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本日(2024/08/30)、第388回オンライン「寅の日」!! #自然界の縞模様 #traday #寺田寅彦

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「金平糖の角(つの)の数はいくつ!?」

 こんな「ふしぎ!?」にはまったことがある。
 金平糖を大量に買い込み、その角の数を数えてみたり、京都の金平糖専門店に出かけていったこともある。
 ついには、『金平糖博物館』(愛知菓子会館内)で中田友一先生のお話を聞いたこともある。
 でもやっぱり「ふしぎ!?」だ。面白い!!
 これもまたはじまりは寅彦だった。

▼本日(2024/08/30)は、第388回オンライン「寅の日」である。
 8月のテーマは、科学者・寺田寅彦の随筆の醍醐味でもある「寺田物理学」についてである。

【8月テーマ】「寺田物理学の行方1」

 である。その三回目の本日は「自然界の縞模様」を読む。

◆本日(2024/08/30)は、第388回オンライン「寅の日」!!

●「自然界の縞模様」(青空文庫より)
  

▼でも最初に正直に言っておこう!!
 今もなおすんなりと、「金平糖の角の数」と「物理学」がツガッテイルわけではなかった。
 寅彦は自然界の「縞模様」の説明からはじめていた。

 ここでかりに「縞模様(しまもよう)」と名づけたのは、空間的にある週期性をもって排列された肉眼に可視的な物質的形象を引っくるめた意味での periodic pattern の義である。

 これに「こだわる」意義を最初に強調していた。
これらの現象の多くのものは、現在の物理的科学の領域では、その中でのきわめて辺鄙(へんぴ)な片田舎(かたいなか)の一隅(いちぐう)に押しやられて、ほとんど顧みる人もないような種類のものであるが、それだけにまた、将来どうして重要な研究題目とならないとも限らないという可能性を伏蔵しているものである。今までに顧みられなかったわけは、単に、今までの古典的精密科学の方法を適用するのに都合がよくないため、平たく言えばちょっと歯が立たないために、やっかいなものとして敬遠され片すみに捨てられてあったもののように見受けられる。しかし、もしもこれらの問題をかみこなすに適当な「歯」すなわち「方法」が見いだされた暁には、形勢は一変してこれらの「骨董的(こっとうてき)」な諸現象が新生命を吹き込まれて学界の中心問題として檜舞台(ひのきぶたい)に押し出されないとも限らない。

 そして、具体例のひとつとして、我らが「金平糖」が登場するのである。  \(^o^)/
二十余年の昔、いろいろこういう種類のことを考えていたころに、何よりもまずわが国に特有で子供の時からなじみの深い「金米糖(こんぺいとう)」というものの形が自分の興味を引いた。どうしてあのように角(つの)ができるか、どうして角の数が統計的に一定になるか、この疑問を年来いだいて今日に至る間に、おりにふれてはこれによく似たいろいろの問題が次第に蓄積して来た。

 続けて次々と具体例があかってくる!!
 ナルホド!!と思ったらそこは「寅彦ワールド」だ。
 そして、こう言う。
とにかく、天然がただものずきや道楽であのような週期的な構造を製作するとは思われないので何かそこに物理的な条件が伏在するであろうと想像するのはやむを得ない次第である。しかしこれはそう思ったというだけのことでなんら具体的の事実を調べたわけではない。

 そして、まだまだ具体例がつづいた!!

▼そして、あの「割れ目」の問題も登場するのである。

 しかし、実験的現象として見た割れ目の現象はなかなか在来の簡単な理論などでは追いつきそうもない複雑多様なものであって、これに関する完全な説明のできる前にはまだまだ非常にたくさんの実験観察ならびにそれからの帰納的要約が行なわれなければならない。そうして新しい「割れ目の方則」が発見されなければならないであろうと想像される。

 いよいよ結論に向かう。
こう考えると、形が不規則だとか、reproducible でないからとか言って不規則な放射像を物理学の圏外に追いやる必要はないであろう。光の場合の不規則は人間の感官認識能力の低度なおかげで「見えない」から平気であるが、現在の場合は「見える」からかえって困るのである。

 とにかくこういうふうに考えれば、完全週期的な縞(しま)と不規則な縞とをひとまとめに論ずる事がそれほど乱暴でないということだけは首肯されるであろう。
 以上のほかにも天然の縞模様の例はたくさんあるであろう。

 と言われても、あがっている具体例を「そうなのか!!」知るので精一杯なのだが、
 面白い!!
 だけは変わらない。
 最後のコトバは示唆的である。
このはなはだ杜撰(ずざん)な空想的色彩の濃厚な漫筆が読者の中の元気で自由で有為な若い自然研究者になんらかの新題目を示唆することができれば大幸である。ただ記述があまりに簡略に過ぎてわかりにくい点が多いことと思われるが、そういう点についてはどうか聡明(そうめい)なる読者の推読をわずらわしたい。


ここにこう書かれたのは1933(昭和8)年!!
それから91年

 「寺田物理学」の行方は!?   

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