「寺田物理学」とは!?(6) #寺田物理学 #traday #寅の日 #寺田寅彦 #小山慶太
▼ (゜o゜)ゲッ!! またひとつ倒れている!!
どんな力がはたらいたのだろう!?
節分に立てた「立春の卵」、一昨日(2021/02/14)午前中にはまだ4個がまちがいなく立っていた。
ところが、昨日(2021/02/15)の朝には、またひとつが倒れ、3個だけが立ち続けていた。
なにがあったのだろう!?
誰かが部屋に入ってきたのだろうか?最初に倒れていた白い卵の位置もちがうような?
今年はこれを承知の上で、この場所に立てているので、なんとも…。
右端は 少し ピサの斜塔状態にあるが。
倒れた2個はのけて 3個で リセットスタートだ!!さて、いつまで…!?
宇吉郎の「卵の立つ力学」には、まちがいなく「寺田物理学」が生きていた!!
▼「寺田物理学」とは!? をまだまだつづけよう。
参考にさせてもらうのは続けて小山慶太氏の文章だった。
●「紙切り芸と寺田物理学」小山慶太 (『寺田寅彦』池内了責任編集 河出書房新社)
小山氏の「椿の花の落下運動」の解説はみごとなものだった。
「近代科学と落下運動」という科学史的考察を加えての「寺田物理学」の位置づけはさすがである。
なお「椿の花の落下運動」については、次の自著でさらにくわしく紹介されていた。
●『寺田 寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』(小山慶太著 中公新書 2012.1.25)
この本は、オンライン「寅の日」をはじめるヒントをもらった本でもあった。
▼寅彦の実験を解説したあとこうつづけた。
そう考えると、限界ギリギリを追究した寺田の実験は古典物理学がみせた、みごとな〝名人芸〟と言えそうである。しかも、そこには花鳥風月を愛でる日本人の詩心を刷り込ませるという心憎い演出が施されていたのである。(同書P57より)
さらにはこう続けた。
他にもこのころ寺田が関心もったテーマには、藤の実(鞘の中の種子)の飛び方、墨流しの模様、線香花火の火花の出来方、金平糖の角の成長といった日本の風物が多いことが気がつく。いずれも相対性理論とも量子論とも、そして物理学の時流とも無縁の現象ばかりであった。(同書P58より)
▼そして最後には、こうしめくくった。
それでも寺田は孤高狷介の生き方を貫き通した。時流に乗ろうとしない、西欧の学者のまねをしないという姿勢を崩すことなく、身近な不思議への好奇心を絶やさなかった。随筆「科学に志す人へ」(一九三四年)の中で寺田は「楽しみに学問をするというのはいけないことかもしれないが、自分はどうも結局自分の我儘(わがまま)な道楽のために物理学関係の学問をかじり散らして来たものらしい」と書いている。書かれたのが亡くなる前年であったことを考えると、この言葉には寺田物理学の精神が集約されているような気がする。(同書P58より)
「道楽の科学」=「寺田物理学」の精神!!
そして、かじり散らした数々のテーマが醸し出す長閑な雰囲気と学問を道楽として捉えた寺田の研究スタイルには、当時、すでに薄れつつあった近代科学の原風景が息衝いていたのである。
古典物理学を道具に何枚もの〝切り絵〟を自然という〝白い紙〟から切り抜いてきた寺田物理学の芸と技に大いに学びたいものだ。
まちがいない!!
ここに「理科(科学)教育」へのヒントがある!!
(つづく)
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