2025年・「梅雨の空」を科学する(8) #梅雨 #梅雨前線 #Webテキスト #高層気象観測 #エマグラム #生兵法実践主義 #上がるとザアザア

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▼やっぱり、梅雨前線が帰ってきた!!

 空は「梅雨明け」をジャンプして、立ち上る「夏雲」を見たかと思っていた。
 しかし、梅雨は続いていた。
 「梅雨の空」の「ふしぎ!?」をつづけよう。

 次もWebテキスト『天気の変化』の試案を追ってみよう。

◆Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」

 「エマグラム」!?
 またまた唐突な話だ。つづけて「梅雨の空」の上空を科学してみよう!!

▼では、はじめよう。

1 高層気象観測とエマグラム

※「ラジオゾンデによる高層気象観測(気象庁)」のページをあけておいて、考えてみよう。
 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/upper/kaisetsu.htm

(1)「ラジオゾンデによる高層気象観測」を実施している場所で、あなたの住んでいるところからいちばん近いのはどこですか。

 二番目に近いのはどこですか。

(2) ラジオゾンデではどんな気象要素が測定されますか。

 a 風向・風速はどのようにして測定していますか。

 b 高度何㎞あたりまで計測されていますか。


▼いよいよです。

(3) 高層観測で得た観測データを用いて、「エマグラム」という図がつくられています。

・「エマグラム」って何!?

 ●「エマグラム(Sunny Spot)」
   https://www.sunny-spot.net/emagram/
 を参考にして、自分の住む場所にいちばん近い観測点の「エマグラム」をみてみよう。
 他の観測点の「エマグラム」もみてみよう。
 何がちがうだろう。
 気づいたことをあげてみよう。

▼なんともわけのわからぬ自分でもよくわかっていない「エマグラム」なるものをひっぱり出してきたのはなぜか!?
 私の勝手な<ねらい=思い>としては、3つあった!!

(1)専門家(プロ)たちの使っているデータも、いくつものアタリマエが重なってできている!!
 ・そのデータを私たちも簡単に見ることができる。

(2)今までに知った<きまり>をどんどん使ってみる!!生兵法実践主義!!

(3)「梅雨の空」の「ふしぎ!?」を科学する。
 ・「大気の物理学実験室」の謎解き
 ・防災・減災にツナガル科学を  

(つづく)

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2025年7月のオンライン「寅の日」は #寅彦と気象 #traday #寺田寅彦

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▼「梅雨に入ったばかりだったのでは!?」
 雲一つない青空に向かって愚痴ってもしかたない。
 それにしても暑い!!
 ともかく暑い!!
 この暑さはどこから!?
 天気の「ふしぎ!?」はどこまでもつづく。

▼7月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期だ。
 科学者・寺田寅彦もこの「天気・気象」に強い関心をもっていた。
 関連した随筆も多く書いていた。
 そこで7月テーマを次のようにする。

【7月テーマ】「寅彦と気象」

 7月にオンライン「寅の日」は2回ある。
■2025年7月のオンライン「寅の日」!!
◆第415回オンライン「寅の日」 …7/08(火)
◆第416回オンライン「寅の日」 …7/20(日)

▼数多くある「気象」関連の随筆のなかから何を読むか迷うところであったが、次の2つにきめた。
・「夏の小半日」
・「颱風雑俎」
 まずは「ふしぎ!?」の謎解きからはじめよう。
 防災・減災にツナガル「科学」を寅彦から学びたいものだ。

■2025年7月のオンライン「寅の日」!!

◆第415回オンライン「寅の日」 …7/08(火)「夏の小半日」(青空文庫より)

◆第416回オンライン「寅の日」 …7/20(日)「颱風雑俎」(青空文庫より)

▼今続けている 「梅雨の空」を科学する シリーズ もいましばらく続けたいとおもっている。
 ここでもやはり寅彦の「科学する」に学びながら。
 この夏、私たちの暮らす「大気の物理学実験室」に何が起こるだろう!?
 

