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2024年・大賀ハス蓮根の植え替えをした!!(1)(2024/03/29) #大賀ハス #大賀式栽培法

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▼2024年の大賀ハス蓮根植え替えの時期が近づいていた。
 しかし、かなり迷っていた。
 体力的な限界を感じていた。
 これまでのように池(容器)をひっくり返して、蓮根をとりだすという方法に自信をなくしていた。
 新芽も見えていることだし、このままもう一年観察してみようかととも思っていた。
▼やっと、何日かをかけて「蓮根の植え替え」を実施することにきめた。
 少しずつ 少しずつ ゆっくりだ!!
 まずは、観察池のまわりの草刈りからはじめた。
 いっきょに池をひっくり返す力はなかった。
 ナラバ と
 勺で泥水をかえだしてという方法をとることにした。
 1日目、終了時点でまた水をはりいつでも再開できるようにした。

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▼2日目も同じ作業を繰り返した。
 やがて池の底まで全貌が見えてきた!!
 次なる作業にかかるのは、あらためて別の日にということにした。

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▼この作業をはしめるとすぐに、昨年の「たね蓮根」が浮かんできた!!
 真っ黒に炭化しているようだった。

(つづく)

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72号コウガイビルは 5ヶ月を待たずに消えた!!(2024/03/29)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #生命とは

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▼あれっ!?
 居ない!!ヤバイ!!
 水が濁りはじめている!!
 
 一昨日(2024/03/28)には、確かに確認したんだ!!
 72号コウガイビルは袋のなかに居たんだ。
 1ヶ月前のあの姿で。

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▼いくらそう言っても、にわかには誰にも信用してもらえないかも知れない。
 いや、あの若き日のダーウィンならきっと信用してくれるだろう。
 こう「記録」していたのだから。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

▼ダーウィンは「液化」すると表現していた。
 「生命」あるものが、水に溶けいるように「消える」のである。
 もう何度も何度も見てきた「現象」デアル!!
 でもやっぱり「ふしぎ!?」だ!!

◆「コウガイビル」を追う


▼エサなしで長く生き延びた「記録」は
●36号コウガイビルはエサなしで「385日」!!
●第1号コウガイビルはエサなしで「261日」!!
 デアル。
 
●コウガイビルとES細胞
●コウガイビルが生命科学最前線へ


 あらためて問いたい!!
 「生きている」って!?
 「生命とは」!?

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第44回オンライン句会「寅の日」4月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼我らが寅日子先生も「桜」をけっこう多く詠んでいた!!
 それも「ある年」に集中していた。

めぐりさく運動場の桜哉 (明治34年)
図書館の窓から見ゆる桜哉 (明治34年)

 明治34年
 なぜだろう!?

▼「今年の桜をどう詠もうかな!?」と思っているとき、つい気にしてしまうのが「あの人」ならどう詠むのだろう!?
 ということだ。
 「句会」をはじめるまで、そんなこと考えたこともなかったが、それもまた面白いものだ。
 「句会」の楽しみ方も人それぞれ!!

▼その「句会」も新年度を迎える。
 あらためて4月例会の案内をあげておきます。
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第44回オンライン句会「寅の日」4月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2024年4月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2024年4月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2024年4月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼年度が新しくなります。
 新しく参加される方、大歓迎です。
 「俳句」初心者もだいじょうぶ !!
 ぜひ
 いっしょに楽しみながら学んでいきましょう!!
 
 では「句会」で

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Twitter(X)はじめて5,301日目に思うこと!! #Twitter #Twitter的

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▼うつろう季節を「記録」に留め置きたい!!
 ささやかな情報も発信しつづけることが、それにツナガル!!
 ここでも やはり こう思い続けていたからだ。

 「情報は、発信するところに集まる」と。

▼私が、情報発信のツールとしてTwitter(今のX)に出会ったのは2009/09/23である。
 それから、今日で5,301日目であるとlogが教えてくれた。
 そのlogには、「季節」のみならず、いろんな情報が「記録」されていた。

▼私は、Twitterはじめたころから妙なコトバを使い始めていた。
 それは、たとえTwitterが「X」になっても、使いつづけたいコトバであった。
 それが「Twitter的」である。

「Twitter的」とは
 私の勝手な造語である。6つのキーワード・概念からなる。
 Twitterそのものだけを意味しない!!

 Twitter的=
「リンク」
「シェア」
「フラット」
「等身大」
「リアルタイム」
「アクティブ」

 それはネット上の私の流儀であり、哲学だった!!
 ちょっと大げさかな。

▼ほぼ100日ごとに自分の「現在地」を「記録」することにした。
 100日と言えば、ほぼ3ヶ月と10日、各「季節」ごとということになる。

◆新・クラウド「整理学」試論
 
 その「記録」を見ていると、そのとき一番夢中になっていたこともわかって面白い。
 今なら、さしずめ
・「動く大地」を科学する
 ということになるだろう。はたして100日後はどうだろう!?

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本日(2024/03/27)、第375回オンライン「寅の日」!! #津浪と人間 #traday #寺田寅彦

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▼私が、寅彦の療養地「須崎」を2度目に訪れたのは十年近く前のことだった。(2014/11/30)

●1901(明治34)年 寅彦 二十四歳 9月、夏休みに帰省中肺尖カタルを患い、高知県「須崎」の浜で療養。一年間大学を休学。

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▼本日(2024/03/27)は、第375回オンライン「寅の日」である。
 3月テーマは

【3月テーマ】「寅彦と防災・減災」

 である。
 本日はその三回目(最終回)、読むのは 「津浪と人間」である。

◆本日(2024/03/27)、第375回オンライン「寅の日」!!

●「津浪と人間」(青空文庫より)


▼警鐘「天災は忘れられた頃来る」三部作のひとつ
 ぜひ読んでおきたい随筆だ!!
 何度読んでも読むたびに、あらたな「発見」がある。それが寅彦の凄さでもあった。

 まずは、このアタリマエを最初に語っていた。

  同じような現象は、歴史に残っているだけでも、過去において何遍となく繰返されている。歴史に記録されていないものがおそらくそれ以上に多数にあったであろうと思われる。現在の地震学上から判断される限り、同じ事は未来においても何度となく繰返されるであろうということである。

 さて、それから更に三十七年経ったとする。その時には、今度の津浪を調べた役人、学者、新聞記者は大抵もう故人となっているか、さもなくとも世間からは隠退している。そうして、今回の津浪の時に働き盛り分別盛りであった当該地方の人々も同様である。そうして災害当時まだ物心のつくか付かぬであった人達が、その今から三十七年後の地方の中堅人士となっているのである。三十七年と云えば大して長くも聞こえないが、日数にすれば一万三千五百五日である。その間に朝日夕日は一万三千五百五回ずつ平和な浜辺の平均水準線に近い波打際を照らすのである。

 もっとも肝要なところが、ここだ!!
 しかし困ったことには「自然」は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである。紀元前二十世紀にあったことが紀元二十世紀にも全く同じように行われるのである。科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。

▼ナラバ 寅彦は続けていた!!

しかしそれが出来ない相談であるとすれば、残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するより外はないであろう。

 津浪の恐れのあるのは三陸沿岸だけとは限らない、寛永安政の場合のように、太平洋沿岸の各地を襲うような大がかりなものが、いつかはまた繰返されるであろう。その時にはまた日本の多くの大都市が大規模な地震の活動によって将棋倒しに倒される「非常時」が到来するはずである。それはいつだかは分からないが、来ることは来るというだけは確かである。今からその時に備えるのが、何よりも肝要である。

 
 そして、「科学」「科学教育」を熱く語るのだった。
人間の科学は人間に未来の知識を授ける。

それで日本国民のこれら災害に関する科学知識の水準をずっと高めることが出来れば、その時にはじめて天災の予防が可能になるであろうと思われる。この水準を高めるには何よりも先ず、普通教育で、もっと立入った地震津浪の知識を授ける必要がある。

それで日本のような、世界的に有名な地震国の小学校では少なくも毎年一回ずつ一時間や二時間くらい地震津浪に関する特別講演があっても決して不思議はないであろうと思われる。地震津浪の災害を予防するのはやはり学校で教える「愛国」の精神の具体的な発現方法の中でも最も手近で最も有効なものの一つであろうと思われるのである。

 寅彦はやはり警鐘を鳴らし続けていた!!
 
