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子規庵の糸瓜(5年目)から種子を採取した!!(2024/02/27・28) #子規庵 #糸瓜の種子 #ヘチマタワシ

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▼そもそものはじまりは、二度目の子規庵の訪問のときだった!!
 このとき、私は5粒の糸瓜の種子を「おすそ分け」してもらった。
 その年から、「子規庵の糸瓜」として育てはじめた。
 5粒の種子は、4粒が発芽した。
 その後、毎年育て続けて今日にいたっている。
▼5年目の「子規庵の糸瓜」の一年をふりかえってみる。

●「子規庵の糸瓜」5年目の種子を蒔いた!!(2023/05/02) #子規庵 #糸瓜 #糸瓜の種子
●子規庵の糸瓜(5年目)を植え替えた!!(2023/05/28) #子規 #子規庵 #糸瓜 #子規博物館
●子規庵の糸瓜(5年目)を収穫した!!(2023/11/01) #子規庵 #糸瓜

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▼実は収穫後、「自然乾燥」にまかせて、放置していたのである。
 種子の採取をはやくやらねばと思いつつ、一昨日になってしまったのである。
 方法は意図も簡単だった!!
 ヘタ(糸瓜の底)をとって、箕の上でトントンとすれば、いっきょに「種子」がこぼれ落ちてくる。
 自然界では、こうして「種子撒き」をするのだろう。
 「種子」が完全に出てきたことを確認すれば、今度は「ヘチマタワシ」とりである。
 乾燥してペリペリになった皮を、表皮の繊維を利用しながら剥いでいけば、これも簡単にとれた。
 それでも、作業は2日間にわたった!!

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▼採取できた「種子」と「ヘチマタワシ」をながめながら、6年目の取り組みを構想するのだった。
 どこまでも「子規庵の糸瓜」であることにこだわりたかった。

●子規庵

●松山市立子規記念博物館
 
 再訪したいな!!

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【お薦め本】『まちぶせるクモ 網上の10秒間の攻防』(中田兼介著 コーディネーター辻 和希 共立出版)

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▼私のシロウト「クモ学」は、2013年7月に偶然にはじめてコガネグモの「狩り」を目撃したことにはじまる。急激に、「クモ」たちの「ふしぎ!?」に惹かれていった。
 いちばんの「ふしぎ!?」は、ずっと身近に一緒に生きてきたはずなのに、なぜこんなすごい生きものの「ふしぎ!?」に気づかなかったということだろう。
 待望の「クモはすごい」は、すでに書かれていた!!
 それが、前回の【お薦め本】だった。

◆【お薦め本】『クモのイト』(中田兼介著 ミシマ社)


▼あまりに面白かったので、著者・中田兼介先生の「クモ学」の本をさがした。
 あった!!
 それが、またまた面白かった。
 そこでつづけてになるが、次の本をぜひ【お薦め本】にあげたくなってきた。 

◆【お薦め本】『まちぶせるクモ 網上の10秒間の攻防』(中田兼介著 コーディネーター辻 和希 共立出版 2017.3.15)


 やはりお薦めポイント3つをあげる。
 今回も面白く学ぶところが多すぎて3つはむつかしかったが、あえてこうした。

(1)焦点化することにより「クモ学」の面白さをより豊かに語ってくれている!!
(2)本格的科学研究のすすめ方のヒントがここにある!!
(3)これがプロの「クモ学」のすすめだ!!

▼ポイントをひとつずつ少しだけ詳しく

(1)焦点化することにより「クモ学」の面白さをより豊かに語ってくれている!!
 まず、この本のタイトル・サブタイトルがとっても気に入っていた。
 『まちぶせるクモ 網上の10秒間の攻防』
「10秒間の攻防」についてはこうだ。

 10秒強ほどの時間で起きる。このクモとエサの攻防戦の舞台が、円網だ。そして本書は紙幅のほとんどを使ってこの10秒間を説明する1冊てある。(「はじめに」ⅶより)

 事実「もくじ」は次のようになっていた。
 1 まちぶせと網
 2 仕掛ける
 3 誘いこむ
 4 止める
 5 見つける
 6 襲いかかる

 次は「網上の」だ。
 著者は「網」にこだわっていた。

 クモが糸で建築する罠のことを「クモの巣」と呼ぶ人は多い。しかし、本来「巣」という言葉は、本来棲むところを指すものだ。確かにクモは自分の作った罠の上で暮らしている。だから、網のことを巣と呼んでも間違っているわけではない。しかし、網の最も大事な働きは、エサの動きを止め、クモが襲いかかるまで逃がさないよう、その場に留め置くことだ。こういう役割をもつ「巣」は、動物の世界では珍しく、特別な存在である。なので本書では、生物学者としての細部へのこだわりを発揮させてもらって、「クモの巣」の中で罠としての働きをもつものを「網」と呼ぶ。本書の中心テーマはこの「網」だ。(「はじめに」ⅴより)

 いいですね!!
 この「こだわり」に大賛成です。
 まったくのシロウトの私も「巣」には抵抗があり、「ネット」(ときにWeb)というコトバをつかってきていた。
 最後になってしまったが、メインタイトル「まちぶせるクモ」の「まちぶせ」である。
 「まちぶせ」について、「おわりに」のなかでこう語っていた。少し長いが、あまりに面白いので…。
 引っ込み思案なこともあって、待つことは習い性だ。子どもの頃は、家で友達が遊びに誘ってくるのを待っていることが多かった。生き物の生態や行動を調べるようになった今では、野外で動物が来るのを待ったり、実験条件が整うのを待ったりするのは日常茶飯事、待つのが苦にならないタイプでよかったとしばしば思う。
 そんな私がアリの社会を扱った博士論文書き上げた後、次の面白い研究テーマを探してぶらぶらしているときにクモと出会ったのは、天の配剤だったのかも知れない。それから20年、勤め先を三度も変えながら、曲がりなりにもクモの研究を続けてこられたのは、罠を仕掛けて誘いこみ一気に動いてカタをつける、彼女たちのまちぶせの巧みさに魅了させられたからだろうか、いや、辛抱強く機を待ち続ける彼女らの姿に何かシンパシーのようなものを感じていたからかもしれない。(「おわりに」同書P122より)

 こう言う著者のモノローグ風語りが大好きです!!
メチャクチャ納得である!!
 これで、タイトル・サブタイトル『まちぶせるクモ 網の上の10秒間の攻防』のすべてが浮き彫りになってきた。
 クモの世界をこのように焦点化することによって、その面白さをより豊かに語ってくれているように思った。
 私が最初にコガネグモの「狩り」を目撃して、「クモ学」に惹かれていったわけもわかるように思えてきた。

(2)本格的科学研究のすすめ方のヒントがここにある!!
 きっとこの本のメインは、ここにあるのだろう。
 事実、この本を読み進めていくうちに、「さすがプロ!!」と驚き感動することが多かった。
 「科学研究」とは、こんな手順で進めるものであるのかと目から鱗であった。
 ナルホドと感心したところも多い。少しだけアトランダムにピックアップしてみる。

 このことから、クモの網の作り方を理解するには、ただエサを獲ることだけ考えていればよいのでなく、彼らが網を使ってどのように環境を認識しているか、という視点も必要だといえる。動物の世界では、食べることと知ることは分かちがたいことなのかもしれない。(同書P28より)

 実験には音叉を使った。ピアノの調律のときにカーンと鳴らす、U字型のあの道具だ。捕食者とは何の関係もなんの関係なさそうに思えるがさにあらず、造網性のクモは視覚が優れない代わりに振動には鋭敏に反応し、足場の揺れや、空中を伝わってくる揺れ(音のことだ)に対して優れた感覚をもつ(略)、そのため、音叉を鳴らして近づけてやると、クモは種によっていろいろの反応をしてくれる。自然観察会などで実演するのにちょうどよい題材である。(同書P38より)

 やっぱりそうか!!ゲホウグモが早朝より暗闇で「店じまい」するのを観察したとき、たしかに私もそう思った。今度から、これを使わせてもらおう。
 そこで私はあらためて先行研究を精査してみた。すると、実験的な手法を使って確実な得た研究では、おびき寄せ説を支持したり対捕食者説を否定するものに直線上の白帯をつける種を対象にしたものはほとんどなかったのだ(中田2015)、やはり白帯は、形によって違った役割をもっている。では、直線上の白帯はどんなメカニズムでクモの安全性を高めているのだろうか?この答えはまだわかっていないが、クモの上下に伸びる目立つ白帯が、クモのいる場所をわかりにくくさせている。というのが1つの可能性だ。(同書P46より)
 
 「先行研究」の精査、仮説立て、可能性の追求!!
 科学研究は、いつも直線的とはかぎらないんだ。それが醍醐味でもあるのだろう。
 ここでも、やはり著者の魅力は等身大の語り口調だった。
 クモの行動の研究というのはおよそ世間の役には立たないものだ。そんなわけで、私の研究生活は、あふれる予算とは無縁である。役に立つ学問分野のようにはいかない。そんな私の支えがホームセンター、安価な家庭用グッズをどうやって実験・調査に利用するか考えながら、消費文明の権化ともいえる商品棚の間を歩き回る至福の時だ。たとえば、私は小さなクモを生きたまま手術することがあるのだが、そのときに使う保定用具は…(同書P61より)

 およそ生き物が秩序立ったことをしているとき、どんなささやかなことに見えても、そこには何か意味があるはずだ。一方、クモが網を引っ張っているという話は、何かで読んだこともなければ、誰かからも聞いたこともなかった。ということは、ひょっとして私はまだ世界で誰も気づいていないような新しい現象を発見したのだろうか?ひゃっほう?!(同書P73より)

 こんなの読んでいると、こちらまでうれしくなってきますね!!
 ますます著者の大ファンになってしまいますね。
 いやいや、まだまだこんなものではなかった!!
  いやしかし落ち着け、クモが網を引っ張っていることにこれまで誰も言及していないのには、まったく別の可能性もある。重要な生物学的意味がないので、わざわざ記述するまでもない。という可能性だ。このがっかりするようなシナリオを潰すためには、現象をみつけて喜んでいるだけではダメだ。その役割をちゃんと明らかにしなければ。(同書P74より)

 このあとのみごとな論理展開!!
 クモたちにまけない持続的「まちぶせ研究」!!
 ポンコツ頭の私には、すぐには理解できぬほどのするどい「クモ学」研究!!
 「クモ学」は総合科学研究だ。

 最後に著者が「おわりに」の末尾に書かれた文章を引用させてもらおう。

 こういうスタイルは、生物学の教科書を書き換えるような大発見にはつながらないかもしれない。私が、ギンメッキで見つけたことも、また射程が広くないからだ。しかし、よく考えてみれば、私は元々、大きな発見をしてやろうとかの野心を持ち合わせてこの業界に入ったわけではない。ただ自分と違う他者のことを理解したいと思うだけだ。だから別に教科書を書き換えられなくったって、一向に構わない。個々の生き物の理屈がわかるようになる。これこそが、生物を対象にした学問の醍醐味だろう。そう思って、私は明日も網の前に座って、何か面白いことは起きないかな、と待ち続けるのである。(同書P124より) 

 
 この本は、本格的に科学研究をすすめるヒントをくれるだけでなく、研究のモチベーションをうんと高めてくれるのである。
 
▼最後のお薦めポイントに行こう。
(3)これがプロの「クモ学」のすすめだ!!
 このポイントを、コーディネーター役の辻和希さんが「アマチュア研究家に薦めたいクモの行動生態学へのガイド」なかでうまく語っておられた。
 小中高校の理科の先生には、本書をぜひ読んでもらいたい。クモのようなそこかしこにいる小さな生き物を、ホームセンターで買える程度の簡単な道具を使い、知恵を絞って実験や観察をすることで、先端科学的な研究ができるというのは、教育現場において魅力的でないだろうか。本書は小中高校の教育現場で、たとえば夏休みの自由研究やスーパーサイエンスハイスクールでの生徒の研究などのよい参考教材になると思う。(同書P132より)

 まったくの同感である!!
 そして、なにより、これからの私のシロウト「クモ学」の最高の参考文献になることはまちがいなかった!!

