本日(2022/05/13)、第316回オンライン「寅の日」!! #科学上の骨董趣味と温故知新 #traday #寺田寅彦

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▼葉桜の間から、赤いかわいい桜の実(「さくらんぼ」と呼んでいいのかな!?)が顔を出していた。
 桜は典型的な「他家受粉」らしい。
 だからこれが見られるということは、近くにちがう種類の桜の木があるということらしい。

 <花>が咲けば<実>ができるは、ほんとうに自然界の「不易」と言っていいのだろうか!?

▼本日(2022/05/13)は、第316回オンライン「寅の日」である。
 5月テーマは、次のようになっていた。

【5月テーマ】「寅彦と科学教育」

である。その第二回目の本日は「科学上の骨董趣味と温故知新」を読む。


◆本日(2022/05/13)、第316回オンライン「寅の日」!!

●「科学上の骨董趣味と温故知新」(青空文庫より)


▼一見、【5月テーマ】「寅彦と科学教育」と直接関係なさそうなタイトルの随筆である。
 しかし、私には深いところでそれらがツナガッテイル と思えるのだった。
 まずは 読み進めてみよう。

 ちょっと序論だ。

 一口に科学者とはいうものの、科学者の中には種々の階級がある。科学の区別は別問題として、その人々の科学というものに対する見解やまたこれを修得する目的においても十人十色と云ってよいくらいに多種多様である。実際そのためにおのおの自己の立場から見た科学以外に科学はないと考えるために種々の誤解が生じる場合もある。

 あるあるだ!!
 さあ本論だ。

その種類の人には歴史という事は全く無意味である。古い研究などはどうでもよい。最新の知識すなわち真である。これに達した径路は問う所ではないのである。実際科学上の知識を絶対的または究極的なものと信じる立場から見ればこれも当然な事であろう。また応用という点から考えてもそれで十分らしく思われるのである。しかしこの傾向が極端になると、古いものは何物でも無価値と考え、新しきものは無差別に尊重するような傾向を生じやすいのである。

 ここで、寅彦からの警告だ!!本意も徐々に顔を出してくる。

 しかし自分の見る所では、科学上の骨董趣味はそれほど軽視すべきものではない。この世に全く新しき何物も存在せぬという古人の言葉は科学に対しても必ずしも無意義ではない。科学上の新知識、新事実、新学説といえども突然天外から落下するようなものではない。よくよく詮議すればどこかにその因(よ)って来るべき因縁系統がある。
 

▼そして、寅彦がもっとも言いたかったことになる。

このような類例を探せばまだいくらでもあるだろう。新しい芸術的革命運動の影には却って古い芸術の復活が随伴するように、新しい科学が昔の研究に暗示を得る場合は甚だ多いようである。これに反して新しい方面のみの追究は却って陳腐を意味するようなパラドックスもないではない。かくのごとくにして科学の進歩は往々にして遅滞する。そしてこれに新しき衝動を与えるものは往々にして古き考えの余燼(よじん)から産れ出るのである。
しかしその半面の随伴現象としていわゆる骨董趣味を邪道視し極端に排斥し、ついには巧利を度外視した純知識慾に基づく科学的研究を軽んずるような事があってはならぬと思う。直接の応用は眼前の知識の範囲を出づる事は出来ない。従ってこれには一定の限界がある。予想外の応用が意外な閑人的学究の骨董的探求から産出する事は珍しくない。

そして、最も強調しておきたいのは次のコトバである。

自分は繰返して云いたい。新しい事はやがて古い事である。古い事はやがて新しい事である。

 ここまできて、私は我田引水で
 「科学上の骨董趣味と温故知新」を「科学教育上の骨董趣味と温故知新」と読みかえたくなってくるのだった!!


ホンモノの「流行」は「不易」を内包する!!
ホンモノの「不易」は「流行」を創造する!!