 これで、オンライン「寅の日」12年目は終わりです。
 13年目もよろしくお願いします。

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「動く大地」を科学する(7) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地形と地質 #地質図 #化石 #石灰岩 #フズリナ

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▼再び暮らす大地を俯瞰してみる。
 南北に流れる市川
 東西に走る中国縦貫道
 この地形から読み取る「動く大地」の物語!!

▼地形と地質とのあいだにも意味深い関係が!?
 地質図をひっぱり出してくる。
 よくぞそこまで調べられているものと感心してしまう。
 鍵は「山地」にありそうだ!!

▼私にもわかりやすいところからいこう。
・日光寺山(標高408.4)
 いつも見ている山だ!!
 なんとそこに「フズリナ」の化石がみつかっているという。

● 兵庫県福崎町東部か ら発見 された二 畳 紀 化 石 (後 藤 博 彌* 山 際 延 夫* 1977)

▼「石灰岩」「フズリナ」は実に多くのことを教えてくれていた!!
 山はずっと高い山だったわけではない。
 山は海だったんだ!!
 山は「動く大地」の生き証人かも!!

 <きまり>
 化石は山地。(山地は化石)

(つづく)

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【Web更新3/24】24-12 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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街道のまつすぐのびて土筆哉 24/03/23撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】24-12
週末定例更新のお知らせ
 年度末である。
 すべての環境が大きく変化するシーズンである。
 もうそういう環境から遠ざかって、だいぶん月日が経つ。
 でもやっぱり染みついてしまった習慣がある。

 すぎ来しみちはなつかしく
 ひらけくるみちはたのしい。
 みちはこたえない。
 みちはかぎりなくさそうばかりだ。(『峠』より)

◆表紙画像集2024 更新 土筆
 まっすぐのびるその道が旧街道と聞いたことがある。
 ほんとうだろうか!?
 確かめることもなく 今日まできてしまった。
 川沿いの土手 気づけば土筆が!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 今年6冊目の【お薦め本】だった。
 「科学する」シリーズは、「動く大地」を科学する!!
 きわめて気まぐれの間歇的になるだろうが、歩みはとめないつもりだ。

◆オンライン「寅の日」更新!!
 4月から13年目の取り組みがはじまる。
 4月テーマは、「寅彦と科学教育」である。
 あらたに「寅彦」を読み始める人がひとりでも多くなることを願っている。
 
 大賀ハス観察池。蓮根の植え替えから52週目である。
 今年の植え替えは!?
 思案するばかりである。

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「動く大地」を科学する(6) #動く大地 #現在進行形 #科学する #鍵層 #テフラ時計 #姶良火山灰 #AT #キナコ #姶良カルデラ

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▼「動く大地」の物語の謎解きをするとき、いつもつまづいてしまうふたつのスケールの問題があった。
・時間のスケールの問題
・空間のスケールの問題
 いずれも、膨大すぎて日常の概念とかけはなれすぎていてなかなかなじめないのです。
 
▼ところがアリガタイものがあった!!
 例えば「地層」の形成された歴史の謎解きをやっているときに、「鍵」となるような地層がある。
 「鍵層」(キーベッド)である。
 火山灰層もそのひとつである。ある限られた期間の間に、巨大噴火にともなって噴出した火山灰が、偏西風にのってたいへん広い範囲に飛ばされた。そして、堆積しその地層に含まれていたら、「時間のスケール」を決定する重要な「鍵層」になる!!
 そんな火山灰層のひとつに「姶良火山灰層」がある。
 とても興味を持っていて<科学読みもの>を書いたこともある。

◆科学読みもの 「姶良火山灰を追え」

 最近の研究では、巨大噴火は約2万9千年前~2万6千年前ということになっているようです。

▼まったくシロウトの私は、これがとっても気に入り40年ほど前から追いかけてきました。
 ネットをはじめたときも、これに関する情報をあつめていました。
 ところがなんと、偶然に自分の暮らす町にもこの「姶良火山灰層」をみつけたのです。
 灯台もと暗し ですね。
 そして、こんなページをつくっていました。

◆「姶良火山灰を追え」


▼ずいぶん久しぶりに、その場所にでかけて行きました。
 25年以上経った今、そこの景色はまったく変わっていました。
 道路の反対側に、崖がみられましたが、それらしい地層はみられなかったです。
 「町史」等を参考に、その地層をさがしつづけてみたいと思っています。

(つづく)

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「動く大地」を科学する(5) #動く大地 #現在進行形 #科学する #河岸段丘 #円礫 #河原 #段丘面 #隆起

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▼ずっと気になっていた坂道があった。
 久しぶりに、その「坂道」に自転車ででかけてみた。
 気になるのはその「坂道」とそのそばの「崖」だった。
 
▼「崖」にみられるのは、大小多くの「礫」だった!!
 「礫」は「かど」のとれた「円礫」だ。
 
 そこが河原だった!!

 それは私にもわかった!!

▼現在の川の流れから、少し隔たり高い位置にあった!!
 その坂道の上は平らな平地が広がっていた。
 「河岸段丘」
 「段丘面」(テラス)
 「段丘崖」
 「隆起」
 
 この地形が、どんな「動く大地」の歴史物語を教えてくれているのだろう。

▼この崖は、市川の東岸にあった。
 「河岸段丘」の地形は、西岸より東岸の方が顕著であるという。
 どうしてだろう!?
 他の地域との関連は!?
 六甲山形成と関係しているってほんとかな!?

 この段丘地形の年齢は!?
 「ふしぎ!?」は次々と…。

(つづく)

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「動く大地」を科学する(4) #動く大地 #現在進行形 #科学する #川と地形 #堆積 #地層 #沖積層

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▼ゆっくり ゆっくり 「科学する」を進めよう。
 次は

3.地層はどのようにして
  ・川のはたらき

 である。

▼今回は、できるだけ「現地」に出かけて行って「科学する」を続けてみたいと思っている。
 町のまんなかを北から南へ流れる川を見に行った。
 流れの様子
 河原の様子もけっこう変化しているものである!!

▼景をみながら、流水のはたらきをなぞってみる。
・風化
・侵食
・運搬
・堆積
 ここでは今何が!?

かつて繰り返してきた<きまり>を思いだした。
<きまり>
 山地は侵食、平地は堆積
 山地の雨・雪、平地の洪水

▼コトバの<きまり>も

 今も堆積している、あたらしいやわらかい地層を「沖積層」という。

 そう すべての「動く大地」の物語は、現在進行形だ!!
 川の流れのように!!

(つづく)
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【お薦め本】『ウマは走るヒトはコケる 歩く・飛ぶ・泳ぐ生物学』 (本川達雄著 中公新書)

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▼私は、糖尿病対策と「ひとり吟行」をかねて、基本的に毎日きめた歩数以上「歩く」ようにしている。
 ちょっと天気の悪い日などがつづいて、「歩く」のをさぼっていると、体調悪く感じてしまう。また目を悪くしてしまい、車で移動することがなくなってしまっていた。
 そんなこともあって、最近「歩く」にとっても興味を持っていた。

▼そんなとき、あの名著『ゾウの時間 ネズミの時間』の著者が、とても興味深いタイトルの近著を出しておられるのを知った。
それが今回の【お薦め本】である。

◆【お薦め本】『ウマは走るヒトはコケる 歩く・飛ぶ・泳ぐ生物学』 (本川達雄著 中公新書 2024.2.25)

 最初から正直にことわっておく。
 いつものことと言えばそれまでのことだが、ポンコツ頭の私には、この本の内容をまだよくわかっていなかった!!
 それなのになんで【お薦め本】にあげるのだと言われれば困ってしまう。
 でもやっぱり【お薦め本】にあげておきたかった。
 それはなぜだろう!?
 自問自答しながら、これを書いている。

 いつものように、【お薦めポイント】3つをあげておく。
 やや的外れという気もするが

(1)動物の「動く」を「力学」で読み解く!!
(2)アタリマエに見えていた動物の「動く」に感動する!!
(3)私の「動く」を科学してみたくなってきた!!

