第38回オンライン句会「寅の日」10月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼子規も漱石先生も、やっぱり「曼珠沙華」を詠んでいた。

 草むらや土手ある限り曼珠沙華 子規
 曼珠沙華あっけらかんと道の端 漱石

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▼彼岸は明けた。
 しかし、遅れていたヒガンバナが今が盛りと咲き始めた。
 オンライン句会「寅の日」では、お題は「当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)」としている。
 これがとても面白い!!
 誰がどんな「季語」を詠むか、興味津々である。
 私など、他の人が詠んだ句で、その「季語」の存在を知ることも多々ある。
 遅れてきた「曼珠沙華」、10月のオンライン句会で誰か詠まれるかな!?

▼あらためて10月例会の案内をさせてもらう。
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第38回オンライン句会「寅の日」10月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2023年10月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2023年10月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2023年10月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼10月例会は、どんな「季語」が登場するかな?
 それが愉しみである。
 はじめて知る「季語」の登場も面白いが、意図せずに複数の人の「季語」が重なることもある。
 これまたたいへん興味深い!!
 さあ、10月 何を詠もうかな。


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2023年10月のオンライン「寅の日」は #寺田物理学とは!? #traday #寺田寅彦


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ヒガンバナと実れる稲穂とのコラボは最高だ!!

 遅れに遅れていたが、やっぱりその季節はやってきた。
 まるで「彼岸の入り」にあわせたように、野のヒガンバナが燃え立つように咲き始めた!!
 
▼2023年10月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 10月テーマは、懲りもせずに「寺田物理学」への挑戦としたい。

【10月テーマ】「寺田物理学とは!?」

 2023年10月には2回ある。

■2023年10月のオンライン「寅の日」!!
◆第360回オンライン「寅の日」 …10/11(水)
◆第361回オンライン「寅の日」 …10/23(月)
 

▼考えてみると、可笑しな話である。
 「物理」が大の苦手の私が「寺田物理学」を語るとは!?
 ひょっとしたら私にも楽しめるかも知れないと思わせてくれるのが「寺田物理学」!!
 これまでに何度か挑戦してきたが、少しだけわかりはじめただけだ。
 今回は何を発見できるか楽しみである。
 読むのは、「物理的」の入った次の2編とする。
 「日常身辺の物理的諸問題」「物理学圏外の物理的現象」である。


■2023年10月のオンライン「寅の日」!!

◆第360回オンライン「寅の日」 …10/11(水)「日常身辺の物理的諸問題」(青空文庫より)

◆第361回オンライン「寅の日」 …10/23(月)「物理学圏外の物理的現象」(青空文庫より)
 

▼今回の再挑戦で、またあらたな「物理」の面白さをみつけることができるかな。
 他の人が、「寺田物理学」をどう読むのだろう!?
 それにも すごく興味がある。
 また、いろいろ教えてください。よろしくお願いします。


 

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本日(2023/09/17)、第358回オンライン「寅の日」!! #俳句の精神 #traday #寺田寅彦

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▼ついにヒガンバナの花芽の「初見」だった!!
 それは、一昨日(2023/09/15)の朝だった。
 たしかに、例年にくらべて遅かった。
 この遅れと今年の猛暑との関係があるように思えてならなかった。

 「ふしぎ!?」なもんだ。この日の朝を契機にいっきょにいたるところにヒガンバナを見るようになったのである。

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▼本日(2023/09/17)は、第358回オンライン「寅の日」である。
 9月のテーマは、オンライン句会「寅の日」4年目スタートを記念して

【9月テーマ】「寅彦と俳句」

 である。本日は、その2回目。「俳句の精神」を読む。

◆本日(2023/09/17)、第358回オンライン「寅の日」!!

●「俳句の精神」(青空文庫より)


▼寅日子先生の教えの最も「定番」としてきた「俳句の精神」である。
 だからどこまで理解したかは別にして、何度か読んできたつもりでいた。
 ところが、不思議なことにきわめて新鮮な感動があるのは何だろう!?
 引用させてもらいはじめたら、きりがないとも思えた。
 しかし、どうしても、引用させてもらいたいコトバがあった!!

 「自然観」!!
 

