73号コウガイビルは 3ヶ月を待たずに消えた!!(2024/08/30)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #生命とは #Webテキスト

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▼袋の中は「にごった水」だけになってしまっていた。
 あの73号コウガイビルの姿は、3ヶ月を待たずに「消えて」しまっていた!!
 これまでに何度も見てきた光景(現象)であった。
 連日の「猛暑」が影響したのだろうか。
 やっぱり「ふしぎ!?」だ。

▼確かに一ヶ月前、二ヶ月前には生きていた!!

●73号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!!(2024/06/30) #コウガイビル #陸生プラナリア #コウガイビル研究 #教材化 #再生


●2024年・私の「自由研究」は今!!(3) #コウガイビル #Webテキスト #自由研究 #大人の自由研究(2024/07/30)


▼あのダーウィンも「消える」を記録してくれていた。
 いつも引用させてもらうが、今一度見てみよう。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 「陸生のプラナリア」=コウガイビルである。
 ちゃんと「記録」していてくれているとはアリガタイ!!

▼無手勝流シロウト研究もこのあたりが限界だろうか!?
 コウガイビルをキモイだけの生きものでおわらせたくない。
 Webテキスト試案「コウガイビル」で
 コウガイビルに「教材」としての市民権を!!

 思いだけあっても、「科学する」次なる手立て思い浮かばない。
 74号との出会いまでには…!?

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73号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!!(2024/06/30) #コウガイビル #陸生プラナリア #コウガイビル研究 #教材化 #再生

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▼黒いかたまりはやがて動き始めた!!
 特徴的なイチョウの葉のような(「コウガイ」)頭を先頭にグングン伸びていった。
 生きている!!
 まちがいないようだ。
 あれからちょうど一ヶ月がすぎていた。

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▼正直言って自分でもいささかあきてしまっていた。
 この「ふしぎ!?」追い始めて、もう15年以上の歳月がすぎてしまっていた。
 
◆「コウガイビル」を追う

▼エサなしで動物が生きのびる!?
それはそれまでの私の「動物観」を大きく変える驚異の事実だった。
 動物の謎解きは、「食べる」からはじまるとかたく信じていたのに。
 
 「自らを食べる」
 「再生」
 「幹細胞」
 「ブナリア」
 等など、生命科学最前線の「ふしぎ!?」がここにつまっていると思っていた。

▼しかし、ここらあたりがシロウト研究の限界だった。
 研究は暗礁にのりあげてしまっていた。
 同じ仲間の水中の「プラナリア」が、教材としての市民権を得ているのに。

 コウガイビルの教材化を!!

 これが私の願いだった。
 そのためには、たしかなプロたちの研究成果・知見が知りたかった。
 それまでは、私は見たことを「記録」するのみだった。
 73号コウガイビルはグングン伸びて十数㎝までのびた。
 それでも、一ヶ月前よりは小さくなっているようだった。

 「自らを食べて、再生をくりかえす!!」ってほんとうかな!?

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72号コウガイビルは 5ヶ月を待たずに消えた!!(2024/03/29)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #生命とは

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▼あれっ!?
 居ない!!ヤバイ!!
 水が濁りはじめている!!
 
 一昨日(2024/03/28)には、確かに確認したんだ!!
 72号コウガイビルは袋のなかに居たんだ。
 1ヶ月前のあの姿で。

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▼いくらそう言っても、にわかには誰にも信用してもらえないかも知れない。
 いや、あの若き日のダーウィンならきっと信用してくれるだろう。
 こう「記録」していたのだから。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

▼ダーウィンは「液化」すると表現していた。
 「生命」あるものが、水に溶けいるように「消える」のである。
 もう何度も何度も見てきた「現象」デアル!!
 でもやっぱり「ふしぎ!?」だ!!

◆「コウガイビル」を追う


▼エサなしで長く生き延びた「記録」は
●36号コウガイビルはエサなしで「385日」!!
●第1号コウガイビルはエサなしで「261日」!!
 デアル。
 
●コウガイビルとES細胞
●コウガイビルが生命科学最前線へ


 あらためて問いたい!!
 「生きている」って!?
 「生命とは」!?

