知之者不如好之者、好之者不如樂之者
▼私は、元旦の「今年の抱負」を『ともかく今年の抱負のキーワードは「楽しむ」である。』としめくくった。そしたら阪本さんがコメントでこの楽しむについては論語にいい言葉があります。「これを知る者はこれを好む者に如かず これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」
私はこれは実に的を射た言葉だと思っています。と応答してくださった。
▼私の思いを掬い取ってくださったのだ。これまたなんとうれしいことだろう。自分の思いを増幅させてもらったのである。「響き合い・学び合い・高め合う」とはこのようなことをさして言うのだろう。応答のある世界に魅力を感じてはまってしまうのは、こんなことがあるからだ。これは、パソコン通信をはじめたときからそうなのである。ヒューマンネットワークとはこのようにし構築されていくものなんだと思っている。
▼阪本さんが紹介してくれた論語の「知之者不如好之者、好之者不如樂之者」この言葉を読み返していて、思い浮かんだのは「コンヴィヴィアリティ」という言葉だ。
この言葉をはじめて知ったのは『インターネットが変える世界』(1996.2.20岩波新書)を読んでだ。この著で「コンヴィヴィアリティ」について次のように述べている。
「コンヴィヴィアリティ」という用語に訳語をつけるのは難しい。辞書をひくと、「宴会気分、陽気さ」と言った訳語がついている。雰囲気はわかるが、用語としてはちょっと使えない。ともかく「みんなで一緒にいきいき楽しい」というニュアンスの言葉である。(前著p6)
もうひとつ同著同ページから
「イワン・イリイチの『コンヴィヴィアリティのための道具』を読んで感銘し、それを実現するためにパーソナルコンピュータをつくった」という説明をしていたのである。」(同著p6)
▼この言葉を知ったひととき訳も分からぬまま、気に入ってしまいいたるところで使っていた。あまり多用していたので辞書登録までしてしまっていた。「コン」と打てば「コンヴィヴィアリティ」と今も出てくる。『コンヴィヴィアリティのための道具』の訳本まで購入している。つん読になってしまっているが。(^^;ゞポリポリ
▼もとにもどる「楽しむ」である。「一緒に楽しむ」にして、この「コンヴィヴィアリティのための道具」=パソコンもフルに活用しながら「一緒に楽しむ」一年にしたいものである。今年の抱負の追加(集約・増幅したものというほうがふさわしいかな)である。
▼今日は、朝早くより初詣にでるつもりである。
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コメント
おはようございます。冒頭に昨日の書き込みを引用してくださり、ありがとうございます。
「コンヴィヴィアリティ conviviality」は私にとっては聞き慣れない英語です。英辞郎で引いてみますと、楠田さんも書かれていますが「お祭り気分」といった意味があるようです。ちなみに同辞書で「楽しい」と引いてみますと、35もの対応する言葉が出てきました。用例も多く、中には孔子様の言葉に通じる「楽しく学んだことは忘れないものだ」‘What we learn with pleasure we never forget.’という用例もありました。
投稿: sakamoto | 2008/01/02 10:05
阪本さん
続けてのコメントありがとうございます。
コンヴィヴィアリティの訳にについてですが、私も改めて、今辞書を引いてみました。同様ですね。「友だちと飲み食いを好むこと」「歓楽」「陽気」等が見られますね。
イリイチ『コンヴィヴィアリティのための道具』(渡辺京二、渡辺梨佐訳 日本エディタースクール出版部1989.3.10)
でも、訳者はかなり困っていますね。迷いながらも訳者は「自立共生的」と訳していますね。でも、そう訳しながらも必ず「コンヴィヴィアリティ」と横にカタカナを添えていますね。
以前、【理科の部屋】で話題にしたとき、誰かが「共愉的」という訳があると言って、納得した憶えがあります。
今、コンヴィヴィアリティという言葉をきっかけに『インターネットが変える世界』をちょっと見なおしましたが、驚きますね。
96年2月が初版です。
これからを考えるときぜひ読み直したい本ですね。
投稿: 楠田純一 | 2008/01/02 17:19
こんばんは。初詣、如何でしたか。私は1日の朝近くの王子神社で初詣をすませました。時間があれば熊野にも詣でようかと思っています。
>conviviality
理科の部屋で「共愉的」という訳をされた方がいるのですね。いつ頃話題になりました?私は記憶にありません。
ところで‘conviviality’ですが、ランダムはウス英和辞典には‘convivial’という副詞に訳が付いています。意味は目新しいものはありません。ふと気がついたのですが、‘con-vivial’と考えれば、‘con’は元来ラテン語由来の‘com’だそうで「共に」という意味があり、‘vivイal’は‘vivi’「生きている」から「活き活き」という意味ではないかと思うのです。ですから、「共愉的」というのは、少々固いけど適訳だと思います。
投稿: sakamoto | 2008/01/02 21:35
阪本さん
コメントありがとうございます。
初詣のことは、今日の日記に書きました。
コンヴィヴィアリティのことですが、この本が出た当時ではないですかね。96年にオンライン学習会で村井純「インターネット」(岩波新書)をやっていますので、そのころではないでしょうか。でも確かではないですね。阪本さんも古いから【理科の部屋】の歴史よくご存じだ。ありがたい。
投稿: 楠田純一 | 2008/01/03 06:55