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【お薦め本】『「科学知」と「人間知」を結びつけるために わたしの最終講義』(池内 了著 青土社)

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▼最近いろんな事情が重なり、人の講演(講義)を聞く機会が少なくなってきている。
 とても残念である。
 元々不勉強な私はそのような講演(講義)との出会いをきっかけにその方面の学びをはじめるということが多かっただけに、「エネルギー源」をたたれたようで哀しい。
 今の時代だから、YouTubeなどを利用していくらかは補完することもできるかもしれないが、やっぱり生がいい!!
講演者の息づかい、表情、間合い等々を含めた生のお話は、聴かせてもらったものにとっては貴重な「財産」となる。

▼いつかはぜひ生のお話を聴かせてもらいたいと思っている人のひとりに池内了さんがおられた。著書を通じて多くを学ばせてもらってきた。とりわけ「寺田寅彦」についての著作からは実に多くを教えてもらい、勝手にオンライン「寅の日」への「案内人」のように思ってきた。
 その池内氏が副題に「わたしの最終講義」とした本が出た!!
 それが、今回の【お薦め本】だ。

◆【お薦め本】『「科学知」と「人間知」を結びつけるために わたしの最終講義』(池内 了著 青土社 2025.5.28)

 さっそく手に入れ読んでみた。実に面白かった!!
例によって3つのお薦めポイントをあげておく。

(1)多種多彩なる九つの講演・講義(お話)を自由自在に楽しめる!! 
(2)著者の主文脈=「新しい博物学」が豊かに読めてくる!!
(3)読者自身の「これから」に示唆を受ける!!

▼ではポイントのひとつずつを少しだけくわしく語っておく。
(1)多種多彩なる九つの講演・講義(お話)を自由自在に楽しめる!!  
今回は、いつもとちょっとちがった本の読み方をした。
 あくまで講演・講義を想定して「一日一話」を原則として読んでいった。
 たとえ面白そうに思えても、この原則をはずさなかった!!
 ダカラ アリガタイことに 
 九日も池内了氏の「講演会」を楽しめたのだ!!
 この「講演会」はラッキーだった。メモを取る必要もなかった。だってもうそこに「書かれて」いるのだから。
 理解力の落ちてきている私は、「音読」を原則として声に出しながら読み進めた。
 頭の中で整理できにくくなると、スローになったりストップをかけたりした。
 たったひとりの「聴講者」である私の自由自在であつた。
 九つの「講演会」のテーマは、多種多彩であった。
 それは、そのお話が誰を「対象者」(「聴衆」)としていたかを物語るものだった。
 初出は、いつどんな場での講演・講義かはあげてある。
 それにしても驚いてしまう。
 著者の「守備範囲」の広さに!!
 こちらも変化自在に、そのときの「受講者」になって楽しんでしまおう。

次にいこう。
(2)著者の主文脈=「新しい博物学」が豊かに読めてくる!!
 九つの話はバラバラのようにも見えた。
 しかし、底部でしっかりツナガッテイタ!!
 それは、まるで連句のように(「連句」とは何であるかをくわしくは知らないくせに)別個に見えて、ツナガリ全体で1個の「作品」に見えてくる。
 全体の底部に流れる著者の主文脈(提言)、それは
 「新しい博物学」!!
 だと思っていた。ここは著者のコトバを借りよう。

 「新しい博物学」とは、単純に言えば、文系の知恵としてさまざまに展開されてきた諸々の「人間知」と、理系の知識として発見されてきた自然界の構造や運動についての「科学知」とを対等に盛り込んだ物語を楽しむことを目的としています。つまり、文系知と理系知を結び付けた物語を創る試みのことです。(同書P9より)

 その試みは、みごとに成功していました!!
 ここに豊かに語られた九つの「新しい博物学」物語があります。

▼3つ目のポイントにいきます。
(3)読者自身の「これから」に示唆を受ける!!
 3つ目はかなり個人的なことです。
 私にはとりわけ最後の2つの話が興味深かったです。

