本日(2019/03/18)、第218回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦
▼私は、3.11の年に定年退職した!!
しかし、とりわけ2つの【授業】についてだけは生涯現役であり続けようと決意していた。
その2つとは
である。
「あの大地はなぜあんなに水平なのか!?」
「あの山のてっぺんあたりからフズリナの化石がでてくるのはなぜ!?」
「ここにどんな動く大地の物語があるのか!?」
決意とは裏腹に、私の謎解きはなかなかすすんではいなかった。
▼本日(2019/03/18)は、第218回オンライン「寅の日」である。
3月のテーマは もちろん
【3月のテーマ】 寅彦と警鐘「天災は忘れられたる頃来る」
である。その2回目の本日は、「天災と国防」を読む。
あの中谷宇吉郎が警鐘にもっとも近い言葉が書かれていると教えてくれた随筆だ。
◆本日(2019/03/18)、第218回オンライン「寅の日」!!
▼オンライン「寅の日」は、次回の219回で7年の歩みが終わる。
その219回のなかで、最も回数多く読んだのが、「日本人の自然観」とこの「天災と国防」である。
なんと今回で8回目になるのである。
あの有名な警鐘のコトバそのものはないけれど、その本意に近い文言がでてくるからだ。
それは どこか !?
前段より徐々に本意に近づいて行くように私には読めた。
しかしここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。
文明が進むに従って人間は次第に自然を征服しようとする野心を生じた。そうして、重力に逆らい、風圧水力に抗するようないろいろの造営物を作った。そうしてあっぱれ自然の暴威を封じ込めたつもりになっていると、どうかした拍子に檻(おり)を破った猛獣の大群のように、自然があばれ出して高楼を倒壊せしめ堤防を崩壊(ほうかい)させて人命を危うくし財産を滅ぼす。その災禍を起こさせたもとの起こりは天然に反抗する人間の細工であると言っても不当ではないはずである、災害の運動エネルギーとなるべき位置エネルギーを蓄積させ、いやが上にも災害を大きくするように努力しているものはたれあろう文明人そのものなのである。
▼そして、いよいよ本意に近づき熱く語る!!
それで、文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか。
コトバはヒートアップしてくる。そして
そのおもなる原因は、畢竟(ひっきょう)そういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顛覆(てんぷく)を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう。
ここに警鐘「天災は忘れられたる頃来る」に最も近い文言が!!
少し前になるが、『英語で楽しむ寺田寅彦』(トム・ガリー/松下貢著 岩波書店)を読んだことがある。
この本の著者はここの部分を次のように英訳していた。
「just when we have forgotten one mistake we get ready to make another.」
ナラバどうする!?
ヒントも書かれていた。
しかし昔の人間は過去の経験を大切に保存し蓄積してその教えにたよることがはなはだ忠実であった。
古い民家の集落の分布は一見偶然のようであっても、多くの場合にそうした進化論的の意義があるからである。そのだいじな深い意義が、浅薄な「教科書学問」の横行のために蹂躙(じゅうりん)され忘却されてしまった。そうして付け焼き刃の文明に陶酔した人間はもうすっかり天然の支配に成功したとのみ思い上がって所きらわず薄弱な家を立て連ね、そうして枕(まくら)を高くしてきたるべき審判の日をうかうかと待っていたのではないかという疑いも起こし得られる。
寅彦の警鐘は85年の時空を超えて今日も有効である!!
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