2024年12月(師走)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会
▼寅日子先生は、俳句の鑑賞について「思い出草」(青空文庫ょり)のなかで、次のように語っていた。
俳句がいわゆる「不易」なものの一断面「流行」の一つの相を表現したものである以上、人の句を鑑賞する場合における評価が作者と鑑賞者との郷土や年齢やの函数(かんすう)で与えられるのは当然であろう。これは何も俳句に限ったことでもないと思われる。
▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
名句の参考にさせてもらうのは、いつものように
である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。
(1) がうゝと深雪の底の機屋かな 皆吉爽雨
(2) 今朝よりは師走を刻む大時計 蓬田紀枝子
(3) 万両や暦日めぐること速し 岸 風三樓
(4) 顔見世の楽屋入りまで清水に 中村吉右衛門
(5) 山国の虚空日わたる冬至かな 飯田蛇笏
(6) 朧月や錦市場に鯛の粗 岡井省二
(7) 跳ぶさまで止る聖夜の赤木馬 秋元不死男
(8) 寒すばる光ふれあふ音降り来 檜山哲彦
(9) またひとり海を見に出る年忘 黛 執
(10) また一つ風の中より除夜の鐘 岸本尚毅
▼次はシロウトの勝手な<選句>である!!
名句ばかりだから、<選句>の作業も迷うばかりだ。
しかし、これもまたけっこう楽しいもんだ。
【私の選んだ名句ベスト3】
(5) 山国の虚空日わたる冬至かな 飯田蛇笏
(8) 寒すばる光ふれあふ音降り来 檜山哲彦
(3) 万両や暦日めぐること速し 岸 風三樓
【次点】
(10) また一つ風の中より除夜の鐘 岸本尚毅
【選評】
・「虚空日わたる」が気に入ってしまった。イメージする景があった!!
・寒いが【宇宙見物】に最高の季節がやってきた。
・今年も「句めくりカレンダー」を注文した。「速し」は実感である。
・またその日がやってくる。その日は「寅彦忌」でもあった。
▼人の句を鑑賞することは、実に面白い作業である。
同じ句でも、ひとによってまったく鑑賞のしかたが変わる。
それがまた面白い!!
ときには、詠んだ本人の意図とはまったくちがう鑑賞もでてくる。
そのことによって、詠んだ世界が膨らんでいくようで楽しい!!
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