本日(2025/06/26)、第414回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦

▼今年も「大賀ハス観察池」に、第1号の花芽が大きくたくましく成長してきた。
うれしい!!
これで今年も、「あこがれの4日間」を一回は楽しめそうだ。
それはいつだろう!?
▼本日(2025/06/26)は、第414回オンライン「寅の日」である。
6月のテーマは、古くて新しい「原子論」である。
具体的には「ルクレチウスと科学」を読むのである。
【6月テーマ】「寅彦とルクレチウス」
6月は三回ともこれを続けて読んできた。
本日はその三回目・最終回である。
◆本日(2025/06/26)、第414回オンライン「寅の日」!!
▼今回は目安として
(3) 五、六、後記
を読むこととしていた。あくまで目安だが
<五>
このあたりから、強く寅彦自身の文脈が見えてくるような気がするのである。
この方法論は、実は、はなはだ科学的なものである。彼の考えを敷衍(ふえん)して言えば、経験によって明確に否定されないすべての可能性は、すべて真でありうることを認容してかからねばならないというのである。この事は意外にもかえって往々にして現時の科学者によって忘却される。精密という言葉、量的という標語を持ち出す前にまず考えなければならない出発点の質的のオルターネティヴが案外にしばしば粗略に取り扱われる。
こんなことまで言っていた。
これは、ある意味から、自然方則の変遷を考えているものとも見られる。科学の方則ははたして永劫(えいごう)不変のものであるか。これはきわめてまれにしか持ち出されなかった問題である。
<六>
いよいよ寅彦の本意に近づいて来た。
「なぜ、今 ルクレチウスなのか!?」の答えがこのあたりにあるような気がするのだった。
科学は進歩するが人間は昔も今も同じであるという事を痛切に感じないではいられない。同時に今の科学者がルクレチウスから科学そのものは教わらなくても、科学者というものの「人」について多くを教わりうるゆえんをここにも明らかに認めうると考えるのである。
私はこの書に結末らしい結末のない事をかえっておもしろくも思うものである。実際科学の巻物には始めはあっても終わりはないはずである。
▼いよいよ最後である。
<後記>
寅彦はもっとも言いたかったことをここに集約しているように思う。
このコトバがすべてを語っていた。
ルクレチウスの書によってわれわれの学ぶべきものは、その中の具体的事象の知識でもなくまたその論理でもなく、ただその中に貫流する科学的精神である。この意味でこの書は一部の貴重なる経典である。もし時代に応じて適当に釈注を加えさえすれば、これは永久に適用さるべき科学方法論の解説書である。
少し表現をかえて賞賛が続いていた。
現代科学の花や実の美しさを賛美するわれわれは、往々にしてその根幹を忘却しがちである。ルクレチウスは実にわれわれにこの科学系統の根幹を思い出させる。そうする事によってのみわれわれは科学の幹に新しい枝を発見する機会を得るのであろう。
現代の科学がルクレチウスだけで進められようとは思われない。しかしルクレチウスなしにいかなる科学の部門でも未知の領域に一歩も踏み出すことは困難であろう。
最後に寅彦はとても面白い「座標軸」を提案していた。
今かりに現代科学者が科学者として持つべき要素として三つのものを抽出する。一つはルクレチウス的直観能力の要素であってこれをLと名づける。次は数理的分析の能力でこれをSと名づける。第三は器械的実験によって現象を系統化し、帰納する能力である。これをKと名づける。今もしこの三つの能力が測定の可能な量であると仮定すれば、LSKの三つのものを座標として、三次元の八分一(オクタント)空間を考え、その空間の中の種々の領域に種々の科学者を配当する事ができるであろう。
繰り返しての念押しも忘れていなかった。
誤解のないために繰り返して言う。ルクレチウスのみでは科学は成立しない。しかしまたルクレチウスなしには科学はなんら本質的なる進展を遂げ得ない。
そして、最後の最後にこう言い切った。
また一方私はルクレチウスをかりて自分の年来培養して来た科学観のあるものを読者に押し売りしつつあるのではないかと反省してみなければならない。しかし私がもしそういう罪を犯す危険が少しもないくらいであったら、私はおそらくルクレチウスの一巻を塵溜(ごみため)の中に投げ込んでしまったであろう。そうしてこの紹介のごときものに筆を執る機会は生涯(しょうがい)来なかったであろう。
逆説的であるがきわめて熱く熱くルクレチウスを語っているのである。薦めてくれているのである。
科学者・寺田寅彦が、今から約100年(96年)も前に語っているのである。
<はじめにルクレチウスありき!!>
と。まだまだ反芻作業をつづけよう。
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