実生コヒガンバナは今!!(2023/11/13) #コヒガンバナ #二倍体 #コヒガンバナの種子 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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▼しまった!!
 でも、まちがいない!!これはコヒガンバナの「種子」である。

 いっきょに冬めいてきた昨日(2023/11/13)。
 もうそろそろ「自然結実」したコヒガンバナの「種子」が目玉おやじ状態になっているころではと覗いてみた。
 前回の報告は2023/10/04である。
 それ以降も、できるだけていねいに観察をつづけているつもりでいた。
 でもその瞬間を見逃してしまった。
 花茎の先の膨らんだ子房部は、枯れ葉のなかに落ちてしまっていたのだ!!

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▼私はいささか慌てた!!
 せっかくめぐってきたチャンスをのがしてしまったのかと!?
 でも落ち着いてじっくり観察して見ると、黒々と完熟した「種子」は、ほぼそのまま落ちていたのだ。
 やっと咲いたコヒガンバナは3つあった。
 咲き始めた順番にA、B、Cと命名していた。
 倒れ込んだ花茎の先あたりをゆっくりゆっくり「種子」をさがしてみた!!
 回収できた「種子」はつぎのようになった。
 Cの花茎の先には、まだ1個の「種子」がくらいついていた。

 A 4個
 B 8個
 C 2個(1個は、花茎の先に)

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▼花が咲いた鉢も、咲かなかった鉢も、コヒガンバナはすっかり<葉の季節>になっていた。
 少しでも日の当たる部分の鉢と、日陰の鉢の差は歴然としていた。
 今年花が咲いたのは、すべて少しだけ日の当たる場所に置いた鉢だった。
 アタリマエだが、やっぱり光合成は偉大なり!!

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▼回収した13個の「種子」を実生ヒガンバナ実験のときと同じようにチャック付きナイロン袋に入れて、ならべてみた。
 やっぱり圧巻だ!!
 ついにこのときが来たのかと感慨深いものがあった。

 2倍体(2n=22)であるコンガンバナが花を咲かせ、そこから「種子」ができた!!

 やっと、このアタリマエを実証した。感動である!!
 同時に次なる「ふしぎ!?」が2つ。

(1)このコヒガンバナの花、いつ、どのようにして「受粉」「受精」したのだろう!? 
(2)これらの「種子」は、来年の春に蒔けば、「発芽・発根」をするだろうか!? 

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実生ヒガンバナ(2022年採集分)は今!!(2023/10/25) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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なんと8つも「出葉」している!!

 この予想外の展開に驚いた!!
 こちらの方は、ずっとフタ(シェルター)をかぶせたままでいた。
 なんと「発芽・発根」が認められなかったものまでが「出葉」してきているのだ。
 葉の長さはいちばんよく伸びたもので6.0㎝までのびていた。
 群生地【安富】から採集したものも「出葉」してきていた。
 今まさに「出葉」したばかりのものあった。

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▼私は、残念なことに2022年の秋より、これまでのように自由に「自然結実」ヒガンバナの群生地めぐりができなくなってしまっていた。
 それでも、限られた範囲であるが、59個の「種子」を採集・回収していた。
 今年の春から、59個の「種子」を使っての実生実験を開始していた。

●59個のヒガンバナ「種子」の実生実験をはじめた!!(2023/03/21) #自然結実 #3倍体 #ヒガンバナの種子 #実生実験

▼今年の6月段階の「発芽・発根」の様子も記録していた。

●実生ヒガンバナ(2022年採集分)は今!!(2023/06/05) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

 なんとこのときに「発芽・発根」していたものは不確かなものも含めても3つだけだったはずなのに!!

▼現段階(2023/10/25)の「出葉」しているものは

●【安富】1+【福崎S(散歩道)】7= 8
 
●現段階(2023/10/25)の出葉率は 8/59×100= 13.5 %

 このあと、冬の間はフタ(シェルター)をとっておくことにした。 

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実生ヒガンバナ(2021年採集分)は今!!(2023/10/24) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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2021年に採集・回収したヒガンバナの「種子」はなんと823個あった!!
 それらの「種子」を使った実生実験を2022年の春よりはじめていた。

 これまでの段階をまとめてみよう。
●2022/03/15 2021年に採集・回収した823個の「種子」を使った実生実験を開始する!!

