サイエンスコミュニケーター宣言(287) #20thrika
▼雨が続いていた。
「これはなんだろう?」
軒下に置いておいたペットボトルに差し込んだヒガンバナの花茎。その子房部がふくらみ白い粒のようなものが見えている。これが、種子の「赤ちゃん」だろうか。
あの黒びかりする種子になるのだろうか?
「水栽培」に挑戦した人もこれを見たのだろうか?
▼「青空文庫」の呼びかけ人であり生みの親である富田倫生さんがこの夏(2013.08.16)亡くなった。
その富田さんの著作のひとつに『本の未来』がある。
まえがきにとても気に入った一節がある。
青空の本は時に、山や谷を越えて、高くこだまを響かせる。
読む人の問い掛けが手に余るとき、未来の本は仲間たちの力を借りる。
たずねる声が大空を翔ると、彼方から答える声が渡ってくる。
新しい本の新しい頁が開かれ、問い掛けと答えのハーモニーが空を覆う。
▼そうだ!!
これだ、これを【理科の部屋】初期の取り組みで挑戦したことがある。
【オンライン学習会】である。
それは当時やっと手に入れたオンラインの環境をフルに活用してオンラインでの「読書会」「輪読会」を実現しようとする試みであった。
『私の【理科の部屋】活用法』によれば、次のような記録が残っていた。
○第一期:94.10~95.3
『細胞の学習』(佐藤七郎 他著 新生出版)
○第二期:95.4~95.10
『変動する日本列島』(藤田和夫著 岩波新書)
○第三期:95.11~96.3
『相対性理論』(アインシュタイン 内山龍雄訳・解説 岩波文庫)
○第四期:96..4~96.9
『インターネット』(村井純著 岩波新書)
○第五期:96.10~97.3
『極地方式入門』(高橋金三郎・細谷純著 国土社)
○第六期:97.4~97.9
『パソコンのある教室』(佐伯胖・佐藤学 他著 岩波書店)
このころは、その本から学ぶだけでなく派生していろんな取り組みに発展していた。
▼それから月日は流れた。
2012.4より始めたオンライン「寅の日」は、この延長線上にあると思っている。
それこそ富田さんたちがはじめた「青空文庫」のお世話になりながら、寺田寅彦の書いた文章から学ぶのである。
明日は、その第48回目になる。
問い掛けと答えのハーモニーが空を覆う。
はいつか実現するだろうか。
偶然にも今日は、本に関してワクワクすることがある日でもある。
ひじょうに興味深い「空」の本を次々と出しておられる武田康男さんにお会いしてお話を聞く機会があるのだ。
楽しみである。
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