「原子論」を科学する(10) #原子論の歴史 #アリストテレス #四元素説 #エピクロス #ルクレチウス
▼ロウソクの「火」を見た!!
やっぱり真っ先に思い出すのはあのファラデーである。
ファラデーは「原子」を見たのだろうか!?
それはまだもう少し先の話になりそうだ。
▼「原子論」の歴史をつづけよう。
「原子」を批判したアリストテレスは、どのような「物質観」を持っていたのだろう。
原子を追放したアリストテレスは、彼より前の思想家たちの説をとり入れて、非原子的物質観を組立てた。それによると万物の根本素材はただ一種、五感が触知することのできない、可能的存在たる「第一物質」である。「第一物質」は「性質」を附加されるとき、はじめて現実の存在となる。性質には二対のものがある。「熱」と「冷」および「乾」と「湿」。二つの対から一つずつ取り合わせた組が四通りできる。その四通りの組み合わせの性質が第一物質を四通りの「元素」として顕現させる。
熱と乾は「火」、熱と湿は「気」、冷と乾は「土」、冷と湿は「水」。すべての存在は火、気、土、水の四元素の配合によってきまる。しかし、四つの「元素」は不生不滅ではない。それらは相互に転換される。性質の組合わせを外からの作用で取りかえればよいのである。(『原子論の誕生・追放・復活』P47より)
そんなバカな!!
と簡単にアリストテレスをあなどってはいけない。
アリストテレスは他にもいっぱいいろんなことを言っていた。
私たちは長く長くアリストテレスの「呪縛」とつき合うことになるのである。
ひょっとしたら今も、「内なるアリストテレス」が!?
▼デモクリトスの「原子」を引き継ぐ者もいた。
エピクロスである。エピクロスは「原子論」を科学に近づけた。
エピクロスはデモクリトスの原子に、いろいろな性質をつけ加えた。第一は形。原子には凹みや凸出がある。鉤と鉤がひっかかりあい、また凸出が凹みにはまって、原子の結合が行なわれると考えられた。
第二は重さ。原子は種類によって、形だけでなく、目方もいろいろちがうとされた。
もちろんエピクロスには、原子の形や目方について語る証拠は何もない。われわれの経験する世界におこなわれていることを、原子にあてはめてみただけである。
(『原子論の誕生・追放・復活』P51より)
▼そして、再びルクレチウスである。
エピクロスを受けついだローマの学者・詩人ルクレチウスは『物の本質について』を書き残してくれていた。
詳しくは6月オンライン「寅の日」で寅彦に聞いてみよう!!
(つづく)
| 固定リンク
コメント