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72号コウガイビルはエサなしで4ヶ月生きのびた!!(2024/02/29) #コウガイビル #陸生プラナリア #コウガイビル研究 #教材化 #再生 #切っても切ってもプラナリア

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▼あの日からちょうど4ヶ月が過ぎていた!!
 2ヶ月前、4ヶ月前の姿も「記録」していた。

●72号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!!(2023/12/29) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #Webテキスト

▼ナイロン袋ごと外にだしたとき、少しいつもと様子がちがっていた。
 いつもだったら、「の」字型に蜷局をまいているのにそうではなく伸びていた!!
 やがて、少しだけ動きはじめた。
 生きている!!

 まちがいない。72号コウガイビルはエサなしで4ヶ月生きのびたのだ!!
 定規をあてて、その全長を確認しようとするがなかなかできない。
 でも、全体に「小ぶり」になったのは確かなようだ。

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▼時間が経つと、動きは活発になってきた。
 なんとも基本的な「ふしぎ!?」が浮かんできた!!
 なぜ「動く」のだろう!?
 「エサ」を求めて!?
 自らの「からだ」を食べて「再生」を繰り返しているのなら動く必要はないのでは!?

 今回の観察で目立ったのは、からだの中心に走る「白い帯」だ。
 「腸」!?
 「ウンチ」は!?
 「食べる」とは!?
 「再生」とは!?

▼まだまだ私にはわかっていないことがいっぱいだ!!
 あの名著『切っても切ってもプラナリア』(阿形清和著 岩波書店)がヒントをくれていた。

 このことは、何を意味しているかというと、プラナリアはエサがなくてちぢんでいくときも、エサを食べて大きくなっていくときも、いつも体の《つくり直し》をしているということだ。プラナリアにはこのような性質のあるために、再生のときもエサを食べずに、のこった体の《つくり直し》をしながら新しい体を再生できるのではないだろうか。(同書P38)
 
 
 「コウガイビル」=「陸生プラナリア」の名前のとおり、コウガイビルはプラナリアの仲間なのである。

 誰かコウガイビルの「ふしぎ!?」を研究しておられる研究者はおられないかな!?

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72号コウガイビルはエサなしで3ヶ月生きのびた!!(2024/01/29) #コウガイビル #陸生プラナリア #コウガイビル研究 #教材化 #Webテキスト #JT生命誌研究館 #大阪市立自然史博物館


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▼もう年を越して、あれから3ヶ月だ!!
 人生で72番目に出会った「コウガイビル」=72号コウガイビル。
 少量の水は一緒にナイロン袋にいれていたものの、他にはなにも入れていなかった。
 あたたかいところに出してしばらくは「の」字を描き動かなかった。
 やがて、逆三角形のイチョウの葉のような頭をヒラヒラさせながら動き始めた。

 生きている!!

▼1ヶ月前にくらべたら、若干、体は小さくなったが、生きていることは確かだ!!

 72号コウガイビルはエサなしで3ヶ月生きのびたのだ!! 

 この「ふしぎ!?」を追い始めてずいぶん月日が流れていた。

◆「コウガイビル」を追う

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▼私は、なんとか「ふしぎ!?」を教材化したいと考えていた。
 おなじ「プラナリア」でも水の中で棲む水生プラナリアが、教材としての市民権をもっているのに
 陸棲プラナリア=コウガイビルをキモイ!?だけの生きものにしたくなかった。
 遅々たる歩みなろうとも

●Webテキスト「コウガイビル」

 に挑戦したいと思っていた。

▼そのためにも、今一度、
「コウガイビル」について何がどこまでわかっているのか!?
 を知りたいと思っていた。
 まったくシロウトが参考にできそうな、ふたつの研究機関を考えていた。

◆JT生命誌研究館 

◆大阪市立自然史博物館

 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

(つづく)

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72号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!!(2023/12/29) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #Webテキスト

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▼少し観察を怠っていた。
 もうコウガイビルは72号になっていた。出会ったのは2023/10/29である。
 ナイロン袋につけたシールにその日付があった。
 最初は、蜷局を巻き「黒いかたまり」だった。
 しばらくするとあのイチョウの葉のような逆三角形(「コウガイ」のかたち似ているところから)の頭をクネクネと動かしはじめた。
 どんどん伸びていった!!
 生きている!!
 2ヶ月経った今も、エサもなしで生きているのだ。

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▼2ヶ月前(2023/10/29)に出会ったときも、元気で活発によく動いていた!!
 そのときの姿も「記録」していた。

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▼では、この2ヶ月のあいだ、このコウガイビルのからだのなかで、なにが起こっていたのだろう!?
 「エサを食べないで生きているとは!?」
 この不思議に答えてくれる本に出会っていた!!