 

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「子規庵の糸瓜」4年目の種子を蒔いた!!(2022/05/06) #子規庵 #糸瓜 #糸瓜の種子

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▼昨日は朝から暑かった!!
 ずっと気になっていた「子規庵の糸瓜」4年目の種子を蒔いた。
 糸瓜は糸瓜!!
 どれもかわりはなかった。しかし、私には妙に「こだわり」があった!!
 これは、あくまで「子規庵の糸瓜」なんである。
 ことのはじまりは、4年前の子規庵訪問からはじまる。
 このとき「おすそ分け」していただい5粒の種子がすべてのはじまりであった。
▼3年目の「子規庵の糸瓜」から種子を採りだしたのは今年になってからだった。
 それらの種子を使って4年目に挑戦である。
 昨年度同様に育苗プラグトレーを使って苗を育てることにした。

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▼昨年度と大きくちがうところは、収穫した「種子」がまともなものとそうではないものが、ゴチャゴチャになってしまっていることだ。
 しばらく水に浸けておいた。
 このなかからできるだけ、まともな「完熟種子」を選んで蒔くことにした。

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▼実際に蒔いた種子は80個!!
 はたして、うまく発芽して苗になってくれるのはいくつあるだろう!?

 4年目の「子規庵の糸瓜」は、子規忌・糸瓜忌(9/19)に間に合うかな。
 このあとの展開が楽しみである。

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本日(2022/05/01)、第315回オンライン「寅の日」!! #物理学実験の教授について #traday #寺田寅彦

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「大気の物理学実験室」!!

 私は、この呼び方がとても気に入っていた。
 天気の変化のすべてはこの「実験室」で行なわれていた。
 行なわれる「実験」はなんと日替わりメニーだ。
 「実験室」の天井はきわめて低かった。しかし、横(水平)にはとても広がっていた!!
 
 昨日はこんなに晴れていても、今朝は少しシトシト雨だ!!
 今日は どんな「実験」が!?

▼本日(2022/05/01)は、第315回オンライン「寅の日」である。
 5月テーマは、次のようにしていた。

【5月テーマ】「寅彦と科学教育」

である。その第一回目として、本日は「物理学実験の教授について」を読む。

◆本日(2022/05/01)、第315回オンライン「寅の日」!! 

●「物理学実験の教授について」(青空文庫より)


▼寅彦がこの文章を書いたのは1918年(大正7)である。
 日本の理科教育にとって、この年は少し特別の意味をもつ年だった。
『増補 日本理科教育史 付・年表』(板倉聖宣著 仮説社)の「年表」から1918年の一部を引用させてもらおう。

●1918年2月5日 文部省、師範学校・中学校の物理・化学に生徒実験を課すことを定め、「物理及化学生徒実験要目」を訓令。生徒実験設備費として臨時補助金20万円余を国庫支出。

 この時代的背景を頭においておき読むと、寅彦の文章もより深く理解できるかも知れない。
 そう言っておきながら、それと相矛盾することを言うが、104年の時空を超えて、今も響いてくることをピックアップしてみよう。

ビーカーに水を汲むのでも、マッチ一本するのでも、一見つまらぬようなことも自分でやって、そしてそういうことにまでも観察力判断力を働かすのでなければ効能は少ない。
先生の方で全部装置をしてやって、生徒はただ先生の注意する結果だけに注意しそれ以外にどんな現象があっても黙っているようなやり方では、効力が少ないのみならず、むしろ有害になる虞(おそれ)がある。御膳を出してやって、その上に箸で口へ持ち込んでやって丸呑みにさせるという風な育て方よりも、生徒自身に箸をとってよく選り分け、よく味わい、よく咀嚼(そしゃく)させる方がよい。
実験中に起るべき種々の困難に出来るだけ遭遇させ、漸次これを除いて最後の結果に到着すると同時に、目的以外の現象にも注意してそれを等閑(とうかん)に附せないような習慣をつけたいものである。

