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本日(2012/12/31)、第23回オンライン「寅の日」!! #traday

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▼2012年12月30日、昨日はずっと一日冷たい雨がふっていた。その雨に濡れながらも定点観察地のヒガンバナは元気だった。この姿こそ、ヒガンバナのみごとな生きざまを象徴するものだった。
ヒガンバナを忌み嫌う「自然観」はどこから出てきたのだろう。
ヒガンバナの味方についた南方熊楠は『石蒜の話』をあえて正月に発表したという。この一事をとっても熊楠に拍手をおくりたくなってくるのである。
▼今日、2012年12月31日、大晦日は第23回オンライン「寅の日」である。
奇しくも今から77年前の今日、寺田寅彦が転移性骨腫瘍により亡くなった。つまり今日は寅彦の命日なんだ。
なんという偶然であろう。今年からはじめたオンライン「寅の日」を寅彦の命日にしめくくるとは。
読むのは亡くなった年、1935年(昭和10)の7月に執筆され10月に発表された「日本人の自然観」。
だから、寅彦が私たちに残してくれた最期のメッセージ、「遺言」のようなものなんだ。
◆第23回オンライン「寅の日」
●「日本人の自然観」(青空文庫より)
▼実は、この「日本人の自然観」はすでに、第2回オンライン「寅の日」(2012/04/23)で読んでいた。
 たまたま留守にしたこともあって十分に読み切れていなかった。
もう一度ゆっくりと読みなおしてみた。
「へーそこまで言ってくれていたのか!」と感服した。
「これから」もきっちりと示唆してくれていた。自分でも「ほんとうに前に読んだのかな?」と疑わしくなるぐらいだ。
提言の数々は77年の時空を超えてきわめて今日的である。
「日本の自然の特異性を認識せよ」と警鐘を鳴らし続けた寅彦がいた。
私にとっては、「俳句」という科学の方法についても示唆してくれていた。
この度読みかえしてもまた同じところに反応してしまう。
そのひとつが「日本人の日常生活」の段落にあった。

 農業者はまたあらゆる職業者の中でも最も多く自然の季節的推移に関心をもち、自然の異常現象を恐れるものである。この事が彼らの不断の注意を自然の観察にふり向け、自然の命令に従順に服従することによってその厳罰を免れその恩恵を享有するように努力させる。
 津々浦々に海の幸さちをすなどる漁民や港から港を追う水夫船頭らもまた季節ことに日々の天候に対して敏感な観察者であり予報者でもある。彼らの中の古老は気象学者のまだ知らない空の色、風の息、雲のたたずまい、波のうねりの機微なる兆候に対して尖鋭(せんえい)な直観的洞察力(どうさつりょく)をもっている。長い間の命がけの勉強で得た超科学的の科学知識によるのである。それによって彼らは海の恩恵を受けつつ海の禍わざわいを避けることを学んでいるであろう。

これだけに終わらないところが寅彦のすごいところだ。
「これから」の科学者の役割ももきっちり書いてくれていた。

現在の意味での科学は存在しなかったとしても祖先から日本人の日常における自然との交渉は今の科学の目から見ても非常に合理的なものであるという事は、たとえば日本人の衣食住について前条で例示したようなものである。その合理性を「発見」し「証明」する役目が将来の科学者に残された仕事の分野ではないかという気もするのである。

▼まだまだある。何回読んでも凄すぎる!!
不思議なものだ。4月に読んだときとまたちがった「発見」もあった。
そこで思いついたんだ。
この文章を毎年大晦日、寅彦の命日に読んでみたらどうだろう!!
特番「オンライン「寅の日」!!にするのだ。
読むのは同じこの『日本人の自然観』でどうだろう。
大晦日は「紅白」だけでない!!
大晦日は特番オンライン「寅の日」『日本人の自然観』!!で
今日はその第一回目ということで…

来年もよろしくお願いします。

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