 さあ、今年はどんなクモの「ふしぎ!?」との出会いがあるのかな!?
 楽しみだ!!

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第43回オンライン句会「寅の日」3月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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「落ちざまに虻を伏せたる椿かな」

この時期になると思い出す漱石先生の一句である。この句に触発された寅日子先生は、椿の花は地面に落ちたとき仰向き状態にあるのか、うつ伏せ状態あるのか実際に調べるのである。
 「思い出草」(青空文庫より)のなかで次のように言っていた。

 こんなことは右の句の鑑賞にはたいした関係はないことであろうが、自分はこういう瑣末(さまつ)な物理学的の考察をすることによってこの句の表現する自然現象の現実性が強められ、その印象が濃厚になり、従ってその詩の美しさが高まるような気がするのである。

 そして、ついにはそれを科学研究の論文にまで仕上げてしまうのである。

▼そんな寅日子先生に師事する句会が、オンライン句会「寅の日」である。
 「寅の日」では特別賞として
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 という賞を設けている。
 これもまた楽しい試みだと自画自賛している!!

▼その句会も、この3月ではや43回目である。
 あらためて、3月例会の案内をあげておく。

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第43回オンライン句会「寅の日」3月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2024年3月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2024年3月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2024年3月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

***************************************************************

▼毎年、椿の花が落ち始めると寅日子先生の真似をして、「仰向き」「うつ伏せ」の花の数を数えるようにしている。
 いっきょに落ちるのは
 それはいつだろう!?

 楽しみだ!!


 

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【Web更新2/25】24-08 オンライン「寅の日」等 更新!!

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勇み足咎めてもなほ花苺 24/02/24撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-08
週末定例更新のお知らせ
 はや2月最後の週末定例更新となった。
 「今年こそ…」の思いもやや緩んできた。
 素直に「現在地」を認めることから、再度スタートしよう。

 可能なものの領域を汲み尽くそう。
 ゆっくり 急ごう。

◆表紙画像集2024 更新 苺の花
 あれっ!?
 苺の花って、今だったけ。と思っているまに、次々と花が咲きはじめた。
 早すぎるぞ と咎めながらも、しばし その小さな花に魅入ってしまった。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 3月終われば、12年目の取り組みが終わる。
 思えば 遠くへきたものだ。
 3月テーマは「寅彦と防災・減災」だ。
 今ひとたび、寅彦の警鐘に耳を傾けてみよう。

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 「天気の変化」を科学する は25回つづけてきた。
 いったん終了する。あらたな展開があったとき、また再開したい。

◆「燐寸(マッチ)一本 化学の元!!」 更新!!
 「これから」を考えてみた。
 自分でも予想つかないような新展開に期待!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから48週目であった。
 3月末に予定している今年度の植え替えに備えて、少しずつ準備をすすめたい。
 私の体力的問題、場所の問題!? いろいろと検討すべきこと多い。

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『燐寸(マッチ)一本 化学の元!!』のこれから(2) #2024年 #マッチの歴史 #マッチ棒 #清水誠 #ファラデー #ロウソクの科学

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▼2020年12月に、「これからの課題」としてあげた3つの課題のひとつ
(1) 東京都 の「清水誠 顕彰碑」に行く。「新燧社」跡?
 は2024年11月、【理科の部屋】30周年記念オフの際に上京したとき実現していた。

●マッチの祖・清水誠を追う!!(4)~東京編~ #新燧社 #亀戸天神社 #マッチ #燐寸 #清水誠

▼残る課題は2つだった。
 そのうちのひとつ
(3) ファラデーは「ロウソクの科学」のとき、ロウソクに何で火をつけたか!?
 これは長年の「宿題」でもあった。

●ファラデーは「ロウソク」にどのようにして火をつけたのか!? #マッチ
 
 『ロウソクの科学』を読み返してみても、あんなに詳しく「ロウソク」についての記述があるのに、「マッチ」についての記述が見あたらないい。私が見逃しているのだけだろうか!? 「ふしぎ!?」だ!!
 この「ふしぎ!?」は、どうしても置き去りにしたくなかった。
 マッチの「歴史」から見ても、けっこう重要課題だと思うのだが。

▼置き去りにしたくないもうひとつの課題を思い出した。
 それは

◆理科教材として「燐寸(マッチ)」使用の現況と課題

 である。実はこれがいちばん最初からの課題でもあった。
・今、理科室からマッチが消えようとしているのだろうか!?
・マッチでなければできない実験は!?
・すぐれもの教材としての「マッチ」とは!?
・「燐寸(マッチ)一本 化学の元」(「簡単」「便利」「安全」の歴史)
 
▼実は、まだ次なる具体的な展開を思いつかないでいた。
 いつも「無手勝流」で動きながら考えてきた。

 これからも次なる展開を自分でも楽しみながら!!

 あえて
 (つづく)としておく。

 
 

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『燐寸(マッチ)一本 化学の元!!』のこれから(1) #2024年 #マッチの歴史 #マッチ棒 #清水誠

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▼私は間歇的になるが、長い時間をかけて燐寸(マッチ)を追っていた。
 その顛末を次のページにまとめていた。

◆『燐寸(マッチ)一本 化学の元!!』

 そのタイトルが示すように、あの「燐寸(マッチ)」の歴史が、「現代化学史」にツナガルと考えていた。

▼その歴史を時間をかけて追いかけていた。
 全国各地いろんなとこへも出かけて行っていた。
 コロナ禍のなかの2020年12月に「これまで」をまとめていた。

●2020年・『燐寸(マッチ)一本 化学の元!!』はどこまで!? #2020年 #マッチの歴史 #マッチ棒 #清水誠

▼そのなかで、「これからの課題」として3つをあげていた。

(1) 東京都 の「清水誠 顕彰碑」に行く。「新燧社」跡?

(2) 日本燐寸工業会(神戸)を訪ねる。

(3) ファラデーは「ロウソクの科学」のとき、ロウソクに何で火をつけたか!?

▼これから、3年と数ヶ月、少し状況はすすでいた。
 なかでも特筆すべきことが起こっていた!!
 いつも、私がマッチを追う「基点」としてきたマッチ専門店「マッチ棒」さんで異変起こっていた。

◆マッチ専門店「マッチ棒」
 
 マッチに関するいろんなことを教えてもらってきた。
 また、マッチ各種、マッチに関する各種グッズもたくさんここで入手してきた。
 「閉店」とは残念である!!
 しかし、オンラインショップとしては在続してくださるという。
 アリガタイ!!
 これからもよろしくお願いします。

(つづく)
 

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「天気の変化」を科学する (25) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #上がるとザアザア #下がるとカラカラ #天気は西から

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▼「天気の変化」を科学する を「科学する」シリーズのひとつとして一月にはじめてずいぶん時間が経った。
 やっぱり最初に「出発点」としたのは、自分自身が取り組んで来た「授業」であった。

●「天気の変化」を科学する (1) #天気の変化 #科学する #授業実践DB 

▼そして、そのなかで繰り返し使ってきた2つの<きまり>のルーツをさぐってみた。

(1)<きまり>光(太陽)は東から、天気は西から 

(2)<きまり>上がるとザアザア 下がるとカラカラ

 自分でもとても面白い展開になったと思っている。

▼さらに、長年取り組んでいるWebテキスト試案『天気の変化』での<きまり>の有効性をみていった。
 できている試案は今ところ5つあった。

●Webテキスト試案『「雲見」を楽しもう!!』
●Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)
●Webテキスト試案「アメダス」(PDF版)
●Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」
●Webテキストミニ試案「ウィンドプロファイラ(風の横顔)」

▼いずれの試案でも2つの<きまり>が有効であることがわかった。
 プロたちが利用している気象データも、アタリマエの<きまり>で読み解けばけっこう面白いと知った。
 貴重で興味深いデータをこのままにしておくのは
 モッタイナイ!!
 と思った。

 このあと、これらの試案をどう展開していくか!?
 具体的な動きがでてきたとき
 「天気の変化」を科学する(続)を再開することにして、いったん本シリーズを終えたい。
 
(了) 
   

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「天気の変化」を科学する (24) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #ウィンドプロファイラ #風の横顔 #天気は西から

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▼最後のWebテキスト試案にいく。

◆Webテキストミニ試案「ウィンドプロファイラ(風の横顔)」

▼ミニ試案の「なかみ」に入ってみる。

 ※ウィンドプロファイル(気象庁)
 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/windpro/kaisetsu.html
 のページをあけておいて考えてみよう。

(1)ウィンドプロファイラ観測局は全国33ヶ所にあります。
 ○あなたは見たことがありますか。

 ○あなたの住んでいるところからいちばん近くの観測局はどこですか。


(2)ウィンドプロファイラは何を観測していますか。

 a それはどんな原理を使って観測していますか

 私は、「鳥取」「高知」の二カ所で見たことがあります。
 実際に見てみるのも面白いですよ。

▼さあ、実際のデータを見ながら考えてみましょう。

(3)いちばん近くの観測局の最新データを見てみよう。

 ○ 最新データの「時間-高度断面図」を見てみよう。
 
 a 何分ごとに更新されていますか。

 b 上下方向の鉛直速度を色で表示しています。

 ・赤系色=(   )
 ・青系色=(   )または降雨
 
 c 最も近くでは何時何分ごろに雨が降ったと考えられますか。

 d 風の吹く方向は、基本的にはどちらからどちらへ吹いていますか。

 ・場所によってちがうでしょうか。
 ・季節によってもちがうでしょうか。- 2

 <光は東から 天気は西から>は言えるかな?