▼私が理解できる範囲でということで、ポイントひとつずつみていこう。
 
(1)動物の「動く」を「力学」で読み解く!!

  動物の「動く」をこのように理解していた。
 だから「はじめに」の冒頭の文にはうんと納得できた。

 動く物と書いて動物。動物の最も動物らしいところは動くところだろう。餌を求めて出歩く、逆に餌にされそうになったら逃げる。時節になれば異性を求めてうろつく。季節ごとに棲みやすい環境を求めて長距離の渡りをするものもいる。サンゴやフジツボのように海底に固着している動物でも、幼少時代には大海原を移動して棲息場所を広げている。
(同書「はじめに」ⅰより)

 その「動く」をより豊かに語ってくれるのだろうと期待していた。
 ところが、正直言ってページめくるたびに仰天してしまった。
【コラム】には
・テコ  
・ニュートンの運動の法則
・運動量保存則とフルード効率
等々
 本文にも「流体力学」「連続の原理・ベルヌーイの原理」「抗力と流線形」等などごくアタリマエにでてくるのである。
 物理・力学などあまり得意でない私は面食らってしまった。
 そりゃそうだけど!?
 なんだろうこの違和感!!
 ちょっと期待を裏切られた気分でいた。ポンコツ頭の私には「力学」と「生物学」は別々の引き出しにしまれていた。(たいした「知識」ではないが)
 しかし、最後の最後に、「おわりに」書かれたこの本の本意を読んだとき、この本がやっぱり【お薦め本】でまちがいないと思いだした。
 少し長いが引用させてもらう。

 子供は生きものが大好きだし、小学校や中学校で目に見える生物のことを学んでいる間は理科生物分野という教科も好き。だが、中学三年でメンデル遺伝の法則という目には見えないものが出てきたとたんに生物嫌いが増える。
 重力や弾性力も見えないものだが、コケれば痛いしゴム製のパチンコの弾が当たればやはり痛い。これらの力は実感できるものなのである。だからそれらを使って説明すれば、自身の歩行や他の動物の動きも、そして動きの基礎になっている体の構造も、中学生なら実感を伴って理解できると筆者は思う。しかし重力や弾性力を中学物理分野できちんと学習した後でなければ、生物の授業でそれらを使った説明を行ってはいけないことになっている。そのため、動物の運動や、脊椎や肢の働きについて中学校ではきちんと説明されることなく、その状態のまま高校で分子生物学を学ぶことになる。
 日々の生活に密着した運動と「それを可能にするために体がこんなふうにできているんだなあ」という実感を伴った理解。これらは良い社会人になり、健康な毎日を過ごすためには必須の生物学上の知識・理解だと筆者は強く感じているのだか、それを得る機会が、初等中等教育のどこにもない。だからこそ本書を書いた。(同書P285より)

 (2)アタリマエに見えていた動物の「動く」に感動する!!
 そういうことか!!
 そのつもりになって本書を読み返してみると、ますます面白い!!
 今までのアタリマエが感動的に見えてくる。
 「ヘエー、うまいことなっとるな!!」
 「誰がこんなすごいこと考えたんや!?」
 「これぞ科学や!!」
などとひとり言を連発していた。
 変なところにも感動していた。

 歩く場合は肢を持ち上げて前に出す必要がある。肢が3本ならば、そのうち1本をもちあげれば2本肢で立つことになり、体は不安定になってしまう。肢が4本あれば、1本を持ち上げてもまだ3本は地面に着いており、この3本の肢の描く三角形から重心がはずないようにしながら肢を踏み出せば、体が不安定になることはない。4本肢とは静的安定を保って歩ける最低の本数なのである。実際、どの四肢動物においても、非常に遅く歩く場合には常に静的安定を保ちつつ進む。(同書P15より)

 おおっ、これぞ「立春の卵」の力学ではないか!!
 こんなのもあった。

結局、歩行においては重心を上げて重力位置エネルギーを蓄え、次に重心を落下させて蓄えた位置エネルギーを運動エネルギーへと転換して重心を前へと押し進め、さらにこの運動エネルギーを使い重心を再度押し上げて位置エネルギーとして保存し、またこれを次の一歩に使う。こうして重力位置エネルギーと運動エネルギーを相互に転換することにより、エネルギーを再利用し、輸送コストを節約しているのが、倒立振り子のように肢を振る歩行である。(同書P56より)

  このように、きわめてアタリマエのことも、「力学」で科学してもらえば、うんと納得がいくのである。    
やがてこの本のタイトル『ウマは走る ヒトはコケる』の意味も少しずつ見えてくるのだった。
 私は、なかでも特に興味をもった動物の「動き」 は「飛ぶ」である。

 鳥の体には飛ぶためのさまざまな工夫が見られる。(1)体の軽量化。(2)強力な飛翔筋とそれを支える骨格系。(3)効率の良い翼を形成する羽根(羽毛)。羽根はまた高空を高速で飛んでも体が冷えないよう、体温を高く一定に保つ役目もはたす。鳥の体温は40~42℃と哺乳類よりも高い。飛ばないダチョウの体温は哺乳類と同じであり、高い体温は飛行に必要な高い代謝率に寄与している。(4)高い代謝率を保てる効率の良い呼吸系。これにより飛翔筋への大量エネルギー供給が可能になっている。(同書P209より)

 繰り返し出てくるコトバは「うまいことなっとるな!!」ばかりだった。 
 これぞ「進化」のなせるデザインなんだろうか。
 この本を読んだ後、毎日見ている鳥たちの「動き」が気になってしかたない!!
 鳥たちはやっぱり超すごい!!

▼最後のポイントにいこう。 
(3)私の「動く」を科学してみたくなってきた!!
 最初に述べた私の「動く」に関連して、とても興味をもった章があった。
 それが、第4章「車輪」である。
 「自転車」を褒めているのだった。
 

 車輪の悪口を言ってきたのだが、こうして舗装道路を張り巡らしてしまったのだから、せめて排気ガスを出さない車輪を大いに使おうではないかという議論をしたい。

 自転車を褒めたいのである。自転車はなんと言っても効率がいい。海から陸上に上がってしまつた動物では、一番力を使うのは体を持ち上げておくところ。歩行・走行の垂直成分(体を持ち上げる力)は水平方向(推力)の8倍。それほど体を持ち上げるのには力が要り、それにはエネルギーを使う。その分がないから自転車は楽に進めるのである。(同書P106より)

 話は徹底していた!!
 これがまた面白いのだが、このあと「自転車の歴史」へとつづくのだった。
 そして、最後には著者の持論「自転車のすすめ」が登場するのだ。

 それに対して機械を使っていると言っても、自転車は自分が汗を流して動かすものである。風を受け、景色を楽しみ、きょうも生きているなあと感じられ、乗ること自体を目的として楽しむことができる。自転車ならば通勤は活動的行為となり得る。
 機械を使うとどうしても主役が機械になってしまう。それに対して自転車は機械というより、自分の手足の働きを助ける道具であり、主役は人間で、道具はアシスタント。現代の暮らしは過度に機械に頼り、機械に使われている感があるが、なるべく人を主役にして機械はそれをアシストするように使って、その分、機械のエネルギー消費量を減らすことを考えた方が良い。その観点からすると、自転車はまさに優等生であり、「アシスト自転車」という言葉は象徴的である。(同書P117より)

 大賛成デアル!!
 実は最初に言ったような事情で、自動車の利用がこれまでのようにいかなくなっていた。そこで、新しく「自転車」を購入していた。
 この「自転車のすすめ」を読んで、もっとこの自転車を利用しようと思いだした。
 えらく個人的な私の「動く」の話になってしまつたが。

 「歩く」を含めて、私自身の「動く」を楽しく科学してみたい!!