 この自然観の相違が一方では科学を発達させ、他方では俳句というきわめて特異な詩を発達させたとも言われなくはない。

「春雨」「秋風」というような言葉は、日本人にとっては決して単なる気象学上の術語ではなくて、それぞれ莫大(ばくだい)な空間と時間との間に広がる無限の事象とそれにつながる人間の肉体ならびに精神の活動の種々相を極度に圧縮し、煎(せん)じ詰めたエッセンスである。またそれらの言葉を耳に聞き目に見ることによって、その中に圧縮された内容を一度に呼び出し、出現させる呪文(じゅもん)の役目をつとめるものである。そういう意味での「象徴」なのである。

一つはすでに述べたとおり、日本人の自然観の特異性によるのである。ひと口に言えば自然の風物にわれわれの主観的生活を化合させ吸着(アドソーブ)させて自然と人間との化合物ないし膠質物(こうしつぶつ)を作るという可能性である。これがなかったらこの魔術は無効である。

 俳句における季題の重要性ということも同じ立場からおのずから明白であろう。限定され、そのために強度を高められた電気火花のごとき効果をもって連想の燃料に点火する役目をつとめるのがこれらの季題と称する若干の語彙(ごい)である。

▼できるだけ寅日子先生のコトバの引用をひかえようと思っていても、やっぱり…
 きめた!! あとこの3つだけと。

 俳句の修業はその過程としてまず自然に対する観察力の練磨(れんま)を要求する。俳句をはじめるまではさっぱり気づかずにいた自然界の美しさがいったん俳句に入門するとまるで暗やみから一度に飛び出してでも来たかのように眼前に展開される。今までどうしてこれに気がつかなかったか不思議に思われるのである。これが修業の第一課である。

しかし自然の美しさを観察し自覚しただけでは句はできない。次にはその眼前の景物の中からその焦点となり象徴となるべきものを選択し抽出することが必要である。これはもはや外側に向けた目だけではできない仕事である。自己と外界との有機的関係を内省することによって始めて可能になる。
 句の表現法は、言葉やてにはの問題ばかりでなくてやはり自然対自己の関係のいかなる面を抽出するかという選択法に係わるものである。

 一般的に言って俳句で苦労した人の文章にはむだが少ないという傾向があるように見える。これは普通字句の簡潔とか用語の選択の妥当性によるものと解釈されるようであるが、しかしそれよりも根本的なことは、書く事の内容の取捨選択について積まれた修業の効果によるのではないかと思われる。俳句を作る場合のおもなる仕事は不用なものをきり捨て切り詰めることだからである。

 さあ、いかに拙い歩みであろうとも<俳句修業>に向かおう!! 愉しみながら!!

 燃え立つヒガンバナの行列は、お彼岸の中日には間に合うだろうか!?

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本日(2023/09/05)、第357回オンライン「寅の日」!! #夏目漱石先生の追憶 #traday #寺田寅彦

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▼実生コヒガンバナの花茎は「開花」直前までのびてきた!!
 一つ目 60㎝
 二つ目 52㎝
 三つ目  7㎝
 すごいスピードである。

▼本日(2023/09/05)は、第357回オンライン「寅の日」である。
 9月のテーマは、オンライン句会「寅の日」4年目スタートを記念して

【9月テーマ】「寅彦と俳句」

 である。本日は、その1回目。「夏目漱石先生の追憶」を読む。

◆本日(2023/09/05)、第357回オンライン「寅の日」!!

●「夏目漱石先生の追憶」(青空文庫より)

▼寅日子先生が、はじめて「俳句」出会うあのシーンが回想されていた。

自分は「俳句とはいったいどんなものですか」という世にも愚劣なる質問を持ち出した。

 漱石先生の答えが印象深い!!
その時に先生の答えたことの要領が今でもはっきりと印象に残っている。「俳句はレトリックの煎(せん)じ詰めたものである。」「扇のかなめのような集注点を指摘し描写して、それから放散する連想の世界を暗示するものである。」「花が散って雪のようだといったような常套(じょうとう)な描写を月並みという。」「秋風や白木の弓につる張らんといったような句は佳(よ)い句である。」「いくらやっても俳句のできない性質の人があるし、始めからうまい人もある。」こんな話を聞かされて、急に自分も俳句がやってみたくなった。

