60号・61号コウガイビルは 5ヶ月を待たずに消えた!!(2023/04/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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「あれっ!? 居ない!!」
 1ヶ月前には、たしかにここに姿があったのに!!」

 とりわけ61号のナイロン袋には目を凝らしてしっかり見た。
 やっぱり居ない!!
 消えた!! 水が異様に「濁っている」!!
 あわせて60号のナイロン袋も観察してみる。
 1ヶ月前と大きく変化はないようだ。袋の隅にこびりついた茶色の「モノ」があるのは変化ない。
 水は透明に澄んでいた!!
 いずれにしても こうして

 60号・61号コウガイビルはともに 5ヶ月を待たずに消えた!!

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▼ 「生命あるモノ」が消える!?
 今年も、やっぱり「授業びらき」の構想にはこの「ナイロン袋」を持ち込んでと考えていたのに。

 しばしば引用させてもらってきたが、あのダーウィンもこの「消える」を観察していた。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 「天然の変化の法則」って何!?

▼このときどうしても引用しておきたいもうひとつの文献があった。

■『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)

 この本の
 「14.陸産プラナリア,コウガイビル種類・生態並びに形態分化」(P259~)「14.9 飢餓と再生」(P275)にあった。

 コウガイビルの飼育では給餌が大切な要素となるが、餌に対しての反応は同一種内でも異なり積極的に摂取するグループとそうでもないものとがある。また長期間の飢餓に耐え、もとの体重の1/100に減少しても生存し続けることができる。このような生理的変化が、顕著な再生能をもつ本動物の器官形成にどのような影響を及ぼすのか、頭部再生の有無、形成所要時間、極性との関連について、採集直後の体重を100として、もとの30~40%に減少したグループを飢餓個体として実験を行った。
 なお、飢餓個体の設定は、採集された個体のうち、何としても餌を食べないものがあり、かなりの期間絶食にも耐えられるが、やがて死に至る。体重減少と生存期間の長短は一定ではないが、採取後減少の一途をたどる体重は、ある時点で平衡状態となり、これ以降急激に減少して死ぬものが多い。体重が安定をみせる状態を越えると個体は死を迎えることから、この安定期(もとの体重の30~40%)を飢餓状態と考えた。これらの飢餓グループと採集まもないものとを次の実験により比較した。(同書P276より)

 なんとも示唆的な文章である。

▼これまでの 「コウガイビル」を追う のなかで、エサなしで長く生き延びた「記録」は

●36号コウガイビルはエサなしで「385日」生きのびた!!

 次いでの「記録」は

●第1号コウガイビルはエサなしで「261日」生きのびた!!

 デアル。
 あらためて問いたい!!

 「生きる」って!?
 「生命」って何!?

 「コウガイビル」の「ふしぎ!?」の謎解きはまだまだつづきそうである。

 

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61号コウガイビルはエサなしで4ヶ月生きのびた!!しかし…!? (2023/03/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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▼前回の観察からはや1ヶ月が過ぎた。
 恐る恐る2つのナイロン袋を明るいところに出してきた。

●61号コウガイビルはエサなしで3ヶ月生きのびた!!そして…!? (2023/02/08)

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▼いっきょに季節が前にすすんだかのようにあたたかった。
 このあたたかさでは、すぐさま「動き」があるものと予想していた。
 ところが予想に反して、30分以上あまり「動き」がなかった。
 61号まで死んでしまったのだろうか!?

 しかし、やがて例の逆三角形の頭から「動き」が始まった!!
 「動いた」!!
 「生きている」!!
 全長7~8㎝まで長くのびてきた。
 前回よりも小さくなっていることは確かである。

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▼一方、60号の方はどうだろう!?
 これまた予想に反して、「動き」だしはしないものの、姿かたちを思わせるものが残っていた!!
 もうすっかり水のなかに「溶け入り」、「濁り」になっているものとばかり思っていた。
 やっぱり「死んだ」!!
 と言っていいのだろうか!?