●第8話 科学者の「歴史の見方」とは?――播磨国の歴史から私の歴史散歩を試みる
●第9話 三〇〇年前の天の河は特定できるのか?――芭蕉と越後と天球の回転

第8話の「播磨国」とは私の「ふるさと」のことです。
 なんとこの講演は我が町でおこなわれたものなんです。残念ながらせっかくのこのチャンスを逃してしまいました。しかし、アリガタイことに、そのときの「記録」がここにあるというわけです。
 「科学と歴史を考える」では、具体的な提言もされています。
 それは、私自身の「これから」についても示唆的で、とても参考になりました。
 私にもできることから少しずつ少しずつはじめたいと思います。
 第9話についても同様です。
 私にとってのあらたな「新しい博物学」の楽しみ方を教えてもらっているようだった。
まだまだ勉強ですね。
 
 “最終講義”となっていますが、ご本人も“挑戦”すると言われいますので、どこかで 生でお話を聴く機会があることを楽しみにしていたいと思います。

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2025年・「梅雨の空」を科学する(7) #梅雨 #梅雨前線 #Webテキスト #数値予報図 #渦度 #生兵法実践主義 #上がるとザアザア

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▼暑い!!
 あれっ!?梅雨前線が消えた!?
 でも やっぱり
 Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけてみよう。
 プロたちの「科学」も、自然のアタリマエが重なってできているはずだ。
 誰にもわかるから「科学」なんだ!!
 
5 数値予報図~渦度~

※数値予報天気図(気象庁)

を参照しながら、考えてみよう。
●極東地上気圧・風・降水量/500hPa高度・渦度予想図 ( 12時間毎 )
を開いておいて考えてみよう。

(1) 500hPa高度の基準高度はいくらぐらいだろう。
  5.700m !!

▼「渦度」!!新しいコトバに迷わされずにアタリマエを追求しよう。

(2) 「渦度」には「+正」と「-負」がある。
「低気圧」「高気圧」の渦はどちらだろう。

●北半球では
「+正渦度」=反時計回りの渦 → ( 低気圧)の渦
「-負渦度」=時計回りの渦 → (高気圧 )の渦

(3)「正渦度」のところは縦縞の実線で表されています。
  低気圧(L)、高気圧(H)の位置を確認してみよう。

▼アタリマエ重ねれば、徐々に「科学」に迫ってきますね!!

(4) 天気図に現われる「渦度」とは鉛直成分を表したものです。
「正渦度」のところの大気は上がっているでしょうか。それとも下がっているでし
ょうか。

●北半球では
「+正渦度」=反時計回りの渦 → 低気圧の渦→ 大気は「上がる 」
「-負渦度」=時計回りの渦 → 高気圧の渦 → 大気は「 下がる」

▼いよいよです。

(5)「地上気圧・風・降水量」の図を見て、「降水量」のいちばん多いところ(極)を
さがしてみよう。
それは「渦度」とはどんな関係になっているだろう。

a 「12・24時間予想」「36・48時間予想」「72時間予想」でも確かめてみよう。

「縦縞の実線」部→「正渦度」→大気「上がる」→→ <上がると ザアザア>

ここでも やっぱり!!
<上がるとザアザア 下がるとカラカラ>

 いっぱい例外あるだろう!!
 でも、ざっくりと そう言えないかな!!
 繰り返し、繰り返し 使ってみよう!!

<上がるとザアザア 下がるとカラカラ>

生兵法実践主義で!!


(つづく)

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2025年・「梅雨の空」を科学する(6) #梅雨 #梅雨前線 #Webテキスト #数値予報図 #鉛直P速度 #湿数 #上がるとザアザア

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▼Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけよう。
と言いながらも少し自分でも迷っていた。
なんのために自分でもよくわかっていないことを繰り返し綴っているのだろう!?
自問自答しながらも、やっぱりつづけよう!!  

次は

4 数値予報図~鉛直p速度~

※数値予報天気図(気象庁)

を参照しながら、考えてみよう。
●極東850hPa 気温・風、700hPa 上昇流/ 700hPa 湿数、500hPa 気温予想図 ( 12時間毎)
を見ながら考えてみよう。

▼「鉛直p速度」!? 耳慣れぬコトバからはじまっていた。
 ポンコツ頭はパニック寸前だった。
(1) 「鉛直p速度」は何をあらわしているのだろう。

 a 単位は

 b 「私たちは大気の海の底に暮らしている!!」

 底(下)ほど 気圧は ( 高い)!!
 上空(上)ほど 気圧は (低い )!!