 

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2024年4月のオンライン「寅の日」は #科学教育 #traday #寺田寅彦

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「ねえ君、不思議だと思いませんか」
 このコトバもやはりあの中谷宇吉郎が文字に書かれたコトバとして残してくれていた!!
 『指導者としての寺田先生』(青空文庫より)

 私が理研にいた三年の間に、先生の仕事を手伝った主な題目は火花放電の研究であった。ずっと以前、先生が水産講習所へ実験の指導に行っておられた頃の話であるが、その実験室にあったありふれた感応起電機を廻(まわ)してパチパチ長い火花を飛ばせながら、いわゆる稲妻形に折れ曲(まが)るその火花の形を飽(あ)かず眺めておられたことがあったそうである。そして先(ま)ず均質一様と考うべき空気の中を、何故(なぜ)わざわざあのように遠廻りをして火花が飛ぶか、そして一見全く不規則と思われる複雑極まる火花の形に或る統計的の法則があるらしいということを不思議がられたそうである。「ねえ君、不思議だと思いませんか」と当時まだ学生であった自分に話されたことがある。このような一言(ひとこと)が今でも生き生きと自分の頭に深い印象を残している。そして自然現象の不思議には自分自身の眼で驚異しなければならぬという先生の訓えを肉付けていてくれるのである。(「指導者としての寺田先生」より)

▼2024年4月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 13年目スタートの月である。
 新年度になって、はじめて科学(理科)教育にたずさわる方も多くあるだろう。
 オンライン「寅の日」へのお誘いをかねて、4月テーマは次のようにしたい。

【4月テーマ】「寅彦と科学教育」

 2024年4月のオンライン「寅の日」は2回ある。

■2024年4月のオンライン「寅の日」!!
◆第376回オンライン「寅の日」 …4/08(月)
◆第377回オンライン「寅の日」 …4/20(土)


▼ではなにから読み始めるか。
 まずは定番としてきたあの名随筆「科学者とあたま」を読みたい。
 そして、次には寅彦の教育に対しての提言にも耳を傾けてみたい。
「マーカス・ショーとレビュー式教育」、その提言は今も有効だろうか!?

■2024年4月のオンライン「寅の日」!!

◆第376回オンライン「寅の日」 …4/08(月)「科学者とあたま」(青空文庫より)

◆第377回オンライン「寅の日」 …4/20(土)「マーカス・ショーとレビュー式教育」(青空文庫より)


▼13年目のスタート、どんな月になるだろうか。
 あらたな展開があることが楽しみだ!!
 
 多くの人の多様な「文脈」で、寅彦が読まれることに期待したい!!

 

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オンライン「寅の日」12年の歩み(5) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #土佐の寅彦詣 #定番スポット #記念オフ #サイエンスカフェ

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▼私は、2012年8月の終わりから寺田寅彦に学ぶ旅をはじめた。

【2012年】
・2012.08.29~09.01  「土佐の寅彦 寺田寅彦記念館友の会公式HP」を参考に
(寺田寅彦記念館、文学館、小津神社、江ノ口小学校、須崎、墓所など)
 これまでのところ、11回の旅をつづけている。
 実に多くのことを学ばせてもらうことができた。アリガタイ!!
 私はこの旅を勝手に「土佐の寅彦」詣とよんでいる。
 
▼「土佐の寅彦」詣で必ず訪れる定番スポット5つをきめていた。
 (1) 寺田寅彦記念館
「天災は忘れられた頃来る」
・ゆかりの地めぐりの起点
・友の会

(2) 高知県立文学館(寺田寅彦記念室)
   ・三本のビデオ
   「渦巻きの実験」
   「地滑りの実験」
   「割れ目と生命の実験」

(3) 墓所
オンライン「寅の日」の進捗状況を必ず報告

(4) 高知地方気象台遠隔露場
・江ノ口小学校の近く
・1940年(昭和15)1.1より観測を開始
・「ウィドプロファイラ」(高層気象観測のための)がある。

(5) 寺田寅彦の銅像(2018.07.24~)

 これにプラスして、気になる場所をおとずれることにしている。
 12回目の機会を楽しみにしている。
 そのときは墓所で、どのように報告しようかな。

▼これまでにとても楽しい企画として、記念オフを実施してきた。
◆オンライン「寅の日」100回達成記念オフin神戸 (2015/06/20 )

◆オンライン「寅の日」200回達成記念企画in名古屋(2018/08/28) 
・場所 『金平糖博物館』(愛知菓子会館内)
・内容 「金平糖の不思議研究」 
   『金平糖博物館』の見学と中田友一先生(中京大名誉教授)のお話!!
    金平糖研究の第一人者のお話は実に面白かった。

  300回達成記念オフは、コロナ禍で実施することができなかったが、400回達成記念オフはぜひやりたいものである!!

▼これからの展開として、サイエンスカフェ「寅の日」を活用した取り組みに期待している。
・Facebook版サイエンスカフェ「寅の日」(2019.03.10)
・よりパブリックな場での展開!!

 13年目もできることから少しずつ 少しずつ

(了)
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【Web更新3/17】24-11 オンライン「寅の日」等 更新!!

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但馬へと列車向かうや雪柳 24/03/16撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-11
週末定例更新のお知らせ
 暑さ寒さも彼岸まで
 毎年よ彼岸の入りに寒いのは 子規
 どちらも正しい!!
 季節は行きつ戻りつ移ろいゆくものだ!!

 さて、お彼岸過ぎれば…

◆表紙画像集 更新 雪柳
 急行列車が通り過ぎれば、こぼれおちそうな雪柳!!
 列車の向かうのは 但馬か!?
 小米花 小米桜 とはうまく言ったものだ。
 
◆オンライン「寅の日」 更新!!
オンライン「寅の日」12年の歩み
 長かったようでもあり、またたく間のことでもあるような気がする。
 「にわか寅彦ファン」としては、面白くなくなつたらすぐやめようと思っていた。
 それなのに
 思えば遠くへきたもんだ!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 こちらの方は、スタートしてまもなく13年である!!
 「サイエンスコミュニケーター」「科学」に少しでも関連しそうだと思ったら、ここにほり込んできた!!
 13年間の「未整理箱」のようなもの。

 
 大賀ハス観察池。蓮根の植え替えから51週目である。
 もうそろそろ、今年の植え替えの時期が近づいている。
 思案するこばかりで、なかなか計画がたてられない。どうしようかな!?

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オンライン「寅の日」12年の歩み(4) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #俳句入門 #オンライン句会 #気象入門 #Webテキスト

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▼【お薦め随筆】寺田寅彦の「○○随筆」十選 を続けよう!!
 次は「俳句入門」である。

◆寺田寅彦「俳句入門」十選 !!
(1) 俳句の精神 11
(2) 天文と俳句 11
(3) 俳諧の本質的概論 7
(4) 思い出草 3
(5) 伊吹山の句について 3
(6) 俳句の形式とその進化 2
(7) 子規の追憶 2
(8) 俳諧瑣談 2
(9) 夏目漱石先生の追憶 3
(10) 連句雑俎 2

▼この取り組みは、やがて俳句結社「寅の日」にツナガリ、やがてはオンライン句会「寅の日」誕生につながった!!
 オンライン句会「寅の日」は、第43回3月例会が進行中である。

◆第43回オンライン句会「寅の日」3月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

▼最後は、「気象入門」である。

◆寺田寅彦「気象入門」八選 !!
(1) 颱風雑俎 9
(2) 茶わんの湯 8
(3) 夕凪と夕風 7
(4) 海陸風と夕なぎ 5
(5) 春六題 3
(6) 伊吹山の句について 3
(7) 凍雨と雨水 2
(8) 自然現象の予報 1

▼元祖「雲見」は賢治!!
 寅彦は元祖【宇宙見物】!!
 とばかり思い込んでいた。それはこれら「気象入門」八選を読んでいると勘違いであったと気づいてきた。
 寅彦は「雲見」のプロでもあった!!

◆Webテキスト『天気の変化』試案

 にツナガッテいけばうれしいな!!

(つづく)

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オンライン「寅の日」12年の歩み(3) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #防災 #減災 #科学 #科学教育

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オンライン「寅の日」12年間で読んだ119編の随筆をやや強引であるが、次の4つに分類していた!!

  A 【防災・減災】『天災は忘れられたる頃来る』 11編
  B 【科学・科学教育】『ねえ君、不思議だと思いませんか?』 88編
  C 【俳句】『歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である』 13編
  D 【気象】寅彦の「雲見」!! 7編 

▼そして、これまた勝手なことだが

●【お薦め随筆】寺田寅彦の「○○随筆」十選!!