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▼あたたかくなったところで、これ以上観察をつづけることは危険だ!!
 あらためて考えてしまうのだった。

 「生きる」とは!?
 「生きる」と「死ぬ」の境にあるのは!?
 「再生」とは!?
 「食べる」とは!?

 私にはまだまだわからないことだらけだった。
 教材化への道もまだまだ遠い!!

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61号コウガイビルはエサなしで3ヶ月生きのびた!!そして…!? (2023/02/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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▼60号・61号コウガイビルに出会ったは、昨年の11/08であった。

●60号・61号コウガイビルに出会った!!(2022/11/08) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #渡辺憲二

 それから3ヶ月経った昨日(2023/02/08)、二つの袋をそっと取り出して観察してみた。
 
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▼最初に動きを開始したのは61号の方だった。
 最初は例のイチョウの葉のような頭(コウガイのような)が、動きはじめた!!
 生きている!!
 どんどん伸びてきた。1ヶ月前より若干小さくなった気がするが大きくは変わらないようだ。

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▼「ちょっとちがうぞ!?」と感じのは6号の方だった。
 いくらたっても、「動き」が見られなかった。まるで「ミイラ」のようになってしまっていた!!
 一緒に入れた水はまだたっぷりあったのだが!?
  
 「暑さ」に弱いと言うことは、ダーウィンの観察記録からもよく知っていた。
 自分自身でも何度もこれを観察してきた。
 ダーウィンの若き日に書いた(当時20代前半か)『ピーグル号航海記』のなかにその観察記録があった。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 「水」に溶け入るように姿を消すのを何度も見てきた。
 しかし、「水」はあるのに「ミイラ化」したような姿を見るのははじめてであった。

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▼60号コウガイビルに何がおこったのだろう!?
 もう生きてはいないのだろうか!?
 死んでしまったのだろうか!?
 まさか、クマムシのように「乾眠」なんていう手はないよな!?
 「ふしぎ!?」はますますふくらむ。


 二つの袋ともに「水」を追加して、再び冷蔵庫(農業用)に入れた。
 さらに1ヶ月後には  ?(゚_。)?(。_゚)?

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60号・61号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!! (2023/01/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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▼昨日(2023/01/08)、そのナイロン袋2つを冷蔵庫(農業用)から、そっととりだした。
最初はいつものように「の」字を描くように蜷局を巻いていた。
しばらくすると、イチョウの葉のような(コウガイ)頭から動きはじめた!!
60号も61号もだ!!

60号・61号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きている!!
  
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▼ついに年を越して、あの日から2ヶ月経ってしまった。
 あのときに、ナイロン袋に少量の水を入れた、それ以外の「エサ」(=食べ物)はまったく与えていなかった!!
 やっぱり「ふしぎ!?」だ。
 
60号・61号コウガイビルに出会った!!(2022/11/08) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #渡辺憲二

60号・61号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!! (2022/12/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化


 確かに、からだ全体は少し「小さく」なったように感じる!!

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▼私はずっと「動物の世界」の謎解きのキーワードは「食べる」であるとかたく信じて来た!!
 いや、今もそう思っている!!
 では、なぜ!? やっぱり「ふしぎ!?」だ!!

 「水生プラナリア」は、すっかり市民権(「教材権」こんなコトバあるのかな!?)を得て超人気者!!
 それにくらべて
 「陸生プラナリア」=コウガイビルは、なかなか「教材権」を得ることができない。
 どこまでも「キモイイキモノ」の汚名を脱出できない。
 ナラバ

 Webテキスト試案『コウガイビル』を!!
 
 いったん断念しかけた試み、今一度「再生」を!!

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60号・61号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!! (2022/12/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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▼私の長年にわたる 「コウガイビル」を追う もいよいよ59号を持って終わりだと思っていた。
 事態が変わったのは、ちょうど1ヶ月前だった!!

