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73号コウガイビルは 3ヶ月を待たずに消えた!!(2024/08/30)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #生命とは #Webテキスト

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▼袋の中は「にごった水」だけになってしまっていた。
 あの73号コウガイビルの姿は、3ヶ月を待たずに「消えて」しまっていた!!
 これまでに何度も見てきた光景(現象)であった。
 連日の「猛暑」が影響したのだろうか。
 やっぱり「ふしぎ!?」だ。

▼確かに一ヶ月前、二ヶ月前には生きていた!!

●73号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!!(2024/06/30) #コウガイビル #陸生プラナリア #コウガイビル研究 #教材化 #再生


●2024年・私の「自由研究」は今!!(3) #コウガイビル #Webテキスト #自由研究 #大人の自由研究(2024/07/30)


▼あのダーウィンも「消える」を記録してくれていた。
 いつも引用させてもらうが、今一度見てみよう。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 「陸生のプラナリア」=コウガイビルである。
 ちゃんと「記録」していてくれているとはアリガタイ!!

▼無手勝流シロウト研究もこのあたりが限界だろうか!?
 コウガイビルをキモイだけの生きものでおわらせたくない。
 Webテキスト試案「コウガイビル」で
 コウガイビルに「教材」としての市民権を!!

 思いだけあっても、「科学する」次なる手立て思い浮かばない。
 74号との出会いまでには…!?

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本日(2024/08/30)、第388回オンライン「寅の日」!! #自然界の縞模様 #traday #寺田寅彦

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「金平糖の角(つの)の数はいくつ!?」

 こんな「ふしぎ!?」にはまったことがある。
 金平糖を大量に買い込み、その角の数を数えてみたり、京都の金平糖専門店に出かけていったこともある。
 ついには、『金平糖博物館』(愛知菓子会館内)で中田友一先生のお話を聞いたこともある。
 でもやっぱり「ふしぎ!?」だ。面白い!!
 これもまたはじまりは寅彦だった。

▼本日(2024/08/30)は、第388回オンライン「寅の日」である。
 8月のテーマは、科学者・寺田寅彦の随筆の醍醐味でもある「寺田物理学」についてである。

【8月テーマ】「寺田物理学の行方1」

 である。その三回目の本日は「自然界の縞模様」を読む。

◆本日(2024/08/30)は、第388回オンライン「寅の日」!!

●「自然界の縞模様」(青空文庫より)
  

▼でも最初に正直に言っておこう!!
 今もなおすんなりと、「金平糖の角の数」と「物理学」がツガッテイルわけではなかった。
 寅彦は自然界の「縞模様」の説明からはじめていた。

 ここでかりに「縞模様(しまもよう)」と名づけたのは、空間的にある週期性をもって排列された肉眼に可視的な物質的形象を引っくるめた意味での periodic pattern の義である。

 これに「こだわる」意義を最初に強調していた。
これらの現象の多くのものは、現在の物理的科学の領域では、その中でのきわめて辺鄙(へんぴ)な片田舎(かたいなか)の一隅(いちぐう)に押しやられて、ほとんど顧みる人もないような種類のものであるが、それだけにまた、将来どうして重要な研究題目とならないとも限らないという可能性を伏蔵しているものである。今までに顧みられなかったわけは、単に、今までの古典的精密科学の方法を適用するのに都合がよくないため、平たく言えばちょっと歯が立たないために、やっかいなものとして敬遠され片すみに捨てられてあったもののように見受けられる。しかし、もしもこれらの問題をかみこなすに適当な「歯」すなわち「方法」が見いだされた暁には、形勢は一変してこれらの「骨董的(こっとうてき)」な諸現象が新生命を吹き込まれて学界の中心問題として檜舞台(ひのきぶたい)に押し出されないとも限らない。

 そして、具体例のひとつとして、我らが「金平糖」が登場するのである。  \(^o^)/
二十余年の昔、いろいろこういう種類のことを考えていたころに、何よりもまずわが国に特有で子供の時からなじみの深い「金米糖(こんぺいとう)」というものの形が自分の興味を引いた。どうしてあのように角(つの)ができるか、どうして角の数が統計的に一定になるか、この疑問を年来いだいて今日に至る間に、おりにふれてはこれによく似たいろいろの問題が次第に蓄積して来た。

 続けて次々と具体例があかってくる!!
 ナルホド!!と思ったらそこは「寅彦ワールド」だ。
 そして、こう言う。
とにかく、天然がただものずきや道楽であのような週期的な構造を製作するとは思われないので何かそこに物理的な条件が伏在するであろうと想像するのはやむを得ない次第である。しかしこれはそう思ったというだけのことでなんら具体的の事実を調べたわけではない。

 そして、まだまだ具体例がつづいた!!

