2020年5月(皐月)の俳句「歳時記」!! #歳時記 #吟行
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短歌俳諧(はいかい)に現われる自然の風物とそれに付随する日本人の感覚との最も手近な目録索引としては俳諧歳時記(はいかいさいじき)がある。(中略)私のいわゆる全機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と同時にまた空間の標示として役立つものがこのいわゆる季題であると思われる。(寺田寅彦「日本人の自然観」青空文庫より)
毎年大晦日には寅彦の命日(1935.12.31没)にちなみ特番オンライン「寅の日」を実施している。
毎年読む随筆も決めていた。「日本人の自然観」である。
最晩年の十月に発表されたこの随筆には、寅彦がこれまでに語ってきたメッセージのすべてが集約されいるように思えた。
言わば、寅彦が私たちに遺してくれた「遺言」!!
そこに、このコトバがあった!!
▼さあ、今月も私の「俳句」修業だ!!
まずは、これまでのように名句を楽しむところからはじめよう。
名句の参考にさせてもらうのは
である。ここより巻頭名句11句を引用させてもらう。
(1) 初夏に開く郵便切手ほどの窓 有馬朗人
(2) 粽解く葭の葉ずれの音させて 長谷川 櫂
(3) 力ある風出てきたり鯉幟 矢島渚男
(4) 牡丹百二百三百門一つ 阿波野青畝
(5) 銀の粒ほど船見え夏はじめ 友岡子郷
(6) 飛魚や航海日誌けふも晴 松根東洋城
(7) 鹿の子にももの見る眼ふたつづつ 飯田龍太
(8) 子の髪の風に流るる五月来ぬ 大野林火
(9) 母の日のきれいに畳む包装紙 須賀一惠
(10) 山懸て卯の花咲ぬ須磨明石 子考
(11) 桐の花らしき高さに咲きにけり 西村和子
▼ 今月も俳句修業の第一歩、シロウト「選句」からはじめよう。
「選句」という作業がけっこう面白く思えてきた。
【私の選んだ名句ベスト3】
(11) 桐の花らしき高さに咲きにけり 西村和子
(2) 粽解く葭の葉ずれの音させて 長谷川 櫂
(9) 母の日のきれいに畳む包装紙 須賀一惠
【次点】
(6) 飛魚や航海日誌けふも晴 松根東洋城
(1) 初夏に開く郵便切手ほどの窓 有馬朗人
【評】
ひと言で景がいっきょにクローズアップされることがある。今月はそんな「ひと言」に焦点をあて選句してみた。
・「桐の花らしき高さ」でいっきょに景が見えてきた。スバラシイ!!
・「粽解く」がいい!!そう言えば今年はあそこの粽いただけなかったなあ (/_;)
・「きれいに畳む」で母の顔まで見えてくるというものだ。
ちょっと欲ばりして、【次点】にふたつもあげてしまった。
・「けふも晴」で初夏の海原がみえてくる!!船に乗りたいなあ!!
・「郵便切手ほどの」のひと言で捨てきれなかった。うまい!!
▼月がかわった昨日、また「ひとり吟行」にでかけた。
実際に句を詠むにいたらなくても、そのつもりで散策すれば、見えてくる景はちがってくる。
カメラを向ける角度もちがってくるというものだ。
「ひとり吟行」はまだまだ続く!!
「オンライン句会」を射程に入れてと言ってきたが、まずは「オンライン選句会」あたりからはじめるのも面白いかも…
まあ、今月も可能なかぎり寅彦の言う「目録索引」さがしを続けよう!!
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