本日(2017/03/04)、第154回オンライン「寅の日」!!#traday
▼それは単なる「偶然」には見えなかった。
そこにはなんらかの「規則性」あるように思えてならなかった。
昨日(2017/03/03)の午後。東の空に列をなして積雲が浮かんでいた。
それはあたかもひな壇にならぶ雛のように、雲底は横一列にそろっていた。
それは市川の流れに沿っているようにも見えた。
こんなときはやっぱりあの人のコトバだ!!
「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
▼本日(2017/03/04)はあの人・寺田寅彦を読む日だ。第154回オンライン「寅の日」である。
【3月のテーマ】は
・警鐘「天災は忘れた頃にやって来る」
その第一弾として、読むのは「津浪と人間」である。
◆本日(2017/03/04)、第154回オンライン「寅の日」!!#traday
▼2012年4月からはじめたオンライン「寅の日」、もうすぐまる5年が過ぎようとしている。
その5年間でもっとも多く繰り返して読んできたのがこの「津浪と人間」である。
昭和八年(1933)に書かれているので、もう84年も前だ!!
何度読んでも、まずそれに驚いてしまう。これは一週間前、ひと月前に書かれたと言ってもなんら違和感はないだろう。
寅彦はいつ読んでも今日的である!!
何度読んでも、読む度にあたらしい「発見」があるのも寅彦の随筆である。
さあ、今回は何を「発見」できるだろう。読んでみよう!!
やっぱり引用したいところは同じになってしまう。
しかし困ったことには「自然」は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである。紀元前二十世紀にあったことが紀元二十世紀にも全く同じように行われるのである。科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。
「「自然」は過去の習慣に忠実である。」
「科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。」
これこそが、「天災は忘れた頃にやって来る」のほんとうの意味である!!
ならば「自然」とうまくつき合っていく唯一の方法はこうだと言っている。
残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するより外はないであろう。
▼今回の「発見」のひとつは次だ。
津浪の恐れのあるのは三陸沿岸だけとは限らない、寛永安政の場合のように、太平洋沿岸の各地を襲うような大がかりなものが、いつかはまた繰返されるであろう。その時にはまた日本の多くの大都市が大規模な地震の活動によって将棋倒しに倒される「非常時」が到来するはずである。それはいつだかは分からないが、来ることは来るというだけは確かである。今からその時に備えるのが、何よりも肝要である。
これぞ「南海トラフ巨大地震」!!
84年前すでに見えていた!!
「理科」「科学教育」についても示唆的であった。
人間の科学は人間に未来の知識を授ける。
それで日本国民のこれら災害に関する科学知識の水準をずっと高めることが出来れば、その時にはじめて天災の予防が可能になるであろうと思われる。この水準を高めるには何よりも先ず、普通教育で、もっと立入った地震津浪の知識を授ける必要がある。英独仏などの科学国の普通教育の教材にはそんなものはないと云う人があるかもしれないが、それは彼地には大地震大津浪が稀なためである。
3.11が近づいて来た。
まずは「津浪と人間」を読み返してみよう!!
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