2021年・夏の「自由研究」は!?(11) #寺田寅彦 #藤の実 #私の自由研究 #研究論文 #随筆

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▼寅彦は偶然出会った「ふしぎ!?」もけっして見逃さなかった!!

 それにしても、これほど猛烈な勢いで豆を飛ばせるというのは驚くべきことである。書斎の軒の藤棚から居室の障子までは最短距離にしても五間けんはある。それで、地上三メートルの高さから水平に発射されたとして十メートルの距離において地上一メートルの点で障子に衝突したとすれば、空気の抵抗を除外しても、少なくも毎秒十メートル以上の初速をもって発射されたとしなければ勘定が合わない。あの一見枯死しているような豆のさやの中に、それほどの大きな原動力が潜んでいようとはちょっと予想しないことであった。この一夕の偶然の観察が動機となってだんだんこの藤豆ふじまめのはじける機巧を研究してみると、実に驚くべき事実が続々と発見されるのである。しかしこれらの事実については他日適当な機会に適当な場所で報告したいと思う。(「藤の実」寺田寅彦 青空文庫より

 ここで言っているとおり、他日きっちりと欧文の「論文」に仕上げて報告していた
 あの『寺田寅彦全集 科学編 全六巻』の第五巻にあった。

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ON THE MECHANISM OF SPONTANEOUS EXPULSION OF WISTARIA SEEDS

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▼これまでは、生徒たちの夏休みの「自由研究」を中心に語ってきた。
 ここからは

 私自身の「自由研究」中心にシフトして語ってみたい!!

 少しは寅彦にあやかって、と言っても私にはそんな知識も能力もない。
 どこまでも無手勝流だ!!

▼ここ何年か抱えている「研究テーマ」はある。
 思いつくまま列挙してみよう。

●大賀ハス「あこがれの4日間」開閉システムの研究

●自然結実ヒガンバナの実生実験の研究

●「コウガイビル」の研究 ~Webテキスト試案「コウガイビル」の作成~

●Webテキスト『天気の変化』の作成と実践

●「クモ学」の研究 ~クモはすごいぞ!!~

 等々デアル。

▼生徒たちの「自由研究」であれば、報告レポート!!
 科学者たちの研究であれば、学術論文!!
 そんな「かたち」で「研究」をよりパブリックなものにしていく。
 それが「研究」をすすめる王道である!!
 それは寅彦も教えてくれている道だ!! 

 寅彦はもうひとつの道も教えてくれた。
 「随筆」だ!!
 より多くの人に楽しく、面白く「科学」を伝える道だ!!
 これにもぜひとも挑戦してみたいものだ。

 大風呂敷を広げる一方で、最近ちょっと居直り気味に思うことがある。
 今さら「論文」や「随筆」でなくてもいいではないか!!
 
 私には、今までどおりの第3の道 「ブログ」がある。これをつづけよう!!
 
 と。

(つづく)

 

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2021年・夏の「自由研究」は!?(10) #夏休みの自由研究 #研究レポート #研究の進め方 #仮説 #理科自由研究データーベース

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▼子規庵の糸瓜は雨のなかでもグングン伸びていた!!

 子規庵の糸瓜を育てるのは3年目。
 苗を植え替えたのは2021/05/22だった。
 まだネットをしていなときは、コンクリートの壁をへばりつくようにしてよじ登っていた。
 つるは日毎、見る度に伸びているように思えた!!
 
 すごい!!やっぱり「ふしぎ!?」だ!!

▼いちばんお薦めのサイト

● 理科自由研究データベース (お茶の水女子大学・サイエンス&エデュケーションセンター)

 では、これまでの「自由研究」を検索できるだけでなく、「自由研究の進め方」のページもあった。
 これは必見だ!!

 「自由研究の進め方」のページは必見である!!

▼「自由研究の進め方」では、「アカソナキヤ方式」のすべてがもっとわかりやすく語られていた。

「アカソナキヤ方式」!!
 タリマエ を当たり前として流さずに
 ンガエテミルト けっこう「ふしぎ!?」なことはいっぱいある。 
 ウイエバ そのこと教科書に、本に、Webにあったような。
 ントナク でいい。その「ふしぎ!?」に予想をたててみよう。
 ットコウナルハズ の私の仮説をたててみよう。
 ッパリ そうだったか!!となれば、これは大発見だ。

特に研究計画を立てるなかで

「検証が可能な仮説を立てる」

に重点をおいておられるのは大賛成デアル!!
この「仮説」に基づいて、実験・観察方法を考えて行くのも同感だ!!