 このアタリマエほんとうかな!?
 例外はあるのかな。

▼最後には、毎日の「天気の変化」と結びつけて考えることできたらうれしいですね。
 最後のコトバが、このテキスト試案の<ねらい>のすべてです。

(4)「地上天気図」と見くらべながらわかることをあげてみよう。

 a 前線の通過


 b 台風

 こんな興味深いデータがいつでも誰でも見ることができる!!
 活用しなければモッタイナイ!!


(つづく)


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2024年3月のオンライン「寅の日」は #防災 #減災 #traday #寺田寅彦

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「天災は忘れられたる頃来る」

 「土佐の寅彦」詣で出会う寅彦の警鐘はいつもこうだった!!
 今、さらに重く響いてくるのだった。
 オンライン「寅の日」は、2012年の4月にはじまった。
 この3月で、12年が過ぎる。

▼2024年3月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 3月は、定番化してきたテーマでやりたい。
 寅彦の警鐘に耳を傾けながら

【3月テーマ】「寅彦と防災・減災」

 2024年3月のオンライン「寅の日」は3回ある。

■2024年3月のオンライン「寅の日」!!
◆第373回オンライン「寅の日」 …3/03(日)
◆第374回オンライン「寅の日」 …3/15(金)
◆第375回オンライン「寅の日」 …3/27(水) 

▼同様のテーマで、繰り返し読んできた随筆があった。
 それに加えて、あらたな随筆も読んでみたかった。
 そこで、次の3作品の随筆に決めた。
 「銀座アルプス」 「天災と国防」「津浪と人間」

■2024年3月のオンライン「寅の日」!!

◆第373回オンライン「寅の日」 …3/03(日)「銀座アルプス」(青空文庫より)

◆第374回オンライン「寅の日」 …3/15(金)「天災と国防」(青空文庫より)

◆第375回オンライン「寅の日」 …3/27(水)「津浪と人間」(青空文庫より)

▼何度読んでも、読むたびにあらたな「発見」があるのが、寅彦随筆のすごさだった!!
 今、寅彦の警鐘はどんな響きをもって聞こえてくるのだろう!?
 
 12年間の歩みをふりかえりながら読んでみたい!!
 

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本日(2024/02/20)、第372回オンライン「寅の日」!! #怪異考 #traday #寺田寅彦

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▼「そんな非科学的な!!」
 「でも…」

 「民話」「昔話」「伝説」「伝承話」等に対して、そう評価されることがある。
 ナットクする反面
 「それでも…」と反駁するコトバももたない。
 でも思うんだ

 「科学的って何?」

 ▼本日(2024/02/20)は、第372回オンライン「寅の日」!!
 2月テーマは

【2月テーマ】「寅彦と科学・非科学」

 である。
 本日はその二回目、読むのは「怪異考」である。
 

◆本日(2024/02/20)、第372回オンライン「寅の日」!!

●「怪異考」(青空文庫より)


▼寅彦は最初に自分のスタンスをあきらかにしていた。

 物理学の学徒としての自分は、日常普通に身辺に起こる自然現象に不思議を感ずる事は多いが、古来のいわゆる「怪異」なるものの存在を信ずることはできない。しかし昔からわれわれの祖先が多くの「怪異」に遭遇しそれを「目撃」して来たという人事的現象としての「事実」を否定するものではない。われわれの役目はただそれらの怪異現象の記録を現代科学上の語彙(ごい)を借りて翻訳するだけの事でなければならない。

つづけて、こうも言っていた。
ただできうる唯一の方法としては、有るだけの材料から、科学的に合理的な一つの「可能性」を指摘するに過ぎない。

従ってやや「もっともらしい仮説」というまでには漕(こ)ぎつけられる見込みがあるのである。そこまで行けば、それはともかくも一つの仮説として存在する価値を認めなければならず、また実際科学者たちにある暗示を提供するだけの効果をもつ事も有りうるであろうと思われる。

 それで、ただここにはほんの一つの空想、ただし多少科学的の考察に基づいた空想あるいは「小説」を備忘録として書き留めておく。もしこれらの問題に興味をもつほんとうの考証家があればありがたいと思うまでである。

そしてここから二つの具体例があがっている。
そのひとつが、「孕のジャン」である。

 その怪異の第一は、自分の郷里高知こうち付近で知られている「孕(はらみ)のジャン」と称するものである。孕は地名で、高知の海岸に並行する山脈が浦戸湾うらどわんに中断されたその両側の突端の地とその海峡とを込めた名前である。

 この地形を自分の目で確かめたくて、「高知県立牧野植物園」への道を車でのぼったこともある。
 さて、この後の展開は寅彦らしいみごとなものだった。
そのほんとうの原因的機巧はまだよくわからないが、要するに物理的には全くただ小規模の地震であって、それが小局部にかつ多くは地殻ちかく表層ひょうそうに近く起こるというに過ぎないであろうと判断される。
 もし「孕(はらみ)のジャン」として知られた記録どおりの現象が、実際にあったものと仮定し、またこれが筑波地方(つくばちほう)の地鳴りと同一系統の地球物理学的現象であると仮定すると、それから多少興味のある地震学上のスペキュレーションを組み立てる事ができる。
 
さて、これらの大地震によって表明される地殻(ちかく)の歪(ひずみ)は、地震のない時でも、常にどこかに、なんらかの程度に存在しているのであるから、もし適当な条件の具備した局部の地殻があればそこに対し小規模の地震、すなわち地鳴りの現象を誘起しても不思議はないわけである。そして、それがある時代には頻繁ひんぱんに現われ、他の時代にはほとんど現われなくなったとしても、それほど不思議な事とは思われない。

 それで問題の怪異の一つの可能な説明としては、これは、ある時代、おそらくは宝永地震後、安政地震のころへかけて、この地方の地殻に特殊な歪を生じたために、表層岩石の内部に小規模の地すべりを起こし、従って地鳴りの現象を生じていたのが、近年に至ってその歪が調整されてもはや変動を起こさなくなったのではないかという事である。

このみごとな作業仮説に感心してしまう!!
それ以上に寅彦がすごいと思い、注目したいのは次だ!!
しかしもし現代の読者のうちでこれと類似の怪異伝説あるいは地鳴りの現象についてなんらかの資料を教えてくれる人でもあれば望外の幸いである。

これは「現代」にも通ずる!!
今だからこそという言う思いもある!!

▼もうひとつの具体例はこうである。

 次に問題にしたいと思う怪異は「頽馬(たいば)」「提馬風(たいばふう)」また濃尾(のうび)地方で「ギバ」と称するもので、これは馬を襲ってそれを斃死(へいし)させる魔物だそうである。

 これに反して、ギバがなんらかの空中放電によるものと考えると、たてがみが立ち上がったり、光の線条が見えたり、玉虫色の光が馬の首を包んだりする事が、全部生きた科学的記述としての意味をもって来る。また衣服その他で頭をおおい、また腹部を保護するという事は、つまり電気の半導体で馬の身体の一部を被覆して、放電による電流が直接にその局部の肉体に流れるのを防ぐという意味に解釈されて来るのである。 
「科学的」謎解きの展開が面白い!! 最後のしめくくりもみごとである。
結局は実際の野外における現象の正確な観察を待つ必要がある。
 ギバの現象が現時においてもどこかの地方で存在を認められているか。もしいるとすればこれに遭遇したという人の記述をできるだけ多く収集したいものである。読者の中でもしなんらかの資料を供給されるならば大幸である。

 「現代」だからこその「多くの収集」の手段も考えられるのかもしれない。
 
 最後の最後に寅彦はこう記していた。

(この「怪異考」は機会があらば、あとを続けたいという希望をもっている。昭和二年十月四日)

 寅彦の「にわかファン」である私は、「怪異考」の続編を書いたのか知らない。
 
 「科学的って何?」

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【Web更新2/18】24-07 Webテキスト『天気の変化』の可能性!?等 更新!!

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ぽぽのぽぽ行きつ戻りつ土手の春 24/02/17撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-07
週末定例更新のお知らせ
 まだ2月であることを忘れてしまいそうな陽気がつづいた。
 屋外での作業をつづけていた。
 少しずつ作業の「成果」が かたち になるのがうれしい!!
 無理のない範囲で ゆっくり 楽しみながら すすめめたい!!
 
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2024 更新 ぽぽのぽぽ 蒲公英
 タンポポを表紙にするのは、少しはやいかと思ったが、やっぱり 今週の旬はタンポポだ。
 土手には、少し たけ の短いタンポポと ホシノヒトミでいっぱいだ。
 春が来た!!

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 「天気の変化」を科学する をつづけている。
 「エマグラム」「エマグラム鉄道物語」!?
 ポンコツ頭には よく理解できていないことをなぜつづけるのか。
 「中学校理科」の有効性!!
 「科学する」は楽しい!! をどこまでも。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 今年になって、4冊目の【お薦め本】を書いた。
 瞬時に著者とツナガッタ!! うれしい!!


 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから47週目である。
 近くの紅梅の花びらが、池面に浮かびはじめた。
 春だ!!
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「天気の変化」を科学する (23) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #エマグラム #ショワルター安定指数 #SSI #エマグラム鉄道物語

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Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」をつづけよう。
 いよいよ「物語」は最後に入る。

4 エマグラム鉄道物語(その2)
~SSI(ショワルター安定指数)~

※「ラジオゾンデによる高層気象観測(気象庁)」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/upper/kaisetsu.html
※「エマグラム(SunnySpot)」
https://www.sunny-spot.net/emagram/

のページを開いておいて考えてみよう。

(1)SSI(ショワルター安定指数)
 そもそも「エマグラム」とは何を見るための図表なんだろう。
 それを教えてくれる 指数があった。
 ●SSI(ショワルター安定指数)
 である。その<求め方>があった。

<求め方>
 SSI(ショワルター安定指数)求め方は、500hPaの実際の気温(T500)から、850hPaの空気塊を断熱的に 500hPa まで持ち上げると仮定したときの気温(T850)を引いたもの。

 SSI(ショワルター安定指数)=T500-T850

 これだけでは、なんのことか具体的なイメージがわいてこない。

▼そこで「物語」の登場である!!