ここまでの主旨をまとめてこう言っていた。

 数十種の実験を皮相的申訳的にやってしまうよりも、少数の実験でも出来るだけ徹底的に練習し、出来るだけあらゆる可能な困難に当ってみて、必成の途を明らかにするように勉(つと)める方が遥かに永久的の効果があり、本当の科学的の研究方法を覚える助けになるかと思う。実験を授ける効果はただ若干の事実をよく理解し記憶させるというだけではなく、これによって生徒の自発的研究心を喚起し、観察力を練り、また困難に遭遇してもひるまずこれに打勝つ忍耐の習慣も養い、困難に打勝った時の愉快をも味わわしめる事が出来る。その外観察の結果を整理する技倆も養い、正直に事実を記録する癖をつける事やこのような一般的の効果がなかなか重要なものであろう。


▼さらに次は「教授」する側に焦点をあて次のように語っていた。

 物理実験を生徒に示すのは手品を見せるのではない。手際(てぎわ)よくやって驚かす性質のものではなく、むしろ如何にすれば成功し如何にすれば失敗するかを明らかにする方に効果がある。それがためには教師はむしろ出来るだけ多く失敗して、最後に成効して見せる方が教授法として適当であるかと思う。
もともと実験の教授というものは、軍隊の教練や昔の漢学者の経書の講義などのように高圧的にするべきものではなく、教員はただ生徒の主動的経験を適当に指導し、あるいは生徒と共同して新しい経験をするような心算(つもり)ですべきものと思う。
あるいは予期以外の結果を故意に回避したりするような傾向があってはならぬ。却って意外な結果や現象に対しては十分な興味をもってまともに立向かい、判らぬ事は判らぬとして出来る限りの熱心と努力をもってその解決に勉めなければなるまい。
そのうちに生徒の方でも実験というものの性質がだんだん分って来ようし、教員の真価も自ずから明らかになろうと思う。そういう事を理解するだけでもその効能はなかなか大きいものであろう。これに反して誤った傾向に生徒を導くような事があっては生徒の科学的の研究心は蕾(つぼみ)のままで無惨にもぎ取られるような事になりはしないかと恐れるのである。


「これは理想デハアルガ…」とうち捨てずに、今一度耳を傾けてみたいものだ。きっと!!

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第21回オンライン句会「寅の日」5月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼我らが寅日子先生は、最晩年(1935)のこの時期にたいへん興味深い随筆を書いていた。

●「五月の唯物観」(青空文庫より)

 先生らしい観察眼と考察がさえる文章である。

▼さて、そんな五月!!
 私たちのオンライン句会「寅の日」ではどんな句が詠まれるだろう。
 「楽しみ」である。
 「楽しみ」が「愉しみ」にふくらむオンライン句会!!
 この五月例会で はや第21回目である。

▼あらためて、第21回オンライン句会「寅の日」5月例会実施案内 をあげておく。

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第21回オンライン句会「寅の日」5月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 


5.【投句期間】
 2022年5月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2022年5月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2022年5月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼なんでもはじめてみなければわからないことがある。
 オンライン句会でも、ここまで進んできて、はじめてわかってきたことも多い。
 「知らなかった」ことを恥じたり、悔やむ気持ちよりも
 「はじめて知る」喜びの方が大きい!!
 手持ちの「歳時記」「国語事典」「漢和辞典」「古語辞典」等を総動員して、「はじめて知る」!!
 
 「ヘェー!!」「そうだったのか!!」 と。
 なんとも愉しいひとときである!!

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2022年5月のオンライン「寅の日」は #寅彦と科学教育 #traday #寺田寅彦

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オンライン「寅の日」は11年目の歩みに入っている。
 最近、その存在を知ってもらった人が驚かれた。
 「えっ、10年も前からこんなことやっているのですか!?」
 「オンラインだから、ごく最近はじめられたものかと!?」 
 と言われてみて、自分自身でも驚いてしまうのだった!!