 アタリマエ!!

 c 大気が「上がる」「下がる」ときで考えてみよう。
 大気「上がる」→ 鉛直方向の気圧変化速度「鉛直p速度」 → 「 - 」
 大気「下がる」→ 鉛直方向の気圧変化速度「鉛直p速度」 → 「 + 」

 コトバは難しいが
 ナルホド!!アタリマエすぎるほどアタリマエのこと!!

(2) 700hPa 上昇流の図では、上昇流の領域(鉛直 p 速度「-」域)は、縦縞の実線であらわしてある。
  確認してみよう。

 ・上昇流のいちばん大きいところ(極)はどこにあるだろうさがしてみよう。
 ・反対に下降流のいちばん大きいところ(極)はどこにあるだろう。

▼おおざっぱにとらえて次に行こう。
(3) 今度は700hPa湿数、500hPa気温予想図 を見てみよう。
 a 「湿数」とは
 「湿数」=気温-露点
 大気中の水蒸気の満腹度を示す!!

 b 満腹の限界を越えてしまえば大気中の「水蒸気」ははみ出して「雲」になる!!
 
 その臨界点が近いぞ!!
 ということを予想天気図では明示してくれていた。
 「湿域」=「湿数」<3℃
 つまり湿っているところ!!
「雲」がとってもできやすいところ!!
予想天気図では、「湿域」は縦縞の実線で表示されている。
 確認してみよう。

▼ここが、今回のメインだ!!  

(4)「極東850hPa気温・風、700hPa上昇流」予想図における
  ●「鉛直P速度」→「-」→大気「上がる」→実線縦縞
   「700hPa 湿数、500hPa気温」予想図における
  ●「湿域」=「湿数」(=気温ー露点)<3℃ →雲ができやすい→実線縦縞

 ふたつ予想図の実線縦縞をザックリと見くらべてみよう!!

 ここでもやっぱり

 <上がるとザアザア 下がるとカラカラ>!!

 予想図の時間を変えても言えるかな!?
 
(つづく) 

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【Web更新6/15】25-24 「天気の変化」を科学する 等 更新!!

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浮かぬ空明かり灯すや花柘榴 25/06/13撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】25ー24
週末定例更新のお知らせ
 はや6月なかばを過ぎた!!
 しかし、まだ梅雨に入ったばかりで、まだ「真夏」までには少し時間があると思っていた。
 どうやら見当外れだったようだ。
 「真夏」はど直球でやってきた。
 天気はやっぱり「複雑系科学」のようだ!!

◆表紙画像集2025 更新 花柘榴
 うっとうしい梅雨空に、鮮やかな朱色した柘榴の花が咲いた!!
 そこだけが明かりを灯したようでうれしい。
 今年は例年以上に花の数が多いよな気がするが
 はたしてどうなるだろう!?
 秋が楽しみだ。

◆「天気の変化」を科学する 更新!!
 「梅雨の空」を科学する をはじめる。
 同じことの繰り返しだが、やっぱり「科学する」は面白い。
 「上がるとザアザア」のアタリマエを科学しよう。
 つくったルールは<使いモノ>になるかな!?

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 6月は「ルクレチウスと科学」ばっかりである。
 どこまでルクレチウスに迫れるだろう!? 
 どこまでも自分自身の文脈で読み解いてみたいものである。

 
 大賀ハス観察池。蓮根の植え替えから11週目!!
 いよいよ浮葉で覆われてしまった。もう二重にのところもでてきた。
 さあ、いよいよだ !!