 というのをきめていた。毎年、微妙に更新をしている。
 毎月の計画をたてるのに参考したり、オンライン「寅の日」を紹介するときに利用している。

▼では、さっそくそれをみていこう。

◆寺田寅彦「防災・減災」十選!!
(1) 日本人の自然観 13
(2) 天災と国防 12
(3) 津浪と人間 10 
(4) 颱風雑俎 9
(5) 神話と地球物理学 6
(6) 地震雑感 5
(7) 小爆発二件 2
(8) 流言蜚語 1
(9) 災難雑考 1
(10)銀座アルプス1

 特に寅彦の晩年に書かれた(1)~(3)を、防災・減災 三部作とよんでいる。

▼また、科学(理科)教育に焦点をあてて次をきめている。

◆寺田寅彦「科学(理科)教育」十選!!
(1) 科学者とあたま 11
(2) 研究的態度の養成 8
(3) 雑感(「理科教育」より) 8
(4) 科学上の骨董趣味と温故知新 6
(5) 物理学実験の教授について 6
(6) 科学に志す人へ 3
(7) マーカス・ショーとレビュー教育 2   
(8) 方則について 1
(9) 物理学の応用について 1
(10) 知と疑い 1

 現在も有効な「提言」もいっぱいあり、学ぶところが多い。

(つづく)

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本日(2024/03/15)、第374回オンライン「寅の日」!! #天災と国防 #traday #寺田寅彦

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▼私がはじめて寅彦の警鐘=「天災は忘れられたる頃来る」を見たのは、2012年8月の終わりだった。

●寺田寅彦を訪ねて(2) #traday

▼本日(2024/03/15)は、第374回オンライン「寅の日」!!
 3月テーマは

【3月テーマ】「寅彦と防災・減災」

 である。
 本日はその二回目、読むのは 「天災と国防」である。

◆本日(2024/03/15)、第374回オンライン「寅の日」!!

●「天災と国防」(青空文庫より)

▼実は寅彦の警鐘そのものは、文字に書かれたコトバとしては残っていなかった。
 もっとも警鐘に近いことが書かれているのが、この「天災と国防」だと言われている。
 では近づいてみよう。

 日本はその地理的の位置がきわめて特殊であるために国際的にも特殊な関係が生じいろいろな仮想敵国に対する特殊な防備の必要を生じると同様に、気象学的地球物理学的にもまたきわめて特殊な環境の支配を受けているために、その結果として特殊な天変地異に絶えず脅かされなければならない運命のもとに置かれていることを一日も忘れてはならないはずである。

 しかしここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。

 文明が進むに従って人間は次第に自然を征服しようとする野心を生じた。そうして、重力に逆らい、風圧水力に抗するようないろいろの造営物を作った。そうしてあっぱれ自然の暴威を封じ込めたつもりになっていると、どうかした拍子に檻(おり)を破った猛獣の大群のように、自然があばれ出して高楼を倒壊せしめ堤防を崩壊(ほうかい)させて人命を危うくし財産を滅ぼす。その災禍を起こさせたもとの起こりは天然に反抗する人間の細工であると言っても不当ではないはずである、災害の運動エネルギーとなるべき位置エネルギーを蓄積させ、いやが上にも災害を大きくするように努力しているものはたれあろう文明人そのものなのである。

 さらに近づいてみよう。
 それで、文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか。

▼そしていよいよである。
 警鐘=「天災は忘れられたる頃来る」にもっとも近いと言われているのが、ココだった!!

そのおもなる原因は、畢竟ひっきょうそういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顛覆てんぷくを忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう。

 つづけてこうも言っていた。
 しかし昔の人間は過去の経験を大切に保存し蓄積してその教えにたよることがはなはだ忠実であった。
 
時の試練を経ない新様式の学校や工場が無残に倒壊してしまったという話を聞いていっそうその感を深くしている次第である。やはり文明の力を買いかぶって自然を侮り過ぎた結果からそういうことになったのではないかと想像される。
 
天然を相手にする工事では西洋の工学のみにたよることはできないのではないかというのが自分の年来の疑いであるからである。

古い民家の集落の分布は一見偶然のようであっても、多くの場合にそうした進化論的の意義があるからである。そのだいじな深い意義が、浅薄な「教科書学問」の横行のために蹂躙(じゅうりん)され忘却されてしまった。そうして付け焼き刃の文明に陶酔した人間はもうすっかり天然の支配に成功したとのみ思い上がって所きらわず薄弱な家を立て連ね、そうして枕(まくら)を高くしてきたるべき審判の日をうかうかと待っていたのではないかという疑いも起こし得られる。

そして、さらにはこうも言っていた。
 戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない。その上に、いついかなる程度の地震暴風津波洪水(こうずい)が来るか今のところ容易に予知することができない。

天災の起こった時に始めて大急ぎでそうした愛国心を発揮するのも結構であるが、昆虫(こんちゅう)や鳥獣でない二十世紀の科学的文明国民の愛国心の発露にはもう少しちがった、もう少し合理的な様式があってしかるべきではないかと思う次第である。
 

寅彦がこう書いたのは、1934(昭和9)年である。
ちょうど 今から90年前である。
時代背景もちがう。しかし、確かなことがある。

寅彦は警鐘=「天災は忘れられたる頃来る」を鳴らし続けていた!!
90年の時空を超えて、今も警鐘は響いてくるのである!!

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オンライン「寅の日」12年の歩み(2) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #青空文庫

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オンライン「寅の日」12年間で何を読んできたのか を続ける。
 続けて読んだ回数の多いものからならべてみる。
【7回】
12 俳諧の本質的概論      
13 夕凪と夕風

【6回】
14 科学上の骨董趣味と温故知新
15 神話と地球物理学
16 日常身辺の物理的諸問題   
17 物理学実験の教授について   

【5回】
18 海陸風と夕なぎ
19 地震雑感
20 藤の実
21  自然界の縞模様
22 物理圏外の物理現象

【4回】
23 量的と質的と統計的と    
24 物質群としてみた動物群
25 ルクレチウスと科学
26 レーリー卿  
27 身長と寿命          

【3回】
28 思い出草
29 線香花火
30 金平糖 
31 春六題
32 地図をながめて 
33 蓑虫と蜘蛛
34 蜂が団子をこしらえる話  
35 5月の唯物観         
36 伊吹山の句について
37 うじの効用
38 科学に志す人へ        
39 科学者と芸術家        
40 夏目漱石先生の追憶
41 化け物の進化         
42 怪異考            
43 電車の混雑について

▼読んだ回数だが、いろんなケースがある。
 例えば「ルクレチウスと科学」 「レーリー卿」などの場合、長編であるので1ヶ月で何回かに分けて読んだこともある。
 そんな場合も、一回としてカウントした。
 またひとつの随筆集の場合、そのなかの一編を取りだして読んだときも一回としたときもあるし、随筆集全体で一回としてカウントしたこともある。だから、いろいろであった!!
 回数の少ないものもつづけよう。

【2回】
44 からすうりの花と蛾
45 コーヒー哲学序説
46 西鶴と科学
47 コスモスとアリ(柿の種)
48 凍雨と雨水
49 小爆発二件
50 団栗             
51 俳句の形式とその進化     
52 子規の追憶          
53 俳諧瑣談
54 物理学と感覚
55 柿の種 
56 とんびと油揚         
57 アインシュタイン        
58 連句雑俎
59 とんぼ
60 マーカス・ショーとレビュー教育  
61 視角             
62 沓掛より           
63 夏の小半日          
64 映画芸術
65 花物語

【1回】
66 音の世界
67 においの追憶
68 毛ぎらい           
69 エレベーター         
70 流言蜚語          
71 田園雑感            
72 路傍の草
73 日本楽器の名称         
74 火山の名について       
75 歌の口調
76 詩と官能            
77 感覚と科学
78 蓑虫
79 案内者            
80 災難雑考
81 方則について         
82 新春偶話            
83 物理学の応用について     
84 知と疑い
85 自然現象の予報        
86 静岡地震被害見学記
87 小さな出来事         
88 三斜晶系           
89 やもり物語          
90 夏              
91 秋の歌            
92 カメラをさげて        
93 疑問と空想           
94 透明人間           
95 製陶実演           
96 向日葵            
97 竜舌蘭
98 映画の世界像
99 映画の時代
100 庭の追憶
101  漫画と科学  
102 鉛をかじる虫
103 新星(「小さな出来事」)
104 凌霄花(「花物語」)
105 森の絵
106 震災日記より
107 ピタゴラスと豆
108 言語と道具
109 ラジオ雑感
110 鐘に釁る
111 随筆難
112 アインシュタインと教育観    
113 なぜ泣くか
114  夢

▼ここより5編は今年度あたらしく読んだものである。

115 こわいものの征服
116 病室の花
117 瀬戸内海の潮と潮流    
118 塵埃と光
119 銀座アルプス

 以上合計 119編 だった。

▼番外編もあった。

【番外編】
1 「指導者としての寺田先生」(中谷 宇吉郎) 
2 「寺田寅彦の追想」(中谷宇吉郎)     
3 「「茶碗の湯」のことなど」(中谷宇吉郎)

 これまた青空文庫で今すぐ読める。
 アリガタイ!! 実に面白い、ぜひ!!