▼そして、あの「割れ目」の問題も登場するのである。

 しかし、実験的現象として見た割れ目の現象はなかなか在来の簡単な理論などでは追いつきそうもない複雑多様なものであって、これに関する完全な説明のできる前にはまだまだ非常にたくさんの実験観察ならびにそれからの帰納的要約が行なわれなければならない。そうして新しい「割れ目の方則」が発見されなければならないであろうと想像される。

 いよいよ結論に向かう。
こう考えると、形が不規則だとか、reproducible でないからとか言って不規則な放射像を物理学の圏外に追いやる必要はないであろう。光の場合の不規則は人間の感官認識能力の低度なおかげで「見えない」から平気であるが、現在の場合は「見える」からかえって困るのである。

 とにかくこういうふうに考えれば、完全週期的な縞(しま)と不規則な縞とをひとまとめに論ずる事がそれほど乱暴でないということだけは首肯されるであろう。
 以上のほかにも天然の縞模様の例はたくさんあるであろう。

 と言われても、あがっている具体例を「そうなのか!!」知るので精一杯なのだが、
 面白い!!
 だけは変わらない。
 最後のコトバは示唆的である。
このはなはだ杜撰(ずざん)な空想的色彩の濃厚な漫筆が読者の中の元気で自由で有為な若い自然研究者になんらかの新題目を示唆することができれば大幸である。ただ記述があまりに簡略に過ぎてわかりにくい点が多いことと思われるが、そういう点についてはどうか聡明(そうめい)なる読者の推読をわずらわしたい。


ここにこう書かれたのは1933(昭和8)年!!
それから91年

 「寺田物理学」の行方は!?   

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「動く大地」を科学する(46) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #生野層群 #七種山 #坂戸山 #花崗岩 #熱変成

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▼「生野層群」についてたいへん興味深いことが、同じく「町史」にふれてあった。

 さて、以上の生野・相生両層群はいつごろ噴出、堆積したものであろうか。福崎町とその周辺はそれを示す直接のデータはない。しかし七種山でみられるように花崗岩類(約7000万年前)に貫入されていることから、これより古いことは間違いない。

▼さて、その「花崗岩」について、先日の「玄武洞ミュージアム」で、これまた興味深いパネルを見た!!
 「花崗岩の基盤ができた時代」

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▼「町史」にもさらにくわしい「花崗岩類」についての説明があった。

花崗岩類 福崎町内の花崗岩類は七種山の北東斜面と、山崎北西の坂戸山に露出している。分布の範囲は狭い。岩石は一般に中粒ないし粗粒で無色鉱物が多く白っぽい。無色鉱物には石英・カリ長石・斜長石が、有色鉱物は黒雲母がほとんどであるが、時々角閃石のみられることもある。顕微鏡下では、斜長石とカリ長石の接触部の斜長石の部分に、虫状の細かい石英(ミルメカイトと呼ばれる組織)かみられることがある。また副成分鉱物として磁鉄鉱を含むことが多い。野外で花崗岩類を観察すると、周囲に分布している流紋岩類や加西層群に熱変成を与えている。このことから推定すると本岩体は地表では分布が狭いが、地下ではかなり大きな岩体をなしているものと思われる。

▼「地質図」の「凡例」では

● 中生代 白亜紀 新世  花崗岩類

となっていた。
 ここまで来ればやっぱり現地に足を運ぶしかないだろう。
 さあ ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

(つづく)

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2024年・「ヒガンバナ」初見は間違っていた!!(2024/08/27) #ヒガンバナ情報 #開花情報 #日本ヒガンバナ学会 #走りもの変わりだね

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▼昨日(2024/08/27)、少し不安があったので、「ヒガンバナ」初見報告の場所に行ってみた。
 私の間違いだった!!
 期待のあまりの私のはやとちりだった!!
 開花してきているのは「ヒガンバナ」でなく、「夏ズイセン」だった。

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▼なさけない話だ。
 こんなに長く「ヒガンバナ」を観察して来ているのに
 毎年の初見の観察地もめぐってみるも、まったくみつけることができなかった。
 それどころか、毎年「ヒガンバナ」に先立って観察できる「キツネノカミソリ」も「コヒガンバナ」もまだだった!!

▼「予想」をふりだしに戻そう。
 今年の異常とも思える「猛暑」は、開花時期を大幅に遅らせるだろう と考えていた!!
 では「開花時期」はいつだろう!?
 秋のお彼岸に間に合うかな!?

▼また、この「猛暑」はヒガンバナの「自然結実」にどう影響するだろう!?
 全国からの【ヒガンバナ情報】に期待したい!!

 「情報は発信するところに集まる!!」


 

 

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第49回オンライン句会「寅の日」9月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼やっぱり「あこがれの4日間」は、第二日目が最高だ!!

