サイエンスコミュニケーター宣言(293) #20thrika
▼大賀ハスの定例観察日だった。「定例観察」と言っても何もそんな特別のことをやっているのではない。毎週土曜日に観察池にデジカメを向けるだけのことだ。大賀ハスの蓮根の植え替えから33週目であった。
枯れた葉が水につかり朽ちていっているだけのことだ。
年がら年中の観察と言えば、ヒガンバナも同じだった。庭に定点観測地AとBがある。
定点観測地Aは10年以上観察しつづけているものを引っ越しさせたところだ。Bは紅白のヒガンバナが同居している場所だ。定点観測地Aにひょっとしたら今年異変がおこるかも知れない。一本だけ子房部がふくらんだ花茎があった。その花茎は倒れ枯れあがってしまった。ところが先端の子房部があるところだけが節になっていてそこからはまだ枯れていない緑色をしているのだ。そして子房部はふくらんだままなのである。
その様子は先日手に入れた第二の「自然結実」したものによく似ているのである。ひょっとしたら…。
▼例の「自然結実」がみられた田の畦から持ち帰った第三の花茎を水を入れたペットボトルにさした。
ちょっだけ顔を出した種子が黒く輝いていた。
これが「私の科学」の方法だった。
きわめて幼稚で単純、誰にでもできる方法だ。それを繰り返す!!誰もやらないぐらい執拗に繰り返す!!
牧野富太郎の「赭鞭一撻」が教えてくれていた。
十一 植物園を有するを要す
自分の植物園を作りなさい。遠隔の地の珍しい植物も植えて観察しなさい。
鑑賞植物も同様です。いつかは役に立つでしょう。
必要な道具も勿論です。
その「植物園」が私の場合は、大賀ハスの観察池であり、ヒガンバナの定点観測地なのである。
▼「赭鞭一撻」はやっぱり示唆的であった。
一週間後の【理科の部屋】20周年記念オフのねらいも書いていてくれていた。
八 宜(よろ)しく師を要すべし 植物について疑問がある場合、 植物だけで答えを得ることはできません。 誰か先生について、先生に聞く以外ありません。 それも一人の先生じゃ駄目です。先生と仰ぐに年の上下は関係ありません。 分からない事を聞く場合、年下の者に聞いては 恥だと思うような事では、疑問を解くことは、死ぬまで不可能です。
十二 博く交を同士に結ぶ可(べ)し 植物を学ぶ人を求めて友人にしなさい。
遠い近いも、年令の上下も関係ない。
お互いに知識を与えあう事によって、知識の偏(かたよ)りを防ぎ、
広い知識を身につけられます。
▼この牧野富太郎の言うところの「師」「同士」に会いに行くのである。
これが究極の目的なのである。
「師」「同士」の「私の科学」に出会い・学びにいくのである。
どんな「私の科学」に出会えるのだろう。
それを考えているとワクワクしてくるのである。
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