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本日(2013/10/15)、第47回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼秋祭りが終わった翌日。いつもの朝の散策コースを歩いてみた。
野はみごとにセイタカアワダチソウで黄色く染められつつあった。一方庭のホウキグサは真っ赤に染まっていた。
いよいよ本格的に秋に入っていた。
 もう季節は遡行することはないだろう。
▼本日(2013/10/15)は第47回オンライン「寅の日」であった。
今回はこれまでとちょっとちがったこともやってみた。
それは寅彦の文章を耳からも味わってみたのである。それは人から教えられて次のDVDを手に入れたからである。
◆DVD『寺田寅田寅彦作品選①「津浪と人間」「地震雑感」他』(しみじみ朗読文庫 密林社)
このなかに今回の「神話と地球物理学」も含まれていた。
何度か聴いてみた。
眼と耳からで、少し深読みできたかと思うが、さて…

■第47回オンライン「寅の日」
●「神話と地球物理学」(青空文庫より)

▼今回も出だしから斬新であった。

 われわれのように地球物理学関係の研究に従事しているものが国々の神話などを読む場合に一番気のつくことは、それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである。たとえばスカンディナヴィアの神話の中には、温暖な国の住民には到底思いつかれそうもないような、驚くべき氷や雪の現象、あるいはそれを人格化し象徴化したと思われるような描写が織り込まれているのである。  それで、わが国の神話伝説中にも、そういう目で見ると、いかにも日本の国土にふさわしいような自然現象が記述的あるいは象徴的に至るところにちりばめられているのを発見する。

 「神話」などと言うとややもすると「科学」の対極にありそうに思ってしまうところであるが、寅彦はこう読み解くのである。
さすがである!!
 誤解してはならないことも強調していた。
 

誤解を防ぐために一言しておかなければならないことは、ここで自分の言おうとしていることは以上の神話が全部地球物理学的現象を人格化した記述であるという意味では決してない。神々の間に起こったいろいろな事件や葛藤(かっとう)の描写に最もふさわしいものとしてこれらの自然現象の種々相が採用されたものと解釈するほうが穏当であろうと思われるのである。

「神話」のなかにも「科学」を発見しようとする姿勢は示唆的である。
この段階(1933年)の「ウェゲナーの大陸移動説」も引き合いだして次のように語っているのだから

出雲風土記(いずもふどき)には、神様が陸地の一片を綱でもそろもそろと引き寄せる話がある。ウェーゲナーの大陸移動説では大陸と大陸、また大陸と島嶼(とうしょ)との距離は恒同(こうどう)でなく長い年月の間にはかなり変化するものと考えられる。それで、この国曳(くにび)きの神話でも、単に無稽(むけい)な神仙譚(しんせんだん)ばかりではなくて、何かしらその中に或(あ)る事実の胚芽(はいが)を含んでいるかもしれないという想像を起こさせるのである。あるいはまた、二つの島の中間の海が漸次に浅くなって交通が容易になったというような事実があって、それがこういう神話と関連していないとも限らないのである。

▼結びに言っている

わが国の神話が地球物理学的に見てもかなりまでわが国にふさわしい真実を含んだものであるということから考えて、その他の人事的な説話の中にも、案外かなりに多くの史実あるいは史実の影像が包含されているのではないかという気がする。少なくもそういう仮定を置いた上で従来よりももう少し立ち入った神話の研究をしてもよくはないかと思うのである。

このことは、80年後の今も私たちにきわめて有効な「視点」を与えてくれているのである。
最後のことばより強烈である。

きのうの出来事に関する新聞記事がほとんどうそばかりである場合もある。しかし数千年前からの言い伝えの中に貴重な真実が含まれている場合もあるであろう。

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