 明治三十一年(1898)。寅日子先生二十一歳、漱石先生三十二歳のときのことである。

▼「俳句」のことに限らず、漱石先生を敬愛した様子が綿々と綴られていた。

 先生からはいろいろのものを教えられた。俳句の技巧を教わったというだけではなくて、自然の美しさを自分自身の目で発見することを教わった。同じようにまた、人間の心の中の真なるものと偽なるものとを見分け、そうして真なるものを愛し偽なるものを憎むべき事を教えられた。

 また逆説的にこうも表現していた。敬愛のほどのわかるというものである。
 しかし自分の中にいる極端なエゴイストに言わせれば、自分にとっては先生が俳句がうまかろうが、まずかろうが、英文学に通じていようがいまいが、そんな事はどうでもよかった。いわんや先生が大文豪になろうがなるまいが、そんなことは問題にも何もならなかった。むしろ先生がいつまでも名もないただの学校の先生であってくれたほうがよかったではないかというような気がするくらいである。先生が大家にならなかったら少なくももっと長生きをされたであろうという気がするのである。

 

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第37回オンライン句会「寅の日」9月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼庭の石榴は、連日の厳しい日射しで、例年に増して「日焼け」が進んでいるように見えた!!
 ともかく暑い!!
 果皮が割れるのも少し早まるのだろうか!?
 それはいつごろだろう。
 
▼9月が近い。
 2023年9月は、オンライン句会「寅の日」スタート4年目の月である。
 あれよ、あれよと言う間に、3年間が終わり4年目である。
 オンライン句会というあらたな「句会」への挑戦だった。
 「句会」をすすめるなかで学んだことは、実に多い!!
 「句会」のほんとうの愉しみを知った。
 
▼4年目スタートの9月例会の案内をさせてもらう。

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第37回オンライン句会「寅の日」9月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2023年9月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2023年9月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2023年9月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼最近、特に痛感するのは詠み手のレベルアップである。
 俳句結社「寅の日」などと、言ってはみたものの私自身は全くのシロウトであった。
 4年目スタートに際し、再スタートのつもりで、「0から」学びはじめたい。
 
 4年目はどこまでいけるかな。

 
 

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本日(2023/08/24)、第356回オンライン「寅の日」!! #映画芸術 #traday #寺田寅彦

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▼連日の夕方の「雲見」はダイナミックだった!!
 それは、まるで「映像」の世界のようだった。
 「大気の物理学実験室」に何が!?

▼本日(2023/08/24)は、第356回オンライン「寅の日」である。
 8月のテーマは

【8月テーマ】「寅彦と芸術」

 である。本日は、その2回目。「映画芸術」を読む。

◆本日(2023/08/24)、第356回オンライン「寅の日」!!

●「映画芸術」(青空文庫より)

▼どこまでも「寅彦のにわかファン」である私には、なかなか「難解」な文章がつづく。
 こんなときは、自分勝手な対策を決めていた。
 勝手に「自分の文脈」で読み解くのである。それが「寅彦の文脈」のなかで正解なのか私にはわからない。
 
 そんなこと言っている間に、いつのまにやら「寅彦の文脈」に引きこまれていくのである。

 映画は芸術と科学との結婚によって生まれた麒麟児(きりんじ)である。

 しかし今日において最も総合的な芸術は映画の芸術である。

 このようにして映画は自由自在に空間を制御することができる上に、また同様に時間を勝手に統御することができるのである。

 第一にその一編の主題となるべきものからいわゆるストーリーあるいはシュジェーが定められる。これはたとえば数行のものであってもよいがともかくも内容のだいたいの筋書きができるのである。

 これまでの過程はすべて「分析」の過程である。出発点における主題に含まれているものを順次にその構成要素に解きほごして行ってその各部の具体的設計を完成する過程である。

などと言い切られると、およそ「映画」などという世界がわかってない私はナルホドとなってしまうのである。
寅彦はきわめて強く「映画」にこだわっていた。
そして、ついにあの「キーワード」が登場するのである。
 こういうふうにしてできあがった部分品を今度は組み立てて行く「総合」「取り付け」の仕事がこれからようやく始まる。すなわち芸術家としての映画監督の主要な仕事としてのいわゆるモンタージュの芸術が行なわれるのである。

 そう、本随筆のもっとも重要なキーワード=「モンタージュ」!!