●60号・61号コウガイビルに出会った!!(2022/11/08) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #渡辺憲二  

▼それから、1ヶ月たって、そろりと冷蔵庫からナイロン袋ふたつをラボの方へと運んだ!!
 60号・61号も、「の」字に蜷局を巻いていた。
 やがて、少しずつ動き始めた!!

 まちがいなく「生きている」!!  60号も61号も エサなしで 水だけで1ヶ月生き延びた!!  
先に活発に動きはじめたのは、61号の方のコウガイビルだった!!

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▼遅れてゆっくり動き始めたのが、60号コウガイビルの方だった。
 両方とも、ナイロン袋のなかの水は、にごってはいなかった!!
 また、その量にさほど変化なく見えた。

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▼その姿をのんびりとながめていると、忘れかけていた「あの夢」が再びよみがえってくるのだった。

● Webテキスト試案「コウガイビル」!!

我が「コウガイビル」の師・渡辺憲二先生を亡くして、ちょっと意気消沈としていた。
試案を検討してもらうことを楽しみにしていたのに!!
墓前に報告したいものだ!!

教材化に向けた、その一歩を!!

 2ヶ月目のその姿が楽しみだ!!

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60号・61号コウガイビルに出会った!!(2022/11/08) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #渡辺憲二

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人生で60匹目、61匹目のコウガイビルに同時に出会った!!

 それは、皆既月食&天王星食の「宇宙見物」が期待される日の朝のことだった。
 庭先に置いていた黒い発泡スチロールトレーの裏側にへばりつくようにして蜷局を巻いていた。
 逆三角形のイチョウの葉のような頭(笄・コウガイ)を確認した。
 まちがいない!!
 陸に生きるプラナリア=コウガイビルだ。
 日が当たっていることに気づいたのだろうか、ゆっくりと動き始めた。
 ヌルヌルスルスルと動きは思いのほかはやい!!
 
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▼ずいぶん久しぶりのコウガイビルだった。
 5月初旬に58号・59号コウガイビルに相次いで突然の別れをして以来だった。

●58号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびたか!?(2022/05/10)#コウガイビル #生命と再生 #教材化 #陸棲プラナリア #生命誌研究館

 だから、ほぼ半年ぶりの再会ということになる。
 考えてみると不思議な話である。もっとも活発に活動するだろう「夏場」をはずしてなぜ今なんだろう!?
 いやちがう!?
 コウガイビルは「夏場」が大の苦手だったんだ!!

▼動き始めたコウガイビルを少量の水と一緒にナイロン袋に入れた。
 2008.11.14にはじめて第1号コウガイビルに出会って以来、ずっとやりつづけてきた「研究」方法である。
 
◆「コウガイビル」を追う
  
 「研究」方法というのも少しはばかられるが、いつもの「無手勝流」だった。
 偶然とったこの方法が、「飢餓と再生」という思わぬテーマの展開をみせることとなった。

 ナイロン袋に入った60号、61号ともに伸びたときの全長は10数㎝程度はあった。

「袋のなかのコウガイビルは、自らを食べながら再生を繰り返すのである!!」
 とはじめて教えてくださったのは渡辺憲二先生だ!!

 私は自らの無知を省みず、ひとつの野望を抱いていた!!

●「コウガイビル」の教材化!!

 である。そのためのWebテキスト試案『コウガイビル』にとりかかりたいと思っていた。
 そして、それを持って再び渡辺先生にお会いして教えをこいたいと思っていた。
 しかし、それは今となってはかなわぬ夢となってなってしまった。
 でもやっぱり…。

 さあ、60号・61号コウガイビルはどこまで「再生」をつづけるだろう!?
 現在の「記録」は
 ・第1号 …261日 
 ・第36号…385日
 である。
   
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58号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびたか!?(2022/05/10)#コウガイビル #生命と再生 #教材化 #陸棲プラナリア #生命誌研究館

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ヤバイ!!
 58号コウガイビルがどっぷり水のなかに浸かっている!!