そこで「エマグラム鉄道物語」で読み解いてみよう。

 a 高層天気図の基準の高さを思い出そう。
 ・300hPa…基準高度9600m
 ・500hPa…基準高度(    )m
 ・700hPa…基準高度3000m
 ・850hPa…基準高度(    )m

 b 「エマグラム鉄道物語」で考えてみよう。
 仮に1500m上空の大気の塊を「エマグラム鉄道」の列車に乗せて5700m上空まで運んでいったとき、列車の中の気温(T 850)はどれくらになるだろう。それは「エマグラム鉄道」の線路をたどればすぐわかる!!

 それは5700m上空の列車の外の気温(T500)とくらべてどうだろう。

 ●列車のなかの気温の方が高ければ→列車はドンドン上っていくだろう (熱気球がドンドン上るように)
 
 ●「上がると ザアザア」→大気「不安定」!!


▼やっぱりここでも「上がるとザアザア」だ。そして…

(2)SSI(ショワルター安定指数)の大小が大気の「安定」「不安定」の目安となった。
 
 ●SSI(ショワルター安定指数)
 ・大(正)→ 大気「     」
 ・小(負)→ 大気「     」!!

 ※ ひとつの目安がつくられていた。
 ・SSI <= 3℃ しゅう雨(しゅう雪)がある
 ・SSI <= 0℃ 雷が発生する
 ・SSI <=-3℃ ひょうが降る
 ・SSI <=-6℃ 竜巻が発生する

 「エマグラム鉄道」の列車の車窓から、見える「雲見」の景は、SSI(ショワルター安定指数)の値をみればわかるということだ!!

▼そして、最後にこうしめくくっていた。

 やっぱり仮想「エマグラム鉄道」列車の旅は面白い!!
 「きっぷ」は今すぐ誰でも手に入るぞ!!
 さあ、君も一緒に旅に出よう!!

 繰り返そう。
 これはシロウトの私が勝手に描いた「大気の物理学実験室」での仮想実験の物語である!!
 今、「エマグラム鉄道物語」の絵本でもつくりたい気分だ!!

(つづく)

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【お薦め本】『クモのイト』(中田兼介著 ミシマ社)

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▼私のシロウト「クモ学」は、偶然にも2013年の夏にコガネグモの「狩り」を目撃したことによってはじまった!!
 それまで、ことさらにクモの存在すら認識したこともなかった。いや、無意味に「いやなヤツ」ぐらいの認識があったかも知れない。
 しかし、このときをきっかけにコガネグモ、ゲホウグモ、ジョロウグモ等などこんなに面白くて「ふしぎ!?」生きものが、一緒にに暮らしていることを知った。
 知れば知るほど「ふしぎ!?」がふえてきて面白かった!!
 誰かはやく『クモはすごい』を書いて欲しいと願いつづけていた。

◆「クモ学」のすすめ


▼私は間違っていた!!
 やっと気づいた。
 私のアンテナが低くなっていただけだった。
 すでに待望のその本は出版されていた。それが今回の【お薦め本】だった。
 
◆【お薦め本】『クモのイト』(中田兼介著 ミシマ社 2019.9.26)

待望のこの本は、期待以上に面白かった!!
あまりに面白いので、いっきょに読めた。
お薦めポイントもいっぱいありすぎて、いつものように3つにしぼるのはむつかしかった。
でも、やっぱり3つにしておこう。

(1)私の「クモ学」の世界をより豊かに面白くしてくれた!!
(2)等身大のユーモアたっぷりの語り口調がうれしい!!
(3)今年のクモたちとの「出会い」を楽しみなものにしてくれた!!


▼では少しだけ詳しくなかみにふれてみましょう。

(1)私の「クモ学」の世界をより豊かに面白くしてくれた!!
 少しだけといっても、60歳台になってからはじめた「にわかファン」とちがって、本格的な専門家です。
 「へーそうだったのか!!」と驚きナットクすることばかりだった。 
 当然、シロウトの私のレベルとはちがうが、共感できるところも多かったです。
 たとえばこうです。

 クモの魅力とは何でしょう?クジラのように大きくもない。鳥のように美しく鳴くわけではなもない。イヌのように懐くわけでもない。魚のように美味しいわけでもない。クワガタのようにカッコよくもない。
 私が思うに、クモの魅力は、その賢さと複雑さにあります。クモは他の動物を襲って生きている捕食者です。うまくエサを捕らえるために、糸を使ってワナを仕掛けたり、オトリを使っておびき寄せたり。多彩な技を繰り出すために、経験から学び、未来を予測して柔軟に生き方を変えていきます。その様子を見ていると、クモに意図があるように見えてきます。この世界はクモの意図に満ちあふれているのかも。 
 そんなクモには、私たち人間と重なる部分もありますし、よく似ているようでまったく異質な部分もあります。ですから、ずっと見ていると、自分たち人間の生き方が決して唯一絶対のものでなく、実はいろんな可能性の一つに過ぎなかったんだと気づかされます。この信じて疑っていなかった世界が崩壊するような感覚を覚える瞬間は、一度体験すると病みつきです。私にとってクモの魅力はここにあります。(同書P7より)
 
 まったく同感です!!
 私も、ずっとこれが言いたかったです。
 でも、まったくのシロウトの私には、知識もコトバもなかったです。
 だから、『クモはすごい』をはやく誰かに書いて欲しかったのです。

 私のシロウト「クモ学」の世界は、自宅から半径数㎞の限られた範囲だけでのものだった。
 むしろ最も身近にこそ、その最大の「ふしぎ!?」があると主張していた。
 しかし、それは広い世界のことを知らなかっただけのことかも知れない。
 この本を読んでいると痛切にそう思い始めていた。
 例えばこうです。
 

クモ、日本人より先に宇宙を飛ぶ
 NASAというと、宇宙開発です。そして、クモと宇宙は切っても切り離せない関係にあります。なんといっても、これまで十六個体のクモが宇宙旅行をしているのです。ちなみに宇宙を飛んだことのある日本人は二〇一九年時点で一二人しかいません。
 クモが最初に地球の重力のくびきを離れたのは、日本人に先駆けること二十年近くなる一九七三年のことでした。(同書P27より)

 「重力」のことは意識したことはあるとは言え、「宇宙」のことまで考えていなかったです。いつも下向きにネットに待機して「狩り」をすることは観察により知っていても、「重力」と関係を深く追求することはなかったです。
 関連して、こうも教えてくれています。

 クモの世界の大法則が成り立つのは、下のほうがエサをとるのに都合がよいからです。私たちは重力のある世界に棲んでいるので、上へのぼるより下へおりるほうが速く移動できます。ですから、クモは下にかかったエサを捕まえやすいのです。
 私たちが商売するとき、お客さんがよく来る場所には大きな店を開くように、クモもとりやすい方向に網をひろげているわけです。下を向くのも同じ理由で、エサがとりやすい下を向いてあらかじめ好機に備えています。(同書P79より)

 なんというアタリマエ!!
 もっと驚くのはこのアタリマエにさからうクモもいるという!!
 ことさように、専門家だからこそ知るうんちくが次々と出てくる。
 それが実に面白い!! 
 私がこれまで知っていた「クモ学」の世界をどんどん豊かにふくらませてくれるのだ。
 いっぱいその具体例がありすぎて、ほんとうにきりがないが、もうひとつだけ例をあげておく。
 クモ流、おびき寄せの術
 クモはただ網を仕掛けてエサが来るのを待ちぶせる受け身一辺倒の生き物ではありません。エサをだまして、おびき寄せることもこともします。クモの網は、材料の糸がとても細く、光をあまり反射しないようになっているのに、その中心部には、いろいろな形の、糸でできた目立つ飾りがついていることがあります。
 この飾りを作る糸は、たて糸とも横糸とも性質が違っていて、昆虫が見ることのできる紫外線を中心に、光をよく反射します。一説によると、この目立つ飾りとクモのからだの色や模様があいまって、私たちほどに目のよくない昆虫からは、花のように見えるのだそうです。ハチのような昆虫はこの偽物の花に引き寄せられていきます。そして、ハッと気づいたときはすでに遅し、網にぶつかってしまいます。(同書P81より)

 ずっと「ふしぎ!?」に思ってきた「飾り=隠れ帯(今はあまり使わないコトバらしい)」の謎解きもしてくれているのです。やっぱり「クモはすごい」デス!!
 

(2)等身大のユーモアたっぷりの語り口調がうれしい!!
かつて延原肇先生(高校教師・生態学者)は言った。
「ミミズの身になってミミズをみる」と。 
それを合点的に肯定できる一言だと、あの庄司和晃先生は絶賛していた。
この著者は、最後の最後にこう書き記していた。

 クモを見ていると「何を考えているんだろう」と思います。人間を見ているときに考えるのと基本的に同じです。経験で変わり未来を予測する、柔軟で複雑な心があります。本当か?と問い詰められると、うううと困ってしまうのですが、ともかく眺めているとそう言いたくなる気持ちを抑えられません(動物行動学では、対象を人になぞらえて理解しようとするのは抑制的であるべきとされていて、私もその意味はよく理解できるのですが、一方で人間が世界を理解するやり方とはそういうものであろうとも思います)。本書のタイトルは、そんなクモの心を「イト」=「意図」として表現しています。
 もちろん「イト」は、クモの最大の特徴である「糸」でもあるわけです。糸を世界に張り巡らせる。心のあるクモ。そんな二つの「イト」に満ちた世界を、健やかなまま息子の世代に受け渡せれば、この本がささやかでもその役に立てればな、と願っています。 
(同書P195より)

 著者の「イト」はみごとに成功しているようです。
 始終一貫して「クモの身になって、クモをみている」のです。
 それも、等身大のユーモアたっぷりの語り口調で書かれているからうれしいですね。
 とりわけ後半の
第5章 クモ的思考 その1 個性って?
第6章 クモ的思考 その2 コミュニケーション上手になりたい
第7章 クモ的思考 その3 不確実な世の中をサバイバルする
 が面白いですね!!