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2025年・「梅雨の空」を科学する(5) #梅雨 #梅雨前線 #Webテキスト #高層天気図 #500hPa #300hPa #ジェット気流 #生兵法実践主義

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▼ 東北地方も梅雨入りした模様だ。
 ちょっと梅雨空の様子がかわってきた。
 TV・ネットの「天気予報」を参考にしながら、Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけよう。
 次は

 3 500hPa・300hPa 高層天気図

※高層天気図(気象庁)
●アジア 500hPa・300hPa 高度・気温・風・等風速線天気図(AUPQ35)
を開いておいて、次のことを考えてみよう。
(1)基準の高さをもういちど確認してみよう。
・500hPa (5.700 )m
・300hPa (9.600 )m

 何度でもこのアタリマエを繰り返しておこう!!

▼今すぐ温度計を持って、ハシゴかけて、駆け上って確かめたいところだ!!
 でも、それは無理!!
 しかし、私たちにはこの「高層天気図」がアルぞ。 

(2)自分の住む地域の上空の気温を読み取ろう。
・500hPa ( )℃
・300hPa ( )℃

 「高層天気図」見ながら、自分で確かめてみると実感がちがいますよね。
 アタリマエを科学するとはそんなこと。

▼次がここでのメインかもしれない。

(3) 500hPa 高層天気図に注目して、あたたかく湿った大気のかたまり(暖湿気)が流入てきたら、天気はどのように変化するでしょう。

暖かい空気(地表) →(密度小=軽い )→ 上がると ザアザア
「大気不安定!?」

●夏 → モクモク積乱雲 → 「大雨」

 ルールをみつけたら使ってみよう。
 何度も何度も使っていたら、「ルール」はホンモノになる。
 「ルール」が使いモノになる。
  それが、生兵法実践主義!!
 850hPa・700hPaへ行ったり来たりしながら立体的にイメージしてみよう。

▼ここでのもうひとつのメインに行こう。

(4) 自分が住む地域の上空にどれほどの強さの風が吹いているか読み取ってみよう。
・500hPa (  )ノット(KT)→ (  )m / s
・300hPa (  )ノット(KT)→ (  )m/s

※1ノット(KT)=0.5m/s

a ものすごい風ですね!!台風のときの風とくらべてみよう。

b この風は主にどちらからどちらに向けて吹いていますか。

c この強い風をジェット気流といいます。
ジェット気流の影響を受けている現象にどんなことがありますか。

 びっくりしてしまいますよね!!
 そんな 強い風が 今、この上空に吹いているのかと思うと!!
 毎日の「雲見」のときに これを思い出そう!!
 
 光は東から、天気は西から!!
  
 を思い出そう!!
 台風・熱帯低気圧はどう影響してくるだろう。
 面白くなくなったら、すぐやめよう!!
 そして、また気になったら「高層天気図」を開いてよう。

(つづく)

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本日(2025/06/14)、第413回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦

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▼はじめに「自然哲学」ありき!!
 またまた大げさなことを言うが、私は「自然哲学」というコトバが好きだ。
 あのファラデーも、科学者という新しい用語を嫌い。ナチュラル・フィロソファーという古い言葉を好んだそうである。

▼本日(2025/06/14)は、第413回オンライン「寅の日」である。
 6月のテーマは、古くて新しい「原子論」である。
 具体的には「ルクレチウスと科学」を読むのである。

 【6月テーマ】「寅彦とルクレチウス」

 6月は三回ともこれを続けて読んでいる。
 本日はその二回目である。
 
◆本日(2025/06/14)、第413回オンライン「寅の日」!!

●「ルクレチウスと科学」(2)(青空文庫より)

▼一応ひとつの目安として 次のように三回に分けていた。
(1) 緒言、一
(2) 二~四
(3) 五、六、後記

 今回は(2)だった。
 <二>
 最初に「原子論的物質観」の授業を思い出すようなことが書かれていた。

  元子は結合するが、その結合は固定的ではなく、不断に入れ代わり、離れまた捕われる。eternal give and take である。しかしその物質の総和は恒久不変であると考える。ここの考えは後代の物質不滅説を思わせる事はだれも認めるであろうが、また見方によっては、たとえば溶液分子のようなものの化学的平衡を思わせる何物かを含んでいるからおもしろい。