▼さらには、「研究レポートの作成」についても示唆的なことがいっぱい書かれていた。
 アリガタイ!!
 そして、最後にまた、「これまでの研究」から学ぶことの大切さを強調されていた。
 スバラシイ!!

 繰り返す!!
 
 私の「ふしぎ!?」からのキーワードで理科自由研究データーベースで検索するところからはじめよう!!

(つづく)

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2021年・夏の「自由研究」は!?(9) #夏休みの自由研究 #研究の方法 #コンクール #理科自由研究データーベース

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▼少し遅れてしまったが「2021年大賀ハス2号」の花の「記録」をとってみた。

【2021年大賀ハス2号】
・「あこがれの4日間」 2021/06/30~2021/07/03
・花びら(大15 小3)=18枚 (回収したかぎり)
・がく 2
・雄しべ 243本 
・雌しべ 15

 可能な限り回収したつもりでいるが、できなかったものもあるかもしれない。
 いったいいくつの実を手に入れることができるだろう!?
 これが「あこがれの4日間」研究に役立つ「記録」にしたいものだ。

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▼自由研究の「テーマ」が決まったら、次はその謎解きの方法である。
私の「ふしぎ!?」に似たようなことを「ふしぎ!?」に思った人がかならずいるはずだ!!
 関連した「研究」がきっとあるはずだ!!

 これまでの「研究」を参考にして、「研究の方法」を考えてみる!!

 これが次にやることだ。


▼このときとても参考になるのが、理科自由研究コンクールサイトである。
 主なものをあげてみる。

● シゼコン(自然科学観察コンクール OLYMPUS)

● 日本学生科学賞(公式サイト)

● 高校生科学技術チャレンジ

 これらのコンクールで過去に「受賞」した「研究」を参考にしてみよう。
 他のコンクールもさがしてみよう。
 参考にするサイトとして、次もおおいに参考になる。

● 科学自由研究.info 


▼そしてお薦めのきわめつけが次である。

● 理科自由研究データベース (お茶の水女子大学・サイエンス&エデュケーションセンター)

 私の「ふしぎ!?」に関連するこれまでの「研究」を検索してみよう!!
 研究の方法は!?
 研究はどこまですすんでいるだろう!?

(つづく)

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2021年・夏の「自由研究」は!?(8) #夏休みの自由研究 #テーマ選び #アカソナキヤ方式 #寺田寅彦 #日常身辺の物理的諸問題

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▼夏休みの「自由研究」テーマ選びの時期である!!
 「テーマ選び」が研究の成否の半分以上を決定すると言っても過言ではない。
 いやもっとかも知れない。
 また、いちばん悩むのもここだ!!

 「研究に値することがなかなか (・_・)......ン?」
 はほんとうだろうか?

▼もう一度、「アカソナキヤ方式」を繰り返してみる。

「アカソナキヤ方式」!!
 タリマエ を当たり前として流さずに
 ンガエテミルト けっこう「ふしぎ!?」なことはいっぱいある。 
 ウイエバ そのこと教科書に、本に、Webにあったような。
 ントナク でいい。その「ふしぎ!?」に予想をたててみよう。
 ットコウナルハズ の私の仮説をたててみよう。
 ッパリ そうだったか!!となれば、これは大発見だ。

 「テーマ選び」では特にア・カに注目してみよう。

 タリマエ を当たり前として流さずに
 ンガエテミルト けっこう「ふしぎ!?」なことはいっぱいある。 

 そうだ!!
 日常生活の中で「ふしぎ!?」と感じていること。それをアタリマエとして見逃してしまわずにそれを研究テーマにするのである。
 定番メニューからはじめるのでなく、私の「ふしぎ!?」からはじめるのである。

 はじめに私の「ふしぎ!?」ありき!!