◆作家別作品リスト:No.1569 中谷宇吉郎 (青空文庫)

(つづく)

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オンライン「寅の日」12年の歩み(1) #寅の日 #traday #寺田寅彦 #青空文庫

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▼「寅の日」のヒントはここにあった!!

◆『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』(小山 慶太著 中公新書 2012.1.25)

一九二八年(昭和3年)の春ころから、高嶺と寅彦は毎週一度のペースで、二人だけの昼食会を催すことになる。高嶺はこの日を「寅の日」、一方の寅彦は「高嶺デー」と呼んでいた。(中略)学問の話もしたが、それ以外に気楽なテーマもよく話題にのぼったという。“高等遊民”を彷彿させる二人の姿が浮かんでくる。(同書 P15より)

▼コレだ!!
 と思った。コレをオンラインでやることはできないだろうか!?
 しかし、高嶺俊夫と寺田寅彦がやったように「毎週一度のペース」ではハイペースすぎる。
 月一度では、間延びしてしまう。
 ここも「寅の日」にこだわった!!
 干支の「寅の日」であれば、必ず12日に一度はめぐってくる!!
 計画たてるのにとても都合がいい。
 もう何年先でもわかっているのだから。

▼次の問題はテキストだった。
 ここでは、昔、【理科の部屋】でやっていたオンライン【学習会】がヒントとなった。
 同じテキストを読んで楽しく学び合う。とても楽しい体験だった。
 しかし、「にわか寅彦ファン」としては、全集の購入は躊躇するところだった。
 アリガタイものがあった!!
 「青空文庫」がはじまっていた。

 ◆作家別作品リスト:No.42 寺田寅彦 (青空文庫)
 
 アリガタイ!!
 これならば ネットにつながっていれば 誰でも いつで 寺田寅彦の随筆を読むことがデキル!!

▼かくして、

◆オンライン「寅の日」

 は、12年前の2012年4月にはじまった。
 この3月27日のオンライン「寅の日」で、第375回となる。

 ではその375回のオンライン「寅の日」で何を読んできたのか!?
 読んだ回数の多いものからいっきょにならべてみた。
 まずはその【Best10】をあげてみる。

【13回】
1 日本人の自然観      

【12回】 
2 天災と国防  

【11回】
3 科学者とあたま       
4 俳句の精神         
5 天文と俳句         

【10回】
6 科学と文学  
7 津浪と人間         

【9回】
8 颱風雑俎   

【8回】
9 茶わんの湯          
10 研究的態度の養成   
11 雑感(「理科教育」より)   

(つづく)

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【Web更新3/10】24-10 サイエンスコミュニケーター宣言等 更新!!

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菜の花の幸せ色の運びけり 24/03/09撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-10
週末定例更新のお知らせ
 年度末が近い。
 あたらしいスタートに向けて、「整理」しておきたいことがいくつかある。
 「できた」ことを喜びながら 前へ
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2024 更新 菜の花
 菜の花の黄色は幸せの色!!
 まだまだ北風は冷たかった。
 それでも、畑には 黄色が…。
 なんでもかんでも「菜の花」とは、「菜の花」がおこっているかな。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「科学する」シリーズ
 「動く大地」を科学する をはじめた。
 いつものように無手勝流である。きっちりとした展望があるわけではない。
 やりながら考えていく。寄り道、わき道、回り道も 大歓迎!!
 さて、どこへ!?

◆【ヒガンバナ情報2024】 更新!!
 今年の【ヒガンバナ情報】を、やっとはじめた。
 「記録」しておきたいこといくつかあった。
 まあ、ゆっくり ゆっくりである。

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!?
 いつもの「雲見」「俳句歳時記」の更新だけにもどった。
 「天気の変化」を科学する にあらたな展開があることを楽しみにしている。

 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから50週目。
 いよいよ今年の植え替えのときが近づいてきた。
 いっきょに植え替えるのは、体力的にむつかしくなってきているのかも知れない。
 どうしようかな!?

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3.11 あれから13年が!! #寅の日 #2011年 #3.11 #動く大地 #科学する

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▼ちょっと高いところにのぼって、暮らす大地を俯瞰してみた。
 ここにどんな「動く大地の物語」が展開されたのだろう!?
 そして、これから 

▼「あの日」から13年の歳月がたった!!
 私は「あの日」を次のように「記録」していた。
  
●【授業】まさか、その数時間後に…!(2011/03/11)

▼「あの日」から13年!!
 私にでも「可能なこと」を模索し続けてきた。
 そして、より具体的に2つのことをめざしたいと思うようになった。

(1)オンライン「寅の日」を継続する!! 
・寅彦の「防災・減災」三部作を読み続ける。
・寅彦の警鐘「天災は忘れられたる頃来る」に耳を傾けつづける。

(2)「動く大地」を科学する を続ける。
・可能なかぎり、等身大に「科学する」!!
・素朴な「ふしぎ!?」を追いかけてみよう。

▼特に(2)は、今、はじめたばかり。
 どんな展開になるのか、私にもわからない。

 寅彦は「津浪と人間」でこう言った!!
 

科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。
 
 

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「動く大地」を科学する(3) #動く大地 #現在進行形 #科学する #川と地形 #河岸段丘 #段丘崖 #竹薮

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▼少しずつ少しずつ歩きながら考えてみよう。
 次は「川と地形」だ。

2.川と地形
  ・川 ・河岸段丘 ・段丘崖

▼少し高台になっているところからながめてみればすぐわかる。
 市川の流れを中心に両岸に階段状の地形!!
 河岸段丘だ!!
 歩くその坂道にも意味があった。

 左岸と右岸では大きく階段状の地形の様が違っていた!!
 なぜ!?
 傾動運動!?

▼<きまり>としていたことを思い出した。

 <きまり> 段丘崖に竹薮あり!!

 ほんとうかな!?
 あの竹薮は!?

 あの高いところにある土手に「丸い石ころがゴロゴロ」
 どうして!?