◆『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)

 この不思議に答えてくれる部分は 「14.9 飢餓と再生」(P275)にあった。この章は牧野尚哉・白澤康子先生が書いておられる。

 コウガイビルの飼育では給餌が大切な要素となるが、餌に対しての反応は同一種内でも異なり積極的に摂取するグループとそうでもないものとがある。また長期間の飢餓に耐え、もとの体重の1/100に減少しても生存し続けることができる。このような生理的変化が、顕著な再生能をもつ本動物の器官形成にどのような影響を及ぼすのか、頭部再生の有無、形成所要時間、極性との関連について、採集直後の体重を100として、もとの30~40%に減少したグループを飢餓個体として実験を行った。  なお、飢餓個体の設定は、採集された個体のうち、何としても餌を食べないものがあり、かなりの期間絶食にも耐えられるが、やがて死に至る。体重減少と生存期間の長短は一定ではないが、採取後減少の一途をたどる体重は、ある時点で平衡状態となり、これ以降急激に減少して死ぬものが多い。体重が安定をみせる状態を越えると個体は死を迎えることから、この安定期(もとの体重の30~40%)を飢餓状態と考えた。これらの飢餓グループと採集まもないものとを次の実験により比較した。(同書P276より)
   しかし、まだこれだけでは「ふしぎ!?」の答えにはなっていなかった。  この本の編著者である渡辺憲二先生に直接お会いして、言わば「自らを食べて生き延びている」のだと教えてもらった。

 「自らを食べて」「自分のからだをつくりなおす」(再生する)とは!?

▼多数存在するだろう「幹細胞」!!
 その「幹細胞」と「再生」の関係!?
 「ふしぎ!?」はまだまだずっとつづいていた。

 水生プラナリアは「教材」としての市民権を得ているのに、陸生プラナリア=コウガイビルをキモイだけの生きものに終わらせたくなかった!!
 来年こそ教材化に向けて!!

 そう言えば、72号コウガイビルも少し小さくなったかな!?

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63号・64号・65号コウガイビルはエサなしで3ヶ月経った、そして!?(2023/10/19) #コウガイビル #陸生プラナリア #生命科学最前線 #教材化 #渡辺憲二

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▼三つの袋を、日のあたるところに取りだして見た。
 あの日から三ヶ月が経っていた。
 最初に動きを見せてくれたのは、63号だった。
 活発に動き回り 生きている!! を主張していた。
 次は64号だ。袋の入り口付近にそれらしい「黒いかたまり」が。
 動かない!? 袋の中の水がなくなっていた。ヤバイ!! ミイラ化!?
 65号の袋の水は濁っていた。袋のなかのどこをさがしてもあいつの姿はなかった!!

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▼三匹のコウガイビルの「生と死」を観察しているうちに、渡辺憲二先生の講義を受けたあの日を思いしだした。

コウガイビルとES細胞
コウガイビルが生命科学最前線へ
コウガイビルからiPS細胞まで

▼渡辺先生のこの講義を受けたのは、2009/08/20である。
 もう14年以上前の話である。
 私はそれからもずっと「コウガイビル」の「ふしぎ!?」を追い続けた。

◆「コウガイビル」を追う 

 そして、この「ふしぎ!?」をぜひ教材化したいと思った。
 Webテキスト試案「コウガイビル」をつくってみて、再び渡辺憲二先生を訪ねるのが夢だった。
 なんとそれが叶わぬうちに渡辺先生は逝ってしまわれた。悲しい、残念である。
 今一度、「教えてもらったこと」を反芻してみる。

▼63号~65号までの時代は終わった。
 前回に報告したとおり、66号コウガイビルから70号コウガイビルまでスキップした。
 そして、今また71号コウガイビルの観察をはじめている。
 さて、どこまで!?
 それは、私にもわからない。「ふしぎ!?」がつづくかぎりだろうか。

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62号コウガイビルは 4ヶ月を待たずに消えた!!そして!?(2023/10/12)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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▼水はたしかに黄色っぽく濁っていた!!

 ナイロン袋のなかを、隅から隅まで目を凝らして見るがあいつの姿は見られなかった。
 62号コウガイビルは、4ヶ月を待たずに消えた!!
 消えたという表現がふさわしいかは、私にはわからない。
 濁った水に溶け込んでしまった!?

