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本日(2023/10/23)、第361回オンライン「寅の日」!! #物理学圏外の物理的現象 #traday #寺田寅彦

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「物理学」!!

 寅彦に出会わなかったら、現場をはなれて久しくなる今 「物理学」などに興味をもっていたか!?
 正直言って いささかあやしい。
 ポンコツの学び直しの「物理学」!!


▼本日(2023/10/23)は、第361回オンライン「寅の日」である。
 10月のテーマは、その「物理学」についてである。

【10月テーマ】「寺田物理学とは!?」

 本日は、その2回目。「物理学圏外の物理的現象」を読む。

◆本日(2023/10/23)、第361回オンライン「寅の日」!!

●「物理学圏外の物理的現象」(青空文庫より)


▼そもそも「物理学」とは!?
 の解説からはじまる。そして「物理学圏外」とは!?

 物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。本来の意味では立派に物理的現象と見るべき現象でも、時代によって全く物理学の圏外に置かれたかのように見えることがありうるのである。

 そして、いよいよ本論に入っていく。
 これだけの例から見ても、その当代の流行問題とはなんの関係もなくて、物理学の圏外にあるように見える事がらの研究でも、将来意外に重要な第一線の問題への最初の歩みとなり得ないとは限らない。それでそういう意味で、現在の物理学ではあまり問題にならないような物理的現象にどんなものがあるかを物色してみるのも、あながち無用のわざではないかもしれない。

 さあ!!
 ここから「寺田物理学」の展開である。
 そういう種類の現象で自分が多年心にかけていたものがいろいろあるが、それらの多数はいずれも事がらが偶然的偏差に支配されるために、結果が決定的再起的でないような種類に属するものである。

 そして、我らが「金平糖」問題が登場する!!
 金米糖([こんぺいとう)を作るときに何ゆえにあのような角(つの)が出るか。角の数が何で定まるか、これも未知の問題である。すすけた障子紙へ一滴の水をたらすとしみができるが、その輪郭は円にならなくて菊の花形になる。筒井俊正(つついとしまさ)君の実験で液滴が板上に落ちて分裂する場合もこれに似ている事が知られた。葡萄酒(ぶどうしゅ)がコップをはい上がる現象にも類似の事がある。

話はさらに進む。私には、なかなか追いつけない領域にはいっていく。
ところが、最近に至って物理学の理論の基礎に著しい革命の起こった結果として、物理現象の決定性といったような基礎観念にもまた若干の改革が行なわれるようになった。その結果としておもしろいことには、われわれが従来捨てて顧みなかった上記の種類の不決定な事がらに対して、もはやいつまでもそうそう無関心ではいられなくなって来たと私には思われる。なぜかというと、上記の種類の現象の根本に横たわる形式的要素が、新物理学の基礎に存するそれらとどこか共通なものを備えているからである。
 
これから想像すると、おそらくその他の類似の問題でも、基礎形式的にこれと類するものがあるであろうと思われるのである。ただこれらの多くの場合はより多く事がらが複雑であって到底簡単な少数有限の方程式などで解決されるべきものではないであろうと予測される。

 <複雑系>のはじまりであろか。

▼「これから」が興味深く語られていた。

しかし世界の広い学界の中にはまれに変わり種の人間もいて、流行の問題などには目もくれず、自分の思うままに裸の自然に対面して真なるものの探究に没頭する人もあるから、いつの日にかこれらの物理学圏外の物理現象が一躍して中央壇上に幅をきかすことがないとも限らないであろう。そういう革命的の仕事は、おそらくアカデミックな学者の手によってではなく、意外な方面の人の自由な頭脳によってなし遂げられはしないかという気がする。 

 なんか、うれしくなってくる話にツナガル!!しかし、「物理学」トラウマを抱える私にはチクリと。
 物理学圏外の物理現象に関する実験的研究には、多くの場合に必ずしも高価な器械や豊富な設備を要しない。従って中等学校の物理室でも、また素人((しろうと)の家庭でもできうるものがたくさんにあると思われる。しかしいかなる場合にでも、その研究者が物理学現在の全系統について、正しい要約的な理解を持っていることだけは必須(ひっす)な条件である。

 期待をツナグ話でしめくくられる。
過去百年の間に築き上げられたこの大規模の基礎を離れて空中に楼閣を築く事は到底不可能なことである。しかし物理学の基礎的知識の正当な把握(はあく)は少しの努力によって何人(なんぴと)にでもできることであるから、それを手にした上で篤志の熱心なる研究者が、とらわれざる頭脳をもって上記のごとき現象の研究に従事すれば、必ず興味あり有益なる結果が得られるであろうと考える。

と書かれたのは、昭和七年(1932)である。
それから、91年が経った!!

 「寺田物理学」はどこまで来たのかな!?
 学び直しの「物理学」に「寺田物理学」は有効かな!?

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