 「58号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた」と報告するつもりで、昨日(2022/05/10)冷蔵庫(農業用)からナイロン袋をだしてくると、こうなっていた。
 これまでに何度も見てきたシーンだった。
 こうなると見る見るうちにとけいるように消えてしまうのである。
 どす黒く濁った液が残るだけだった!!

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▼58号は前々日(2022/05/08)には別の場所で「の」字に蜷局巻き眠っていた(!?)
 まちがいない!!
 生きていた!!

 2022/05/08には、もうひとつの悲しいことも起きていた。
 59号コウガイビルをナイロン袋に入れて1ヶ月目の日である。
 こちらもまたどす黒い濁った液だけが残っていたのである。

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▼私がこの「ふしぎ!?」な生きものに出会って14年目であった。

◆「コウガイビル」を追う

 この間に59匹のコウガイビルと出会ってきた。
 はじめて知って感動することも多々あった!!
 同時に残してきた「ふしぎ!?」もたくさんある。

 エサなしで385日も生きのびたコウガイビルもいた!!
 今回の58号、59号のように水に浸かりとけいるように消えてしまうコウガイビルも多くいた。
 寿命!? 
 それとも!?
 どこがちがうのだろう!?
 やっぱり「ふしぎ!?」だ!!
 
▼Webテキスト試案『コウガイビルの「ふしぎ!?」』のためには、今一度ゼロからはじめる必要があるのかも知れない。
 コウガイビル=陸棲(生)プラナリア!!

 コウガイビルの「ふしぎ!?」の謎解きを最初に教えてもらった渡辺憲二先生をネットで検索していたら、次の記事にであった!!
 
◆生き物さまざまな表現 プラナリア - その生命力の秘密:姫路工業大学(渡辺憲二 + 阿形清和 + 織井秀文)(季刊「生命誌」・生命誌研究館)

 ここからはじめてみようかな。
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

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58号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!! そして…!?(2022/04/10)#コウガイビル #生命と再生 #教材化

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▼「2022年版・授業びらきを構想する」で、私の「ふしぎ!?」の具体例としてとりあげたコウガイビル=陸生プラナリア!!
 そのコウガイビルに、ここ数日でとんでもない異変が起こっていた!!
 あらためてコウガイビルの「ふしぎ!?」を問い返すこととなった。
 コウガイビルが生きるとは!?
 「再生」とは!?
 「食べる」とは!?
 そして「生命」とは!?

▼58号コウガイビルと出会って1ヶ月が経っていた。
 ナイロン袋のなかでかたまったようになっていた。
 しばし観察をつづけると、頭のほうが少しうごきはじめた。
 生きている!!
 58号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!!

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▼とんでもない「異変」は、57号コウガイビルの方に起きていた。
 エサなしで4ヶ月経ったとき(2022/03/21)にはたしかに元気に生きていた!!
 ところが、このとき(2022/04/10)には姿が見あたらないのである。
 ナイロン袋のなかにあるのは、どす黒く濁った水だけだ!!
 あのダーウィンの観察したようになったのである。

生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 やっぱり「ふしぎ!?」である!!

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▼その二日前(2022/04/08)。
 まるで、57号と入れ替わるように、人生59番目の59号コウガイビルに出会っていた。
 59号コウガイビルは長くのびると12㎝を越えるほどであった。
 
 「授業びらき」に持ち込むなら、この59号コウガイビルかな!?
 Webテキスト試案『コウガイビルの「ふしぎ!?」』も急ぎたいものだ!!

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57号コウガイビルはエサなしで4ヶ月生きのびた!! (2022/03/21)#コウガイビル #飢餓と再生 #生命誌研究館 #プラナリア #幹細胞 #教材化

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あれから4ヶ月がたった。
 少しあたたかくなってきたせいもあるのだろうか。
 外に出すなり、あのイチョウの葉のような頭(コウガイ・笄)をヒラヒラさせながら動き始めた。
 
 生きている!!

