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「線状降水帯」とは!?(2)

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▼私は今、「小学生からの『雲見』!!」を提唱していた。
「雲見」!!これほど簡単にいつでもどこでも誰でもはじめることの自然観察!!
なんと面白く、なんと美しく、なんと役に立つ!!
こんな自然観察は他にないと思っていた。
一日最低一回は空を見上げて「雲見」するのである。
それだけのことだ。
「いくら忙しいと言ってもそれぐらいの時間はあるだろう」とえらそうに言うつもりはない。
だって私もその面白さを知ったのはごく最近ことなんだ。
空を見上げて「雲見」をしたとき、2つのことやってみることを提唱していた。
・十種雲形で雲の名前を呼んでみる!!
・雲の「高さ」を口に出して言ってみる!!
である。
 とは言っても一日のうちでも次々とちがった雲が登場するのである。
二度と同じ「雲見」はないのである。
それがまた「雲見」の魅力でもあった。
▼その雲から雨が降ってくる!!
このアタリマエのカラクリをもう一度考えてみよう。
では大雨を降らせた雲は十種雲形で言えばどれだ!!
「積乱雲」!!
それが「線状降水帯」の正体でもあったのだ。

◆線状降水帯発生要因としての鉛直シアーと上空の湿度について 加藤 輝之(気象研究所)

をもう一度読みなおしてみた。
最初に「線状降水帯」とはの説明があった。少し引用させてもらう。

集中豪雨時にみられる降水域は、2014 年8 月20 日の広島での大雨事例(第6.1.4 図)のように、20~ 50km の幅を持ち、線状に50~200km の長さに伸び、数時間ほぼ同じ場所に留まることが多い。よって数時 間の積算降水量分布をみても、線状の降水域として認識でき、その形態から線状降水帯と呼ばれている。
ここまでだけだと私の認識にも大きな誤解はなかったのかとも思ったが、次の文を見て、私は間違っていたと気づいた。
台風による直接的な大雨を除き、集中豪雨事例の約3 分の2(梅雨期に限れば約4 分の3)が、線状の形態を持つことが統計的に調べられている(津口・加藤 2014)。

私にとって耳新しい言葉「線状降水帯」は、プロたちにとってはアタリマエのことなんだ。
「集中豪雨」→「線状降水帯」はごくごくアタリマエの概念なんだ。
▼この論文は、この「線状降水帯」発生の要因についてくわしく説明されていた。
持ち合わせの知識をフル駆動して理解を試みるが、なかなかわからない。
正直に言って難しすぎた。
あの「バックビルディング」のことも出てきた。
「上空にたくさん水蒸気があれば、積乱雲が発生・発達しやすい」ぐらいまではわかるが…。
もう断念しようかとあきらめかけたとき思いだしたことがある。
それは、この論文の著者の名前を手持ちの本の中で見かけたことだ。
さっそく本棚から取り出してきた。

◆『天気と気象についてわかっていることいないこと』(ベレ出版 2013.4.25)
      ●第4章 集中豪雨の研究 - 加藤輝之 

▼これはいい!!
とてもわかりやすい。
もちろん「線状降水帯」も出てくる。
「1 集中豪雨の正体、積乱雲」
からはじまっているのがとっても気に入った。
気を取り直して、「線状降水帯」とは?の謎解きを続けようと思う。

(つづく)


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