 さらには「三態変化」である。
 元子は互いに衝突する。その速度は一部は固有のものであり、一部は衝突によって得るものである。衝突の結果はいろいろである。ある元子はその複雑な形状のために互いに引っ掛かって結合して剛かたい物を造るが、あるものは反発して柔らかい物質となりあるいは全然離れ合ってしまう。これは言わば固液気三態の原子構造の説明と見られる。

 そして「ブラウン運動」にまで
 日光に踊る微塵(みじん)の有名な譬喩(ひゆ)の出て来るのはこの条である。私のおもしろいと思ったのは、元子の寄り合ってできる細粒が、不可視的元子の衝動によって動かされて、粒全体としての運動を生ずるという考えが述べてあることである。それがちょうどブラウン運動の記述に相当する事である。

 そして、なんと原子数にまで話が及んでいるのである。
この考えはある点において現代の原子内部構造の予想として見る時に興味が深い。すなわち原子はその核の周囲をめぐる電子を一つずつ増すことによって一つの物質から他の物質に移って行く。すなわち原子数(アトミックナンバー)を増して行く。もしも元素の種類が無限に多様にあるとすれば、原子数、あるいは原子量の無限大な物質原子が存在する事になるはずである。しかし実際にそんなものはない。すなわち原子の「形」の種類には制限があるのである。

 さらには「平衡」まで出てくるのである。
 これら無数の元子はその運動の結果として不断に物を生成し、また生じた物は不断に破壊され、生成と破壊の戦いによって世界は進行する。生のそばには死、死のそばには生があるのである。この考えにはいわゆる「平衡(イクイリブリアム)」の観念が包まれている。

 そして、世界観・宗教観にまで話は及ぶ。
 以上の所説のごとくにして造られた世界には、同じようなものがたくさん共存するという考えから、われわれのと同じ世界が、他にもいくつも存在するであろうという考えが述べてある。これも一つの卓見であると言われよう。さように限りなき宇宙を一人の力で支配する神様はないはずだというところへ鋒先(ほこさき)を向け、そして例の宗教の否定が繰り返される。

 <三>
 ここではたぶんに寅彦は自らの<文脈>により強く引き寄せて解説していると思う。
 ひとつだけ引用させてもらう。

 私は思う。直観と夢とは別物である。科学というものは畢竟(ひっきょう)「わかりやすい言葉に書き直した直観」であり、直観は「人間に読めない国語でしるされた科学書の最後の結論」ではないか。ルクレチウスを読みながら私はしばしばこのような妄想(もうそう)に襲われるのである。

▼そして次の章に進む。
(四)
 最初にこう解説していた。

 以上紹介したところによって、私はルクレチウスの根底に存する科学的精神の一般的諸相と、彼の元子説のおもなる前提ならびにその運用方法の概念だけを不完全ながら伝えることができたように思う。以下の三巻に現われるこれらの根本的なものは、多く述べきたったものの変形であり敷衍(ふえん)であるとも見られる。
 また一方、以下各巻に現わるる具体的の自然現象の具体的説明となれば、これらはそのままでは当然現在の科学に照らした批判に堪えうるものではない。

 肝心のところは、もう解説したよ。
 後はこれらの繰り返しだよ。と言っているのだった。
 とは言いながら、「光」についてのふれていた。
アリストテレスやピタゴラスらは、目から発射するある物が物体を打つために物が見えると考えたのに反して、この著者が物体から飛来する何物かが目を刺激するのであると考えた点は、ともかくも一歩だけ真に近い。

 最後に寅彦独特のアイロニックな教育批判には耳を傾けておきたい。
多くの学生らは教科書に書いてない眼前の問題はあまり考えてみないものと思われる。そして教わったものなら、どんなめんどうな数式でも暗記していて、所問に当たろうが当たるまいが、そのままに答案用紙に書き並べるのである。二千年前のルクレチウスのほうがよりよき科学者であるのか、今の教育方針が悪いのか、これも問題である。

 
 ここまで読んできて強く思う。
 私たちも、私たち自身の<文脈>に引き寄せてルクレチウスを読むのが楽しいのでは!!