▼この「ふしぎ!?」とつき合うようになってずいぶんになる。
 動物が「食べる」ことなく生きる!?
 そんなバカなことがあるか!? なかなかにわかには信じられない事実だった。
 ひとつの答えがあった。

 自らを食べながら、小さくつくり変えながら(=「再生」)生きる!!

 4ヶ月たっても、目で見るかぎりではそんなに小さくなっているようには見えなかった。
 できるだけエネルギーの消耗をひかえて、生きているのだろうか。


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▼先日の「JT生命誌研究館」での 
 
● 「再生力のチャンピオン イモリとプラナリアのワザ比べ」 (近藤寿人先生)

 配信されたものを見せてもらった。実に面白かった!!
 動物の「再生」には、「イモリタイプ」と「プラナリアタイプ」があるらしい。
 今、特に興味をもっているのはもちろん「プラナリアタイプ」だ。
 なにしろコウガイビルは「陸生プラナリア」!!

▼プラナリアの「再生」について、二冊の本が紹介された。

◆『プラナリアの形態分化』(手代木渉・渡辺憲二編著 共立出版)

 いつもコウガイビルのことをくわしく知るためにお世話になっている本だ。
 コウガイビルについての唯一の専門書なのかも。
 そして、なによりうれしいのは渡辺憲二先生編著であることだ。
 渡辺憲二先生がコウガイビルの「ふしぎ!?」に答えてくださった「あの日」を思い出した。

●コウガイビルとES細胞(2009/08/21)

●コウガイビルが生命科学最前線へ(2009/08/22 )

●コウガイビルからiPS細胞まで(2009/08/23 )


◆『切っても切ってもプラナリア』(阿形清和 文 土橋とし子 絵 岩波書店)

●名著『切っても切ってもプラナリア』に感動!!

 実はこの名著にも渡辺憲二先生が関連しておられた。講師の近藤寿人先生は、この本の興味深いところをわかりやすく解説してくださっていた。


 どうやらこのあたりに「コウガイビル」の教材化のヒントがありそうだ!!
 さあ、57号コウガイビルは、いつまで「再生」を繰り返すだろう!?


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58号コウガイビルに出会った!!(2022/03/10) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #生命誌研究館

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▼やっぱりちゃんと報告しておこうと思った。
 それは、823個のヒガンバナの「種子」を使った実生実験のための場所を確保する作業しているときのことだった。
 倉庫の横に置いていた瓶、鉢などを移動したときだ。
 コンクリートの上に、ミミズのようなものが…!!
 移動した跡にヌメヌメとしたものが…。ちがう あいつだ!!
 
 私の人生58匹目のコウガイビルだ!!


これまで出会ってきたコウガイビルは、「クロイロコウガイビル」ばかりだと思っていた。
 しかし、今度の58号コウガイビルには、背中に「ミスジ」が見られるような気もする。
 「オオミスジコウガイビル」の子どもだろうか?
 それともまた別の種類のものだろうか?
 つき合いは長くなるが、まだまだ知らないことばかりだ。

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▼知らないと言えば、これもそうだ。
 観察・研究とは言っても「○○のひとつおぼえ!!」で、みつけたら少量の水といっしょにナイロン袋に入れるだけだ。
 そして、ときどきナイロン袋ごしに「観察する」だけである。
 
 自らを「食べ」ながら「再生」を繰り返すコウガイビルを観察するだけだ!!


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研究テーマは「再生」デアル!!
 まったくの偶然であるが、「JT生命誌研究館」で面白そうな催しものがあるのを知った。 
 
● 再生力のチャンピオン イモリとプラナリアのワザ比べ (2022/03/19(土) 14:00-15:30)

 なかなか面白そうなレクチャーだ!!ライブ配信もあるそうだ!!
 参加してみようかな。
 我らがコウガイビル=「陸生プラナリヤ」も仲間に入れて欲しいな!!
 
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