●2022/07/29現在、「発芽・発根」した種子の総合計199個である!!
 現段階の暫定発芽率は 199/823×100= 24.2%
 【安富】にいたっては 69/208×100= 33.1%

●2022/10/21現在、「出葉」まで達した種子の総合計39個である!!
 現段階の暫定出葉率は 39/823×100=4.7%
 「発芽・発根」したもののうちでは 39/199×100= 19.6% 

●2022/12/12現在、「出葉」まで達した種子の総合計48個である!!
 現段階の暫定出葉率は 48/823×100=5.8%
 「発芽・発根」したもののうちでは 48/199×100= 24.1%

●2023/02/09現在、「出葉」まで達した種子の総合計50個である!!
 現段階の暫定出葉率は 50/823×100=6.1%
 「発芽・発根」したもののうちでは 50/199×100= 25.1%

▼私は前回の観察の記録の最後に次のように書いた。
 

さて、今年の秋にはどれだけ「出葉」してくるだろう!?
 葉が枯れきった段階で、またフタ(シェルター)をかぶせておこうと思う。

 「大失敗」をした!! 春~夏のあいだこのフタ(シェルター)をかぶせるのを忘れてしまっていたのだ。
 育苗トレーは、すごいことになってしまっていた。「荒野」と化していたのだ!! 「出葉」してきたヒガンバナの葉に気をつけながら、観察できるように整備した。
 これが、なんとも一大作業になったのだった。
 恐るべし 光合成!!

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▼前回「出葉」をチェックしていたものを中心に観察してみた。
 群生地ごとに「出葉」しているものをカウントしてみた。
 
 例により群生地ごとにチェックしてみた。

【安富】(出葉数5)
・総体的に「出葉」している葉は今は短い。
・最長は8㎝程度である。
・2枚の「出葉」しているものが2つあった!!
・そして、なんと前回は「出葉」が見られたのに、今回は見られないものがある。

【夢前】(出葉数0)
・なんと今年は「出葉」したものが、見られなかった!!


【福崎】(出葉数16)
・やはりここが圧倒的多さである!!
・アタリマエだが、集中して(採集場所・採集日・回収日の近いモノ)、「出葉」しているところがある。なんとも示唆的デアル!!
・最長は15.0㎝まで伸びていた。
・さらに驚くことは、あらたに「出葉」が認められたものが、3つもあった!!
・逆にあらたに「出葉」がみられなくなったものもある。

【その他】(出葉数8)
・ここもまた集中して「出葉」している場所があった!!
・これは、「自然結実」ヒガンバナ花茎採取場所が同じであることも意味していた。
・そこの株になにかが起こっていると見るのは早合点だろうか!?
・最長は16.0㎝までのびていた。

▼昨日(2023/10/24)段階での「出葉」総合計は次のようになった。

●2023/10/24現在の「出葉」総合計=【安富】5+【夢前】0+【福崎】16+【その他】8=29

 2年目の「出葉」は、ぐっと減ってしまった!!
 
●現在、「出葉」まで達した種子の総合計29個である!!
 現段階の暫定出葉率は 29/823×100=3.5%
 「発芽・発根」したもののうちでは 29/199×100= 14.5%

 さて、この「記録」を、最初にヒガンバナの「不稔性」を指摘した牧野富太郎先生だったらどう見るだろう!?

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実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2023/10/18) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼2019年の秋に採集・回収した「自然結実」ヒガンバナの「種子」は530個あった。
 これらの「種子」を使った実生実験は2020年の春からはじめた。
 その「今」を報告する!!
 前回の観察は、2023/02/06 であった。

●実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2023/02/06)

 このとき観察した葉はすべて枯れてしまい、地上部から姿を消した!!
 野のヒガンバナが、<花の季節>から<葉の季節>にシフトしたのに合わせるように、今、「出葉」してきているのだった。