 観察池の大賀ハス6号は、ずいぶん遅れて「あこがれの4日間」を迎えた。(2024/08/25~)
 二日目、荷風は遠くまで届いたのだろう。
 虫たちは、いっきょに集いはじめた。

▼台風が心配ななかだが、季節は前にすすんでいた。
 第49回オンライン句会「寅の日」9月例会の案内を書く頃になっていた。
 早いものだ。「第49回」ということは、月一回の月例会が48回(12×4)終わったことになる。
 つまり、はじめてまる4年が過ぎたということである。
 9月からいよいよ5年目に突入である。

▼あらためて9月例会の案内をあげておく。
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第49回オンライン句会「寅の日」9月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2024年9月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2024年9月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2024年9月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼5年目突入に際し、「初志」に帰り
 寅日子先生の教えに学びながら
 「科学する」と「俳句」の融合をめざしたい!!

 とは言っても、どこまでも
 「0からはじめる人のためのオンライン句会」の志を忘れたくない。
 さあ、5年目も「句会」を楽しもう!!


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「動く大地」を科学する(45) #動く大地 #現在進行形 #科学する #七種山 #生野層群 #流紋岩 #白亜紀

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▼再び自分の暮らす地域にもどって、「動く大地」を科学をする をつづける。
 これまで学んできたところを、フィールドワーク(低登山を含む)をしながら進めたいのだが、なにしろまだまだ暑い!!
 登山などについては、後日にまわしたい。できるかな!?
▼今度は、市川の西を中心にみていく。
  まず「地質図」からみる!!
 顕著にわかるのは町北西部の「七種山」の方だった。
 そこだけはくっきり色がかわっていた。
 地質図の「凡例」見ると次のように書いてあった。

●中生代 白亜紀 新世 生野(相生)層群(流紋岩類)

▼さらにくわしい説明は
 やっぱりいちばん参考になるのが
●「福崎町史 第三巻」資料編Ⅰ
だった。
 【生野(相生)層群】 のところを引用・参照させてもらおう。

 生野(相生)層群 兵庫県の中部や南部には、流紋岩や安山岩類、およびそれらに湖成堆積部をはさむ厚い火山岩類が分布している。中部に分布するものを生野層群、南部に分布するものを相生層群と呼んでいる。  福崎町内の生野層群は、町域北西部の七種山をはじめ、500mを越える山々と神谷の西に分布している。相生層群は八千種にある春日山(飯盛山)の山頂部にみられる。前者には流紋岩質の角礫凝灰岩をはじめ、石英安山岩質の溶結凝灰岩、流紋岩の溶岩などが複雑にいりまじっている。

▼さて、それらの噴出・堆積したのはいつごろのことだろうか。
 これまた再び、 「中生代 白亜紀 新世」を引用・参照させてもらおう。

●中生代白亜紀(約1億4000万年から6500万年前)
・約1億5000万年前にできあがった町域の基盤はまだ海底だった。
・白亜紀に入って、この基盤はやっと隆起して陸化した。
・白亜紀古世(前半)には各地で火山活動が起こり、大地が陥没したりして湖が出現している。
・この状態は白亜紀新世までつづいた。
・いまから約8~9000万年前、福崎町とその周辺も猛烈な火山活動の洗礼を受ける。
・福崎町の北西で噴火した火山群は多量の火砕流や砕屑物を噴出し、おそらく町内全域を埋めつくした。
・それらは生野層群や相生層群として七種山や春日山に残っている。
・そして、約7000万年前にはこのうず高く積もった火山噴出物の地下に花崗岩のマグマが貫入した。
・こうして中生代は終わりを迎える。

 ほんの少しずつ、少しずつ私のなかに「地質時代」の「時間スケール」が定着していく!!

(つづく)

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【Web更新8/25】24-34 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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葉見ズまずはじまりは夏ズイセンや 24/08/24撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】24-34
週末定例更新のお知らせ
 「それで!?」と
 自問してみることが多くなってきた。
 この季節での習慣病のような気もする。

 「夏の創造」はどこまで来たのだろう!?
 あと一週間!!
 ゆっくり ゆっくり急ごう。

◆表紙画像集2024 更新 夏ズイセン
 「葉見ず 花見ず」は、ヒガンバナの里名のひとつである。
 このみごとな観察眼に驚く。
 これはリコリスの仲間一般に通用することだった。
 そのトップバッターが「夏ズイセン」だった。
 次に登場するのは 誰だ!?
 この一週間が楽しみである。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 やっと「玄武洞」を訪ねた!!
 ここが「プレートテクトニクス」事始めの起点になるだろう。
 そんな予感があった。
 このあとの展開を自分でも楽しみたいものだ。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 9月テーマも「寺田物理学の行方」とした。
 私にとって「寺田物理学」って何!?
 終わりなき挑戦がつづく。面白いと思えるかぎり

◆【ヒガンバナ情報2024】 更新!!
 この一週間の野の様子が気になる。
 定点観測地はどうなるだろう!?
 台風はどんな影響をもたらすだろう!?

