「ぬり絵」の教授学
校庭を歩いていると、あきらかに変化してきたことに気づく、校庭の樹木が色づいてきているのである。それは、視覚的な変化、さらにもっと「ちがってきたな」ということがある。それは、匂いである、あの金木犀の甘い濃い香りから、それは少し薄められたような、もう少し軽いにおいである。「銀木犀」である。ギンモクセイからの香りが、校庭・校舎を包んでいるのである。
「匂い」は、分子である。その分子が鼻に入る、水にとけるという「化学変化」をきたし刺激する。それを「匂い」と認識する。ならば、「金木犀の匂いの分子」と「銀木犀の匂いの分子」がちがったかたちをしているのだろうか。
微妙な匂いのちがいは、どこまでが同じ、どこがちがうのだろう。
なんて、くだらないことを考えながら、雨上がりの校庭を歩いてみた。
▼授業「動物の世界」をいそぐ、次の授業は、『感覚器官』である。
頭骨標本の有効性のりくつからいくと、このあたりでも「ホンモノ」でとおしたいところである。例えば、牛の目玉を持ち込むとか。そんなことに挑戦したこともある。
ここでは、そこまでのゆとりはない、理科室に古びた目、耳の模型がある。今回は、それで我慢しようそのかわり、ちょっとだけ工夫してみよう。
▼それは「ぬり絵」だ。
これまでにもやってきて、これはけっこういけるという感触をもっている。元にしているネタ本がある。
■カラースケッチ解剖学 (監訳)嶋井和世 廣川書店である。
医学部・薬学部の学生さんや看護士をめざす学生さんが使っている本です。今は、第三版が出ているようです。
私は、第一版と第三版ともっています。
いわば専門書ですね。その方がいいですね。ある面「わかりやすい」です。
ぬり絵をやりながら、そのつくり、部位の名称をおぼえていこうというのです。
▼色鉛筆で「ぬり絵」をしながら、学習をすすめる。そんな手法が有効だったとおもうところは、これまでやってきて中学校理科では、2箇所ある。
ひとつは、「大地の動きをさぐる」の学習である。「山地と平地」を色分けしなが「ぬり絵」をやっていくことからはじめて、地質図の「ぬり絵」でみえてくる「大地のなりたち」。昔からやられてきた学習の手法だ。
もうひとつがこれからやろうとする「人のからだのつくりとはたらき」の学習である。
ここでも、この「ぬり絵」という一見原始的とも思えるこの認識方法がけっこう有効なのではないかと思っている。
Webの時代だ。ビジュアルなものを求めるもっと有効な手法があるのかも知れない。
しかし、そんな時代だからこそ、あえてアナログ認識の教授学の可能性をさぐるのも意味あることかも知れない。
▼色づく秋の風景をあわせて、事物の「ぬり絵」をはじめてみよう。
一昨日、自分でもやりながらと、あらたに「色鉛筆」新調した。「ぬり絵」からなにが見えてくるかな。o(^o^)o ワクワク
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