オンライン「寅の日」のすすめ(1) #traday
▼確かにほんとうに花だった!!
庭先に小さな畑をつくり、ちょっとした野菜などをつくつている。
ネギもつくっていた。そのネギにずいぶん前から葱坊主できていた。薄い皮をかぶっていた坊主頭はやがて「ざんぎり頭」に変化していった。「ざんぎり頭」からさらに突出して、「花」を主張しているものいた。
葱坊主が花だとは知っていてもじっくり観察してみるとなかなか面白いものだ。
ネギの花が葱坊主なら、ネギのは葉は? 茎は?
いつも食べている筒状になったところが葉ならば表はどっち!?
ついつい「つまらない」ことにこだわってしまった。(^^ゞポリポリ
▼「つまらない」ことに関連して、先日読んだ興味深い文章を思い出した。
その文章は『数学の影絵』(吉田 洋一著 角川選書)のなかにあった。
◆「つまらない」こと~寺田寅彦の思い出~ (同書p246)
吉田先生は学生のころ、たった一度だけ寺田寅彦の講演を生で聴いたことがあるそうだ。そして、その講演の最後の言葉が印象深くその情景を含めて忘れられないという。
講演の終りのところでも、またちょっと声を大きくされた。「何だか変なこというようですが、どんなつまらないことでも、つまらないといって捨ててしまわないで研究していくと、たいへん面白いことがみつかってくるものです」こういって、ちょっとはにかんだような表情をして退場された。(同書p248)
▼なんとこれこそが科学者・寺田寅彦の口癖
「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
の本意ではないか。
寺田寅彦は1935年(昭和10)の大晦日に亡くなった。もう82年も前だ。
いくら願っても吉田先生のように生で「ねえ君、不思議だ思いませんか?」を聴くことはできない。
しかし、幸いなことに寅彦は多くの名随筆を書き残してくれた。
ネットの時代に生きる私たちには、さらに幸いなことに青空文庫のおかげでいつでもこの名随筆を読むことができるのである。アリガタイ!!
◆作家別作品リスト:No.42 寺田寅彦 (青空文庫)
▼これを利用させてもらって、オンラインで寅彦の随筆を読んでいこうというのが
である。オンライン「寅の日」は12日に一回巡ってくる。
2012年4月よりはじめて、5年と一ヶ月が過ぎた。第159回まで来ている。
6年目の今、あらためて「オンライン「寅の日」のすすめ」を書き進めながら、これからの可能性を模索していきたい。
(つづく)
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