新・私の教材試論(116)

▼「えっ、動いた!?」
と思った。例のヤママユの繭だ。
風はなかった。だから動くはずはなかった。今繭のなかにいるのは「卵」はずだ!!
でもそれは本当だろうか?
私はまだそれをこの目で確かめたことはなかったし、あの「モスラ」みたいな成虫が繭から出てくるのを見たことなかった。本によれば、それは8月ごろのこのようだ。
きっとその頃になれば、この「ふしぎ!?」は忘れてしまっていそうな気がする。
家に帰って、例の柿の木を見上げていたら、また別の「冬越し」戦略をたてたやつがぶら下がっていた。
ミノムシだ。オオミノガの蓑だ。こちらの方は、蓑のなかなか顔を出した幼虫を目撃したことあるから、まだ少しなじみがあった。でもまた、こんなみごとな「冬越し」戦略を思いついたのだろう?
「ふしぎ!?」だ。
昨日は朝から「ふしぎ!?」を連発していた。年末の「ふしぎ!?」大売り出し(゜o゜)ゲッ!!
▼そんなこと言い出したら、もっともっと「ふしぎ!?」なことがある。
その「ふしぎ!?」をことあらたに大きな声で言う人はなかった。私には、そのことも「ふしぎ!?」だった。
その「ふしぎ!?」とは、
「あの水が、水素と酸素からできている!!」
という事実だった。これは本当にアタリマエだろうか?
私もそう教えてきたし、いろんな実験もやってきたのでそうだと信じている。
少し恥ずかしいが、白状する。
でもやっぱり「ふしぎ!?」だ!!
その「ふしぎ!?」に直参するような実験開発物語を続けよう。
参考にするのは引き続き次の本である。
◆「水の成分をマグネシウムで調べる」古川 千代男『やさしく本質的な理科実験3』(高橋金三郎・鈴木清龍・若生克雄共編 評論社 )(P144より)
▼いきなり「NaOHを入れて」「電気分解」の飛躍に納得いかなかった古川先生は別の方法はないかと模索していた。そのときに出会ったのがヴェルホフスキーの『化学実験教授法』(明治図書)であるという。
ヴェルホフスキーは「水の成分」を調べるのにまずは「水素」から取り組んでいるようです。そして水から「水素」を取り出すのにCa,Na,Kなどの金属と水の反応を利用しようと考えたようです。そのなかでもMgとの反応が、水の分解として使えそうだと気づいたようです。
そこで考え出した実験が、
「水が沸騰しているフラスコの中へ、点火したMgを入れ、水蒸気と反応させる」
という実験だったのです。
そうです!!
ここに実験のルーツがあったのです!!
すぐれた実験・「定番」実験には必ずルーツがあるものです!!
ルーツを追うことはこれからの実験開発にもっとも有効な方法です!!
▼これなら古川先生も納得がいったようです。
しかし、化合教材の中で、Mgの燃焼をやっていましたので、水の成分を調べるのにMgをつかうのは魅力的です。分解するのに電気をつかわないですみます。(同書p145より)
でもこれで問題がいっきょに解決したわけではないのです。
「水が沸騰した熱い水蒸気になったなかに、点火したMgを入れる」なんて聞くだけでも、なかなか勇気のいる実験です。
やけどの危険もいっぱいです。
これでは、「3K1A(感動・簡単・きれい・安全)の法則」の1A(安全)を満足しません。
そこで、実験開発のプロ古川先生の腕のみせどころです!!
(つづく)

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