▼この「河岸段丘」は、いつごろからどのようにしてできたんだろう!?
 「動く大地」との関係は!?
 「ふしぎ!?」 

 「科学する」ネタは次々と出てくる。
 
(つづく)
 
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「動く大地」を科学する(2) #授業 #大地の動き #現在進行形 #科学する #川 #山地 #平地

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▼私の場合、あらたに「科学する」と言っても、やっぱりベースになるのは「授業」だった。
 【大地の動きをさぐる】実践DBから、概観してみる。

****************************
ねらい

1.川 平地 山地
  ・地域の地図に色ぬり 川 平地
2.川と地形
  ・川 ・河岸段丘 ・段丘崖
3.地層はどのようにして
  ・川のはたらき
4.たい積岩
5.「化石」を読む
  ・化石は山地、山地は化石
  ・地球の歴史
6.「火山灰」は語る
  ・姶良火山灰 『鍵層』
7.海進・海退
8.断層
  ・山崎断層  ・近畿トライアングル
9.地震1   
  ・山崎地震(今回は、ここに兵庫県南部地震)
  ・震度 ・マグニチュード
10.地震2
  ・地震の伝わり方
  ・初期微動 主要動
  ・兵庫県南部地震の具体例をあげながら・・・
11.地震はどのようにして

(11+「山崎地震」は起こるか これまで追加して入れる)
12.火山活動
  ・マグマと火山活動
13.火山岩
14.深成岩
15.造岩鉱物
16.地質図をぬる。…近畿地方
  ・地質図から
  ・近畿トライアングル
  ・花崗岩
  ・これから・・・
******************************

▼ずいぶん昔の実践の構想である。
 その後の知見で、軌道修正、順番を入れ替えたところもあるが、これを参考に「科学する」を進めたいと思う。
 まずは

1.川 平地 山地
  ・地域の地図に色ぬり 川 平地


▼「ひとり授業」で、できるだけ作業をやってみながら「科学する」を進めたいと思っている。
 「色ぬり」という方法の有効性が実感できる場面でもあった。
・川を青でぬってみよう。
・田んぼを緑でぬってみよう。→ 平地
・ぬり残したところ → 山地

・平地になにがあるだろう。
・山地になにがあるだろう。

・人間はどこに住んでいるのだろう。


▼今回の「科学する」では、できるだけ歩いてみたいと思っている。
 歩きながら、気づくこともあるだろう。
 あらたに「発見」することもあるかも知れない!!


(つづく) 
 
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コヒガンバナの「種子」を蒔いた!!(2024/03/06) #コヒガンバナ #二倍体 #コヒガンバナの種子 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会


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▼昨年ついに9年かけた実生コヒガンバナ(「種子」から育てた)の花が3つ咲いた!!
 その花から「種子」を採取・回収したのは11月だった。

◆実生コヒガンバナは今!!(2023/11/13) #コヒガンバナ #二倍体 #コヒガンバナの種子 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

▼実生ヒガンバナ実験のときと同様に、チャック付きナイロン袋に入れ冷蔵庫に保存していた。
 はやく「種子」を蒔かねばと思いつつ、一昨日(2024/03/06)になってしまった。
 ひとつの袋に2個入れていたものもあったので
 最終的に保存していたのは15個だった。

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▼「種子」蒔きは、実生ヒガンバナのときと同じ要領で行った。
 使った土は市販の「花と野菜の培養土」を用いた。
 育苗プラグトレーを使用して、一粒ずつ蒔いていった。

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▼さあ、「第二世代」のコヒガンバナは「発芽・発根」してくるだろうか。
 やっぱり コヒガンバナは2倍体!!
 となるだろうか!?

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【ヒガンバナ情報2024】のページをはじめた!! #ヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナ研究

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▼庭の定点ヒガンバナにも春がきていた!!
 今年はずいぶん遅くなってしまったが、【ヒガンバナ情報】のページをはじめた。

◆【ヒガンバナ情報2024】


▼考えてみると、この取り組みの歴史も古かった。
 はじまりは、私がはじめて自分のホームページをつくった1998年の春からであった。

◆98ヒガンバナ情報(春~初夏編)

 それから数えて、今年は27年目ということになります。
 思えば遠くへ来たもんです。

▼ヒガンバナの「ふしぎ!?」を追う研究もいろいろ発展して行きました。
 ついには、「学会」までつくってしまいました。

◆Facebook版「日本ヒガンバナ学会」

 また研究の中心が、ヒガンバナの「種子」の「ふしぎ!?」を追うことになりました。
 そして、2013年には、ついに自然結実ヒガンバナ群生を発見しました。
 それ以降、他所でも「種子」をいっぱいみつけ、その「種子」をつかっての実生実験を繰り返してきました。
 その後の展開は、2018年7月にいちどまとめてみました。

◆私のヒガンバナ研究・その後

 
▼その後のその後もあらたな展開を見せていきました。
 昨年(2023年)には、ついに実生コヒガンバナの花が咲きました。
 昨年までの「記録」は【ヒガンバナ情報2023】にくわしいです。

◆【ヒガンバナ情報2023】

 これからの「課題」もあきらかになりつつある。
 なのに
 事情があって、これまでのように自由に動きまわることができなくなってしまった。
 しかし、可能な限りの「研究」は続けていきたいと思う。

(つづく)
 

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「動く大地」を科学する(1) #授業 #大地の動き #現在進行形 #授業DB #科学する

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▼「天気の変化」を科学する に続いて、あらたに「○○」を科学するシリーズをはじめたいと思っていた。
 「これまで」をなぞるだけでなく、あらためて「科学する」ことで多くを学びたいと思っていた。
 いろいろ思案の結果 次のシリーズは

◆「動く大地」を科学する

 とした。

▼私には、特にくわしい専門的知識があるわけではなかった。
 あるのは中学校での【授業実践DB】しかなかった。

◆【大地の動きをさぐる】実践DB
 
▼そのサブタイトルを次のようにしていた。
 Daichitytle

 ここに<ねらい>のすべてを集約したいと思っていた。

▼いつも無手勝流の私には、「科学する」をどこからはじめるのか展望はなかった。
 まずは今自分が暮らす地域の「大地」から とは思っている。

 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

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2024年3月(弥生)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼寅日子先生は、やはり「落椿」にはこだわっておられたようだ。

 藪かげや馬糞の上に落椿 (明治31-32年)
 落椿に道分る馬頭観世音 (明治34年)

▼今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。

(1) 富士見の名いくつ木の芽の東京市 高山れおな
(2) 三月やグローブがいい音して 今坂柳二
(3) 女雛にも髪衰ふといふことあり 奥坂まや
(4) 兵戈なき雛壇をこそひなまつり 正木ゆう子
(5) 囀をはづれて鳥や地を歩く 岡田一実
(6) たんぽぽを摘みためて母訪ねけり 仙田洋子
(7) 卒業子線路伝ひに帰り来る 津田清子
(8) 垂れ髪に雪をちりばめ卒業す 西東三鬼
(9) 落椿浮び立つたる水の上 三橋敏雄
(10) 東大寺うらの木の芽見て歩く 飴山 實

▼今月もまたいつものように勝手なシロウト「選句」である!!
 
【私の選んだ名句ベスト3】

(9) 落椿浮び立つたる水の上 三橋敏雄

(6) たんぽぽを摘みためて母訪ねけり 仙田洋子

(7) 卒業子線路伝ひに帰り来る 津田清子

【次点】

(5) 囀をはづれて鳥や地を歩く 岡田一実


【選評】
・やっぱり「落椿」に惹かれてしまう。
・「摘みためて」がいいな。思いが集積されていくようで
・記憶のどこかにある景だ!!たしかにあった景だ。

・「はづれて」のわけが知りたくなる。意志かな、それとも!?

▼<俳句修業>の究極の「かたち」は、「句会」参加かも。
 オンライン「句会」ならではの面白さもある。
 ぜひ…!!

◆第43回オンライン句会「寅の日」3月例会案内!!


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【Web更新3/3】24-09 オンライン「寅の日」等 更新!!

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韃靼の響きここまで椿哉 24/03/01撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-09
週末定例更新のお知らせ
 卒業式のシーズンである。
 「卒業」なんともいろんな思いの詰まったコトバである。
 この歳になっても同様である!!
 
 「卒業」は、あらたな「はじまり」をも意味する。
 それまでにやっておきたいこと粛々と!!

◆表紙画像集2024 更新 椿
 私には「椿」に対して2つの思い入れがあった。
 ひとつは、寅日子先生の「椿」
 もうひとつは、「お水取り」の造花の「椿」
 椿の花を見ると、韃靼の響きが聞こえてくる気がするのだった!!
 「お水取り」が終われば 本格的 春!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 3月テーマは「寅彦と防災・減災」である。
 今こそ、寅彦の警鐘に耳を傾けてみよう。
 3月が終われば、12年目の歩みが終わる。
 そろそろその歩みのまとめにかからなければ…。

◆Webテキスト「天気の変化」の可能性!? 更新!!
 「雲見」の旅のシーズンである。
 「青春18きっぷ」だけは手にいれて準備をしている。
 どこまでも 気まぐれに…。

◆「コウガイビル」を追う 更新!!
 72号コウガイビルはエサなしで、4ヶ月生きのびた!!
 「食べる」!?
 「再生」!?
 「幹細胞」!?
 「生きる」とは!?
 そもそもの「原点」から問い直してみたいものだ。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 今年は、【お薦め本】の取り組みにはまっている。
 【お薦め本】をあげることにより、あらたなネットワークができつつあるのがうれしい!!
  