 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから21週目である。
 なんと6号大賀ハスが、「あこがれの4日間」の第一日目を迎えた!!
 うれしい!!

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2024年・今年はじめての「ヒガンバナ」を見た!!(2024/08/23) #ヒガンバナ情報 #開花情報 #日本ヒガンバナ学会 #走りもの変わりだね

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「ヒガンバナ」の初見!!(2024/08/23)
 
 えっ、ほんとうかな!?
 近づいて、じっくりながめてもやはりそう見える。
 まだ半信半疑である。
 それはあまりにも唐突であり、予想していた展開と大きくちがっていたからだ。

▼今年の連日の「猛暑」は、これまでの観察からヒガンバナの「開花時期」を遅らせると予想していた。
 それに、今まで雨が少なく、これも影響すると考えていた。
 秋のお彼岸が近づき、地温も25℃以下になって、はじめて花茎が伸びてくると思っていた。
 これはそれから一ヶ月も早い
 走りもの それとも 変わりだね!?

▼それにしても、突然と花茎だけがスルスルと伸びてくる姿を見ていると、一年をかけたヒガンバナのみごとな「戦略」に感動してしまう。
  
◆<科学読み物>『彼岸花の一生』~一年間をかけたみごとな戦略~

▼これまでのヒガンバナとのつきあいを一度まとめたこともある。

◆ 『人の暮らしに密着するヒガンバナ』
(会報「自然保護」2011年3・4月号/発行:日本自然保護協会)

 その後、「ヒガンバナの種子」をめぐってもあらたな「発見」もあった!!
 
 この時期になるとやっぱりうずうずしてくるんです。
 どんな小さなことでもいいです。せっかくネットでツナガッテいるんですから「ヒガンバナ情報」交換しませんか!?
・ビガンバナ開花情報
・ヒガンバナのことあなたはなんと呼んでいましたか。(里名情報)
・ヒガンバナを含むWeb版「走りもの・変わりだね」!!
・「自然結実」ヒガンバナは!?
・「ヒガンバナの種子」は!?
等など


 

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やっと玄武洞を訪ねた!!(3) #玄武洞 #玄武洞ミュージアム #松山基範 #松山逆磁極期 #チバニアン #寺田寅彦 #円山川 #山陰海岸ジオパーク

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▼「玄武洞公園」からもどて、再び気になることがあったので「玄武洞ミュージアム」に再び入館させてもらった。
 気になったのは、一枚の「写真」だった!!
 「松山基範先生顕彰碑」!!
 館長さんに教えてもらった。それは「山口に」と。

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▼それで思いだしたことがある。
 「チバニアン」を追っているときのことだ。

●「チバニアンと松山基範、そして寺田寅彦」から、再び「磁石石」へ!! #松山基範 #寺田寅彦 #窮理 #前中一晃 #堂面春雄 #磁石石

 堂面春雄先生、「磁石石」、そして寺田寅彦にツナガッタのはうれしかった。
 こうなればやはり山口に行くしかない!!

▼「玄武洞ミュージアム」を出て、船着き場で見た「玄武岩」は、こちらに着いたときに見た「玄武岩」とちがって見えてきた!!
 明らかに「玄武岩」を見る目が変わった!!
 明日から見る「玄武岩」はどう見えてくるだろう!? 楽しみだ。

 帰りも「渡り船」のお世話になった。
 船上から見る円山川の景は最高だ!!
 川下の日本海が妙に気になりだした。

▼私の小さな小さな旅は終わった。
 しかし、またまた性懲りもなく「大風呂敷」のきっかけになりそうだ。

・玄武洞からはじめる「プレートテクトニクス」事始め!! 
・山口に松山基範、「磁石石」を追っての旅!!
・円山川を追う旅!!
・山陰海岸ジオパークを「科学」する旅!!
 
(了)

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やっと玄武洞を訪ねた!!(2) #玄武洞 #玄武洞ミュージアム #松山基範 #松山逆磁極期 #プレートテクトニクス

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「玄武洞ミュージアム」!!
・「地球の不思議のぞいてごらん。」

 パンフレットのキャッチコピーが気に入った。実は「玄武洞公園」の前に訪れたのはこちらからであった。
 ここにも「玄さん」がいた。
 玄武洞命名のいわれ等が説明されていた。
 入り口で巨大な「ステゴドン」が迎えてくれていた。
 なにより写真撮影OKなのは私にはアリガタイ!!

