Webテキスト『天気の変化』の可能性!?(164) #天気コトワザ #クモ学
▼ 「クモは天気予知ができる!!」
それは5年にわたるシロウト・クモ学から生まれた「作業仮説」だった。
この「作業仮説」にかなりの自信を持っていた。
なかでも2015年の夏の終りに出会った一匹のジョロウグモがそれを教えてくれた。
2度にわたる産卵、そして2016年の春の「出のう」→「団居」「クモの子を散らす」→「バルーニング」等々すべてを見せてくれた。
2016年にも継続観察できる特定のジョロウグモ3匹にも出会った。
2017年の春にも同様の観察をさせてもらった。今年も来年の春に向けて同様の観察を思い特定のジョロウグモを決めた。
ところがそのクモたちは台風の風でどこかに行ってしまった。悲しい(/_;)
別の場所にもジョロウグモはいる。
どうしたものだろうか。
▼話を本筋にもどす。
たとえば子グモたちが、団居から大空に旅立つとき、つまり「バルーニング」するときだ。
子グモたちは、きっと「上昇気流」を予知しているはずだ!!
凧の足のようにお尻からだした糸にぶらさがって風に乗って旅立つ。
ならばそのタイミングをいつにするか?
それは即、死活問題だ!! これは一例にすぎぬ。
これまでにクモたちに見せてもらった「スゴ技」の数々から類推して、「天気を予知する」程度はごくごくアタリマエにやってしまうのでは…。それが現段階の私の結論だ。
▼昔の人はクモをどのように観察してきただろう?
また、天気との関係でどう見ていただろう?
その疑問に答えるため再び
◆『天気予知ことわざ辞典』(大後美保/編 東京堂出版 昭和59.6.15)
のお世話になってみよう。
「天気予知ことわざ総覧」(同書 P190)よりクモが登場するものをビックアップさせてもらう。
【クモで雨を予知】
(1)クモが大きい巣をはると翌朝雨が降る
(2)クモが巣を変えたら雨(広島県)
(3)クモが巣をつくると雨が降らない(長野県北安曇野郡)
(4)クモが巣をつくると雨が降る(福井県南条郡)
(5)クモが巣を離れて安全な場所に行くと雨(長野県長野市)
(6)クモが巣を張りだすと雨があがる
(7)クモが地上に垂直に網を張ると雨(宮城県)
(8)クモが軒下に多く巣をかけると雨(長野県南安曇野郡)
(9)クモが葉の裏にかくれると雨
(10)軒下にクモが巣を張ると雨となる(茨城県)
▼まだまだ続いた。
【雨晴の予知】
(1)クモ網を張れば翌日晴、網を収むれば翌日雨か風(北海道十勝地方その他)
(2)クモが巣を低くかける時は雨、高くかければ晴(福島県石川郡浅川町)
(3)クモが縦に巣をつくる時は晴、横ならば雨(長野県飯田市)
【風雨の予知】
(1)クモが巣を戸外でなく家の中などにつくりたがると雨や大風となる(群馬県前橋市)
(2)クモの糸が丈夫な時は雨か風(長野県須坂市)
【雷雨の予知】
(1)クモが巣を補修すると夕立になる(群馬県前橋市)
【晴天の予知】
(1)朝クモの巣に水滴がかかっていればその日は晴天
(2)朝霧が露に変わり、クモの巣にその露が白く見える時は晴(長野県諏訪郡)
(3)芝生のクモの巣に白露深ければ晴(茨城県その他)
(4)朝クモが巣を造るとその日晴(群馬県利根郡新治村)
(5)朝クモの巣に露がかかっていればその日は晴天(青森県)
(6)クモが網を張るのは晴天が長く続く兆し(長野県その他)
(7)クモが雨中に巣を作れば間もなく晴れる(群馬県沼田市)
(8)クモが大きい網を張れば天気続く(長野県南安曇野郡その他)
(9)クモが多く巣を張る時は晴(群馬県高崎市)
(10)クモが地に巣を張れば天気(長野県上田市、宮城県その他)
(11)クモが夕方巣を張れば翌日晴天(長野県北安曇野郡その他)
(12)クモの巣作り晴天続く(香川県)
(13)クモの巣に朝露あれば晴(長野県上田市)
(14)クモの巣に露が白く光っていると晴(群馬県群馬郡倉淵村その他)
【風の予知】
(1)クモが巣から離れて安全な所に行くと風が強くなる(長野県長野市)
(2)クモが巣の上にまた巣を張ると翌日は風(群馬県前橋市)
(3)クモが巣の糸を小さくしっかり結ぶと風(群馬県館林市)
(4)クモが軒下に巣を張れば風が吹く(広島県豊田郡)
(5)クモの下る時は風(群馬県高崎市)
(6)クモの巣をつくる時は、その翌日風吹かず(北九州市その他)
見落とし、チェック漏れがなければ以上である。
それにしてもこの「観察眼」に感動である!!
ヨクゾココマデ!!
これらからも言えるのでは
「クモは天気予知ができる!!」
と。
昨日朝方、キンカンの木の上に見た細かな目のネットのようなものはなんだったのだろう?
(つづく)
| 固定リンク
コメント