▼まず【安富】【夢前】の鉢が置いてある場所からだ。
 まわりの草、笹など、また八手の葉の枯れたモノが覆い被っていた。
 それらをとりのぞくのにずいぶん時間を要してしまった。
 そして、いよいよ観察である。

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【安富】
・「出葉」している鉢はかわらず2つである。(3㎝、6㎝)
・大きな鉢のモノひとつを加えていた。これは、育苗トレーを処理していてみつけたものだ。(5.5㎝)
・最初に発見した「自然結実」ヒガンバナ群生地から採集・回収したものは合計3つということになる。

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【夢前】
・「出葉」している鉢は、これまでとかわらず3つである。
・二鉢は、1枚の葉がよく伸びようとしていた。(7㎝)(11㎝)
・一鉢は葉が3枚ものびてきていた。(12㎝、7㎝、8㎝)
・枯れたヤツデの葉などで日当りが悪かったことが、葉の伸び、枚数に影響しているのだろう。
 それはごくアタリマエのことに思えた。それはとても重要なことに思えた!!

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▼次は群生地【福崎】である。

【福崎】
・「出葉」している鉢はこれまでより一鉢減って12鉢である。
・二枚以上の葉をのばしている鉢は多数ある!!葉が5枚の鉢もあった。
・複数枚の葉をのばしている鉢ではすごいことが起こっていた。
 明らかに「分球」(球根が2つに分かれる)をしている。これがより明確になっていた!!
・「球根」が浮き株になり、「分球」がよりはっきるするものもあった。
・葉の長さは、今のところいちばんよく伸びた葉で13㎝であった。
・あきらかに昨年より、「出葉」は進化・定着してきていた。
・一鉢をのぞき、まったく昨年度と同じ鉢で「出葉」してきていた。

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【その他】
・「出葉」している鉢はこここれまでと同じく3つあった。
・ここでも「分球」が確認できる鉢もあった。

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次は「育苗プラグトレー」から大きな植木鉢に植え替えたものについてである。
【育苗トレー】から
・前回同様に5鉢までが「出葉」していた!!
・2枚以上「出葉」しているものは2つもあった。
・予想に反して、葉がのびるのはまだまだこれからのようだ。(7㎝、7㎝、4㎝)(7㎝、6㎝)

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結論として、「出葉」している鉢の数は26鉢である!!
現段階(2023/10/18)における「出葉」はこれまでよりひとつ減って26個である。

現在「出葉」している鉢は、すべて昨年まで「出葉」していた鉢である!!

これまでをまとめると次のようになる。


◆【2019年採集分の実生実験】の現段階での結果(2023/10/18)

【2019年】 530個の「種子」採集・回収

【2020年】
・発芽率  140/530×100=26.4 %
・出葉率  54/140×100=38.6%
 全体で  54/530×100=10.6%

【2021年】
・2年目の出葉率 27/54×100=50.0%

【2022年】
・3年目の出葉率 27/54×100=50.0%

【2023年】
・4年目の出葉率 26/54×100=48.1%


 この「出葉率」は、基本的に維持できるのでは考えている。
 「分球」が進んできていることにも注目しておきたい。


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実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2023/10/16) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼「自然結実」したヒガンバナの「種子」を使っての実生実験をつづけていた。
 今年は、続けていた実生コンガンバナ実験が成功し、3つの開花があった。
 この結果は、実生ヒガンバナ実験も勇気づけられるところである。
 2019年より前に採集・回収した「種子」を使っての実験の前回の報告は、今年の2月はじめだった。

●実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2023/02/04)

▼それから、8ヶ月以上が過ぎた。
 2月に「出葉」していた葉はいったん枯れ、今再び「出葉」してきているところだ。

 実生ヒガンバナ(2019年以前分)実験中の9つの鉢を明るいところに持ち出して観察してみた。
 実生実験開始が古い順番に詳細に見て行く。

●2014年「種子」採集→2015年実生実験開始→植木鉢3つ
・「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数は4枚!!
・葉の長さはほぼ12㎝、8㎝、8㎝、7㎝ !!
・今、葉は伸び始めたところのようだ、冬にかけてどんどん伸びていくことだろう。

