2019年12月(師走)の俳句「歳時記」!!
▼寺田寅彦は「季題」(季語)について、「日本人の自然観」のなかで、次のように言っている。
短歌俳諧(はいかい)に現われる自然の風物とそれに付随する日本人の感覚との最も手近な目録索引としては俳諧歳時記(はいかいさいじき)がある。
私のいわゆる全機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と同時にまた空間の標示として役立つものがこのいわゆる季題であると思われる。
「季題」の必然をみごとに語っている!!さすが我らが師匠だ!!
▼さあ、今月も俳句修業にはげもう!!
まずは、いつものように名句を楽しむところからはじめよう。
名句の参考にさせてもらうのは
である。ここより巻頭名句11句を引用させてもらう。
(1) 毛糸編みつづけ横顔みせつづけ 右城暮石
(2) 山国の虚空日わたる冬至かな 飯田蛇笏
(3) 何もかも知つてをるなり竈猫 富安風生
(4) わが影のさして色濃き冬菫 右城暮石
(5) 水鳥やむかふの岸へつういゝ 惟然
(6) 漂へる手袋のある運河かな 高野素十
(7) 悲しみの灯もまじる街クリスマス 堀口星眠
(8) 赤が黄を黄が青を呼ぶ灯の聖樹 鷹羽狩行
(9) うつくしき羽子板市や買はで過ぐ 高浜虚子
(10) 知りつくす抜け裏さびし年の市 長谷川春草
(11) 雪嶺のひとたび暮れて顕はるる 森澄雄
▼ 私の俳句修業の第一歩は、勝手気ままなお気に入り「選句」である。
【私の選んだ名句ベスト3】
(2) 山国の虚空日わたる冬至かな 飯田蛇笏
(11) 雪嶺のひとたび暮れて顕はるる 森澄雄
(4) わが影のさして色濃き冬菫 右城暮石
【次点】
(3) 何もかも知つてをるなり竈猫 富安風生
それにしても迷ってしまう。
選句の作業中にもコロコロかわる!!
「冬至」「雪嶺」「冬菫」「竈猫」!!たしかに寅彦の言うとおりだ。季題(季語)によっていっきょに景が起ち上がって来る!!
次点に入れた「竈猫」など、この一語で逆転してしまった。
▼さて、先日の11回目の「土佐の寅彦」詣の機会を、俳句結社「寅の日」の立ち上げの日としたいと思っていた。
しかし、そのことを口にする勇気はなかった。
いただいた資料のなかには、寅彦の俳句が登場していたのでチャンスではあったが…。(^^ゞポリポリ
さあ、次の機会をねらおう。
12月もひとり吟行を続けよう!!
「雲見」もかねて遠出も考えたいな!!
どんな「季題」に出会うだろう。o(^o^)o ワクワク
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