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2011【私の読んだ本 ベスト10】

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▼いよいよ大晦日である。2011年も今日で終わりである。昨日までは「重大ニュース」で今年をふりかえったが、今度は「読んだ本 ベスト10」でふりかえってみる。これもここのところ恒例としているが、今年は冊数も多くして「ベスト 10」でやってみる。
 いつものことながら、私は私の文脈に従って本を読む。従って、ここにあげる本はその私の文脈と著者の文脈がある点で出会ったということであ。これは、その「出会い」がどんなものであったのか記録しておこうとするものである。

【ベスト 1】『増補 日本理科教育史(付・年表)』(板倉聖宣著 仮説社 2009.4.10)

 私は今、「サイエンスコミュニケーター宣言」で「日本理科教育史」を追いかけている。サイエンスコミュニケーター最前線の理科教師たちの歩みを知りたいのだ。そこから学んで「これからの理科」を考えたいのだ。
その作業のベースとなる「年表」を、この本から借りることとした。この本は、一度1968年に初版本がでている。
だから自然とそれまでの「歴史」にウエイトがおいてある。私は、いまのところ1941年 国民学校時代の「理科」のあたりまできている。このあと今日まで歴史を生の声を聞きながら追いかけてみたいと思っている。

【ベスト 2】 『一粒の柿の種』(渡辺政隆著 岩波書店 2008.9.5)
 
 今年はやはり「サイエンスコミュニケーター」がらみ多い。私は「サイエンスコミュニケーター」なれぬカタカナ言葉を使い始めたころ、この本とであった。「ああそう言うことか」と納得した。そして「一本とられた!!」と感服した。

【ベスト 3】 『科学者としての宮沢賢治』(斎藤文一著 平凡社新書 2010.7.5)

 私は、今年の夏おわり、花巻・遠野経由で石巻、陸前高田に向かう前に読んだ本がこれだ。私は、あらたにこの本で「デクノボーの科学」を教えられた。旅の終わりで訪ねた「石と賢治のミュージアム」で再び斎藤文一先生の名前と出会うことになるのである。ひょっとしたら今年最大の収穫あった本かも知れない。

【ベスト 4】  『雲と暮らす。 ~雲と出会い、雲を愛でる~ 』(文・写真 武田康男 誠文堂新光社 2011.10.17)

 私の読書法は「イモズル方式」だ。気に入った著者の本は、徹底してイモズルを引っぱっていくそうするとみごとな確率で収穫がある。武田康男さんが出す本はまず間違いない!!そのなかでも今年の新刊のこれは特にお薦め本だ
面白いことがある、イモズル式はひとりの著者だけではない。今も空のこととなると参考にさせてもらう本に『空の色と光の図鑑』(斎藤文一 文 武田康男 写真 草思社 1995.10.11)がある。なんということだ!!「ベスト3」と「ベスト4」はツナガッテイル!!

【ベスト 5】 『コケの謎』(盛口満著 どうぶつ社 2008.7.22)
 
 「この人が書いたものなら…」と言えるお気に入りの人がもう一人いる。ゲッチョ先生こと盛口満さんだ。
イラスト、等身大の文章、的確な観察眼ほんとみごとである。ゲッチョ先生ワールドは実に面白いのだ。今年は、この本で「コケ」にはまってしまった。コケから発展して「クマムシ」発見までいった。来年は「コケ」とちびりちびりつきあっていきます。

【ベスト 6】 『動的平衡2』(福岡伸一著 2011.12.07 木楽舎)

 もうひとりお気に入り作家の近刊だ。私は最初に書いた「自分の文脈」で本を読むと言った。しかし、この人の本にはそれは通用しない。「著者の文脈」にやられてしまうのだ、気づけば「また、やられたか!」ということなる。
その技はみごとである。著者好みに言えば「あまりにも 美しく」もある。ゲノムの先に見えてくる「生命」とは…
何度も言うが、子ども向け「科学読み物」をぜひ書いてください。

【ベスト 7】 『カラー版 デジカメ自然観察のすすめ』(海野 和男著 岩波ジュニア新書 2004.06.18)
 
 今年のお薦め本からもう一冊。これは人に薦めてもらって手にした本、こんなにも「こんな本が欲しかった!!」
 と思った本はない。デジカメ「自然観察」の楽しみのすべてがここにわかりやすく語られている。
来年以降もずっとつきあって行く本。

【ベスト 8】 福沢諭吉の「科學のススメ」 (桜井 邦明著 祥伝社 2005.3.25)

 今年出会って、これからもずっとつきあっていくだろう本をもう一冊。これは福沢諭吉の『訓蒙 究理図解』の現代語訳と解説本である。ここから日本の「科学」教育ははじまっていた。これからも何度も読み返すことになるだろう。

【ベスト 9】 『教師の世界観・教材観』(高橋金三郎著 明治図書 1979.9)

 今度は、ずっとつきあってきて今年再び出会い直した本だ。この夏、「私の教材試論の今」をまとめているときに繰り返し読んだ本だ。高橋金三郎氏の文というのは、いつ読んでもきわめて今日的なのである。
いったい何が見えていたのだろう。読みかえしてみよう、来年も!!

【ベスト 10】 『知的生産の技術』 (梅棹忠夫著 岩波新書 1969.7.21)

 繰り返し読みかえしていることでは、これの右にでるものはない。このブログを使って『知的生産の技術』を読むをやったこともある。今年の「ウメサオタダオ展」に行くのにもこのボロボロになった本を持って行った。そこで読みかえしてみた。やっぱり新しい発見があった。汲めども汲めども汲みつくせぬものがここにある。
永遠の名著である。


▼10冊を本棚にならべて、それを左の方へずらしてみた。そこに「あたらしい空間」ができた。
その空間に、あたらしく出会う本をたてていくのである。
準備ができた、来年はどんな本との出会いがあるだろう。楽しみである!!

これで2011年365回目の発信を終わる。来年もよろしく!!

 
 

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