▼今年は、徹底して寺田寅彦に智恵をかりよう。

●日常身辺の物理的諸問題 (寺田寅彦 青空文庫より)

 冒頭からこう言っている。

 毎朝起きて顔を洗いに湯殿の洗面所へ行く、そうしてこの平凡な日々行事の第一箇条を遂行している間に私はいろいろの物理学の問題に逢着ほうちゃくする。そうしていつも同じようにそれに対する興味は引かれながら、いつまでもそのままの疑問となって残っているのである。今試みにその中の二三をここにしるすことにする。

 「ふしぎ!?」は身のまわりにゴロゴロ転がっているよ、と言っているのだ。

▼具体的な例もあげてくれていた。

 第一は金だらいとコップとの摩擦によって発する特殊な音響の問題である。

 他にも日常生活の中で「あるある」の「ふしぎ!?」をあげてくれていた。
 そして、「研究」の意義をも語ってくれていた。

それは私が結局何物もないところに何物かを求めているためであろうか。それがそうではない証拠にはちゃんと眼前の事象が存在している。すなわち事象は決してめちゃくちゃには起こっていない。ただわれわれがまだその方則を把握(はあく)し記載し説明し得ないだけである。

 最後にはこう言っていた。

万一にも、好学な読者のだれかがこの中の一つでもを取り上げて、たとえわずかな一歩をでも進めてくれるという機縁を作ることができたら、その結果は単に私の喜びだけにはとどまらないであろうと思うのである。

 これぞまさに寅彦流「自由研究」のすすめなのである。
 寅彦のあのコトバが聞こえてきそうだ。

 「ねえ君、ふしぎだ思いませんか?」

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2021年・夏の「自由研究」は!?(7) #自由研究 #夏休みの自由研究 #私の「ふしぎ!?」 #アカソナキヤ方式

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それはやっぱり「ふしぎ!?」だった!!

 大賀ハス「あこがれの4日間」はやっぱり四日目に終わった!!
 早朝観察したときは確かに三日目と同じように開いていた。(05:58)
 ところが次に観察したときにはバサリと雄しべ花びらが落ちてしまっていた。(06:51)
 それでもなんと何枚かの花びらと雄しべは昼まで持ちこたえた。(12:29)
 しかし、午後に観察したときには全ての花びらは落ちてしまっていた。(14:24)
 落ちた花びらと雄しべを可能なかぎり回収してみた。
 まだ、雄しべ何本かが花托にかきついていた!!

 これまでの観察で知っていた。
 四日目がこんな展開になることは予想できた。でもどうしてなんだろう!?
 三日目までどんなに強い風が吹いても耐えていたのに!?
 大賀ハスの花にはどんなプログラムが埋め込まれいるのだろう!?
 その「からくり」は!?
 やっぱり私には「ふしぎ!?」だ!!

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▼これまで日本理科教育史のなかで、「自由研究」の源流を追うことやってきた。
 まだ肝心の部分が不鮮明なままだ。
 情報が入ってくればまた再開することにして
 \(・_\)ソノハナシハ (/_・)/コッチニオイトイテ

 ここから、少し私なりの「自由研究」試論を展開してみる。

▼私は、私の「ふしぎ!?」からはじめる授業構想を提案していた。

私の「ふしぎ!?」からはじめて「卒業論文」にいたるまでの中学校3年間「理科」全課程を構想する!!
新・中学校「理科」を構想する

 この私の「ふしぎ!?」と夏休みの「自由研究」をツナゲタカッタ!!

▼いつものように無手勝流で唐突なこと言い出していた。
 「自由研究」をはじめるには、これで行こうという方式の提唱だった。

 「アカソナキヤ方式」!!

●アカソナキヤ方式
 タリマエ を当たり前として流さずに
 ンガエテミルト けっこう「ふしぎ!?」なことはいっぱいある。 
 ウイエバ そのこと教科書に、本に、Webにあったような。
 ントナク でいい。その「ふしぎ!?」に予想をたててみよう。
 ットコウナルハズ の私の仮説をたててみよう。
 ッパリ そうだったか!!となれば、これは大発見だ。

 大賀ハス「あこがれの4日間」の四日目の「ふしぎ!?」にあてはめたらどうなるだろう?

(つづく)

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2021年・夏の「自由研究」は!?(6) #日本理科教育史 #自由研究 #夏休みの自由研究 #1955年

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▼花托は少し黄緑色に変化し、13個の雌しべの先(柱頭と呼んでいいのかな?)は黒ずんでいた!!
 雄しべは花托から少し距離をおいていた!!

