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「原子論」を科学する(17) #原子論の歴史 #ラヴォアジエ #化学革命 #元素 #デーヴィ #電気分解

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2022/06/23 12:00
 大賀ハス「あこがれの4日間」第四日目
 花托の上に14個の雌しべ、周囲に雄しべ24本を残すのみ!!

 三日間のみごとな花の開閉、四日目には朝から次々と花びら、雄しべを落としていった!!
 これが「あこがれの4日間」!!
 やっぱり「ふしぎ!?」だ。どうして四日目とわかったのだろう!?
 このプログラムは、どこにどのように埋め込まれているのだろう!?
 この「からくり」の謎解きはまだまだつづく!!

▼「原子論」の歴史をつづけよう。
 「化学変化」の謎解きの歴史を見ていこう。
 いよいよラヴォアジエの登場である。
 

そこでラヴォアジエはっきりと次のことを知った。
 (1)空気は物を燃やし、動物の呼吸を支える力のあるガスと、その力のないガスの混合物である。
 (2)空気中で熱せられた物質が燃焼するのは、それらの物質が空気中の一つの成分と化合するためである。
(『原子論の誕生・追放・復活』P139より) 

「私は化学に革命をおこして見せる。誰の手もかりずに、自分一人の力で。」
 ラヴォアジエは若いときにこういった。そのとおり、彼は独力で化学を変革した。もっとも酸素ガスを教えてくれたプリーストリがいた。しかし大切なのは、ラヴォアジエが酸素ガスの役割を発見した研究の方法、その思想の力である。
 化学にどんな革命がおこされたのだろう。
 誰もつかまえたことがなく、その存在を証明したことのないフロギストンが追放された。フロギストンは燃焼だけでなく、あらゆる化学変化の説明に使われていた。燃焼が架空でなはなく実際に存在している酸素と物質との化合であることをはっきりさせることは、化学全体の改革である。
 新しい化学はフロギストンのような架空物を許さない。ほんとうに実物としてつかまえ、それの性質を調べ、目方を測ることのできる物質だけが、化学の舞台にのぼる資格を許される。
(『原子論の誕生・追放・復活』P139より)


▼さらに一歩進んでラヴォアジエは「元素」をどう考えたのだろう。

そのほかどのような化学変化をさせても、酸素はあるときは酸素ガスとなり、あるときは種々の化合物の成分としてふくまれている。この事実をいいかえれば、酸素はどんな化学変化を受けても、結びつく相手を変えるだけで、自分自身は、より単純な成分に分解されることのない物質である。そういう物質をラヴォアジエは「元素」と考える。
(『原子論の誕生・追放・復活』P141より)

 このようにして、ラヴォアジエは合計三三種の元素の一覧表をつくった。
(『原子論の誕生・追放・復活』P142より)

 しかし

 一八〇〇年、産業革命さなかのイギリスのロンドンに王立研究所という、今につづく科学研究所が設立された。金のかかる研究を個人の力ですすめるために、ラヴォアジエは徴税請負人という利益の多い仕事を財源にし、そのために人民の敵として一七九三年革命政府によってギロチンで処刑された。 
(『原子論の誕生・追放・復活』P143より)

▼一方

 これとちがって、自然科学上の発見とその応用が黄金の卵を産むことを期待する企業家や大地主を経営上のスポンサーとした王立研究所は、科学者に惜しみなく研究費を支出した。王立研究所の化学者デーヴィは、銅板と亜鉛版を組み合わせた大規模なヴォルタ電池を使って、電流の化学作用を研究した。
(『原子論の誕生・追放・復活』P143より)

デーヴィのあと、電気分解は物質を分解して、その成分を研究する重要な方法となった。発電機が発明されて、電力が工業に使われるようになってから、電気分解は物質に化学変化をおこさせて、新しい物質を製造するための工業的方法になった。
(『原子論の誕生・追放・復活』P144より)

 カリウム、ナトリウムなどは、酸素と化合する作用が強いので、これをほかの金属酸化物とまぜると、酸素をうばいとって、金属を遊離させる。この性質を利用して珪素、硼素、そして一八二七年にはアルミニウムなど、いくつかの元素が発見された。またそれまで元素とわかっていながら、単体として得られていなかったものを、この方法でとりだすことができるようになった。
(『原子論の誕生・追放・復活』P144より)

(つづく)

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