 この次の10年の展開の方向は歩みを続けながら考えたいと思っていた!!

▼2022年5月のオンライン「寅の日」の計画を立てる時期だ。
 11年目スタートから二月目である。はじまりのテーマを受けて、その延長線上にあるテーマでいきたい。

【5月テーマ】「寅彦と科学教育」

 としたい。5月は3回ある。

■2022年5月オンライン「寅の日」!!
◆第315回オンライン「寅の日」 …5/01(日)
◆第316回オンライン「寅の日」 …5/13(金)
◆第317回オンライン「寅の日」 …5/25(水)


▼「10年の歩み」のなかで

◆寺田寅彦「科学(理科)教育」十選!!

を決めていた。このなかから準定番の3つを選んだ。
「物理学実験の教授について」「科学上の骨董趣味と温故知新 」「マーカス・ショーとレビュー教育」
である。


■2022年5月オンライン「寅の日」!!

◆第315回オンライン「寅の日」 …5/01(日)「物理学実験の教授について」(青空文庫より)

◆第316回オンライン「寅の日」 …5/13(金)「科学上の骨董趣味と温故知新 」(青空文庫より)

◆第317回オンライン「寅の日」 …5/25(水)「マーカス・ショーとレビュー教育」(青空文庫より)


▼よくこんな質問を受ける。
「それで、何人ぐらいが参加されているのですか?」
 答えに窮してしまうのだった。
「実はそれはわからないです」としか答えようがなかった。

 オフライン「寅の日」はめざすひとつの方向かも知れない!! 
 今は可能なものの領域を汲み尽くそう!!

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本日(2022/04/19)、第314回オンライン「寅の日」!! #科学者とあたま #traday #寺田寅彦

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▼今さらの疑問があった。
 「科学者」とは!?
 
 私は今、ふたつの「科学する」をすすめている。
・「静電気」を科学する
・「煮干しの解剖」を科学する
である。
 「科学する者」=「科学者」ナラバ 私は「科学者」か!?
 シロウト「科学者」!?
 科学研究を生業とする者=ホンモノ「科学者」!?
 しばし、この今さらの疑問につきあってみようと思う。

▼本日(2022/04/19)は、第314回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは

【4月テーマ】「寅彦と科学者」

 である。その第二回目の本日は「科学者とあたま」を読む。 


◆本日(2022/04/19)、第314回オンライン「寅の日」!!

●「科学者とあたま」(青空文庫より)


▼私は勝手に思っている。この随筆が、科学教育に携わる人たちのあいだではいちばんよく読まれてきたのではと!!
 現にオンライン「寅の日」でも、これまでに9回もとりあげている。
 しかし、何度読んでも読む度にあらたな発見をし、ナルホドと熱く共感するのである。
 不易の熱きメッセージがここにある!!

 では、その熱きメッセージの数々を。

 しかしまた、普通にいわゆる常識的にわかりきったと思われることで、そうして、普通の意味でいわゆるあたまの悪い人にでも容易にわかったと思われるような尋常茶飯事(さはんじ)の中に、何かしら不可解な疑点を認めそうしてその闡明(せんめい)に苦吟するということが、単なる科学教育者にはとにかく、科学的研究に従事する者にはさらにいっそう重要必須(ひっす)なことである。この点で科学者は、普通の頭の悪い人よりも、もっともっと物わかりの悪いのみ込みの悪い田舎者(いなかもの)であり朴念仁(ぼくねんじん)でなければならない。
 頭の悪い人は、頭のいい人が考えて、はじめからだめにきまっているような試みを、一生懸命につづけている。やっと、それがだめとわかるころには、しかしたいてい何かしらだめでない他のものの糸口を取り上げている。そうしてそれは、そのはじめからだめな試みをあえてしなかった人には決して手に触れる機会のないような糸口である場合も少なくない。
自然は書卓の前で手をつかねて空中に絵を描いている人からは逃げ出して、自然のまん中へ赤裸で飛び込んで来る人にのみその神秘の扉(とびら)を開いて見せるからである。  頭のいい人には恋ができない。恋は盲目である。科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。

