ヒガンバナの里名の意味するものは!? #higanbana
▼やっぱりやばい!!私は少し例の持病「ばっかり病」を発症しているようだ。その「ばっかり病」のなかでも、かなり持病歴のながい「ヒガンバナ病」だ!!
だいたいこの季節に発症することが多いが、これ以外の季節にも発症する年もあった。
ヒガンバナのことばかりが気になるのである。それ以外の見ること聞くこともヒガンバナに結びつけて考えてしまうのである。
▼台風15号が北上していった後の午後、「石垣のヒガンバナ」を見に行った。
一度は、水に浸かってしまったのだろうか満開期をむかえていた花はかなりのダメージを受けていた。定点観測地Bにも足を向けてみた。残る風で周りの草が覆い被さるなか、ヒガンバナはそれに耐えて開花する花がふえて行っていた。その周辺のヒガンバナも同様であった。
▼「テクサレ」「テクサリ」の呼び名にこだわっていたとき、昨年、一冊の資料集を目にする機会があった。
◆『兵庫県姫路市新市域言語地図集』(都染 直也編 2010 甲南大学方言研究会)
この冊子には、姫路市を中心にこれまで研究すすめられきた方言調査をまとめられたものである。
きわめて貴重な資料集である。
ありがたいことがふたつだ。ひとつは旧姫路市内に限定せず、その周辺地域のものもあるということと「彼岸花」の項目があるということだ。
さっそく自分の住む地域の「彼岸花」のページを見た。
うれしかった。「テクサレ」「テクサリ」はあったのだ。なにも我が家だけがそう呼んでいたのでないのだ。マタリマエのことだが、「そうだろう!!そうだろう!!」と膝をうち納得しうれしかった。
姫路市全域のページを見た。大ざっぱにみると南部は「テクサレ」、北部は「テクサリ」が使われていたようだ。
手にして、花茎をポキリと折ると出てくるあの異様なにおいのする汁。それをすることを子どもたちに戒めるところから出てきたきたのだろうか。それとも…。
▼さらに他の呼び名はと別の周辺地域のページを見ていると、あった別の呼び名が
「シブネ」
「シブレ」
「シビレ」
「シブネノハナ」である。
これはどういうことだろう。口にするということがあったということだろうか。
やっぱり「救荒食」の歴史はほんとうだろうか。
里名を追いかけていくと、ヒガンバナと人の暮らしの関係が見えてくるのかも知れないと思った。
ますます「ばっかり病」は加速しそうである。
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コメント
15号の風は凄かったですね。土手のヒガンバナも散々です。
里呼び名の探求は面白いですね。
ヒガンバナ民俗・文化ーV
http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/higanbana-minzoku.bunka-5.html
に私論を書きましたが、ご感想をお聞かせください。
投稿: 栗田子郎 | 2011/09/24 14:29
栗田 子郎さん
いつもお世話になっています。
ここにも書いていますように、昨日柳田國男の生家を起点にして、播磨のヒガンバナスポットを見て回ってきました。あらためてこのヒガンバナに興味を深めました。
あらためてスポットと言うまでもなく、播磨の地にはいたるところに群生地があるようです。
この花と人々のくらしの関わり興味を持たない方が不思議なくらいですね。
さて栗田先生の説、もう一度読ませていただきました。私などには、「へーそうなんだ」と感心するばかりです。思ったこといくつかあげてみます。
(1)「救荒食」として伝搬していったということに説得力があります。特に言葉の変遷に注目されているとこに感心しました。いろんなことを知っておられる先生ならではですね。
(2)忌み嫌われるようなった歴史について、ある程度納得できますが、それだけではないような気もします。
くらしと直結するところでなにかあるのではないか。
その発端となったような記録、資料はないもんだろうかと。
(3)有用植物として利用を窺わせるような里名は残っていないのでしょうか。
たとえば「糊」としての利用など
(4)「救荒食」としての歴史をもつのであれば、この植物をありがたがった伝承話やこの植物を奉ったというような風習などが残っているということはないのでしょうか。
シロウトの思いつきです。
まだまだこれから、ヒガンバナの「ふしぎ!?」追い続けたいと思っています。こらからもお世話になりますがよろしくお願いします。
投稿: 楠田 純一 | 2011/09/25 18:04