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▼次は2016年に採集・回収した分である。

●2016年「種子」採集→2017年実生実験開始→植木鉢3つ
・こちらも「出葉」しているのは一鉢だけ。
・こちらにはあきらかな「異変」が起きていた!!
「分球」である!! 野ではこのようにして殖えていくのが普通なんだろう。
・葉の数は2枚の株と3枚の株に分かれている。全部で5枚!!
・葉の長さは2枚の方が 9㎝、8㎝、
 3枚の方が 5㎝、5㎝、2㎝
・さあ、こちらも伸びるのは今からである。

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▼最後は2018年採集・回収分だ。

●2018年「種子」採集→2019年実生実験開始→植木鉢3つ
・「出葉」している鉢はこれまでと同じ二鉢だ。(A、Bのみ)
・「出葉」している葉の枚数Aは1枚、Bは3枚だ!!
・Aの1枚だけ伸びていた!!
 A… 5㎝
・Bの3枚の葉はAよりのびていた!!
 B… 7㎝、4㎝、3㎝

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 さて、この9鉢のなかからコヒガンバナのように「開花」するものが出てくるだろうか!?
 それは、まだまだ先のことなんだろうか!?

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庭の定点ヒガンバナは今!!(2023/10/06)#ヒガンバナ #不稔性 #殖え方 #分球 #日本ヒガンバナ学会

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私は庭に定点ヒガンバナを育てていた!!

 育てている(!?)と言うとずいぶんたいそうに聞こえるが、なにもやっていない。
 それぞれの季節による変化、毎年の変化を観察しているだけである。
 猛暑の影響か遅れていた定点ヒガンバナも、ここにきてどうやら盛りを過ぎたようだ。

▼定点はA~Eまで5地点あった。
 基本的には、あの牧野富太郎が最初に指摘したように日本のヒガンバナは「不稔性」である。
 だとすると、「どこからか、ヒガンバナの種子が飛んできて…」などということはない。
 「分球」によってのみ殖えるのである。
 誰かが、この庭にヒガンバナの球根を持ち込まないかぎり、突然と殖えていくということはないのである。

 5定点ビカンバナには、それぞれの「ヒガンバナ物語」があった!!

【A定点ヒガンバナ】
・もっとも古くから観察をつづけている株だ。
・毎年もっとも多くの花茎がのびてくる地点だ。
・今年は、例年にくらべ伸びてきた花茎は少ない。やや盛りは過ぎてきたようだ。
1999年の「観察日誌」を残している株だった。
・その後「引っ越し」をして現在の位置に来た。

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【B定点ヒガンバナ】
・同じ町内より「引っ越し」(おすそ分けしてもらった)してきたシロバナヒガンバナ!!
・もともとそこに生えていた赤のヒガンバナとの紅白のコラボがみごとだ。
・シロバナヒガンバナの花茎は、今年は3本しか伸びてこなかった。
・なんか少し今年は貧弱な感じがする。どうして!?

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▼次に行こう。  
【C定点ヒガンバナ】
今から8年前、東京の野島高彦先生のところから、「引っ越し」してきたヒガンバナ。植木鉢で育てている!!
・それぞれの株を交換して、それぞれの地の気候等によって開花にどんなちがいができるか毎年継続観察している。
・それにしても野島先生の一年を通しての毎日の観察日誌はすばらしい。
・今年は8本の花茎が立っていた。
・2019年には、ここにひとつの「自然結実」があった。

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▼次は、いつからか明確ではないが、古くから庭にまぎれ込んだ株だ。

【D定点ヒガンバナ】
・例年ここの株がいちばんはやく開花し始める。
・木の根元ということで乾燥を防げたのだろうか!?
・今年はすでに萎れてしまっていた!!
・これまでに何度もここで「自然結実」を確認することができた。
・さて今年は!?

【E定点ヒガンバナ】
・D定点から「分球」によって殖えてきた株。
・ここもまた、今年は伸びてきている花茎は少ないきがする。

 今年の異例の猛暑は、庭の定点ヒガンバナにどのように影響しているのだろう!?
 今年は庭に「自然結実」ヒガンバナを見ることができるだろうか!?