▼「モンタージュ」の有効性が次々と語られる。

 たくさんな陰画(ネガチーヴ)の堆積(たいせき)の中から有効なものを選び出してそれをいかにつなぎ合わせるかがいわゆるモンタージュの仕事である。

 等などのように。
 そして、私が勝手に思っている、この随筆のもうひとつの「本意」が出てくる。
 あらゆる芸術のうちでその動的な構成法において最も映画に接近するものは俳諧連句であろうと思われる。

そうして序破急と言いあるいは起承転結と称する東洋的モンタージュ手法がことごとく映画編集の律動的原理の中にその同型(ファクシミレ)を見いだすのである。
 要するにこれらのモンタージュの要訣(ようけつ)は、二つの心像の識閾(しきいき)の下に隠れた潜在意識的な領域の触接作用によってそこに二つのものの「化合物」にも比較さるべき新しいものを生ずるということである。


どうやら、ここらあたりが私のポンコツ頭の限界のようだ。

 「映画」→「モンタージュ」→「俳諧連句」!!
 私の「文脈」はどこまで追いつけるだろう。

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2023年9月のオンライン「寅の日」は #寅彦と俳句 #traday #寺田寅彦

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キツネノカミソリの季節がやってきた!!

 つづく猛暑は、自然に多くの変化をもたらしているのだろう。
 でもやっぱりどこまでも律儀な自然もあった。
 オンライン「寅の日」の取り組みから、派生したオンライン句会「寅の日」の方も、8月例会が終われば、まる3年が終わったことになる。
 9月からは、またあらたな気持ちで再スタートしたいものだと思っている。

▼2023年9月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 9月からのオンライン句会「寅の日」の再スタートに際し、あらためて寅日子先生から大いに学んでみたい!!
 そこで、9月テーマは次のようにしたい。

【9月テーマ】「寅彦と俳句」

 2023年9月には3回ある。

■2023年9月のオンライン「寅の日」!!
◆第357回オンライン「寅の日」 …9/05(火)
◆第358回オンライン「寅の日」 …9/17(日)
◆第359回オンライン「寅の日」 …9/29(金)


▼では何を読むのか!?
 そもそも寅日子先生と「俳句」の出会いについて読んでみたい。
 そんな意味で、まずは、「夏目漱石先生の追憶」を読んでみたい。
 そして、いつも定番としてきた「俳句の精神」 「天文と俳句」から、今一度学びたい!!

■2023年9月のオンライン「寅の日」!!

◆第357回オンライン「寅の日」 …9/05(火)「夏目漱石先生の追憶」(青空文庫より)

◆第358回オンライン「寅の日」 …9/17(日)「俳句の精神」(青空文庫より)

◆第359回オンライン「寅の日」 …9/29(金)「天文と俳句」(青空文庫より)


▼「にわか寅彦ファン」を自認してきた私には、「俳句」についても、寅日子先生の教えをどこまで理解しているかというとあやしいものである。幸いなことに、オンライン句会なかで、実に多くのことを教えてもらってきた!!
 アリガタイ!!
 「これから」もきっとそうなることを願いつつ、つづけていきたい。

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本日(2023/08/12)、第355回オンライン「寅の日」!! #科学者と芸術家 #traday #寺田寅彦

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▼大賀ハス観察池の第2号の「あこがれの4日間」は、昨日が4日目であった。
 あんな強い風にも耐えて、果托についていた花ビラ、雄しべたちは、次々と落ち始めた!!
 まるで「目覚まし時計」でもセットしてあったように。
 
 「ふしぎ!?」で「美しい!!」

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▼本日(2023/08/12)は、第355回オンライン「寅の日」である。
 8月のテーマは

【8月テーマ】「寅彦と芸術」

 である。最初の本日は、そのテーマにダイレクトに「科学者と芸術家」を読む。

◆本日(2023/08/12)、第355回オンライン「寅の日」!!

