2023年5月(皐月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会
▼寺田寅彦は「歳時記」について、「日本人の自然観」(青空文庫より)のなかで、次のように語っていた。
短歌俳諧(はいかい)に現われる自然の風物とそれに付随する日本人の感覚との最も手近な目録索引としては俳諧歳時記(はいかいさいじき)がある。俳句の季題と称するものは俳諧の父なる連歌を通して歴史的にその来歴を追究して行くと枕草子や源氏物語から万葉の昔にまでもさかのぼることができるものが多数にあるようである。私のいわゆる全機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と同時にまた空間の標示として役立つものがこのいわゆる季題であると思われる。
▼今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめたいと思う!!
名句の参考にさせてもらうのは、これまでのように
である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。
(1) 水彩に下書の透く五月かな 小川軽舟
(2) 葉桜の中の無数の空さわぐ 篠原 梵
(3) 初端午こよなき鳥の声が降り 鷲谷七菜子
(4) 生きてゐることに合掌柏餅 竹越化石
(5) ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森澄雄
(6) 線香の林のみどり母の日よ 岡本眸
(7) そら豆はまことに青き味したり 細見綾子
(8) 壺に咲いて奉書の白さ泰山木 渡辺水巴
(9) 子に母にましろき花の夏来る 三橋鷹女
(10) バラ園のホースの水を天に放つ 栗田やすし
▼さて、今月も無手勝流シロウト「選句」を愉しむことからはじめよう!!
あなたは!?
【私の選んだ名句ベスト3】
(1) 水彩に下書の透く五月かな 小川軽舟
(5) ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに 森澄雄
(4) 生きてゐることに合掌柏餅 竹越化石
【次点】
(7) そら豆はまことに青き味したり 細見綾子
【選評】
・まさに「あるある」ですね。うっすらと下書きが見える様子がうかぶ。「五月かな」の着地も気に入った!!
・「ぼうたんの」と「ゆるる」がうまくシンクロしている!!
・「合掌」が実に効果的。「柏餅」はどんな座標を示唆してくれているのだろう!?
・「まことに青き」味が、口の中にひろがってくる!!俳句ってすごいな!!
▼寅彦のコトバを反芻していると、「歳時記」がすぐれた【自然科学読み物】に思えて来るから不思議だ!!
さあ、今月も「歳時記」使って、作句に挑戦してみよう。
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