(つづく)

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2025年・「梅雨の空」を科学する(4) #梅雨 #梅雨前線 #Webテキスト #高層天気図 #850hPa #700hPa #生兵法実践主義

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▼Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)をつづけよう。
 せっかく作ってはみたもののあまり使っていなかった。
 まずは自分で使ってみて、<使いモノ>になるのか確かめてみたいんだ。
 次は

2 850hPa・700hPa 高層天気図
 だ。

※高層天気図(気象庁)
●アジア 850hPa・700hPa 高度・気温・風・湿数天気図(AUPQ78)

を開いておいて、次のことを考えてみよう。
(1)基準の高さをもういちど確認してみよう。
・850hPa ( 1.500)m
・700hPa ( 3.000)m

▼次は気温だ。
(2)自分の住むところの上空の気温を読み取ろう。
 等温線は0℃を基準として、暖候期(4月~9月) は3℃ごとに破線で示してある。
 今の上空を知ろう!!

 ルール 上空ほど気温は ( 低い) このアタリマエを科学しよう!!

▼次がここでのメインかも知れない。
 
(3)湿数(=気温-露点温度)の値が3℃未満のところを「湿り域」といいます。
 大気に含まれる水蒸気が腹一杯に近いところということになります。
 大気からはみ出した水蒸気は「雲」になります。
 従って「湿り域」は「雲」ができやすいところ!!
 ということになります。

 a 「湿り域」は、細かなドット(点)であらわしてあります。どのあたりにありますか?

 b 「湿り域」には、ほんとうに「雲」がみられるでしょうか?
 ・ひまわりの雲画像で確かめてみよう。
 ・この高さではどのような雲がみられるだろう。
 「十種雲形」で考えてみよう。

 この作業を自分でやってみて、TVで今日の「天気予報」見たら、よくわかるかな!!

▼最後に、ちょっとむつかしい作業を加えた。
 (4)850hPa 高層天気図 で 「等温線」が密に集中しているところをさがしてみよう。
 ・それはどんなところと言っていいだろう。
 ・暖かい大気と冷たい大気のぶつかっているところ(前線)をみつけよう。
 その前線はなんとよばれる前線だろう。
梅雨前線はどこに!?
 
 半わかりでいいんだ。
 「高層天気図」開いて見てみるということをやりたいんだ!!
 
 生兵法実践主義!!でいきたいんだ!!
 
 これを繰り返しやっていると少しずつ「大気の物理学実験室」が立体的に見えてくるような気がするんだ!!
 さあ、今日もまた降るのかな!?

 (つづく)

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2025年・「梅雨の空」を科学する(3) #梅雨 #梅雨前線 #偏西風 #Webテキスト #高層天気図 #数値予報図

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▼雨はなおいっそうはげしく降りはじめた!!
  その雨の降ってくる空を見上げて見てもなにもわからない。
 どこからどのようにしてこの雨は降ってくるのだ!?
 そのアタリマエを科学するためのテキストを作っていた。

◆Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)

▼この試案をつくりはじめたころ、その<ねらい>を次のようにしていた。
(1) プロ仕様の「高層天気図・数値予報図」を「中学理科」でわかりやすく読み解く!!
(2) せっかくの誰でも見られる共有データ、このままではモッタイナイ!!
(3) 天気の大原則 
   <上がるとザアザア  下がるとカラカラ>
   <光は東から 天気は西から>       の徹底活用!! 

▼さあ、このWebテキスト試案が、「梅雨の空」を科学する にも有効だろうか。
 まずはプロ仕様のこの天気図を見てみよう。  

●高層天気図(気象庁)

▼ 代表的な高層天気図、850hPa、700hPa、500hPa、300hPa 高層天気図はだいたいどのくらい高さの天気図なのでしょう。
「基準高度」を調べてみると。
・300 hPa …基準高度( 9.600)m
・500 hPa …基準高度( 5.700)m
・700 hPa …基準高度( 3.000)m
・850 hPa …基準高度( 1.500)m

○ 高くなるほど気圧は低くなる!!
○ 私たちは「大気の海の底」にくらしている。
〇 はたしてこの雨はどのあたりからどのように降ってきているのだろう。 

(つづく)

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