●「科学者と芸術家」(青空文庫より)


▼一見対局にありそうな「科学者」と「芸術家」を夏目漱石先生のコトバをかりて次のようにのべていた。

 科学者の天地と芸術家の世界とはそれほど相いれぬものであろうか、これは自分の年来の疑問である。
 夏目漱石先生がかつて科学者と芸術家とは、その職業と嗜好(しこう)を完全に一致させうるという点において共通なものであるという意味の講演をされた事があると記憶している。

さらには次々と論を展開していく。
 いわんや衣食に窮せず、仕事に追われぬ芸術家と科学者が、それぞれの製作と研究とに没頭している時の特殊な心的状態は、その間になんらの区別をも見いだしがたいように思われる。

 しかし科学者と芸術家の生命とするところは創作である。他人の芸術の模倣は自分の芸術でないと同様に、他人の研究を繰り返すのみでは科学者の研究ではない。もちろん両者の取り扱う対象の内容には、それは比較にならぬほどの差別はあるが、そこにまたかなり共有な点がないでもない。科学者の研究の目的物は自然現象であってその中になんらかの未知の事実を発見し、未発の新見解を見いだそうとするのである。

 それは、まさに寅彦の「芸術論」であり、「科学論」であった。
古来多くの科学者がこのために迫害や愚弄(ぐろう)の焦点となったと同様に、芸術家がそのために悲惨な境界に沈淪(ちんりん)せぬまでも、世間の反感を買うた例は少なくあるまい。このような科学者と芸術家とが相会うて肝胆相照らすべき機会があったら、二人はおそらく会心の握手をかわすに躊躇(ちゅうちょ)しないであろう。二人の目ざすところは同一な真の半面である。

 さらに科学者の美的享楽について、つぎのように言っていた。
 世間には科学者に一種の美的享楽がある事を知らぬ人が多いようである。しかし科学者には科学者以外の味わう事のできぬような美的生活がある事は事実である。たとえば古来の数学者が建設した幾多の数理的の系統はその整合の美においておそらくあらゆる人間の製作物中の最も壮麗なものであろう。物理化学の諸般の方則はもちろん、生物現象中に発見される調和的普遍的の事実にも、単に理性の満足以外に吾人の美感を刺激する事は少なくない。

 そして、お気に入りの「文脈」がこうである。
ニュートンが一見捕捉しがたいような天体の運動も簡単な重力の方則によって整然たる系統の下に一括される事を知った時には、実際ヴォルテーアの謳(うた)ったように、神の声と共に渾沌(こんとん)は消え、闇(やみ)の中に隠れた自然の奥底はその帷帳とばりを開かれて、玲瓏(れいろう)たる天界が目前に現われたようなものであったろう。

▼いっぽう「芸術家」としての立場に立っての発言にも興味ぶかいものがあった。

  また一方において芸術家は、科学者に必要なと同程度、もしくはそれ以上の観察力や分析的の頭脳をもっていなければなるまいと思う。

いかなる空想的夢幻的の製作でも、その基底は鋭利な観察によって複雑な事象をその要素に分析する心の作用がなければなるまい。もしそうでなければ一木一草を描き、一事一物を記述するという事は不可能な事である。そしてその観察と分析とその結果の表現のしかたによってその作品の芸術としての価値が定まるのではあるまいか。

広い意味における仮説なしには科学は成立し得ないと同様に、厳密な意味で現実を離れた想像は不可能であろう。科学者の組み立てた科学的系統は畢竟(ひっきょう)するに人間の頭脳の中に築き上げ造り出した建築物製作品であって、現実その物でない事は哲学者をまたずとも明白な事である。また一方において芸術家の製作物はいかに空想的のものでもある意味において皆現実の表現であって天然の方則の記述でなければならぬ。

もう少し進んで科学は客観的、芸術は主観的のものであると言う人もあろう。しかしこれもそう簡単な言葉で区別のできるわけではない。万人に普遍であるという意味での客観性という事は必ずしも科学の全部には通用しない。

なにやら、いつのまにやら寅彦の「文脈」に引き込まれているのを感ずるのである。
こんなときは、最後の一文にすべてが語られていた。

 科学者と芸術家が別々の世界に働いていて、互いに無頓着(むとんちゃく)であろうが、あるいは互いに相反目したとしたところが、それは別にたいした事でもないかもしれない。科学と芸術それぞれの発展に積極的な障害はあるまい。しかしこの二つの世界を離れた第三者の立場から見れば、この二つの階級は存外に近い肉親の間がらであるように思われて来るのである。

はっきりわかっていることがあった!!

 いつでも寅彦の軸足は「科学」にある!!

 ということ。 

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本日(2023/07/31)、第354回オンライン「寅の日」!! #颱風雑俎 #traday #寺田寅彦

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▼「大型の台風6号」の情報から目が離せない!!
 「台風」情報に接するたびに痛切に思うこと2つ
・私たちの暮らす「大気の物理学実験室」は、きわめて「うすっぺらい」!!
・「大気の運動」はダイナミックかつデリケートである!!
 その意味は!?

