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【お薦め本】『「科学知」と「人間知」を結びつけるために わたしの最終講義』(池内 了著 青土社)

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▼最近いろんな事情が重なり、人の講演(講義)を聞く機会が少なくなってきている。
 とても残念である。
 元々不勉強な私はそのような講演(講義)との出会いをきっかけにその方面の学びをはじめるということが多かっただけに、「エネルギー源」をたたれたようで哀しい。
 今の時代だから、YouTubeなどを利用していくらかは補完することもできるかもしれないが、やっぱり生がいい!!
講演者の息づかい、表情、間合い等々を含めた生のお話は、聴かせてもらったものにとっては貴重な「財産」となる。

▼いつかはぜひ生のお話を聴かせてもらいたいと思っている人のひとりに池内了さんがおられた。著書を通じて多くを学ばせてもらってきた。とりわけ「寺田寅彦」についての著作からは実に多くを教えてもらい、勝手にオンライン「寅の日」への「案内人」のように思ってきた。
 その池内氏が副題に「わたしの最終講義」とした本が出た!!
 それが、今回の【お薦め本】だ。

◆【お薦め本】『「科学知」と「人間知」を結びつけるために わたしの最終講義』(池内 了著 青土社 2025.5.28)

 さっそく手に入れ読んでみた。実に面白かった!!
例によって3つのお薦めポイントをあげておく。

(1)多種多彩なる九つの講演・講義(お話)を自由自在に楽しめる!! 
(2)著者の主文脈=「新しい博物学」が豊かに読めてくる!!
(3)読者自身の「これから」に示唆を受ける!!

▼ではポイントのひとつずつを少しだけくわしく語っておく。
(1)多種多彩なる九つの講演・講義(お話)を自由自在に楽しめる!!  
今回は、いつもとちょっとちがった本の読み方をした。
 あくまで講演・講義を想定して「一日一話」を原則として読んでいった。
 たとえ面白そうに思えても、この原則をはずさなかった!!
 ダカラ アリガタイことに 
 九日も池内了氏の「講演会」を楽しめたのだ!!
 この「講演会」はラッキーだった。メモを取る必要もなかった。だってもうそこに「書かれて」いるのだから。
 理解力の落ちてきている私は、「音読」を原則として声に出しながら読み進めた。
 頭の中で整理できにくくなると、スローになったりストップをかけたりした。
 たったひとりの「聴講者」である私の自由自在であつた。
 九つの「講演会」のテーマは、多種多彩であった。
 それは、そのお話が誰を「対象者」(「聴衆」)としていたかを物語るものだった。
 初出は、いつどんな場での講演・講義かはあげてある。
 それにしても驚いてしまう。
 著者の「守備範囲」の広さに!!
 こちらも変化自在に、そのときの「受講者」になって楽しんでしまおう。

次にいこう。
(2)著者の主文脈=「新しい博物学」が豊かに読めてくる!!
 九つの話はバラバラのようにも見えた。
 しかし、底部でしっかりツナガッテイタ!!
 それは、まるで連句のように(「連句」とは何であるかをくわしくは知らないくせに)別個に見えて、ツナガリ全体で1個の「作品」に見えてくる。
 全体の底部に流れる著者の主文脈(提言)、それは
 「新しい博物学」!!
 だと思っていた。ここは著者のコトバを借りよう。

 「新しい博物学」とは、単純に言えば、文系の知恵としてさまざまに展開されてきた諸々の「人間知」と、理系の知識として発見されてきた自然界の構造や運動についての「科学知」とを対等に盛り込んだ物語を楽しむことを目的としています。つまり、文系知と理系知を結び付けた物語を創る試みのことです。(同書P9より)

 その試みは、みごとに成功していました!!
 ここに豊かに語られた九つの「新しい博物学」物語があります。

▼3つ目のポイントにいきます。
(3)読者自身の「これから」に示唆を受ける!!
 3つ目はかなり個人的なことです。
 私にはとりわけ最後の2つの話が興味深かったです。

●第8話 科学者の「歴史の見方」とは?――播磨国の歴史から私の歴史散歩を試みる
●第9話 三〇〇年前の天の河は特定できるのか?――芭蕉と越後と天球の回転

第8話の「播磨国」とは私の「ふるさと」のことです。
 なんとこの講演は我が町でおこなわれたものなんです。残念ながらせっかくのこのチャンスを逃してしまいました。しかし、アリガタイことに、そのときの「記録」がここにあるというわけです。
 「科学と歴史を考える」では、具体的な提言もされています。
 それは、私自身の「これから」についても示唆的で、とても参考になりました。
 私にもできることから少しずつ少しずつはじめたいと思います。
 第9話についても同様です。
 私にとってのあらたな「新しい博物学」の楽しみ方を教えてもらっているようだった。
まだまだ勉強ですね。
 
 “最終講義”となっていますが、ご本人も“挑戦”すると言われいますので、どこかで 生でお話を聴く機会があることを楽しみにしていたいと思います。

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