこの物の形の基礎には立体的正多面体の基本定型が伏在していて、条件によってその中の格好なものが成長の萌芽(ほうが)となるであろうという想像がついたようである。
ここからがすごかった。
次々と「あれもあるだろう」「これもそうだろう」と具体例が列挙されていく。
ヘエーと驚くばかりである。
そして、やっぱりこう見るところは「科学」だ!!
とにかく、天然がただものずきや道楽であのような週期的な構造を製作するとは思われないので何かそこに物理的な条件が伏在するであろうと想像するのはやむを得ない次第である。しかしこれはそう思ったというだけのことでなんら具体的の事実を調べたわけではない。
▼まだまだ具体例があっていった。
その「ふしぎ!?」のどこまでわかっているのかの現在地も記されいた。
さすがデアル。
私には今なお未消化の「ふしぎ!?」ばかりであるが、少し興味をもった「割れ目」の問題もあがっていた。
しかし、実験的現象として見た割れ目の現象はなかなか在来の簡単な理論などでは追いつきそうもない複雑多様なものであって、これに関する完全な説明のできる前にはまだまだ非常にたくさんの実験観察ならびにそれからの帰納的要約が行なわれなければならない。そうして新しい「割れ目の方則」が発見されなければならないであろうと想像される。
諸々の「ふしぎ!?」については、まだまだ反芻作業が必要なようだ。
少し「まとめ」をいそごう。
こう考えると、形が不規則だとか、reproducible でないからとか言って不規則な放射像を物理学の圏外に追いやる必要はないであろう。光の場合の不規則は人間の感官認識能力の低度なおかげで「見えない」から平気であるが、現在の場合は「見える」からかえって困るのである。盲者の幸福がここにもある。
とにかくこういうふうに考えれば、完全週期的な縞(しま)と不規則な縞とをひとまとめに論ずる事がそれほど乱暴でないということだけは首肯されるであろう。
以上のほかにも天然の縞模様の例はたくさんあるであろう。
このほかにもまだいろいろあるであろうがあまりに予定の紙数を超過するからまずこのへんで筆をおく事とする。このはなはだ杜撰(ずざん)な空想的色彩の濃厚な漫筆が読者の中の元気で自由で有為な若い自然研究者になんらかの新題目を示唆することができれば大幸である。
この後、<寺田物理学>はどう展開していったのだろう!?
今も未解決の「ふしぎ!?」は!?
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