本日(2020/08/03)、第260回オンライン「寅の日」!! #子規の追憶 #traday #寺田寅彦
▼人生で一度たりとも交叉するはずもない人物!!
でも、妙に気になる人物がいる。
そんな人物のひとりに 子規 がいる!!
ここ数年で東京根岸の「子規庵」を訪ねたり、「松山市立子規博物館」に子規を追いかけたりしている。
知れば知るほど、「気になる」度合いは増していった。
▼本日(2020/08/03)は、第260回オンライン「寅の日」である。
8月のテーマは、オンライン句会「寅の日」と関連して
【8月テーマ】「寅彦と俳句」
である。その第一回目として「子規の追憶」を読む。
◆本日(2020/08/03)、第260回オンライン「寅の日」!!
▼寅彦にとっても 子規 は「気になる」人物だったようだ。
寅彦の場合は、夏目漱石を通して 実際に交叉もしていた。
交叉するだけでない。大いに気に入った人物だったようだ。
「文理融合の人」と寅彦のことを評するひとがいるが、私の見方は少しちがっていた。
寅彦はいつも軸足は 常に「科学者」に置いていた!!
文学を語るときも、芸術を語るときも そして 人物を語るときも
「科学者」寺田寅彦がみた 子規 は こうだった。
自然科学に関する話題にも子規はかなりの興味を有(も)って居たように思われる。
写生文を鼓吹(こすい)した子規、「草花の一枝を枕元に置いて、それを正直に写生していると造化の秘密がだんだん分って来るような気がする」と云った子規が自然科学に多少興味を有つという事は当然であったかも知れない。 『仰臥漫録([ぎょうがまんろく)』に「顕微鏡にて見たる澱粉(でんぷん)の形状」の図を貼込んであるのもそういう意味から見て面白い。
ここまで来ると完全に我田引水モードである。
さらには、こう続ける。
とにかく、文学者と称する階級の中で、科学的な事柄に興味を有ち得る人と有ち得ない人とを区別する事が出来るとしたら子規はその前者に属する方であったらしい。この事は子規という人とその作品を研究する際に考慮に加えてもいいことではないかと思う。
▼寅彦にとって子規が「気になる」のは、そこだけではなかったようだ。
子規は世の中をうまく渡って行く芸術家や学者に対する反感を抱くと同時に、また自分に親しい芸術家や学者が世の中をうまく渡る事が出来なくて不遇に苦しんでいるのを歯痒(はがゆ)く思っていたかのように私には感ぜられる。
ほとんど腐朽に瀕した肉体を抱えてあれだけの戦闘と事業を遂行した巨人のヴァイタルフォースの竈(かまど)から迸(ほとばし)る火花の一片二片として、こういう些細な事柄もいくらかの意味があるのではないかと思われるのである。
ここまで来ると、単に「気になる」人物から「お気に入り」「魅せられる」人物になっていたのではないだろうか。
子規の家から不折(ふせつ)氏の家へ行く道筋を画いて教えてくれたものが唯一の形見として私の手許に残っている。
この一枚の「地図」についても一文を残していることからも、「気になる」度合いは並みではなかったことがわかる。
「子規自筆の根岸の地図」(青空文庫より)
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コメント
レオナルド・ダ・ヴィンチに通じるものを感じますね。
レオナルド・ダ・ヴィンチも優れた芸術家であり科学者でした。
絵画で肉体を模写するにあたり、内部構造を知るため人体の解剖図まで書き残しているなども、その一例と言えるのではないでしょうか。
投稿: さんちゃん/池田勝利 | 2020/08/03 16:13
さんちゃん/池田勝利さん
>レオナルド・ダ・ヴィンチに通じるものを感じますね。
なるほど(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
何年か前に、大阪でダ・ビンチ展があったとき覗いてみました。
とても興味深かったです。
https://rikadiary.cocolog-nifty.com/kusuda/2016/02/20160202traday-.html
投稿: 楠田 純一 | 2020/08/04 05:42