ヒガンバナに何が起きているのか?(13) #ヒガンバナ
▼これが最後の一本だった!!
今年発見した「自然結実」ヒガンバナ群落。そこで「完熟」まで観察をしようと残して置いた花茎もこの一本だけになっていた。この花茎もこのままおいて置けば見失ってしまいそうになってきた。
思い切って採集しようとその場所に出かけて行った。採集しようとして、栗田先生の言葉を思い出した。
今の私には染色体の観察まではできないが、できる観察があるのではと、もう一度家に帰り、移植ごてを持ってきて鱗茎ごと掘ってみることにした。
失敗してしまった!!
鱗茎の下半分以上を切断してしまった。なんということを…
それでもそれを持ち帰り観察してみた。花茎はなんと60㎝もあった。
▼私にもできることをすべてやってしまいたいと思っていた。
これまで観察してきたことをもとに、「仮説」を立てることはできると思っていた。
トンデモナイ誤謬や勘違いはあるだろうが、それは気づいた段階で軌道修正をすればいいと思っていた。
大きくは、ふたつの「仮説」に分かれると思っていた。
ひとつはこうだ。
【仮説 1】「自然結実」するヒガンバナは、2倍体(2n=22)になっている。
この「仮説」もさらに詳しくはいくつもの説に分かれてくるだろう。
まず、これはずっと以前からそうなのか、それとも近年になってそうなったのか?
3倍体から、2倍体ができるそのメカニズムは?
「ふしぎ!?」だけだ。
▼もうひとつ「仮説」はこうだ。
【仮説 2】無融合種子形成をするようになっている。3倍体(2n=33)のままである。
どちらかと言うと、私はこれまでの自分の観察をもとに、こちらの「仮説」の方を支持したいと思っていた。
その理由は次のようなことがある。
(1) 毎年、群落でなく単発的な「自然結実」ヒガンバナの観察をしてきた。
(2) 「自然結実」群落は、翌年も高頻度に「自然結実」が起こるということではなかった。
(たった3年間の観察で断定的に言うのは、早合点とも言えるが)
(3) ここ10~20年のあいだに、急激に「自然結実」群落の発見が増えてきている。
等々である。
まだまだ説得力をもつまでにいたっていなことを自覚しながらも、とりあえず「記録」だけはしておきたい。
▼染色体数(核型)を調べれば決着がつくことかも知れないが、今の私にはそれは無理だ。
可能なことを可能な限り観察してみようと思う。
そして
「ヒガンバナに何が起きているのか?」
を問い続けていきたい。
本命の鱗茎で失敗しながら、となりのふたつの鱗茎はうまく掘り出せた。
ひとつは、なるほどと納得した。しかし、もうひとつは簡単には納得できなかった。
鱗茎から伸びる太いものはなんだろう? 根 ???
「ふしぎ!?」に尽きることはない。
(つづく)
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コメント
ご無沙汰いたしております。香川の蜂蜜です。
上のの画像の4番目、4642の球根(鱗茎)はひょっとしたら、2重根ではありませんか?
「自然結実」の群落の地下部はどうなってるのでしょう?とっても興味があります。
投稿: 香川の蜂蜜 | 2015/12/21 10:08
香川の蜂蜜さん
おはようございます。
またまた興味深いことをありがとうございます。
「二重根」ですか?
「ふしぎ!?」で終わらせてしまうところでした。
言われてみて、もう一度見なおしてみると、球根の下にのびているもの、球根の上の部分によく似ていますね。
この下にもうひとつ球根がついていると想像すると納得のいくかたちですね。
蜂蜜さんは「二重根」というのをご覧になったことあるんですか。
私はありません。今すぐにも群落のその場所に行ってもう一度掘ってみたい気分ですが、残念ながらその群落はよその家の田んぼの畦です。勝手に掘りかえすことは無理ですね。
なんか道はないか。考えてみます。これは今鉢植えしていますから、この後の変化も興味深いですね。
「二重根」と「自然結実」との間になにか関係あると言うことになれば面白い展開ですね!!
投稿: 楠田 純一 | 2015/12/21 11:00