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▼「玄武洞」を訪ねたもうひとつの「目的」のコーナーがここにあった。
 大正時代に松山基範博士が玄武洞の石を調査し「磁気の向きが時代によって逆転している」ことを発見したのである。
 世界的大発見の地!!
 じつにくわしい説明がビデオで行われていた。
 松山教授がどのようにして「磁力」を計測したのかくわしく説明されていた。
 それだけでない計測のための機器モデルが置いてあった。
 
 地磁気が証明!!
 プレートテクトニクス

 のくだりが最高に面白い!!
 やっぱり訪ねてきてよかった。

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▼興味深いコーナーは他にも多々あった。
 なかでも、私が注目したのは、但馬の地質史をいくつかのパネルで紹介したコーナーである。
 なにしろ具体的な岩石がパネルと一緒に展示してあった。
 地質図には、どこに行けばそれが見られるのか明示してあった。
 「動く大地」を科学する をつづけている私にはアリガタイ!!

▼「石の花・華の博物館」の名前ももつここは、これだけではなかった。
・化石
・鉱物
・宝石
・奇石  
などなどたっぷりと楽しめる!!
それだけではない「体験」コーナーまであった!!
夏休み中なので家族連れの方も多くみえていた。

 ともかく最高に楽しく学べる博物館だ!!

(つづく)

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やっと玄武洞を訪ねた!!(1) #玄武洞 #火山活動 #マグマ #柱状節理 #六角形 #玄武洞公園 #清龍洞

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▼やっとというか、ついにというか「玄武洞」を訪ねた!!
 近くであり、いつでも行けるという思い込みでずいぶん久しぶりになっていた。
 今回は「青春18きっぷ」を利用しての旅だった。
 玄武洞駅について、円山川を「渡り船」で渡った!!
 はじめての経験だった。実にいい!!

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▼実は最初に訪れたのは「玄武洞ミュージアム」だったが、その話は後にしよう。
 向かいにある「玄武洞公園」に行った。
 いよいよだ!!
 公園入り口にある「休憩所」がまたまた凄かった。
・日本海形成に伴う多様な地形・地質と人々の暮らし
・玄武洞と公園の歴史
・玄武岩と人々の暮らし
・どうして玄武岩は六角形なのか
等々の興味深いパネルがうれしい!!

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▼さあ、ほんとうにいよいよだ!!
 ついに見た「玄武洞」だ!!
 教科書の写真できなく、ホンモノだ!!
 ホンモノだけがもつど迫力!!
 160万年前
 火山活動
 マグマ 柱状節理 六角形 !!等など
 今さっきパネルで学習したばかりことが、リアリティをもってイメージできる。
 なにしろホンモノが目の前にあるのだから
 柱状節理のもっともみごとな「清龍洞」へ移動する!!

▼周りの景も眺めながら、160万年前をイメージする。
 再び「玄武洞」にもどり
 次に「白虎洞」「南朱雀洞」「北朱雀洞」を巡った。
 
 ホンモノだけがもつ説得力!!ど迫力!! を存分に味わった。

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(つづく)
 

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「動く大地」を科学する(44) #動く大地 #現在進行形 #科学する #山崎断層帯 #安富断層 #第四紀 #活断層 #日本列島形成史 #2500万年史

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▼久しぶりに見慣れた景のなかに「山崎断層帯」をみつけようとした。
 中国自動車道には、不思議なことにトンネルが少なかったのである。
 その地形が教えてくれることとは!?

▼山崎断層は、まぎれもなく「活断層」であった。
 つまり第四紀に動きつづける断層であった。
 第四紀とは
 日本列島形成史に再び注目してみよう。前著から、再び引用させてもらおう。
日本列島形成史⑨ 100万年前(第四紀)
・古東京湾の誕生!関東平野はほとんど海だった
・古富士が爆発的な噴火を繰り返し富士山誕生へ
・氷期に大陸と日本列島は繋がっていた!?

▼プレートの動きと、目の前の景と結びつけて考えることはなかなかむつかしいことだ!!
・太平洋プレート 8㎝/年
・フィリピン海プレート 3~5㎝/年

 では、「山崎断層」は!?
  
▼「動く大地」をアタリマエとして進行形でとらえていくにはまだまだ道は遠い!!
 でもやっぱり必須だ!!
 真に防災・減災に備えるためには

(つづく) 

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2024年9月のオンライン「寅の日」は #寺田物理学 #traday #寺田寅彦

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▼石原純は「寺田物理學の特質」(思想「寺田寅彦追悼號」 昭和十一年 三月號 岩波書店)という文章のなかで、次のように言っていた。
 

寺田物理學の特質はまた他方で寺田さんの随筆の特殊な匂ひと相繋がつてゐる。

 「寺田物理學」とは!?
 その「特殊な匂ひ」とは!?