◆「クモ学」のすすめ 更新!!
 今年の「クモ学」は、2冊の【お薦め本】からはじまった。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから49週目である。
 3月になってからの冷え込みで、観察池には薄氷が
 しかし、光は もう春!!
 
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本日(2024/03/03)、第373回オンライン「寅の日」!! #銀座アルプス #traday #寺田寅彦

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▼私は寺田寅彦先生の生涯を俯瞰したいときには、高知県立文学館で手に入れた次を参考にしている。

◆『寺田寅彦 ー天然に育まれし眼差しー』(高知県立文学館)

 ここにある「年譜」はとてもわかりやすい。
 「この随筆は、寅彦先生が何歳のころに書かれたものだろう?」と思ったときは、いつもこの「年譜」を参照するようにしている。

▼本日(2024/03/03)は、第373回オンライン「寅の日」!!
 3月テーマは

【3月テーマ】「寅彦と防災・減災」

 である。
 本日はその一回目、読むのは はじめてめて読む「銀座アルプス」である。

◆本日(2024/03/03)、第373回オンライン「寅の日」!!

●「銀座アルプス」(青空文庫より)


▼先の「年譜」を参照しながら、「銀座の幻影」をプロットしてみた。

 自分の幼時のそういう夢のような記憶の断片の中に、明治十八年ごろの東京の銀座(ぎんざ)のある冬の夜の一角が映し出される。

 明治十九年にはもう東京を去って遠い南海の田舎に移った。そうして十年たった明治二十八年の夏に再び単身で上京して銀座(ぎんざ)尾張町(おわりちょう)の竹葉(ちくよう)の隣のI家の二階に一月ばかりやっかいになっていた。

 明治三十二年の夏、高等学校を卒業して大学にはいったのでちょうど四年目に再び上京した。谷中(やなか)の某寺に下宿をきめるまでの数日を、やはり以前の尾張町(おわりちょう)のI家でやっかいになった。

 運命の神様はこの年から三十余年後の今日までずっと自分を東京に定住させることにきめてしまった。明治四十二年から四年へかけて西洋へ行っている間だけがちょっと途切れてはいるが、心持ちの上では、この明治三十二年以後今日まではただひとつながりの期間としか思われない。

プロットしながら、寅彦先生の名随筆を楽しんだ!!
そして「銀座アルプス」へ!!

▼ここまでで存分に名随筆だと思ったが、テーマにそった本命の部分は最後の最後にあった!!

 八歳の時に始まった自分の「銀座の幻影」のフィルムははたしていつまで続くかこればかりはだれにもわからない。人は老ゆるが自然はよみがえる。
しかしもし自然の歴史が繰り返すとすれば二十世紀の終わりか二十一世紀の初めごろまでにはもう一度関東大地震が襲来するはずである。その時に銀座(ぎんざ)の運命はどうなるか。その時の用心は今から心がけなければ間に合わない。困った事にはそのころの東京市民はもう大地震の事などはきれいに忘れてしまっていて、大地震が来た時の災害を助長するようなあらゆる危険な施設を累積していることであろう。それを監督して非常に備えるのが地震国日本の為政者の重大な義務の一つでなければならない。
それを予防する人柱の代わりに、今のうちに京橋と新橋との橋のたもとに一つずつ碑石を建てて、その表面に掘り埋めた銅版に「ちょっと待て、大地震の用意はいいか」という意味のエピグラムを刻しておくといいかと思うが、その前を通る人が皆円タクに乗っているのではこれもやはりなんの役にも立ちそうもない。むしろ銀座アルプス連峰の頂上ごとにそういう碑銘を最も目につきやすいような形で備えたほうが有効であるかもしれない。
  そして、最後にこう締めくくっていた。
 人間と動物とのちがいはあすの事を考えるか考えないかというだけである。こういう世話をやくのもやはり大正十二年の震火災を体験して来た現在の市民の義務ではないかと思うのである。
   寅彦先生はずっと警鐘=「天災は忘れられたる頃来る」を鳴らしつづけていたのである!!

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2024年3月(弥生)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール


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▼3月(弥生)の「雲見」は、はじまっていた。
 3月の「雲見」を予想する前に2月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴   2      
・巻雲   1  
・巻積雲  0  
・巻層雲  1       
・高積雲  3   
・高層雲  2       
・層積雲  8    
・積雲   5     
・層雲   0
・乱層雲  7 
・積乱雲  0

  一日一枚のシールを原則としている。
 2月で目立ったのは、「層積雲」8 =まだ「冬」は残っていた!!
           「乱層雲」7 =けっこう雨・雪の日が多かった!!
 あいかわらず、アメダスの記録(「福崎」)から最高気温~最低気温をメモしてみた。
 冬日=「日最低気温が0℃未満の日」
 2月には8日あった。むしろ暖かさを感じる日もあった。
 さて、3月はどうだろう!?

▼2024年3月(弥生)の「雲見」の予想に入ろう。
 前年の天気図を参考にすることにしよう。
 では昨年の2023年3月の天気図を参考に見てみよう。

◆日々の天気図 2023年3月 (気象庁)

・いよいよ本格的に春がやってくる。
・春はいつも直線的に来ない。螺旋的だ!!
・桜の開花はいつごろだろう!?
・「能登」の春が待たれる!!
・もくもくシールは何を多く貼ることになるかな。

▼次は「雲見」の旅 計画だ。
【2024年3月 「雲見」の旅】
・今日は「お水送り」、そして「お水取り」への旅!!
・瀬戸内「雲見」の旅は、持ち越しをしている。
・「青春18きっぷ」は購入済みだ!!いつも準備OK!!

▼【「雲見」の連帯】のあらたな展開の予感がする。
 春だ!!

 Webテキスト試案『天気の変化』の展開と関連しながら…。

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72号コウガイビルはエサなしで4ヶ月生きのびた!!(2024/02/29) #コウガイビル #陸生プラナリア #コウガイビル研究 #教材化 #再生 #切っても切ってもプラナリア

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▼あの日からちょうど4ヶ月が過ぎていた!!
 2ヶ月前、4ヶ月前の姿も「記録」していた。

●72号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!!(2023/12/29) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #Webテキスト

▼ナイロン袋ごと外にだしたとき、少しいつもと様子がちがっていた。
 いつもだったら、「の」字型に蜷局をまいているのにそうではなく伸びていた!!
 やがて、少しだけ動きはじめた。
 生きている!!

 まちがいない。72号コウガイビルはエサなしで4ヶ月生きのびたのだ!!
 定規をあてて、その全長を確認しようとするがなかなかできない。
 でも、全体に「小ぶり」になったのは確かなようだ。

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▼時間が経つと、動きは活発になってきた。
 なんとも基本的な「ふしぎ!?」が浮かんできた!!
 なぜ「動く」のだろう!?
 「エサ」を求めて!?
 自らの「からだ」を食べて「再生」を繰り返しているのなら動く必要はないのでは!?

 今回の観察で目立ったのは、からだの中心に走る「白い帯」だ。
 「腸」!?
 「ウンチ」は!?
 「食べる」とは!?
 「再生」とは!?

▼まだまだ私にはわかっていないことがいっぱいだ!!
 あの名著『切っても切ってもプラナリア』(阿形清和著 岩波書店)がヒントをくれていた。

 このことは、何を意味しているかというと、プラナリアはエサがなくてちぢんでいくときも、エサを食べて大きくなっていくときも、いつも体の《つくり直し》をしているということだ。プラナリアにはこのような性質のあるために、再生のときもエサを食べずに、のこった体の《つくり直し》をしながら新しい体を再生できるのではないだろうか。(同書P38)
 
 
 「コウガイビル」=「陸生プラナリア」の名前のとおり、コウガイビルはプラナリアの仲間なのである。

 誰かコウガイビルの「ふしぎ!?」を研究しておられる研究者はおられないかな!?

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