▼最後に行きましょう。

(3)今年のクモたちとの「出会い」を楽しみなものにしてくれた!!
 正直に言いますと、最初にコガネグモの「狩り」に出会ったときのような新鮮な感動がうすれてきていました。
 最初は「こんなスゴイやつたちと一緒に暮らしてきたんだ!!」と、会う人ごとに熱く語っていました。
 ところが、最近ちょっと…!?
 著者はちがいました!!著者の「クモ愛」は徹底していました。
 こんな調子で語りかけてくれていました。
 

やっぱり親愛なる隣人
 ということで、もしもクモがいなくなったら、この世界は大きく様変わりしてしまいます。私たちの日常生活では、クモの存在が意識にのぼってくることはあまりないかもしれませんが、そこはやっぱり親愛なる隣人なのです。
 私たち人間とはまったく違う進化の道筋を経てきたクモ。その生きる論理には、私たちと大きく重なる部分も大きく違う部分も両方あります。
 わかりあえることはないけれども、完全に異質というわけでもない。こういう存在が身近にいてくれるのは、とても素敵なことだと思います。
 もしもクモがいない世界になったりしたら、それはつまらないものだ、と思いませんか?
(同書P191より)

 この本を読んでいると「クモ愛」が復活してきそうです。
 例年よりはやくあたたかくなってきています。
 さあ、「親愛なる隣人」=クモたちもそろそろ活動を開始しているかも知れません。
 今年はどんな「出会い」があるのか、とても楽しみになってきました。

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「天気の変化」を科学する (22) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #エマグラム #持ち上げ凝結高度 #自由対流高度 #平衡高度 #エマグラム鉄道物語

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Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」をつづけよう。
 いよいよ「物語」は佳境に入る。

(2)「上り」列車に乗って旅に出よう!!

a 持ち上げ凝結高度
 出発駅での乗客数は、「等飽和混合比線」をみればわかる。その数は「乾燥断熱線」を走るあいだは変わらない。
 「上り」列車は高くへ高くへと走る。
 ある高さのところで「等飽和混合比線」と「乾燥断熱線」は交わるんだ。
 ここで「定員一杯!!」の信号が出るんだ。これ以後は列車は「湿潤断熱線」の線路を走らなければならない。
 「定員一杯!!」の信号の出た駅のことをプロたちは「      」とよぶらしい。
 列車がさらに上がっていけば、あふれた乗客(水蒸気)は、列車から降りてもらうことになる。
 列車から降りた乗客は団体さんになって「雲粒」になる。降りた場所が温度が低ければ「氷晶」になる。
 つまり「持ち上げ凝結高度」は雲の底!!
 「持ち上げ凝結高度」駅を過ぎたら、車窓からの景色はどのようにかわるだろう。


▼さらに列車は上がっていく。

 b 自由対流高度
 「湿潤断熱線」を上っていくと、列車のスピードがぐんと変わってくる地点があった。
 そこは列車のなかの温度と列車の外の気温とが逆転する地点でもあった。
 そこからは、列車のなかの温度の方が高い!!
 熱気球がグングン上にあがっていくように、列車はスピードをあげた。
 乗客(水蒸気)はどんどん降りはじめた!! 降りた乗客たちは団体になって雲になっていった!!
 この地点を「      」とプロたちはよんでいた。

 この地点を過ぎたら、車窓からの「雲見」の景色はどのようにかわるだろう。


▼さらに上へ、そして

c 平衡高度
 車窓からのドラスティクな「雲見」をしばし楽しんでいるとまたまた様子がかわってきた。
 外の「雲見」の景もそうだが、気づけば列車内の乗客(水蒸気)は、ほとんど降りてしまっていた。
 列車内の気温と外の気温が再び逆転する地点。
 ここからは列車は上らなくなってしまった。
 その地点を「     」とプロたちはよんでいた。
 それが地上から見る雲頂でもあった!!


▼そして、列車は「下り」に切り替わる。

(3) 乗客(水蒸気)のいなくなってしまった「下り」列車はどの線路で降りてくるのだろう。

 
 「エマグラム」鉄道の「雲見」の旅もなかなか面白いぞ!!
 さあ、今すぐあなたも 列車に!!

 これは、私たちの暮らす「大気の物理学実験室」での仮想実験物語である!!

(つづく)

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「天気の変化」を科学する (21) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #エマグラム #乾燥断熱線 #湿潤断熱線 #等飽和混合比線 #エマグラム鉄道物語

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Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」をつづけよう。
 実はここからが、この試案のいちばん気に入っているところだった。
 
●一見複雑そうな「大気の物理学」を「中学校理科」で読み解く!!

 この「物語」は私が勝手に創作した!!
 私自身が、間違った認識の部分があるかも知れない。
 気づかれた点があれば、ぜひ指摘してほしい。よろしくお願いします。

▼では、はじめます。

3 エマグラム鉄道物語(その1)

※「ラジオゾンデによる高層気象観測(気象庁)」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/upper/kaisetsu.html
※「エマグラム(SunnySpot)」
https://www.sunny-spot.net/emagram/
のページを開いておいて考えてみよう。

 「エマグラム」はどこか列車のダイヤグラム(列車運行図表)と似ていますよね。そこで、ここからは仮想の「エマグラム鉄道物語」として、 「エマグラム」を読み解いていきます。
 走る列車は
 「水蒸気を乗せた大気水蒸気列車」!!
 さあ、あなたも この列車に乗って「雲見」の旅に出よう!!

▼これまでにわかってきた、アタリマエの「科学」で読み解いていこう。

(1) 「エマグラム」3本の線を「エマグラム鉄道物語」で読み解いてみよう。

 a 等飽和混合比線=この列車の乗客(水蒸気)の定員数を示す線。
 「定員」は温度によってきまっている。温度が低くなると定員は(    )なる。


▼次がこの「物語」のミソだ!!

 b この「大気水蒸気列車」が走る線路は2種類あった。

 ●乾燥断熱線=乗客(水蒸気)が定員一杯になるまで列車が走る線路。
 この線路を走っているあいだ停車駅はないので乗客の乗り降りはない。つまり乗客(水蒸気)の数は変わらない。

 ● 湿潤断熱線=乗客(水蒸気)が定員一杯になって以後列車が走る線路。
 この線路を走るとき乗客(水蒸気)はその都度列車から降りてもらわねばならない。
 列車から降りた乗客(水蒸気)は「団体さん」になって「   」になる!!


(つづく)

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「天気の変化」を科学する (20) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #エマグラム #乾燥断熱線 #湿潤断熱線 #等飽和混合比線

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Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」をつづけよう。

2 エマグラムを読み解く

「ラジオゾンデによる高層気象観測(気象庁)」のページをあけておいて、考えてみよう。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/upper/kaisetsu.html

(1) エマグラムの縦軸・横軸は何を表しているだろう。
  ・縦軸…(   )
  ・横軸…(   )

 <ルール>高度が高くなると気圧は(   )
              気温は(   )
 

 どこまでもわかったアタリマエを確認しておこう。

▼使われている「科学のコトバ」に迷わされずに、ゆっくり考えみよう!!

(2)「乾燥断熱線」はどんなことを表しているだろう。

(3)「湿潤断熱線」はどんなことを表しているだろう。
  「乾燥断熱線」とのちがいはどこだろう。
  それはどうしてだろう?

  a 気体「ビュンビュン」から→液体「フラフラ」へ
    水蒸気(気体) → 雲(液体)
    そのときエネルギー(熱)は 「 」という。

  b グラフの傾きに注目だ!!


▼次も同様に!!

(4) 「等飽和混合比線」とは何を表しているのだろう

  ●「飽和混合比」とは
   乾燥空気1㎏に対して、お腹いっぱい含まれる水蒸気量(g)


▼さあ、ここでのメインだ!!

 (5) 具体的「エマグラム」図を見ながら考えてみよう。

  ●「エマグラム(Sunny Spot)」
   https://www.sunny-spot.net/emagram/


   ・太い実線(赤)は 「  」
   ・破線(青)は 「  」
   a 「気温」状態曲線で上空の「気温」はすぐわかる!!
   ・1500 m → (  )℃
   ・3000 m → (  )℃
   ・5700 m → (  )℃
   ・9600 m → (  )℃

   b 実線(赤)と破線(青)が近づいているところはどんなところ?
   「気温」と「露点」が近い!!
   「腹一杯」が近い!! → 「    」ができやすい!!

    アタリマエ!!

   c 全国各地の「エマグラム」を見てみよう。


  一見、複雑そうな話も ゆっくり考えると、アタリマエの「科学」から!!

(つづく)

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「天気の変化」を科学する (19) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #高層気象観測 #エマグラム #生兵法実践主義

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▼次のWebテキスト『天気の変化』の試案にいきたい。

◆Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」

 「エマグラム」!?
 またまた唐突な話だ。でも、よく考えてみるとけっこう面白い話では。

▼では、はじめよう。

1 高層気象観測とエマグラム

「ラジオゾンデによる高層気象観測(気象庁)」のページをあけておいて、考えてみよう。
 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/upper/kaisetsu.htm

(1)「ラジオゾンデによる高層気象観測」を実施している場所で、あなたの住んでいるところからいちばん近いのはどこですか。

 二番目に近いのはどこですか。

(2) ラジオゾンデではどんな気象要素が測定されますか。

 a 風向・風速はどのようにして測定していますか。

 b 高度何㎞あたりまで計測されていますか。


▼いよいよです。

(3) 高層観測で得た観測データを用いて、「エマグラム」という図がつくられています。

・「エマグラム」って何!?

 ●「エマグラム(Sunny Spot)」
   https://www.sunny-spot.net/emagram/
 を参考にして、自分の住む場所にいちばん近い観測点の「エマグラム」をみてみよう。
 他の観測点の「エマグラム」もみてみよう。
 何がちがうだろう。
 気づいたことをあげてみよう。

▼なんともわけのわからぬ自分でもよくわかっていない「エマグラム」なるものをひっぱり出してきたのはなぜ!?
 私としての<ねらい>としては、2つあった!!

(1)専門家(プロ)たちの使っているデータも、いくつものアタリマエが重なってできている!!

(2)今までに知った<きまり>をどんどん使ってみよう!! 生兵法実践主義!!

(つづく)

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【Web更新2/11】24-06 Webテキスト『天気の変化』の可能性!?等 更新!!

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紅梅ややがては未来つれて来い 24/02/10撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-06
週末定例更新のお知らせ
 なんとも超高速で春がやってきているようだ!!
 アリガタイ!!
 うれしい反面、季節は螺旋的に変化していくものと思っていただけに
 なぜ!?
 
 粛々と ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2024 更新 紅梅
 もう紅梅が咲き誇っていた。
 なにか、盛りを過ぎたようにも見えた。
 いつも「未来」つれてきてくれるこの紅梅!!
 もうつれてきているのかな!?  私が気づいていないだけかな。

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 まだまだ「天気の変化」を科学する を続けていた。
 Webテキスト試案は「アメダス」まできた。
 どこまでも、まずは自分が楽しむことを優先させたい!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 2月テーマは「寅彦と科学・非科学」である。
 「非科学的」に潜む「科学的」の謎解きは面白い。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 今年3冊目の【お薦め本】を書いた。
 今年は、できるだけたくさんの【お薦め本】に挑戦することをめざしていきたい。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから46週目であった。
 池の氷もうすくなっていた!!