▼2024年9月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 9月も、8月にひきつつきその「匂ひ」の読み解きに挑戦してみたい。

【9月テーマ】「寺田物理学の行方2」

 2024年9月のオンライン「寅の日」は2回ある。

■2024年9月のオンライン「寅の日」!!
◆第389回オンライン「寅の日」 …9/11(水)
◆第390回オンライン「寅の日」 …9/23(月)

▼その「匂ひ」がわかりやすく現れた随筆をさがしてみる。
 どれもそんな気がしてくるのだが、あえて次の2編をあげてみた。
 ・「日常身辺の物理的諸問題」
 ・「物質群として見た動物群」 

■2024年9月のオンライン「寅の日」!!

◆第389回オンライン「寅の日」 …9/11(水)「日常身辺の物理的諸問題」(青空文庫より)

◆第390回オンライン「寅の日」 …9/23(月)「物質群としての動物群」(青空文庫より)


▼さあ、はたしてどこまで読み解けるだろう。
 自分とはちがう「視座」での読み解きは最高に面白い!!
 オンライン「寅の日」の意義もそこにある。
 ぜひ、あなたの読み解きもきかせてください。
 では …。

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【Web更新8/18】24-33 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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踏切の警音響く芙蓉かな 24/08/16撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】24-33
週末定例更新のお知らせ
 まだまだ暑い!!
 かくも暮らしが天気の変化の影響をうけているものなのか
 と今さらのごとく驚く!!
 体力の衰えも影響しているのだろうか!?

 可能なことを
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2024 更新 芙蓉
 例年のこの頃の「表紙画像」を見ていると、「芙蓉」が登場している。
 毎年の「芙蓉」を見比べて、例年の「夏」を思い出す。
 踏切の警音が、異例の「猛暑日」を警告しているようにも思えた。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「動く大地」を科学するシリーズはまだまだ続く。
 南海トラフ地震→地域→日本列島→ と「科学する」対象は変化していく。
 まだまだ 道は 遠い。  

◆【ヒガンバナ情報2024】 更新!!
 今年もリコリスの仲間の季節がやってきた。
 さて、今年はどんな展開があるだろう!?

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 科学者・寺田寅彦の随筆の醍醐味、「寺田物理学」!!
 時空を超えて、人を惹きつけるのはなぜ!?
 ぜひ「寺田物理学」の今を知りたいものだ。


 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから20週目だ。
 「あこがれの4日間」は、「観察池」の5号までと思い込んでいた。
 「水栽培池」の方はアクシデントが起きて、すべて枯れてしまった。
 ところが異変が起こった!!
 「観察池」6号の花芽がぐんぐんのびてきたのである。

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本日(2024/08/18)、第387回オンライン「寅の日」!! #物理学圏外の物理的現象 #traday #寺田寅彦

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「大気の物理学実験室」!!

 このコトバとてもが気に入っていた。
 私たちは毎日この「実験室」のなかで暮らしている!!
 「実験室」で行われる実験は、日替わりメニューで次々とかわる。
 いや日替わりどころか、刻々と更新されていく。
 自然とうまくつきあうためには、まずこの「実験室」のなかにいるという自覚からはじめよう。

▼本日(2024/08/18)は、第387回オンライン「寅の日」である。
 8月のテーマは、科学者・寺田寅彦の随筆の醍醐味でもある「寺田物理学」についてである。

【8月テーマ】「寺田物理学の行方1」

 である。その二回目の本日は「物理学圏外の物理的現象」を読む。

◆本日(2024/08/18)は、第387回オンライン「寅の日」!!

●「物理学圏外の物理的現象」(青空文庫より)

▼私の拙い読み解きでは、ここに
 「寺田物理学」とは!?
 が語られているように思えた。
 そもそも「物理学」とは の話からはじまる。

 物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。本来の意味では立派に物理的現象と見るべき現象でも、時代によって全く物理学の圏外に置かれたかのように見えることがありうるのである。

 そして、寅彦の本意へと向かっていく。
 これだけの例から見ても、その当代の流行問題とはなんの関係もなくて、物理学の圏外にあるように見える事がらの研究でも、将来意外に重要な第一線の問題への最初の歩みとなり得ないとは限らない。それでそういう意味で、現在の物理学ではあまり問題にならないような物理的現象にどんなものがあるかを物色してみるのも、あながち無用のわざではないかもしれない。

 さらに興味深い具体的事例(現象)があがっていた。
 そのなかには、リヒテンベルクの放電像やあの「金平糖のつの」の「ふしぎ!?」もあがっていた。 
 金米糖(こんぺいとう)を作るときに何ゆえにあのような角(つの)が出るか。角の数が何で定まるか、これも未知の問題である。すすけた障子紙へ一滴の水をたらすとしみができるが、その輪郭は円にならなくて菊の花形になる。