そして、ここまで言い切るのである。

 科学の歴史はある意味では錯覚と失策の歴史である。偉大なる迂愚者(うぐしゃ)の頭の悪い能率の悪い仕事の歴史である。

▼そして、「科学研究」のあり方について話は及んでいく。

しかし科学の世界ではすべての間違いは泡沫(ほうまつ)のように消えて真なもののみが生き残る。それで何もしない人よりは何かした人のほうが科学に貢献するわけである。
科学的研究の結果の価値はそれが現われるまではたいていだれにもわからない。また、結果が出た時にはだれも認めなかった価値が十年百年の後に初めて認められることも珍しくはない。

そして、最も核心部へと迫っていく。

 頭がよくて、そうして、自分を頭がいいと思い利口だと思う人は先生にはなれても科学者にはなれない。人間の頭の力の限界を自覚して大自然の前に愚かな赤裸の自分を投げ出し、そうしてただ大自然の直接の教えにのみ傾聴する覚悟があって、初めて科学者にはなれるのである。しかしそれだけでは科学者にはなれない事ももちろんである。やはり観察と分析と推理の正確周到を必要とするのは言うまでもないことである。  つまり、頭が悪いと同時に頭がよくなくてはならないのである。

 また、親身になってのアドバイスも忘れなかった。

そういう別の世界の存在はしかし人間の事実である。理屈ではない。そういう事実を無視して、科学ばかりが学のように思い誤り思いあがるのは、その人が科学者であるには妨げないとしても、認識の人であるためには少なからざる障害となるであろう。これもわかりきったことのようであってしばしば忘られがちなことであり、そうして忘れてならないことの一つであろうと思われる。

 そして、最後にこう問いかけてくる。

 この老科学者の世迷い言を読んで不快に感ずる人はきっとうらやむべきすぐれた頭のいい学者であろう。またこれを読んで会心の笑(え)みをもらす人は、またきっとうらやむべく頭の悪い立派な科学者であろう。これを読んで何事をも考えない人はおそらく科学の世界に縁のない科学教育者か科学商人の類であろうと思われる。

あなたはこの「科学者とあたま」を読んでどう感じましたか!?

しばし、今さらの疑問について考えてみたい。 

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本日(2022/04/07)、第313回オンライン「寅の日」!! #科学に志す人へ #traday #寺田寅彦

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オンライン「寅の日」11年目の歩みがはじまる!!
 どんな展開をめざすのか!?
 どんな「学び」が待っているのか!?
 寅彦からなにをこそ学ぶべきなのか!?
 
 すべては歩みを進めながら考えて行こう!!


▼本日(2022/04/07)は、第313回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは

【4月テーマ】「寅彦と科学者」

 である。その第一回目の本日は「科学に志す人へ」を読む。

◆本日(2022/04/07)、第313回オンライン「寅の日」!!

●「科学に志す人へ」(青空文庫より)


▼これは新年度はじまりにふさわしい
 科学者・寺田寅彦からの若き人たちに向けた熱きエールである!!
 「若き人たち」ばかりでない。
 「科学」にたずさわるすべての人に熱く響いてくるものがあるのである。

  これは寅彦の最晩年の前年(1934)に書かれたものである。それを頭において読むとなおさら響いてくるものがあるのである。

 楽しみに学問をするというのはいけないことかもしれないが、自分はどうも結局自分の我儘(わがまま)な道楽のために物理学関係の学問をかじり散らして来たものらしい。尤も、そうすることによって結局は奉公の第一義にかなうことが出来るという自分勝手な考えもありはしたが、とにかく興味の向くことなら何でも構わず貪(むさぼ)るように意地汚くかじり散らした。それが後年何の役に立つかということは考えなかったのであるが、そういう一見雑多な知識が実に不思議な程みんな後年の仕事に役に立った。それは動物や人間が丁度自分のからだに必要な栄養品やビタミンを無意識に食いたがるようなものではなかったかという気がするのである。