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「自然結実」ヒガンバナ群生地は今!!(2023/10/05) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

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▼日本のヒガンバナが不稔性であることを最初に指摘したのはあの牧野富太郎であると、故栗田子郎先生が教えてくれていた。

  ヒガンバナに種子ができないことの不思議を最初に指摘したのは牧野富太郎だった。彼は明治40年(1907)に出版された飯沼慾斎の『増訂草木図説』のマンジュシャゲの補記に「予ハ未ダ本種ノ結実セシモノヲ見タルコトナシ」と書いている。(『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社 P43より))

▼ところが単純な私は
 「こんなにみごとな花をいっぱいを咲かせるのだから、なかには「種子」をつくる変わりダネがいても…」とあきらめきれないでいた。
 そして、私は2013年の晩秋、ついに「自然結実」ヒガンバナ群生地をみつけた。
 それ以来、毎年、あらたな群生地もみつけ ついには

【2019年】530個 
【2021年】823個 

 もの「ヒガンバナの種子」を採集・回収してきた。
 またそれらの「種子」を用いての実生実験を繰り返しやり、観察を続けていた。

▼ところが、昨年(2022年)の秋から、事情あって自由に「自然結実」ヒガンバナ群生地めぐりができなくなってしまった。
 残念デアル。
 いちばん近くの群生地<福崎>なら、なんとか行くことができた。
 2021年には、419個もの「種子」を採集・回収した場所だ。

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▼ここもやはり、開花は遅れていた!!
 今年の猛暑の影響だろうか!?
 稲の刈り入れもまだだった。

 今年も「自然結実」するだろうか!?
 今年の猛暑は、「自然結実」になにか影響をもたらすだろうか!?

 「自然結実」の「ふしぎ!?」はまだまだつづくのだった。

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実生コヒガンバナは今!!(2023/10/04) #コヒガンバナ #二倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会


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やっぱり間違いない!!咲き終わったコヒガンバナの子房部はふくらんできた!!

 「種子」から育てる実生コヒガンバナ実験を開始して9年目の今年は3つの花が咲いた。
 咲き始めた順番にA、B、C と名付けていた。
 花茎の先の小花の数は、それぞれちがっていた。A(8)、B(6)、C(6)である。
 そのうち子房部が膨らんできたのは、すべてではなかった。
 A=3/8
 B=3/6
 C=2/6

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▼コヒガンバナは2倍体(2n=22)だからアタリマエと言えばアタリマエ!!
 でもやっぱり私には感動ダ!!
 ここから、あのときのように、ほんとうにコヒガンバナの「種子」を手に入れることができるのだろうか!?

●コヒガンバナの種子を手に入れた。\(^o^)/ #higanbana(2014/10/26)

▼他の鉢に目を移してみると、<葉の季節>がはじまっていた。
 あきらかに「分球」していっているのだろうということもわかる。
 花茎がのびてきた3つの鉢からも「出葉」してきているのがわかる!!
 別の場所に置いた6つの鉢いずれからも葉がのびてきていた。
 葉の長さは、最長20㎝越えというのもある。
 いよいよ<葉の季節>デアル!!
 コヒガンバナはやはりヒガンバナの先を走っていた。

▼ひとつの「ふしぎ!?」が解決したように思っていた。
 だが、まだまだ終わったわけではなかった。
 また、また別の「ふしぎ!?」が 頭をもたげてきた。

 コヒガンバナは、いつ、どのように「受粉」したのだろう!?
 「自家受粉」それとも!? 

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実生コヒガンバナ2つ目の花茎ものびてきた!!(2023/09/02) #コヒガンバナ #コヒガンバナの種子 #2倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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▼9年目の「種子」から育てた実生コヒガンバナ!!
 ついに2つ目の「花茎」ものびてきた!!
 ひとつ目「花茎」は46㎝ !!  
 2つ目「花茎」は27㎝  !!

 「花茎」がのびてきた2つの植木鉢は隣り合わせだった。
 単なる偶然か、それともなにかわけがあるのか!?

