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【お薦め本】『うんこ虫を追え』(舘野 鴻 文・絵 福音館)

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▼私はここ15~16年のあいだにとても「ふしぎ!?」な生きもの三つに出会った。
・クマムシ
・ゲホウグモ
・コウガイビル
それらは、少し大袈裟に言えば私のこれまでの「生きもの観」「生命観」「動物観」を根底的にひっくりかえすものであった。
その「ふしぎ!?」は、今なお追いつづけている。
これら生きものについて共通することがあった。それらはみんな共通して我が家の庭で出会ったということである。
最高の「ふしぎ!?」は、もっとも身近にある!!
はほんとうだった。
 
▼ちょっとこういう言い方をするのもおこがましいが、同じように生きものの「ふしぎ!?」を追いかける人と出会った。
 その人が書いた絵本が今回の【お薦め本】である。

【お薦め本】『うんこ虫を追え』(たくさんのふしぎ傑作集)(舘野 鴻 文・絵 福音館 2024.5.10)

 さすが「たくさんのふしぎ傑作集」に選ばれているだけのことはある。
 じつに面白い!!
 いっきょに読んでしまった。

 いつものように【お薦めポイント】3つを先にあげておく。

(1)「ふしぎ!?」を追う楽しさを教えてくれている。
(2)「ふしぎ!?」を追う方法が学べる。
(3)きっと自分でも「ふしぎ!?」を追ってみたくなる。

▼ではひとつずついきましょう。
(1)「ふしぎ!?」を追う楽しさを教えてくれている。
こんな一文からはじまります。

 オオセンチコガネという虫がいる。
 宝石のようにキラキラ輝き、まるっこい体に短い手脚もかわいい。
 そして、この虫の大好物は……うんこ。つまりうんこ虫だ。
 うんこに宝石、このギャップたまらなく魅力的。(同書P1より)

 なんでまた「うんこ虫」なんだ!?
 そんな疑問は、読み進めればすぐにわかってきます。
 「あとがき」に相当する巻末の「わらない。だからおもしろい。」の文は次のようにはじまっています。
 草も虫もケモノも、産まれて死んでいくのはみんな同じ、嫌いな虫も「何をしているんだろう」とか、「頑張ってるんだな」とか、そんなことをふと感じた瞬間に、ちょっと愛おしく見えてくるものです。虫だけではなく、身の回りにある全てのものでも、「知れたい」と思ってじっくり観察していると、その観察対象は自分にとって特別なものになり、不思議と輝いてきて、それまで自分が知らなかったあたらしい世界が見えてきます。おじさんになった私は、今でもそうです。(「わからない。だからおもしろい。」より)

 まったく同感です!!
 「ふしぎ!?」を追いかけるとはそういうことだと思います。

ではふたつ目に行きましょう。
(2)「ふしぎ!?」を追う方法が学べる。
まずは展開をプロットしてみよう。 
「飼ってみる。」
「ちゃんと飼ってみる。」 
「掘り出し。」   
「失敗」
「一瞬のよろこび、そしてまた失敗」
 ナルホド!!うまいな!!
 さすが絵本作家だ。わかりやすい楽しい絵もともなって、この世界に引き込まれていく。
 そして、次だ!!これはホンモノだと思ったのは
「オレフン!」
 なに!?そこまでやるのか!!
 この人の「ふしぎ!?」追う姿勢は半端ではなかった。徹底していた。
姿勢だけではなかった。全てが本格的であった。
「オオセンチタワー。」 
「牧場を掘ってみる。」
「オオセンチタワーの衝撃。」
「オオセンチコガネの育児塊はこう作られる」
「なぜ地下深くに育児塊を作るのか。」
等々とつづいていく。
次々と「ふしぎ!?」が生まれてくる。
その「ふしぎ!?」をどのように「科学する」か、が具体的に語られている。
実に痛快で面白い!!勉強になるな!!

「ふしぎ!?」(疑問)→仮説→実験・観察→結果→考察(「驚きの発見」)
 そして、あらたな「ふしぎ!?」  

著者のコトバを借りよう。

 謎を探究していくと、とんでもない発見をしてしまうことがある。
 けど、それはもともと自然界にあること。
 答えは最初からそこにある。
 私たちが知らないことや見えていないことは、まだまだ山ほどあるのだ。
 謎は次から次にあらわれて、どこまでもつづいていく。(同書P38より)

▼最後のお薦めポイントに行きましょう。
(3)きっと自分でも「ふしぎ!?」を追ってみたくなる。
 これが本命中の本命なのかも知れない。
 これも、著者の誘いのコトバを借りよう。

 みなさん、本に書いてあることが全てではありません。あなたが私と同じことをやってみたとき、違うことが目の前で起こるかもかもしれない。それは誰も知らなかったことだったりします。やってみなければわからないのです。やればやるほどわからない。それが自然界です。わからないからおもしろい。おもしろいから納得いくまでやってみる。そんなことをみなさんと分かち合えたらなと思っています。
 (「ハードカバー版によせて 舘野 鴻」より )

 【アタリマエ!!の蛇足 ふたつ】
その1 絵本だから、とても絵が美しい!!わかりやすい!!面白い!!

その2 これはリクエスト!!
ハードカバー版帯に「国立科学博物館 特別展「昆虫」にて」
(会期2024年7月13日(土)~10月14(月・祝)
「この絵本で描かれている「発見」を展示!」と書かれている。
地方でもその「展示」の機会があるとうれしいな!!

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