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「天気の変化」を科学する (18) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #アメダス #雨温図 #生物季節観測

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Webテキスト試案「アメダス」(PDF版)をつづける。
 
5 最寄りの「アメダス」が蓄積してデータを見ることができるページをみつけよう。
みつけたらそのデータをもとに、あなたの暮らす地域の「気候」について調べて見よう。

(1) 「雨温図」を参考に次のこと考えてみよう。
  ▼一年で降水量のいちばん多い月は何月ですか?
 ベスト3は?
 
  ▼反対に降水量のいちばん少ない月は何月ですか?

 ベスト3は?
(2) 気温がいちばん高いのは何月ですか?
 低いのは低いのは何月ですか?

(3) 近くの他の場所の「アメダス」と比較してみよう。
 どんなことがわかりますか?

(4) あなたの暮らす地域の「気候」の特徴をまとめてみよう。

▼次は、一年間をかけて、「アメダス」のデータとつき合いながらの話です。

6 私たちの暮らす地域には多種多様の生きもの(動植物)が一緒に生きています。
その生きものたちの暮らしを観察してみよう。

◆生物季節観測の情報(気象庁)
     http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html
◆生物季節観測データベース
     http://agora.ex.nii.ac.jp/cps/weather/season/
 等を参考にしながらあなたの暮らす地域の「生きもの暦」をつくろう!!
 
 ▼あなたの暮らす地域の「アメダス」データとリンクさせてみよう!!

 これは、私にも実現できていない「課題」でもあります。
 こうすればうまく行くよという実践例も知りたいところですね。

▼実は、次もこれからの「課題」なんです。
 
7 私たちの地域の「アメダス」は、日々の気象観測の「記録」をデータとして残してく
れています。
こんな貴重なデータをそのままにしておくのはモッタイナイ!!
いろんな有効活用の方法を考えてみよう。

 ▼「あの日」の「記録」を見てみよう。


▼これからも、ずっとやりつづけたいことです。

8 最も近くにある「アメダス」観測所に行ってみよう!!

 ▼どんなところにありましたか?
 
 ▼何が見えましたか?

 【やってみよう】
● 周辺の「アメダス」観測所に機会をみつけて行ってみよう。
● 旅に出たときその地域の「アメダス」をチェックしておこう。


 以上がテキスト試案「アメダス」のすべてです。
 試案と言いながらも、自分自身でもできていないことばかりです。
 要は

 地域の「アメダス」とうまくつきあおう!!
 楽しく!! 

 ということです。いろんな実践交流ができたらうれしいな!!

(つづく)

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「天気の変化」を科学する (17) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #アメダス #テキスタイル

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▼Webテキスト『天気の変化』の次の試案にいこう。
 次の試案は「アメダス」についてです。

◆Webテキスト試案「アメダス」(PDF版)

 (2020/03/10 試案)となっていた。
 つくってはみたものの、ネットで公開する以外にはなににもつかっていなかった。
 ここで「公開」すること自体が、テキスタイルの作業そのものの一部と思っていた。
 そのつもりで、楽しみたいと思っている。

▼では具体的に行こう。

1 あなたは『アメダス』って聞いたことありますか。

 ▼どんなこと知っていますか。

※地域気象観測システム(アメダス) 気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/amedas/kaisetsu.html

2 「アメダス」はなんと全国に約1300ヶ所にも設置されているそうです。
あなたの暮らしている家にもっとも近い「アメダス」はどこにありますか?

※地域気象観測所一覧 [PDF形式] 気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/amedas/ame_master.pdf

 ▼そこではどんなことが観測されていますか?


▼次の「発問」に行こう。

3 アメダス観測所の「四要素」って何ですか。

 ▼それらはどんな観測機器で測られていますか。

 その原理・システムを調べてみよう。

 この試案に再びふれる前に、今一度、家のいちばん近くの「アメダス」を見に行ってきました。
 そしたら、これまでとちがった変化がひとつ!?
 まだ確かめていないですが。

▼次がもっとも強調したいところです。

4 いちばん近くのアメダス観測所のリアルタイムな観測データをみることができるページをみつけよう。
「お気に入り」に登録しておこう!!

 こんな貴重なデータが、居ながらにしてリアルタイムでみることができるなんて
 モッタイナイ!!

 これがこのテキスト試案をつくった理由のすべてです!!

(つづき)

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【お薦め本】『科学実験 お楽しみ広場』(本間明信・小石川秀一・菅原義一 編集 新生出版)

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▼断捨離をすすめると決意しながらもなかなか進まないのが「本」の処理である。
 デジタル版も同時発売が多くなった今日では、「蔵書」のスタイルもずいぶんかわりつつあるのだろう。なかなかそこにはつけていけていないポンコツには、本の断捨離は難題中の難題デアルのだ。

 なかには、出版元の出版社がなくなってしまったような本は、貴重DBでもある。
 「記念碑的」役割もしてくれている。そして…!!

▼そんな一冊が、今回の【お薦め本】である。
 30年以上前の本である。 
 どこかの本棚のスミに眠っているかも知れない。
さがしてみる価値ある本である。 
 ひょっとしたら、古書店でみつけることができるかも知れない。そのときはぜひ!!


◆ 【お薦め本】『科学実験 お楽しみ広場』(本間明信・小石川秀一・菅原義一 編集 新生出版 1992.8.10)

 いつものようにお薦めポイントを3つあげる。

(1)「お楽しみ広場」の歴史がわかる!!
(2)定番実験の発展史がわかる!!
(3)「これから」の教材開発のヒントがここにある!!


▼では少しくわしくみていこう。
(1)「お楽しみ広場」の歴史がわかる!!
 ふりかえって見れば、科教協の「お楽しみ広場」でどれだけ多くのモノ、教材を「おすそ分け」してもらってきただろう。
 授業に使わせてもらってきたネタ(教材)も数限りなくある。
 あの「お楽しみ広場」は、いつごろどのように始まったのだろう!?
 本間明信さんは「まえがき 子どもたちがやってくる」のはじめに次のように書いていた。
 

科教協「お楽しみ広場」の起源は1977年の岩手大会の開会行事にあります。10m以上もある北海道の昆布やスッポンの骨格などが紹介されました。
 以来「お楽しみ広場」は全国の教師たちを集めています。最も新しい実験が紹介され、普通のルートで手に入らない材料がその場で安く買えました。やがて、教科書会社・教材会社なども情報を集めに来るようになって、かつて「お楽しみ広場」でしか手に入らなかったものが、「おもての」ルートでも手に入るようになりました。学校だけの必要ではなく、供給が需要をつくり出す日本全体の流通の大変化がその背景にあります。歴史のなかで、これほど情報の流れが速くなった時代もめずらしいのではないでしょうか。
 
さらにつづけてこうも書いていた!!
 そしていま、「お楽しみ広場」に異変が起きているように思われます。教師に広めようとした実験(もちろん授業で使う)紹介の場に、高校生、中学生、小学生がやってくるのです。教師が学ぶ前に子どもたちが直接見に来るようになったのです。これも一種の流通革命かもしれません。 (同書「まえがき」より)

 と書いたのは1992年!!
 30年以上前のことです。
 さて、その後「お楽しみ広場」は!?
 やっぱり「お楽しみ広場」にも「歴史」があるんですね。

(2)定番実験の発展史がわかる!!
 今度は「あとがき」に小石川秀一さんがこう書いていた。

 ここにあげられた実験は1991年5月に「科学教育研究協議会」のお楽しみが仙台を会場に行われた時のものです。全国の仲間が楽しい実験を紹介するために行われた集会での実験が中心です。当日の参加者の中には、小学生から中学生、一般の大人の方々の参加も多く見られました。(同書p162より)
 
 今や教科書、「科学の祭典」「お楽しみ広場」等々でおなじみのあの定番実験の1991年の「現在地」があがっているのです!!
 これは貴重なDB(データーベース)です。
 ではどんな実験があるのか。具体的にリストアップしてみましょう。
 69例あります!! 
 
(1)針金のペンダント 石のブローチ
(2)グンと高く飛ばそう二段式水ロケット
(3)サウナのような暑さを!
   木陰のような涼しさを ー金属は熱も反射する-
(4)2玉衝突実験器をつくろう
(5)鏡を使った不思議な貯金箱
(6)熱源の温度を測る
(7)巨大風車 ー2Kgのおもりを持ち上げるー
(8)エアー・フレッシュ ー真空調理器を使った実験ー
(9)鉄筋を使ってチャイムをつくる
(10)ポリ袋のエアマット
(11)液体窒素の実験
(12)ハンガーまわしてコインの曲芸 
(13)横笛づくり
(14)水爆 熱だんご
(15)液晶を使って熱の伝導を
(16)ドライアイスでつくる低温の世界
(17)黒板ふきクリーナーで人の乗れる
ホーバークラフトの製作
(18)巨大プリズム型水そう
(19)発電するから遅くなる ー渦電流を取りだすー
(20)モーターゴマをまわす
(21)ダイナミックな電磁石
(22)必ずまわる強力モーターの製作
(23)ふろブザーの利用
(24)ピッカリ・ブーブーテスター
(25)コンデンサーマイク
(26)大型発光ダイオードの利用
(27)水銀スイッチの利用とチャッカマンの改造
(28)圧気発火器
   ー断熱圧縮はディーゼルエンジンの原理ー
(29)電気のいらないカラオケマイク
(30)電気パンをつくろう
(31)なんでもスピーカー
(32)人間のはいれるシャボン玉
(33)大きなシャボン玉をつくろう
(34)酸素の発生
(35)簡易キップの装置をつくろう
(36)自然発火する鉄粉
(37)昔なつかし カルメ焼
(38)ミョウバンの巨大(?)結晶づくり
(39)なんでも還元
(40)ぜったい安全な水素の実験
(41)身近な食品などの環境調査
(42)くり返し色が変化する液体
(43)スライムを作ろう ー溶解教材としてー
(44) べっこうあめ づくり
(45)サンソから酸素・サンソから二酸化炭素
(46)固形アルコールの作り方
(47)塩化コバルト紙の呈色反応
(48)とけていく金属が電子を放す ー激しく反応がおこっているのはどちら?ー
(49)ニワトリの解剖 ーヒトとニワトリー
(50)たたきぞめではっぱのでんぷんをさがそう
(51)木の葉でブローチを作る
(52)パルプ100%ででんぷん検出
(53)なんでも蒔いてみよう ーなまけもののための簡単な水耕法ー
(54)ニンヒドリンを使ってタンパク質検出
(55)魚のつくりを調べよう
(56)虫あつめ いろいろ 
(57)わらばん紙を作ろう
(58)染色を楽しもう
(59)魚の背骨で骨の実験
(60)光る石のブローチを作ろう
(61)石をくだく
(62)きれいな砂をつくろう
(63)校庭の砂鉄を全部集めよう
(64)砂鉄から教室内で鉄を取り出そう
(65)鉄鉱石から鉄を 金属酸化物から金属を
(66)校庭の砂からガラスを作る
(67)雪雲の実験
(68)雲の発生
(69)双眼実体顕微鏡でみる

 あの定番実験はすでにはじまっていたのです!!