さらに持論を展開する。
 これらの現象を通じて言われることは、普通の古典的な理論的考察からすれば、およそ一様に均等に連続的にあるいは対称的に起こるであろうと考えらるるものが、実際には不均等に非対称的に不連続的にしかも統計的に起こるのである。このような場合を適当に処理すべき理論はもちろんのこと、その理論の構成に基礎となるべき概念すらもまだ全然発達していないのであるから、今のところでは物理学者はこれらをどうしてよいかわからない。従って問題にしようともしなければ、また見ても見ないつもりで目をつぶって通り過ぎるのが通例である。

ところが、最近に至って物理学の理論の基礎に著しい革命の起こった結果として、物理現象の決定性といったような基礎観念にもまた若干の改革が行なわれるようになった。その結果としておもしろいことには、われわれが従来捨てて顧みなかった上記の種類の不決定な事がらに対して、もはやいつまでもそうそう無関心ではいられなくなって来たと私には思われる。なぜかというと、上記の種類の現象の根本に横たわる形式的要素が、新物理学の基礎に存するそれらとどこか共通なものを備えているからである。

▼さて、次なる展開が面白い!!

これから想像すると、おそらくその他の類似の問題でも、基礎形式的にこれと類するものがあるであろうと思われるのである。ただこれらの多くの場合はより多く事がらが複雑であって到底簡単な少数有限の方程式などで解決されるべきものではないであろうと予測される。

新物理学の考え方がいろいろな点で古典的物理学の常識に融合しないように感ずるのは、畢竟(ひっきょう)古典的物理学がただ自然界の半面だけを特殊な視野の限定されためがねで見ていたために過ぎないのであって、そのやぶにらみの一例としては、私がここで特に声を大きくして宣伝したような部類の統計的現象を全然閑却していたことも引証されようかと思う。

しかし世界の広い学界の中にはまれに変わり種の人間もいて、流行の問題などには目もくれず、自分の思うままに裸の自然に対面して真なるものの探究に没頭する人もあるから、いつの日にかこれらの物理学圏外の物理現象が一躍して中央壇上に幅をきかすことがないとも限らないであろう。

 しかし、ここでとどまらないのが寅彦だった。
 チクリと耳の痛いことも
 物理学圏外の物理現象に関する実験的研究には、多くの場合に必ずしも高価な器械や豊富な設備を要しない。従って中等学校の物理室でも、また素人(しろうと)の家庭でもできうるものがたくさんにあると思われる。しかしいかなる場合にでも、その研究者が物理学現在の全系統について、正しい要約的な理解を持っていることだけは必須(ひっす)な条件である。

過去百年の間に築き上げられたこの大規模の基礎を離れて空中に楼閣を築く事は到底不可能なことである。しかし物理学の基礎的知識の正当な把握(はあく)は少しの努力によって何人(なんぴと)にでもできることであるから、それを手にした上で篤志の熱心なる研究者が、とらわれざる頭脳をもって上記のごとき現象の研究に従事すれば、必ず興味あり有益なる結果が得られるであろうと考える。

寅彦がこう書いて92年だ!!

「寺田物理学」は、今どこに!? 

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「動く大地」を科学する(43) #動く大地 #現在進行形 #科学する #南海トラフ地震 # #巨大地震注意 #気象庁 #フィリピン海プレート #日本列島形成史 #2500万年史

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▼気象庁が発表していた初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」から一週間が経過として、15日午後5時、特別な防災対応を求める呼びかけを終了した。

◆南海トラフ地震について(気象庁)

▼「日頃からの地震への備え」を継続しながら、「動く大地」を「科学」するも続けたいものである。
・南海トラフ地震発生のメカニズムは!?
・南海トラフとは
・フィリピン海プレートはいつから
・海底拡大  四国海盆とは
・日本列島の形成史 とは
等など
 「科学する」ネタはつきることない!!

▼「日本列島形成史」ということになれば、やはりいちばん参考になりそうなのが次だ。
 
◆『日本列島2500万年史』(監修 木村学 藤原治・森田澄人著 洋泉社 2019.11.11)

▼以前に<目次>風に概要をプロットしたものを再度あげてみる。

【プロローグ】中生代~2500万年前
ユーラシア大陸の東縁だった列島誕生前史
日本列島形成史① 2500万年前(古第三紀)
・日本列島の原型をつくったイザナギプレートの消滅
・太平洋プレートが沈み込み大陸の東縁が分離
・赤道で生まれたフィリピン海プレート
 
