「雲見」と「クモ学のすすめ」
▼きっと此奴は「サツマノミダマシ」だろうと思っている。
図鑑(『日本のクモ』新海栄一著)にはこう書かれていたからだ。
「和名は京都府と福井県の一部で呼ばれているサツマの実(ハゼの実)に似ているところから付けられている」
私の目にはナルホドそっくりだった。
そのサツマノミダマシが私のクモ園では今もっとも旬だった。
いくつものクモが目立ちはじめているが、大小含めて此奴の数が圧倒的であった。
▼此奴には少し申し訳ないが、少しさみしい思いがしていた。
エラソウナことは言えない。
60年以上こんな身近に一緒に生きてきたのに見向きもしなかったクモ!!
そのクモたちに急に興味をもちはじめたの一昨年、偶然にも「コガネグモの狩り」に出会ってからだ。
昨年度もたくさんのコガネグモに出会った。
さらに極めつけが昨年度の庭の柿の木でのゲホウグモとの出会いだった。
もう私はクモたちに夢中になっていった。その顛末は「クモ学」のすすめに記録している。
だから、私は内心7月になれば、きっと今年のあらたな展開がはじまると期待していたのだ。
ところが、今もまだ一匹のコガネグモにも、あのゲホウグモにも出会わないのだ。
▼どうしてだろう?
昨年度と何がちがうのだろう。
天気だろうか?
環境だろうか?
環境の変化としては、前の田に田植えがしてない。麦がかられたが、その後はそのままである。
これは確かに関係あるかも知れない。
水田が近くにないということは、虫たちの環境が大きく変わったということだし、それ等をエサとする貴奴等にとっては大変化なのかも知れない。
しかし、それだけだろうか?
まだ結論を出すのには早すぎるのかも知れない。
▼今年、貴奴等と出会ったら、うんと意識的にやってみたいことがあった。
これまでの観察で、どうやら貴奴等も「観天望気」のスゴ技をもっているように思った!!
ネットを張るかどうか?
団居からバルーニングへのタイミング!!
産卵の時期、狩りのタイミング等々。
「天気の変化」は直接的に貴奴等の死活問題だった。
だから4億年の進化の過程で身につけた「観天望気」のスゴ技をいっぱい持っているはずだ。
それを私は「雲見」をしながら学びたいと思っていたのだ。
あきらめるのはまだ早い!!
ひょっとしたら、これまでなかったものすごいものに出会えるかも知れない。
雨はやんでいるようだ。
今日も私のクモ園を歩いてみよう。
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コメント
楠田先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
今年の夏も、楠田先生のクモのご報告、
楽しみです。
投稿: 鈴木勝浩 | 2015/07/05 16:46
鈴木勝浩さん
おはようございます。
今年の夏もいろいろ教えてくださいね。
鈴木さんにいろいろ教えてもらったおかげで、一昨年、昨年と「クモ学」をずいぶん楽しむことができました。
今年はまだコガネグモ、ゲホウグモを見ることができていません。
年によってちがうのかな?
天候が大きく左右するものなんでしょうかね。
投稿: 楠田 純一 | 2015/07/06 05:46