▼最後にいきましょう!!
(3)「これから」の教材開発のヒントがここにある!!
 最高のお薦めポイントがここにあります。
 定番実験のルーツを知るのはプライオリティだけの問題ではありません。
 その実験がはじまったときの「本意」を知っておくことは、授業で、あらたな展開を考えるときにとっても役に立ちます。
 小石川さんはこうも言っていた。

 4.実験をやって子どもの反応をぜひ、知らせてほしい
 実験には、材料の入手方法、実験のやりかたを詳しく紹介しています。そこで、実験をやった結果をぜひ知りたいのです。実験の工夫、手直しが可能になります。また、「発展」が生まれることでしょう。教師の工夫、創意です。もっとこうしたらよくなる、よくなった等の報告が、お互いの「発展」につながります。(同書p163より)

 この「呼びかけ」を裏付けるように各実験の執筆者の名簿が書いてありました。
  
それから30数年!!
 定番実験の「現在地」がぜひ知りたいですよね!!
 「これから」のヒントは必ずここにある!!

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本日(2024/02/08)、第371回オンライン「寅の日」!! #化け物の進化 #traday #寺田寅彦

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▼「お化け」「化け物」「妖怪」等のたぐいの話を、怖がりのくせにあまり嫌いではない。
 なぜそんな話が、今なお語りつがれてきたのだろうか!?
 それも全国に同じような話が存在するというのが、「ふしぎ!?」だ。
 「ふしぎ!?」が「科学」のはじまりだとしたら
 これって「科学」!?

▼本日(2024/02/08)は、第371回オンライン「寅の日」!!
 2月テーマは

【2月テーマ】「寅彦と科学・非科学」

 である。
 本日はその一回目、読むのは「化け物の進化」である。
 

◆本日(2024/02/08)、第371回オンライン「寅の日」!!

●「化け物の進化」(青空文庫より)

▼さすが寅彦である。
 冒頭から、なんとも興味深い切り口で「化け物」に迫っていく!!

 人間文化の進歩の道程において発明され創作されたいろいろの作品の中でも「化け物」などは最もすぐれた傑作と言わなければなるまい。 化け物もやはり人間と自然の接触から生まれた正嫡子であって、その出入する世界は一面には宗教の世界であり、また一面には科学の世界である。 同時にまた芸術の世界ででもある。

 昔の人は多くの自然界の不可解な現象を化け物の所業として説明した。 やはり一種の作業仮説である。 雷電の現象は虎(とら)の皮の褌(ふんどし)を着けた鬼の悪ふざけとして説明されたが、今日では空中電気と称する怪物の活動だと言われている。 空中電気というとわかったような顔をする人は多いがしかし雨滴の生成分裂によっていかに電気の分離蓄積が起こり、いかにして放電が起こるかは専門家にもまだよくはわからない。

 自然界の不思議さは原始人類にとっても、二十世紀の科学者にとっても同じくらいに不思議である。 その不思議を昔われらの先祖が化け物へ帰納したのを、今の科学者は分子原子電子へ持って行くだけの事である。

なんともみごとな言い切りだ!!
そして、こう続ける。
 
 それゆえに化け物の歴史は人間文化の一面の歴史であり、時と場所との環境の変化がこれに如実に反映している。
 

▼そして、「科学教育」への提言にまでいたるのである。

 不幸にして科学の中等教科書は往々にしてそれ自身の本来の目的を裏切って被教育者の中に芽ばえつつある科学者の胚芽(はいが)を殺す場合がありはしないかと思われる。 実は非常に不可思議で、だれにもほんとうにはわからない事をきわめてわかり切った平凡な事のようにあまりに簡単に説明して、それでそれ以上にはなんの疑問もないかのようにすっかり安心させてしまうような傾きがありはしないか。 そういう科学教育が普遍となりすべての生徒がそれをそのまま素直に受け入れたとしたら、世界の科学はおそらくそれきり進歩を止めてしまうに相違ない。
 
 こういう皮相的科学教育が普及した結果として、あらゆる化け物どもは箱根(はこね)はもちろん日本の国境から追放された。 あらゆる化け物に関する貴重な「事実」をすべて迷信という言葉で抹殺(まっさつ)する事がすなわち科学の目的であり手がらででもあるかのような誤解を生ずるようになった。 これこそ「科学に対する迷信」でなくて何であろう。 科学の目的は実に化け物を捜し出す事なのである。 この世界がいかに多くの化け物によって満たされているかを教える事である。

 古人の書き残した多くの化け物の記録は、昔の人に不思議と思われた事実の記録と見る事ができる。 今日の意味での科学的事実では到底有り得ない事はもちろんであるが、しかしそれらの記録の中から今日の科学的事実を掘り出しうる見込みのある事はたしかである。

少し結論を急ごう!!

現在の世界じゅうの科学者らは毎日各自の研究室に閉じこもり懸命にこれらの化け物と相撲(すもう)を取りその正体を見破ろうとして努力している。 しかし自然科学界の化け物の数には限りがなくおのおのの化け物の面相にも際限がない。 正体と見たは枯れ柳であってみたり、枯れ柳と思ったのが化け物であったりするのである。 この化け物と科学者の戦いはおそらく永遠に続くであろう。 そうしてそうする事によって人間と化け物とは永遠の進化の道程をたどって行くものと思われる。

 化け物がないと思うのはかえってほんとうの迷信である。 宇宙は永久に怪異に満ちている。 あらゆる科学の書物は百鬼夜行絵巻物である。 それをひもといてその怪異に戦慄(せんりつ)する心持ちがなくなれば、もう科学は死んでしまうのである。

 またこんな事を考える、科学教育はやはり昔の化け物教育のごとくすべきものではないか。 法律の条文を暗記させるように教え込むべきものではなくて、自然の不思議への憧憬(どうけい)を吹き込む事が第一義ではあるまいか。 これには教育者自身が常にこの不思議を体験している事が必要である。


「科学教育」!?
「化け物教育」!?
 あなたは寅彦のコトバをどう読みますか!?

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「天気の変化」を科学する (16) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #高層天気図 #数値予報天気図 #デジタル台風 #上がるとザアザア

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▼Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけてきた。

◆Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)

 試案の試案として作ってはみたものの、この後どう展開したものやら!?

▼最初の<ねらい>としたことを再びあげてみるとこうだった。

(1) プロ仕様の「高層天気図・数値予報図」を「中学理科」でわかりやすく読み解く!!

(2) せっかくの誰でも見られる共有データ、このままではモッタイナイ!!

(3) 天気の大原則 
   <上がるとザアザア 下がるとカラカラ>
   <光は東から 天気は西から>       の徹底活用!!
 

●高層天気図(気象庁)

●数値予報天気図(気象庁)

 (2)の「モッタイナイ!!」という思いばかりが、先行して(1)の「わかりやすく読み解く」はなかなか実現していない。
 (3)の<ねらい>についてはやっぱりという思いは強くなるばかりである。
 特に
  <上がるとザアザア 下がるとカラカラ>は使いモノになる!!

▼【参照・参考ページ】であげたページはとても参考になった。
 なによりもシロウトにやさしい!!

●予想にチャレンジ!専門天気図(北海道HBC)

▼「天気の変化」をより楽しんで「科学する」ために次の2つは特にお薦めである。

●デジタル台風: 雲画像動画アーカイブ(全球画像) 
 
●ひまわりリアルタイムWeb 

(つづく)
 
 

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「天気の変化」を科学する (15) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #数値予報図 #渦度 #生兵法実践主義 #上がるとザアザア

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▼Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけよう。
 
5 数値予報図~渦度~

※数値予報天気図(気象庁)

を参照しながら、考えてみよう。
●極東地上気圧・風・降水量/500hPa高度・渦度予想図 ( 12時間毎 )
を開いておいて考えてみよう。

(1) 500hPa高度の基準高度はいくらぐらいだろう。
  5.700m !!

▼「渦度」!!新しいコトバに迷わされずにアタリマエを追求しよう。

(2) 「渦度」には「+正」と「-負」がある。
「低気圧」「高気圧」の渦はどちらだろう。

●北半球では
「+正渦度」=反時計回りの渦 → ( 低気圧)の渦
「-負渦度」=時計回りの渦 → (高気圧 )の渦

(3)「正渦度」のところは縦縞の実線で表されています。
  低気圧(L)、高気圧(H)の位置を確認してみよう。

▼アタリマエ重ねれば、徐々に「科学」に迫ってきますね!!

(4) 天気図に現われる「渦度」とは鉛直成分を表したものです。
「正渦度」のところの大気は上がっているでしょうか。それとも下がっているでし
ょうか。

●北半球では
「+正渦度」=反時計回りの渦 → 低気圧の渦→ 大気は「上がる 」
「-負渦度」=時計回りの渦 → 高気圧の渦 → 大気は「 下がる」

▼いよいよです。

(5)「地上気圧・風・降水量」の図を見て、「降水量」のいちばん多いところ(極)を
さがしてみよう。
それは「渦度」とはどんな関係になっているだろう。

a 「12・24時間予想」「36・48時間予想」「72時間予想」でも確かめてみよう。

「縦縞の実線」部→「正渦度」→大気「上がる」→→ <上がると ザアザア>

ここでも やっぱり!!
<上がるとザアザア 下がるとカラカラ>

 いっぱい例外あるだろう!!
 でも、ざっくりと そう言えないかな!!
 繰り返し、繰り返し 使ってみよう!!
<上がるとザアザア 下がるとカラカラ>

生兵法実践主義で!!


(つづく)

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【Web更新2/4】24-05 Webテキスト『天気の変化』の可能性!?等 更新!!

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水仙や客の足音耳澄まし 24/02/02撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-05
週末定例更新のお知らせ
 はや立春を過ぎた!!
 光の春がやってきた!!
 光はどこまでも律儀に時を刻んでいく。

 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2024 更新 水仙
 庭のスイセンが、凜として佇立していた。
 めったいにない客を待つように。
 今度の客は、どんな「春」を運んできてくれるだろう。
 楽しみでアル!!