 大賀ハス「あこがれの4日間」の三日目!!
 定刻通り花びらは開いてきたが、二日目とは少し様子が違っていた。
 それでも、荷風に誘われて虫たちは少しはやってきていた。
 もう受粉は終わっているのだろうか!?
 ハスの実(種子)はできるのだろうか!?

 夕立ははげしかった!!でも三日目の花びらは散ろうとはしなかった!!

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▼「自由研究」の歴史を追う を続けよう。
 戦後登場した教科「自由研究」が消えたところまで追っていた。

 本命の「夏休みの自由研究」が、いつどのような経緯で登場したのか!?

 それが知りたかった。

●1955年(昭和30) 『理科の教育』(日本理科教育学会)7月号特集「休暇中における自由研究の指導」

 このくわしい情報はわからなかった。知りたい!!

▼別の角度から追ってみよう。
 今もつづく「コンクール」の歴史から追ってみよう。


●1960年(昭和35) シゼコン(自然科学観察コンクール OLYMPUS)はじまる!!
 
 「シゼコン」の概要説明では次のに語られていた。

「自然科学観察コンクール」(通称:シゼコン)は、全国の小・中学生を対象とした理科自由研究コンクールです

 ということは、すでにこのとき「理科自由研究」は定着していた!?


▼もうひとつの「コンクール」を見てみよう。
 次は「日本学生科学賞」である。

1957年(昭和32) 「日本学生科学賞」スタート!!
 
 「日本学生科学賞とは」の文には次のように説明されていた。

1957年にスタートした日本学生科学賞は、中学生、高校生を対象にした歴史と伝統のある日本最高峰の科学コンクールです。

 ここでは、直接「自由研究」というコトバはでてきていないが、大いに関連していることは確かであろう。


 大賀ハス「あこがれの4日間」は、私の夏の「自由研究」のテーマのひとつだ!!
 さて4日目の展開は!?

(つづく)

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2021年・夏の「自由研究」は!?(5) #日本理科教育史 #自由研究 #学習指導要領 #1947年

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▼幅5.5㎝ 高さ9.5㎝
 大賀ハス「花芽」(蕾)1号は大きくふくらんできた!!
 
 「あこがれの4日間」はまもなくはじまる!!

 はじまりのサインを待っていた。
 がくが少しゆるみ、花びらとのあいだに「すき間」ができる。
 それがサインだった!!

▼「自由研究」の源流を追う を続けよう。
 次は戦後である。
 「自由研究」のコトバ・考え方はどうなっただろう。
 再び『増補 日本理科教育史 付・年表』(板倉聖宣著 仮説社)の「年表」を見てみよう。

●1947年(昭和22) 3月20日 文部省、『学習指導要領・一般編(試案)』を発行。

 その『学習指導要領・一般編(試案)』とはどんなものだったのだろう。

●学習指導要領 一般編‐試案‐(抄)(昭和二十二年三月二十日)

▼ここに驚くべき事実をみつけるのである。
 「自由研究」のコトバが登場するのである。

(1) ここに見られる教科で、これまでと違っているのは、

(中略)

3 自由研究の時間が設けられたこと。

などである。

 教科「自由研究」の登場である!!

 教科「自由研究」については、内容のくわしい説明までされていた。
 ところが4年後の改訂ではそれは消えていた。

●学習指導要領 一般編‐試案‐(抄)(昭和二十六年七月一日)

 なぜ消えたのか?その経緯についてはくわしく書かれていた。

▼教科「自由研究」が消えたあとがすごく知りたくなってくるのだった。
 一方

 現在一般に言われている「自由研究」=「長期休暇中の自由研究」はいつごろどのようにしてはじまったのか!?

 それがぜひとも知りたい!!
「自由研究」の源流の追究はまだしばらくつづきそうだ。

「あこがれの4日間」は今朝はじまるだろうか!?

