本日、第4回オンライン「寅の日」!!
▼昨年の夏、大賀ハス観察池では4回「あこがれの4日間」をむかえた。その結果、21個の種子(2個を見失った)を手に入れることができた。昨日、そのうちからアトランダムに選び出して3個にやすりをかけて発芽処理をした。なんという堅さだ!!それはときには2000年もの眠りを守る堅さなんだろう。
白い部分が見えたところでやめて水に沈めた。そして、やっと気づいたひとつは沈んだがあと二つは浮いたままだ。すべてに生命が宿っているかは不明であるのだ。
このあとの観察を続けてみよう。
▼今日は、第4回オンライン「寅の日」である。
まだまだどのように展開していくか方向が定まっているわけではない。
決めていることは、ただひとつ「継続する」ことだけである。この第4回は
◆津浪と人間(「青空文庫」より)
何度でも言おう。
これが80年近く前に書かれた文章と誰が信じられるだろう。
それぐらい今日的なのである。今こそ、何度も何度も読みかえしていこう!!
それが必ずや防災・減災につながると信じるから。
▼あの3.11から433回目の朝をまもなく迎えようとしている。少しずつ薄らいでいく「記憶」があるかも知れない。ところが「自然」はそうではないと寅彦は言う。
しかし困ったことには「自然」は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである。紀元前二十世紀にあったことが紀元二十世紀にも全く同じように行われるのである。科学の方則とは畢竟(ひっきょう)「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。
続けて
残る唯一の方法は人間がもう少し過去の記録を忘れないように努力するより外はないであろう。
と教えてくれているのである。
「未来形」では次のように語る。
津浪の恐れのあるのは三陸沿岸だけとは限らない、寛永安政の場合のように、太平洋沿岸の各地を襲うような大がかりなものが、いつかはまた繰返されるであろう。その時にはまた日本の多くの大都市が大規模な地震の活動によって将棋倒しに倒される「非常時」が到来するはずである。それはいつだかは分からないが、来ることは来るというだけは確かである。今からその時に備えるのが、何よりも肝要である。
▼また「教育」という面では次のように提言している。
それで日本国民のこれら災害に関する科学知識の水準をずっと高めることが出来れば、その時にはじめて天災の予防が可能になるであろうと思われる。この水準を高めるには何よりも先ず、普通教育で、もっと立入った地震津浪の知識を授ける必要がある。英独仏などの科学国の普通教育の教材にはそんなものはないと云う人があるかもしれないが、それは彼地には大地震大津浪が稀なためである。
提言から80年!!
すすんできたところもある。しかし、これからという面も多い。
まずは、すぐさまできることを言おう。
この「津浪と人間」を読もう!!
それは、防災・減災への一歩に必ずなるはずだ。
より具体的に歩みをすでにはじめている人がいる。
和歌山の阪本尚生さんだ。
10日後、5/27(日)午前、ファラデー・ラボで「津波のかがく」を語られる。
楽しみである。
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コメント
こんにちは。
いやはや、寅彦先生の「津波と人間」へ私の取り組みを接続していただけるなんて幸せ至極です。が、寅彦先生の想定したレベルになっているかはちょっと自信がありません。
zigdenzagdenしながら探求してきた過程を紹介しますので忌憚のないご批評いただければありがたいです。
投稿: sakamoto | 2012/05/17 19:03
阪本さん
コメントありがとう
ございます。3.11以前からの取り組みで、これまでに蓄積されてきたものがあるわけで、全国的に見ても先駆的なすぐれた実践だと思います。
そのプロセスを報告してくださるとても貴重な機会ですね。ひとりでも多くの人が参加してくださるといいですね。よろしくお願いします。
投稿: 楠田 純一 | 2012/05/18 06:50
別件です。もうご存知かと思いますが、今日のGOOGLEのホームページは南方熊楠生誕145年になっています。
投稿: sakamoto | 2012/05/18 17:10
阪本さん
情報ありがとうございます。なんかうれしくなってきますね。いつの間にか身内のように思ってしまっているんですね。熊楠こそ「これからの人」というのが認めてもらったようでうれしい。
さすがgoogleとそれにも感動!!
投稿: 楠田 純一 | 2012/05/18 17:32