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「原子論」を科学する(19) #原子論の歴史 #ニュートン #質量 #質量保存の法則 #ロモノソフ #原子と分子

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▼コガネグモ4号はたった2日で「引っ越し」してしまった!!
 「引っ越し」のときには、隠れ帯、ネットをつくる糸のすべてを回収してしまっていた。
 わずかに「橋糸」を残すのみだった。
 では、隠れ帯、ネットの糸のすべてを含むコガネグモの全体重(質量)は
 「引っ越し」前
 「引っ越し」後
 では変化しただろうか!?

 「質量保存の法則」は、自然界における謎解きの最強の「アイテム」デアル!!


▼「原子論」の歴史をつづける。
 物質探検においても、もっとも大切にしたいアタリマエ!!=「質量保存の法則」
 もう少しこだわってみよう。

 重量というものは、地球上の物体と地球とのあいだにははたらく引力=重力のあらわれであって、その引力は物体の「質量」に比例するという考えを、力学から導き出したのは二ユートンである。「質量」とはいったい何かということは、物体の運動をあつかう力学から定義される。しかし、とニュートンはいう。結局のところ、質量というのは、物体を組み立てている原子の数のことだ。ニュートンの力学には、原子のことはおもてだっては出てこないのであるが、彼の物質観の土台は原子論であった。ラヴォアジエの後に出てきたドールトンは、いろいろな元素の本体は、それぞれきまった質量をもつ原子だと考えることができたのであるが、ニュートンには、現実の物質と原子とをつなぐ化学的知識の鎖はなかった。それでもニュートンにとっては変化の中での物質不滅と原子論とは一つに結びついた思想であった。
(『原子論の誕生・追放・復活』P147より)

▼では次はロモノソフの「質量保存の法則」を見てみよう。

一七六〇になって、ようやく印刷されたある論文の中で、ロモノソフは次のように述べている。
「自然界に起こるあらゆる変化は、次のようにして起こる。もしどこかに何ものかが付け加えられれば、他のどこかから同じだけのものが取り去られる。一つの物体にいくらかの物質が与えられるなら、同じ分量が他の物体から出てゆくのである。……この法則はきわめて普遍的なものであるから運動の法則にもあてはまる。一つの物体が、それ自身の力によって他の物体を動かしたならば、後者の物体が伝えられて受けとった運動だけ、前者は力を失う。」
 この文の前半は、質量保存の法則をいいあらわしたものであり、後半はエネルギー保存の法則を洞察した言葉だとされている。
(『原子論の誕生・追放・復活』P147より)

より具体的な例もあがっていた。

たとえば、栓をした瓶の中に水を入れるとする。水は蒸発して、水蒸気は瓶の空所をみたす。瓶の空所には、はじめ空気だけしかない。そこに水蒸気がいっぱいになる。その水蒸気は、もちろんの液体の水が蒸発してできたもので、水蒸気になった分だけ、液体の水は減っていて、プラス・マイナス・ゼロ、つまり瓶全体の重さ(質量)に変りはない。こう説明してしまえば、わかりきったことだが、やさしい言葉でいうなら、「あちらでふえればこちらで減る」というふうに、質量保存の法則のとらえ方を定式化したところに、ロモノソフの新しさがある。
(『原子論の誕生・追放・復活』P148より)

▼まだまだ繰り返そう。

 原子論の立場をとっていたロモノソフは、気体の性質や熱などの物理現象を、粒子の運動のあらわれと考えて、いくつかの論文を発表したが、化学者であった彼の原子についての考え方には、化学にふさわしい特徴があった。彼は「数理的化学の基礎」という論文を書いて、化学という当時はまだ博物学に近かった学問を、物理学のように数字を応用することのできる学問にする土台をみつけようとした。その中で彼は、物質を形づくる粒子には二種類あって、一つは、これ以上分割できないもの-私たちの言葉ではアトム-、もう一つはいろいろないくつかのアトムがいっしょに集まってできたもの-私たちの言葉では分子-だといっている。といってもロモノソフはまだ原子と分子とを区別する化学的知識を持っていなかったので、原子と分子とが何であるかをいいあてることはできなかった。
(『原子論の誕生・追放・復活』P149より)


(つづく)

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