続けてこうも言っていた。

 勝手放題な色々な疑問を、叱られても何でも構わずいくらでも自分にこしらえては自分で追究し、そうしてあきるとまた勝手に抛(ほう)り出してしまって自由に次の問題に頭を突っ込んだのであったが、そういう学生時代に起こしかけてそれっきり何年も忘れていたような問題が、やはり自分の無意識の間に解答を物色していたと見えて、十年二十年の後にまた頭をもたげて来て三十年後の今日ようやく少し分かりかけて来たような気のすることもある。どうも個々の人間の頭の中の考えの歴史は不思議なもので、通り一遍の理窟や下手な心理分析などを遥かに超越したものではないかと思われる。

これこそが科学者・寺田寅彦の「科学研究」のスタンスのようにも思えてくるのだった。

▼若き人へ特に貴重な提案をしていた。
 「問題の仕入れ」デアル!!

それで誰でも、年の若い学生時代から何でも彼(か)でも沢山(たくさん)に遠慮なく惜気(おしげ)なく「問題の仕入れ」をしておく方がよくはないかという気がする。それにははじめからあまり一つの問題にのみ執着して他の事に盲目になるのも考えものではないかと思うのである。

そして、最ものキモはいつものように最後にあった!!

ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児(ゆうとうじ)」のために、この取止めもない想い出話が一つの道しるべともなれば仕合せである。


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子規庵の糸瓜(3年目)から種子を採取した!!(2022/03/30) #子規庵 #糸瓜の種子

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子規庵の糸瓜、3年目の収穫をしたのは2021/11/10であった。

●子規庵の糸瓜(3年目)をついに収穫した!!(2021/11/10) #子規庵 #糸瓜

 大量の糸瓜を収穫しながらも、3年目ともなるとずいぶんとズボラになり、種子を採取する作業をせずに、そのまま放置していた。
 
▼2年目からは、「自然乾燥」による方法を教えてもらいそれでやっている。
 収穫したとき、まだ緑を残していたものは、屋外に放置していたらほとんどカビ等にやられてしまった。
 3月の末日、年度がかわるまでにと、やっと種子採集の作業をした。
 種子採集はいたって簡単だった。
 ヘタをとってやると、種子は自然とこぼれ落ちてきた。殻のついたままコンコンとやるとほとんどの種子がこぼれ出てきた。
 殻はめくるようにはがしていくとみごとな「へちまたわし」があらわれた。

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▼2年目までのように糸瓜ごとの種子を数えることなく、全部一括でやった。
 そのぶん
 その後の種子だけを取り出す作業が、思いのほか長時間かかってしまった。
 でもまたまた大量に収穫した「種子」を見ていると、2019年の5粒からはじまった「子規庵の糸瓜」の展開を思い出すのだった。

▼子規庵の糸瓜、4年目の展開はいつはじめようかな!?
 種蒔きは!?
 苗の植え替えは!?

 今年の子規忌・糸瓜忌にはまにあわせるためにも。

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第20回オンライン句会「寅の日」4月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼ひとり吟行。道端のすみれがうれしい!!
 我らが寅日子先生はすみれをどう詠んだのだろう。

 バイブルに菫菜一輪挿みたる (明治31~2年 漱石先生の○ふたつ)

 人形の髪にさしたる菫哉 (明治34年 手帳の中より)

▼いつの日か、ひとり吟行を卒業して、句会のみなさんといっしょに吟行にでかける日が来ることが夢だ。
 そのときは、どこに出かけようかな。
 考えるだけでも愉しい!!
 オンラインからはじめた句会「寅の日」も、この4月ではや第20回目となる。

▼あらためて、第20回オンライン句会「寅の日」4月例会案内 をあげておく。

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第20回オンライン句会「寅の日」4月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 


5.【投句期間】
 2022年4月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2022年4月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2022年4月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼新年度のはじまる4月!!
 新鮮な気分で「俳句」をはじめてみませんか。
 私も超初心者だから、なおさらそう思うのですが

 「句会」はオンラインの方が、ハードルが低い!!