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▼「生命あるモノ」が消える!?
 あのダーウィンもこの「消える」を観察していた。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 
▼「陸生のプラナリア」=コウガイビル である。
 「天然の変化の法則」って何!?
 「生活現象が終わる」それは「死」を意味するのだろうか!?
 
 濁った水の中にどんなモノが溶け込んでいるのだろう。
 62号をかたちづくっていた「細胞」!?
 それとも、分解はさらに進み「分子」!?
  
▼なにひとつ解明できぬままに、「ふしぎ!?」が積もっていく。
 正直に言うと、長きにわたる「コウガイビル」の「ふしぎ!?」を追う に飽きてきていた!!
 無手勝流「研究」の私には、同じことを繰り返すしかなかった。
 それにも少し限界を感じていた。

 65号コウガイビル発見以後も、東の畑でコウガイビルがつづいていた。

・2023/09/07 66号コウガイビル発見。プラスティックの容器にいれる。
・数日後 67号コウガイビル発見。畑にかえす。
・10月にはいって、68号コウガイビル発見。これまでと同じように袋には入れるが、「記録」しないことにした。
・2023/10/08 69号・70号コウガイビルを同時に発見。2匹を同じ袋に入れる。大きく変化が起きたときのみ「記録」することにする。

 71号からは、気をとりなおし「記録」をつづけることにする。

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63号・64号・65号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!!(2023/09/19) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #Webテキスト

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▼最初に動き始めたのは63号コウガイビルだった。
 ついで64号コウガイビルが「の」字をといてゆっくり動き始めた。
 やっぱりいちばん活発に動いたのは、65号コウガイビルだった。
 
 3匹ともまちがいなく生きている!!

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▼私は、ここ15年ほどのあいだに、自分の「生きもの観」を変えてしまうような「ふしぎ!?」な生きもの3つに出会った。
●クマムシ
●ゲホウグモ
 そして この
●コウガイビル
 である。クマムシの「乾眠」、ゲホウグモの「糸ワザ」等々その「ふしぎ!?」を語り始めるときりがなかった。
 3種類の「ふしぎ!?」な生きものに共通することがあった。

 それらはすべて、我が家の庭で出会ったということである!!
 最も「ふしぎ!?」は、最も身近に居た!!

▼コウガイビルでいちばん「ふしぎ!?」に思うのは、「食べない」で生きるということである。
 それまで、「動物の世界」の謎解きの最大のキーワードは「食べる」であると思っていた。
 どんな生きものも、「食べる」を探っていけば生きものの暮らしが見えてくると確信していた。
 ところが、コウガイビルはちがっていた。

 「食べない」で生きるは正確さを欠くのかも知れない。
 自らを「食べながら」、自らの体をつくり変えていく=「再生」する!!
 それが「生きる」ということ!!
 無手勝流生物学の私には、コウガイビルが多数もつという「幹細胞」との関係についてはくわしくは知らない。
 
▼考えれば考えるほど、Webテキスト「コウガイビル」までの道のりは遠のくばかりだ。
 かくなるうえは、コウガイビルの「ふしぎ!?」と ゆっくり ゆっくり 
 楽しく つきあうつもりで

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62号コウガイビルはエサなしで3ヶ月生きのびた!!(2023/09/12) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #Webテキスト

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▼最初は「の字」に蜷局を巻いていた。
 生きているのか、わからぬ状態だった。
 そこに目に見える状態の「物体」があることだけは確かだった。
 いっしょに入れた水が、少しにごっているようにも見えた。
 
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▼あたたかいところに出して、しばらくしてからだった。
 その瞬間、あの逆三角形でイチョウの葉のような頭がうごいたような気がした。
 それからは、またたく間だった。
 生きている!!

 62号コウガイビルはエサなしで3ヶ月生きのびた!!

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▼「なんで、そんなこと「記録」しているの!?」
 と人に問われれば、即答に窮した。
 「ふしぎ!?」だから、としか言いようがなかった。

 その「ふしぎ!?」を他人にも伝えたいと思っていた。
 そのためのWebテキスト試案「コウガイビル」をつくりたいという思いだけはあった。

▼「テキスト」は遅々として進んでいなかった。
 今の私には、その知識も能力も不足していた。
 ただただ「記録」をつづけるのみであった。

◆「コウガイビル」を追う 
 
 のなかから、どれだけの「ふしぎ!?」を抽出できるだろう!?

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