▼本日(2023/07/31)は、第354回オンライン「寅の日」である。
 7月のテーマは

【7月テーマ】「寅彦と気象学」

 である。最終回の本日は、その「台風」ふれた随筆「颱風雑俎」を読む。

◆本日(2023/07/31)、第354回オンライン「寅の日」!!

●「颱風雑俎」(青空文庫より)

▼今さらだが、「雑俎」って!?
 「雑俎」=いろいろのものを集めたもの という意味らしい。
「颱風」に関してのいろいろの「情報」「歴史」「知識」「科学」等を集めたものという意味だろうか。
 私には、いろいろのことを語りながらも、寅彦の「主文脈」があるように思えてならなかった。
 その「主文脈」とは、こうだ!!

  昔は「地を相(そう)する」という術があったが明治大正の間にこの術が見失われてしまったようである。颱風もなければ烈震もない西欧の文明を継承することによって、同時に颱風も地震も消失するかのような錯覚に捕われたのではないかと思われるくらいに綺麗に颱風と地震に対する「相地術」を忘れてしまったのである。

「地相術」!!
 ここにこそ本意があるのでは!?
 まだまだつづく。
 このように建築法は進んでも、それでもまだ地を相することの必要は決して消滅しないであろう。

 地震による山崩れは勿論、颱風の豪雨で誘発される山津浪についても慎重に地を相する必要がある。

 そして、「文明論」にまで展開する。
 地を相するというのは畢竟(ひっきょう)自然の威力を畏(おそ)れ、その命令に逆らわないようにするための用意である。安倍能成(あべよししげ)君が西洋人と日本人とで自然に対する態度に根本的の差違があるという事を論じていた中に、西洋人は自然を人間の自由にしようとするが日本人は自然に帰し自然に従おうとするという意味のことを話していたと記憶するが、このような区別を生じた原因の中には颱風や地震のようなものの存否がかなり重大な因子をなしているかもしれないのである。

▼「雑俎」であるかぎり多様なる寅彦の「考え方」が出てきた。
 私の勝手に言う「主文脈」から、少し離れているのかも知れないが、「理科教育」に聞き捨てならぬことがのべられていた。

これは人々の心がけによることであるが、しかし大体において学校の普通教育ないし中等教育の方法に重大な欠陥があるためであろうと想像される。これに限ったことではないが、いわゆる理科教育が妙な型にはいって分りやすいことをわざわざ分りにくく、面白いことをわざわざ鹿爪(しかつめ)らしく教えているのではないかという気がする。子供に固有な鋭い直観の力を利用しないで頭の悪い大人に適合するような教案ばかりを練り過ぎるのではないかと思われる節もある。これについては教育者の深い反省を促したいと思っている次第である。

 大いに反駁したい気分である!!
 しかし…

 「主文脈」にもどって、こうしめくくっていた。

 颱風のような複雑な現象の研究にはなおさら事実の観測が基礎にならなければならない。それには颱風の事実を捕える観測網を出来るだけ広く密に張り渡すのが第一着の仕事である。

 
 寅彦はここでもやはり「警鐘」(「天災は忘れられたる頃来る」)を鳴らし続けていた!!

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第36回オンライン句会「寅の日」8月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼寅日子先生も「雲の峰」をたくさん詠んでいた!!
 
 雲の峰見るゝ雲を吐かんとす (明治32年)
 生きながら雲の峰とやなりぬらん (昭和4年)

▼本格的に夏がやって来た!!
 まさに「雲の峰」のシーズンである。
 この8月で、オンライン句会「寅の日」は3年目が終わる。
 だから、ある面で、8月例会は記念の「句会」ということなる。
 3年続けたのだからと言って、その「成果」はと問われると恥ずかしいかぎりである。
 ただ、「俳句」のある暮らしは あらたな「日常」となりつつあった。

▼あらためて、3年目しめくくりの「句会」の案内をさせてもらう。
 
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第36回オンライン句会「寅の日」8月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2023年8月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2023年8月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2023年8月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼この案内を書いて思った。
 思えば遠くへ来たもんだ!!
 と。

 続けておれば、我らが師・寅日子先生がもっと遠くへ連れて行ってくれるかも知れない!!
 それを願いつつ。

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