(つづく)
   

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2021年・夏の「自由研究」は!?(4) #日本理科教育史 #自由研究 #自然の観察 #1941年


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▼「自由研究」の源流を辿れば、大正自由教育あたりに行き着いた。
 関連して、そのころの寺田寅彦の「理科教育」に考えも知ることができた。

 さて、その後「自由研究」のコトバ・考え方はどうなっていったのだろう。
 大正から昭和初期にかけて戦争がつづくなか、大正自由教育の流れはどうなっていったのだろう。

▼ 再び『増補 日本理科教育史 付・年表』(板倉聖宣著 仮説社)の「年表」を見てみよう。

●1941年(昭和16)5月2日 文部省『自然の観察(教師用)』巻1発行。巻3・2・4もつづいて発行。直ちに使用。

 巻5は翌年に発行された。

▼幻の名著と言われたこの書が復刊された。

●『復刊 自然の観察』昭和16年 文部省作・発行(編集解説 日置光久・露木和男他 農山漁村文化協会 2009.3.15)

 これはあくまで教師用書であり、児童用「教科書」ではなかった。
 このことに関して、「総説」のなかでたいへん興味深いことを語っていた。

5.「自然の観察教師用」編さんの要項と取り扱い上の注意

児童用書を編さんしないこと
「自然の観察教師用」は上述の低学年理科の趣旨に基づいて編さんしたものである。この趣旨を達成するためには、児童用書の必要を認めない。強いて編さんすれば、「自然の観察」を教室において、教科書の上で指導するようなことに傾きやすく、かえって悪結果を生ずるおそれがあるのである。そこで教師用書のみを編さんすることとした。
(同書P57より)

 ここに理科教師不易の命題

 自然は最高の「教科書」!!
 子どもは最高の「指導書」!!
 
の源流を見るような思いになる。 

▼さて「自由研究」についてであるが、この書の巻3と巻5には、「私たちの研究」という課が出てくるのである。
 巻5の「私たちの研究」から少し引用させてもらおう。

 第16課 私たちの研究(2時限つづき)

目 的
早春の自然の中で、とくに注意をひくことについて自由に調べさせて、これまでに養った見方・考え方・扱い方をはたらかせ、自然を見る眼を伸ばす。

要 項
 「自然の観察」では、1年生のときからたびたび自由研究の時間を設けて、おもしろいと思う事がらをめいめいに選ばせ、これを見たり、調べたりさせて、児童の個性にしたがって、ものの見方を伸ばすことに努めてきた。この課でも、冬から春への季節の移り変わりの、著しい様子を探らせて、とくに興味をひいたものについて、自由に調べさせるのである。(後略)
(同書P509より)


 
 さらには
・何を研究するかについて
・研究の指導について
・調べたことの発表について
・指導例
とつづくのである。

 ここにきっちりと「自由研究」というコトバ・考え方は出てくるのである!!

 「自由研究」の流れはかれることなく脈々と引き継がれていたのである!!

(つづく)

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2021年・夏の「自由研究」は!?(3) #自由研究 #大正自由教育 #赤い鳥 #鈴木三重吉 #寺田寅彦 #茶わんの湯

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大賀ハス「花芽」第2号は、「大賀ハス観察池」から \(^O^)/

 今年2つ目の「花芽」は、待望の「大賀ハス観察池」から顔を出した!!
  「大賀ハス観察池」は、文字どおり【大賀式の栽培法】で育てていた。
 大賀一郎先生が、千葉県検見川の泥炭層のから約二千年前の古代ハス(大賀ハス)の実をみつけてから今年でちょうど70年だという。(1951.3.30)
 この記念すべき年に、「大賀ハス観察池」で「あこがれの4日間」を観察できるのはうれしいかぎりだ!!

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▼「自由研究」の源流をさぐる作業をつづけよう。
 源流はどうやら 「大正自由教育」にありそうだ。

 再び『増補 日本理科教育史 付・年表』(板倉聖宣著 仮説社)の「年表」から引用させてもらおう。

●1917年4月△日 私立成城小学校、実験教育を標語として開講。校長沢柳政太郞。

●1917年10月△日 沢柳政太郞、「中等学校教授要目廃止論」を『帝国教育』に発表。

▼そんな潮流のなかひとつの有名な児童雑誌が創刊された。
 
●1918年7月1日 『赤い鳥』創刊。鈴木三重吉が、童話と童謡の児童雑誌を創刊した。

 ここから数々の名作が生まれたことはよく知られるところである。
 理科教育には直接関係なさそうに見えるが、実はそうでもなかったようだ。
 『赤い鳥』には、毎月一篇ずつ「科学読み物」がのっていたという。

▼またしても寺田寅彦にもどろう。
 鈴木三重吉と寺田寅彦は、ともに夏目漱石先生の門下生であった。
 そんな縁もあってか、寅彦は『赤い鳥』に「八條年也」のペンネームであの「茶わんの湯」を書いた。
 (大正十一年五月、『赤い鳥』八巻五号)

●「茶わんの湯」(寺田寅彦 青空文庫より)

 あらためて読み返してみて感動デアル!!