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▼スルスルとのびてきた「花茎」は実に多くのこと教えてくれた。
・花茎をスルスルと伸ばしてくるエネルギーは!?
・花茎の足元をいくら見ても、葉はみられない。
・コヒガンバナはやっぱり2倍体(2n=22)はほんとうなんだ!!
・9年かけた実生実験は、やっと 「そのとき」が
・どの「球根」(鱗茎)からも、「花茎」が伸びてくるのではなさそうだ。

▼「ハミズハナミズ(葉見ず 花見ず)」はコヒガンバナも同様だった!!
 ビカンバナ一年(一生)を思いだす。

◆<科学読み物>「彼岸花の一生~一年間をかけたみごとな戦略~」

▼次は「実生コヒガンバナ物語」を考えて行こう!!
 ゆっくり ゆっくり 急ごう。

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<科学読みもの>

◆「実生コヒガンバナ物語」
・「種子」をアタリマエにつくるコヒガンバナ!!
・この「種子」を蒔いたらほんとうに花が咲くようになるかな!?
・「発芽率」は!? 
・「出葉率」は!?
・コヒガンバナはほんとうに2倍体だ!!
・2倍体と3倍体のちがいは!?
・日本のふつうのヒガンバナとどこがちがうの?
・花が咲いたら、また「種子」をつくるのかな!?

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ついに、あの実生コヒガンバナの花茎が!!(2023/08/30) #コヒガンバナ #コヒガンバナの種子 #2倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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ついに、まちにまった実生コヒガンバナの花茎が伸びて来た!!

 「種子」から育てている実生実験中の植木鉢は、少し日当りの悪い場所にならべていた。
 もうそろそろ「そのシーズンでは?」と半信半疑で覗いてみた。
 植木鉢には、他の植物もそだっていた。
 そのうちの一鉢に、コヒガンバナの花茎(つぼみ)が見られたのだ!!
 一鉢を明るいところに持ち出し、ゆっくり観察して見た。
 間違いない!!
 コヒガンバナの花茎(つぼみ)だ!!

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▼そもそものはじまりは、今から9年前の秋である。
 日本のヒガンバナは、三倍体(2n=33)で「種子」をつくらない。
 しかし、コヒガンバナは、二倍体(2n=22)でふつうに「種子」をつくる。
 と教えられていた。でもあまり実感として納得していなかった。
 ナラバ コヒガンバナの「種子」が欲しい!!
 と思っていた。願っていた。そしてなんとうれしいことに本当に手に入れてしまったのである。

●コヒガンバナの種子を手に入れた。\(^o^)/ #higanbana(2014/10/26)

▼翌年(2015年)の春から、「おすそ分け」してもらった51個の「種子」を使って実生実験に挑戦することにした。
 方法はまったくの無手勝流!!
 まずは発芽実験である。
 そしたら、ほんとうに次々と「発芽・発根」してきたのだ。

●ヒガンバナの仲間たちの実生は…!? #ヒガンバナ(2015/04/28)

 そして、なんと最終的に49個の種子が「発芽・発根」したのである。
 発芽率=49/51×100=97.6% !!
 さすが2倍体である。
 
 さらに驚くことがあった。春に「発芽」したものを土の中に眠らせた。
 そして、その年の秋をむかえた。今度は土の中から葉が出てきた(「出葉」)のである。 

●実生「コヒガンバナ」物語の今!! #ヒガンバナ(2015/10/06) 

 そして、最終的に「出葉」してきたのは41個であった。
 出葉率=41/49×100=83.7%
 51個の「種子」から「出葉」まで辿りついた率でいくと
 出葉率=41/51×100=80.3%
 である。
 ほんとうにコヒガンバナは2倍体だ!!
 このアタリマエがとてもうれしかった。

▼2016年以降は、毎年「出葉」を繰り返していた。
 しかし、いっこうに「花茎」がのびてくるのをみることはなかった。
 今年(2023年)も、冬にはしっかり葉が伸びていた!!

●実生コヒガンバナは今!!(2023/01/30) #コヒガンバナ #二倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

 そして、ついに来た!!

 花茎がのびてくるのは一鉢だけだろうか。
 このあと、みごとなコヒガンバナの花を見ることができるのだろうか。
 コヒガンバナの「実(種子)」を見ることができるだろうか。

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