新・「自由研究」のすすめ試論(64)
▼昨日の観察の主役は「シロカネイソウロウグモ」であった。
なんともふざけた名前をもつクモだった。でもピッタリとくる名前であった。
我が「コガネグモ」の巣に10匹以上がイソウロウをしていた。ちゃっかりと主の獲物のうわまえをはねていた。
主は「見返り」は期待しないのだろうか?それが「ふしぎ!?」だった。
観察をしながらいくつかの仮説をたててみた。
(1) 「掃除屋」説
主のコガネグモにとっては、食するに値しない小さな獲物をこまめに食しネットをいつもきれいな状態に「掃除」をしておく。その割には、大きな「獲物」も盗み食いをしていたが…
(2) 「カモフラージュ」説
こいつの特徴はあの銀色に光る卵の殻のようなものを腹部にまとっていることである。
キラキラ光って目立つのだ。自然界で目立つということは自分自身が「獲物」になってしまう可能性が高いことを意味するのではないだろうか。それは主にとっては好都合なことがあるのかも知れない。
主の天敵からの攻撃をカモフラージュすることになりはしないだろうか。
昔、田んぼにスズメおどしでピカピカ光る短冊、テープのようなものがあったのを思い出した。
▼ まだなんの根拠もない「仮説」をつづける。
(3) 「修繕屋」説
ふだんこいつが居る場所が問題であった。センターから遠く離れた場所にいることが多い。
周辺でなにやらゴソゴソ動いている。それは主のネットの補強、修繕をしメンテナンスをおこなっているようにも見える。
(4) 「生け贄」説
(2)とよく似ているが、いざというときには自らが「イケニエ」となることによって、主を守るのである。
非常時の「ガードマン」とも言えるかも知れない。それ故に普段の「盗み食い」も認めてもらっているのである。
(5) 「家畜」説
主からすると自らの「獲物」を分けて与えておいて、「狩り」が失敗つづきで食するものがなくなったとき、こいつを食するのである。言わば「家畜」のように飼っているのである。
あれを食するとなるとあの「ギンギラギン」が気になる。あれはいったい何なのだろう。
▼それをよく知る人にとってはお笑いのような「仮説」ばかりである。
でも、それって自然から学ぶ「科学」にとっては、とても有効な「科学の方法」なのかも知れない。
「仮説」を検証し、吟味することこそ「科学」そのものであるとも…
▼昨日の夕方の観察が遅くなってしまった。
これまで夜の観察はやっていなかったので、それも面白いかも知れないと思い「あの場所」へ出かけて行った。
闇の中でのコガネグモの黄色の模様は目立っていた。
あの模様の意味は…
「「ふしぎ!?」はどまでも続くのだった。
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コメント
楠田先生、たくさんの仮説、
おもしろいですね。
ありがとうございます。
コガネグモの腹部の黄色は、
夜でも目立つんですね。
知りませんでした。
シロカネイソウロウグモ、
1つの網に10匹もいるんですね。
驚きました。
楠田先生の日記、楽しみです。
投稿: 鈴木勝浩 | 2013/07/18 16:37
鈴木先生
さっそくのコメントありがとうございます。
いつも読んでいだき、いろいろ教えていただきありがたいです。
教えていただいた「シロカネイソウロウグモ」ですが、けっこうこいつも不思議なやつですね。
今日の昼過ぎの観察では7ひき確認できました。
大きな「獲物」を盗み食いしているときはもっといたように思います。どこにふだんいるのだろう「ふしぎ!?」です。
コガネグモの方はどう見ても夜のあいだにネットを張り替えていますね。すごい働き者のようです。
まだ、出会って10日目ですのでまだまだわからないことだらけです。
今後ともよろしくお願いします。<(_ _)>
投稿: 楠田 純一 | 2013/07/18 17:17
楠田先生、こんにちは。
鈴木勝浩です。
どのくらいの頻度で網を張り替えているのか
興味があります。
オニグモは、ほぼ毎日張り替えます。
夕方張って、明け方たたみます。
たたむといっても
オニグモは糸を食べてしまいます。
コガネグモの場合、
わかりません。
どのくらいで、
網を更新しているのでしょうか?
投稿: 鈴木勝浩 | 2013/07/18 21:38
鈴木勝浩先生
おはようこざいます。
興味あるところが一致しましたね。うれしいです。
今朝も少し書きましたが、今までの観察ではまだはっきりとしません。「狩り」や「風雨」で乱れたら更新をしているようにも思いますし、朝は比較的きれいな状態のようですし、続けて観察をしていきたいと思います。
それからぜひ、ネットを回収している現場もみたいと思っています。
こうして問いかけてくださることが、観察のはげみになります。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
投稿: 楠田 純一 | 2013/07/19 06:16