 これぞまさに 寅彦流「自由研究」のすすめ!! 

 なお、『科学絵本 茶わんの湯 』(窮理舎)は最高にお薦め本、大いに参考にさせてもらった。深謝 

(つづく)

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2021年・夏の「自由研究」は!?(2) #自由研究 #寺田寅彦 #理科教育 #雑感 #研究的態度の養成

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それはまるでクズが「もっと光を!!」と絶叫しているかのようだった!!

 凄絶な「光とり競争」の現場であった。
 クズは他の植物たちにからまり 巻きつき、少しでも高くなろうとしていた。
 光は上からやって来るのだから アタリマエ!!
 つる植物たちのみごとな戦略だった。
 
 何気ない景が、植物たちの世界を知るきっかけとなる。それが「自然を豊かにとらえる」ということ!!
 そんな「自由研究」になるといいな。

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▼そもそも「自由研究」っていつごろ始まったのだろう!?
 このコトバを寅彦の文章に見たのを思いだした。

●「雑感(「理科教育」より)」(1928(昭和3)年)

 こうである。

 小学校でも中学校でもせめて一週間に一時間でもいいから、こういう「自由研究」の時間を設けて、先生も生徒も一緒になって、何でも手近な題目を取扱い、そうして、自然が如何に分らない事だらけであるかという事、その分らない事が、熱と根気で向って行けば少しずつ少しずつ分って行く事、その少しずつ分って行く少なくも分ったような気がして行く事が如何に愉快なものであるかという事などを実習したらいいだろうと思う。先生の分らない事は大抵誰にも本当はよく分らない事である。分らない事は恥でも何でもない。分らない事を分ったような顔をするほど恥ずべき事はない。

 ここで言っている「自由研究」というのは、「授業」のことである。
 でもなんの違和感なく自然にこの「自由研究」とコトバを出しているということは、以前からこのコトバは使われていたということだろう。
 それから、もうひとつ注目しておきたいのは、寅彦は、教師自身の「自由研究」をすすめていることである。

こういう教案の作成に費やす時間があれば、むしろその時間に先生が、先生自身の題目の研究をした方がよいと思う。先生自身の研究の挿話は生きた実例としてどれだけ強く生徒に作用するか分らない。死んだ借り物の知識のこせこせとした羅列に優る事どれだけだか分らない。

 もちろん反駁したい気持ちも多々ある。
 しかし、きわめて示唆的であることも確かだ。

▼さらに、「自由研究」の源流を求めて、同じく寅彦の文章を見てみる。
 時代は10年ばかりさかのぼって、これまた雑誌「理科教育」に寄稿された文章だ。

●「研究的態度の養成」(1918(大正7)年)

 ここでは「自由研究」というコトバそのものは出てこない。
 しかし、児童自らの「研究的態度の養成」こそが、「理科教育」の最大の課題だと言いきっている。
 「自由研究」ツナガル提言である!!

 理科教授につき教師の最も注意してほしいと思うことは児童の研究的態度を養成することである。

▼寅彦が「研究的態度の養成」を書いた1918(大正7)年に注目してみよう。
  
『増補 日本理科教育史 付・年表』(板倉聖宣著 仮説社)の「年表」から1918年の一部を引用させてもらおう。

●1918年2月5日 文部省、師範学校・中学校の物理・化学に生徒実験を課すことを定め、「物理及化学生徒実験要目」を訓令。生徒実験設備費として臨時補助金20万円余を国庫支出。

 その前月には「理科教育研究会」が発足していた。

●1918年1月19日 理科教育研究会 東京帝国大学で発会式(会長 林博太郎)。 

 さらには

●1918年4月△日 理科教育研究会『理科教育』創刊

 と続いていた。その10月号に「研究的態度の養成」は寄稿された。

 「自由研究」の源流をさぐる旅はまだまだつづく!!
 
(つづく)

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