 デス。いっしょにやりませんか。
 「俳号」きまったらメールをください。

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本日(2022/03/26)、第312回オンライン「寅の日」!! #神話と地球物理学 #traday #寺田寅彦

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段丘崖に竹やぶあり!!

 市川の河岸段丘の学習のとき繰り返したフレーズだった。
 上空から見ると、それはみごとにわかった。
 「竹やぶ」に限らず、
 
 すべての「地形」(山・川・海)が「動く大地の物語」のすぐれた語り部であった!!


▼本日(2022/03/26)は、第312回オンライン「寅の日」である。
 3月のテーマは

【3月のテーマ】「寅彦の防災と減災」

である。その最終回である本日、読むのは、「神話と地球物理学」である。

◆本日(2022/03/26)、第312回オンライン「寅の日」!!

●「神話と地球物理学」(青空文庫より)

▼寅彦が今さら「神話」?(゜_。)?(。_゜)?
 と思ったら、そのわけは最初からくわしく語ってくれていた。
 

 われわれのように地球物理学関係の研究に従事しているものが国々の神話などを読む場合に一番気のつくことは、それらの説話の中にその国々の気候風土の特徴が濃厚に印銘されており浸潤していることである。

 それで、わが国の神話伝説中にも、そういう目で見ると、いかにも日本の国土にふさわしいような自然現象が記述的あるいは象徴的に至るところにちりばめられているのを発見する。

 「ただし」まできっちり語ってくれていた。

 誤解を防ぐために一言しておかなければならないことは、ここで自分の言おうとしていることは以上の神話が全部地球物理学的現象を人格化した記述であるという意味では決してない。神々の間に起こったいろいろな事件や葛藤(かっとう)の描写に最もふさわしいものとしてこれらの自然現象の種々相が採用されたものと解釈するほうが穏当であろうと思われるのである。


▼寅彦のほんとうにすごいところは、ここまでにとどまっていなかったところだ。

出雲風土記(いずもふどき)には、神様が陸地の一片を綱でもそろもそろと引き寄せる話がある。ウェーゲナーの大陸移動説では大陸と大陸、また大陸と島嶼(とうしょ)との距離は恒同(こうどう)でなく長い年月の間にはかなり変化するものと考えられる。それで、この国曳(くにび)きの神話でも、単に無稽(むけい)な神仙譚(しんせんだん)ばかりではなくて、何かしらその中に或ある事実の胚芽(はいが)を含んでいるかもしれないという想像を起こさせるのである。あるいはまた、二つの島の中間の海が漸次に浅くなって交通が容易になったというような事実があって、それがこういう神話と関連していないとも限らないのである。

なんとするどい!!
「ウェゲナーの大陸移動説」まで登場するのである。
 寅彦がこの文章を発表したのは、1933年である。ウェゲナーが最初に「大陸移動説」を発表したのは、1912年1月である。
 日本でいちはやくこれに注目したのも寅彦だった。

 最後のコトバも示唆的であった。

 きのうの出来事に関する新聞記事がほとんどうそばかりである場合もある。しかし数千年前からの言い伝えの中に貴重な真実が含まれている場合もあるであろう。

 そう言えば、我らが地域にも『播磨国風土記』があった!!
 『播磨国風土記』は、播磨の「動く大地の物語」をどのように語ってくれているのだろう!?
 また、ひとつ寅彦からの宿題がふえた。

 今回でオンライン「寅の日」10年目の歩みはおわりです。
 一年間つきあってくださったみなさんありがとうございます。
 11年目もよろしくお願いします。 <(_ _)>

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