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 「天気の変化」を科学する を続けている。
 どうしてここまでWebテキストにこだわるのか!?
 それはきっと、シロウトの私でも、「科学する」を楽しめる醍醐味がそこにあると思っているからある。
 まだまだ続けたいものだ。

◆「コウガイビル」を追う 更新!!
 もう一度、根っこのところから問うてみよう。
 「コウガイビル」って!?
 「プラナリア」って!?
 「再生」とは!?
 「生命」とは!?
 最前線の研究はどこに行けば!?

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 今年もやっぱり立ててしまった「立春の卵」!!
 「立春の卵」が教えてくれている「科学」とは!?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから45週目である。
 泥の底に眠る蓮根の姿を想像してみる。
 今年はどこまで育っただろう。

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今年も「立春の卵」を立てた!!(2024/02/03) #立春の卵 #中谷宇吉郎 #コロンブスの卵 #日本理科教育史

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▼ツルツルに見える卵の殻にも、けっこう多くの小さな凸凹があった。
 その凸三点を頂点とする三角形を描き、それを底面とする。
 そして、卵の重心から垂線をおろし、それが描いた三角形内にあれば卵は立つ!!必ず立つ!!

 いつ どこで 誰が やっても 卵は立つ!!
 ダカラ 「科学」なんだ!! 

 それを最初に教えてくれたのはあの中谷宇吉郎だった。

◆「立春の卵」(中谷宇吉郎 青空文庫より)

▼今年も、やっぱりこのアタリマエの小さな実験に挑戦してみた。
 あえて「立春」をはずことで、「いつも」を強調したかった。
 おもいっきり不器用さを自認する私にも、5分と経たないあいだに4個を立てることができ、10分までには5個全部立てることができた!!

 2015年には、中谷先生もやらなかったような「大実験」(!?)に挑戦した。
 テーブルの上に同じく5個の卵を立て、その最後の1個が倒れるまで、毎日写真を撮り、それを添えてTwitter(今はX)でつぶやき続けたのである。その「全記録」がここにある!!

◆【立春の卵】191日の軌跡 
 
▼「立春の卵」が話題になるとき、いつも「コロンブスの卵」のことが話題となった。
 少し大げさな言い方をするが、「卵を立てる」というこの小さな実験が、「日本理科教育史」のなかでどんな歴史をもつのか調べてみた。

●「日本理科教育史」をプロットする!!(46) #立春の卵 #中谷宇吉郎 #板倉聖宣
●「日本理科教育史」をプロットする!!(47) #コロンブスの卵 #立春の卵 #中谷宇吉郎 #板倉聖宣

 実に面白い歴史デアル!!

▼毎年、この小さな実験に挑戦して、立った卵をながめながら思う!!
 「立春の卵」は、今どこにいるのだろう!?

 中谷先生の「立春の卵」の最後の言葉が気になる。

何百年の間、世界中で卵が立たなかったのは、皆が立たないと思っていたからである。  人間の眼に盲点があることは、誰でも知っている。しかし人類にも盲点があることは、余り人は知らないようである。卵が立たないと思うくらいの盲点は、大したことではない。しかしこれと同じようなことが、いろいろな方面にありそうである。そして人間の歴史が、そういう瑣細(ささい)な盲点のために著しく左右されるようなこともありそうである。

 

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「天気の変化」を科学する (14) #天気の変化 #科学する #Webテキスト #数値予報図 #鉛直P速度 #湿数 #上がるとザアザア


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▼Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけよう。
 次は

4 数値予報図~鉛直p速度~

※数値予報天気図(気象庁)

を参照しながら、考えてみよう。
●極東850hPa 気温・風、700hPa 上昇流/ 700hPa 湿数、500hPa 気温予想図 ( 12時間毎)
を見ながら考えてみよう。

▼「鉛直p速度」!? 耳慣れぬコトバからはじまっていた。
(1) 「鉛直p速度」は何をあらわしているのだろう。
 a 単位は

 b 「私たちは大気の海の底に暮らしている!!」

 底(下)ほど 気圧は ( 高い)!!
 上空(上)ほど 気圧は (低い )!!

 アタリマエ!!

 c 大気が「上がる」「下がる」ときで考えてみよう。
 大気「上がる」→ 鉛直方向の気圧変化速度「鉛直p速度」 → 「 - 」
 大気「下がる」→ 鉛直方向の気圧変化速度「鉛直p速度」 → 「 + 」

 ナルホド!!アタリマエすぎるほどアタリマエのこと!!

(2) 700hPa 上昇流の図では、上昇流の領域(鉛直 p 速度「-」域)は、縦縞の実線であらわしてある。
  確認してみよう。

 ・上昇流のいちばん大きいところ(極)はどこにあるだろうさがしてみよう。
 ・反対に下降流のいちばん大きいところ(極)はどこにあるだろう。

▼おおざっぱにとらえて次に行こう。
(3) 今度は700hPa湿数、500hPa気温予想図 を見てみよう。
 a 「湿数」とは
 「湿数」=気温-露点
 大気中の水蒸気の満腹度を示す!!

 b 満腹の限界を越えてしまえば大気中の「水蒸気」ははみ出して「雲」になる!!
 
 その臨界点が近いぞ!!
 ということを予想天気図では明示してくれていた。
 「湿域」=「湿数」<3℃
 つまり湿っているところ!!
「雲」がとってもできやすいところ!!
予想天気図では、「湿域」は縦縞の実線で表示されている。
 確認してみよう。

▼ここが、今回のメインだ!!  

(4)「極東850hPa気温・風、700hPa上昇流」予想図における
  ●「鉛直P速度」→「-」→大気「上がる」→実線縦縞
   「700hPa 湿数、500hPa気温」予想図における
  ●「湿域」=「湿数」(=気温ー露点)<3℃ →雲ができやすい→実線縦縞

 ふたつ予想図の実線縦縞をザックリと見くらべてみよう!!

 ここでもやっぱり

 <上がるとザアザア 下がるとカラカラ>!!

(つづく) 

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2024年2月(如月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼我らが寅日子先生は、「柿の種」(青空文庫より)の冒頭に、たいへん興味深いことを言われている。

 日常生活の世界と詩歌の世界の境界は、ただ一枚のガラス板で仕切られている。
 このガラスは、初めから曇っていることもある。
 生活の世界のちりによごれて曇っていることもある。
 二つの世界の間の通路としては、通例、ただ小さな狭い穴が一つ明いているだけである。
 しかし、始終ふたつの世界に出入していると、この穴はだんだん大きくなる。
 しかしまた、この穴は、しばらく出入しないでいると、自然にだんだん狭くなって来る。

▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。

(1) 立春の輝く湖に船行けり 杉田久女
(2) 日を返しつつ大川の春浅し 稲畑廣太郎
(3) 春寒や船からあがる女づれ 永井荷風
(4) 白紙に包みし土産蕗の薹 高浜虚子
(5) エスカレーター春服冬服すれ違う 戸松九里
(6) おほぜいにまぎれて歩く梅の花 桑原三郎
(7) 亡き人に裏木戸開けてある野梅 岩岡中正
(8) スカーフの蝶々結びも愛の日よ 西嶋あき子
(9) 針供養女人は祈ること多し 上野 泰
(10) 遠きもの欲れば遠くに野火上る 橋本美代子

▼次もまたいつものように勝手なシロウト「選句」である!!
 
【私の選んだ名句ベスト3】

(4) 白紙に包みし土産蕗の薹 高浜虚子

(6) おほぜいにまぎれて歩く梅の花 桑原三郎

(3) 春寒や船からあがる女づれ 永井荷風

【次点】

(5) エスカレーター春服冬服すれ違う 戸松九里

【選評】
・白紙と蕗の薹のコントラストいいですね。一服の絵画のようだ。
・「梅の花」はいつもちょっとひかえめかな!?
・「春寒や」の季語が大好き。自分でも使ってみたくなる。

・いっぺんに景の見えてくるあるあるの景!!エスカレーターがうまい。

▼こうして、飽きもせずに<俳句修業>を繰り返していると、寅日子先生の言う<小さな穴>は少しでも大きくなってくるかな。
 そうだとうれしいな!!
 オンライン「句会」参加も、有効な手段かも!?

◆第42回オンライン句会「寅の日」2月例会案内!!


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2024年2月(如月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼あれから1ヶ月が経った!!
 2月(如月)の「雲見」を予想する前に1月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴   5      
・巻雲   3  
・巻積雲  2  
・巻層雲  0       
・高積雲  2   
・高層雲  2       
・層積雲  8    
・積雲   5     
・層雲   0
・乱層雲  4 
・積乱雲  0

  一日一枚のシールを原則としている。
 1月で目立ったのは、「層積雲」8 =いかにも冬という感じだ!!
           「快晴」5 =冬晴れ!!空の青がきれいだった。
           「積雲」5 =青空バックに浮かぶ雲がきれいだった。 
 今年もあいかわらず、アメダスの記録(「福崎」)から最高気温~最低気温をメモしてみた。
 気になりだしたのは「冬日」だった。
 冬日=「日最低気温が0℃未満の日」
 1月には13日あった。最低気温が最も低かったのは1/9の-3.5℃だった。
 さて、2月はどうだろう!?

▼2024年2月(如月)の「雲見」の予想に入ろう。
 今年も前年の天気図を参考にすることにしよう。
 では昨年の2023年2月の天気図を参考に見てみよう。

◆日々の天気図 2023年2月 (気象庁)

・「能登」の天気がきになるところだ。
・今月は「冬日」は何日になるだろう!?
・紅梅のほころぶのはいつごろだろうか。
・春一番はいつごろ吹くだろうか
・もくもくシールは何を多く貼ることになるかな。
・「西高東低」の冬型は何日ぐらいになるだろう。

▼今年から、ここでは「雲見」の旅の計画を立てることにしている。
 1月の計画に列車での「雲見」の旅を計画していた。
 残念ながら実現しなかった。
 そのかわりに一駅区間だけ播但線に乗ってみた。
 やっぱり楽しかった。今月はぜひもう少し長距離に挑戦してみたいものだ。

【2024年2月 「雲見」の旅】
・瀬戸内海 「雲見」の旅
・ひとり吟行と「雲見」
・「天気の変化」を科学する と関連して

▼もうひとつ勝手に提案していた。
◆【「雲見」の連帯】
 である。
 どんな「かたち」がいいのか。
 ぜんぜん具体案が、頭になかった。
 ひょっとしたら、別の「かたち」をとりながらはじまっているのかも知れない。
 言い続けておれば、思わぬ展開が待っているかも知れない!!
 それを楽しみ(愉しみ)に…。


 

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