【PART1】2500万~1500万年前
大陸から分離した2つの島弧期
日本列島形成史② 2000万年前(新第三紀)
・大陸の裂け目に海水が流入東西に広がり日本海が誕生
・海底拡大によって四国海盆が誕生した
・美しい扇型の海底凹地干島海盆が拡大した理由
・日本海の拡大により多数の海底火山が出現
日本列島形成史③ 1700万年前(新第三紀)
・日本列島はかつてすごい速度で回転した!?(寺田寅彦 日本海拡大説 1933)
・日本列島を分断する大きな溝「フォッサマグナ」の誕生
・日本列島史上最も高温に日本が亜熱帯化した謎

【PART2】1500万~300年前
日本海の拡大が完了 列島大噴火時代
日本列島形成史④ 1500万~1400万年前(新第三紀)
・南から来た火山島が日本列島に衝突し始めた!
・紀伊半島に巨大カルデラが出現
日本列島形成史⑤ 1200万~700万年前(新第三紀)
・2つのプレートが衝突して現在の北海道のかたちに
・西日本の大規模噴火で四国の山々が生まれた
・大規模カルデラ噴火で海だった東北が陸地に
日本列島形成史⑥ 600万年前(新第三紀)
・伊豆弧の衝突で丹沢山地がつくられた
・東北日本の隆起によって日本海と太平洋が分離
日本列島形成史⑦ 400万年前(新第三紀)
・400万年かけて30㎞も大移動した琵琶湖
・海底から隆起した付加体が新たな日本列島をつくる

【PART3】 300万年前~現在
東西圧縮により山国日本が誕生
日本列島形成史⑧ 300万年前(新第三紀)
・日本列島の山々が急速に隆起した!
・前弧海盆が埋め立てられ日本一広い関東平野が誕生した
・沖縄トラフができて南西諸島はサンゴ礁の島になった
日本列島形成史⑨ 100万年前(第四紀)
・古東京湾の誕生!関東平野はほとんど海だった
・古富士が爆発的な噴火を繰り返し富士山誕生へ
・氷期に大陸と日本列島は繋がっていた!?

 なんとドラスティクな展開だ!!
 2500万年!!

▼「動く日本列島」!!
 いちどに理解することなど私には到底無理だった。
 でも
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!
 
 この「学び」が 防災・減災にツナガルことを信じて

(つづく)
 

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2024年・今年もリコリスたちの季節がやって来た!! #ナツズイセン #キツネノカミソリ #コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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▼今年もリコリスたちの季節がやって来た!!
 トップバッターは、ナツズイセンだった。
 それはいつもの場所に、気づけばみごとに開花していた。
 なんの前触れもなく、スルスルと花茎をのばし 開花する!!
 やっぱり 「ふしぎ!?」だ!!

▼次に続くのはなんだろう!?
 キツネノカミソリかな
 それとも昨年に引き続き種子から育てた実生コヒガンバナかな!?
 そして、いよいよ真打ち登場!!
 ヒガンバナ開花!! となるのかな。

▼今年の異様なまでの猛暑!!
 この猛暑は「ヒガンバナの開花」時期にどのように影響するだろう。
 「ヒガンバナの開花」だけでなく、「リコリスの開花」時期に影響するだろうか。
 秋のお彼岸まで、注意しながら観察をつづけたいものである。

▼もうひとつ気になることがあった。
 「自然結実」するヒガンバナに、この猛暑はどう影響するだろうか。
 2013年の「自然結実」ヒガンバナ群生地「発見」以来、ずっと続けて来た観察であるが、
 再開できそうな見通しがついてきた。
 さて、どうなるだろう!? 楽しみである。


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「動く大地」を科学する(42) #動く大地 #現在進行形 #科学する #山崎断層 #新生代古第三紀 #活断層 #地震 #プレートテクトニクス

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▼この谷こそ、地質図に「安富断層」(山崎断層帯)の枝分かれしたものと思っていた。
 炎天下の元であったが、自転車で走ってみた!!

▼いつも無手勝流の「科学する」は、こんなとこからはじめてみた。
 そもそも「山崎断層」はいつごろから!?

◆「福崎町史 第三巻」資料編Ⅰ  
 「福崎の地史」

 を再び参考にさせてもらおう。(参照しながら、まとめさせてもらった。)

●新生代古第三紀(約6500万年前から2500万年前)
・火山の噴出物で町全体がおおわれた状態は新生代に入っても続いていた。
・中生代の終わりから新生代にかけて、周辺地域にはまだ火山活動があり、溶岩や砕屑物を噴出している。
・福崎町内では、その影響を受けて地下からマグマが岩脈となつて地表付近に貫入している。
・一方、地表では侵食が進み、ついにうず高く積もった中生代の火山砕屑物(生野層群など)がところによってすっかり削り去られた。
・その下にあった古生代や中生代はじめの基盤が表われた。
・そして、この基盤岩さえ、この紀の終わりには平らになった。
・山崎断層系の断層はこのころには完成している。

「新生代古第三紀」!!
 2500万年前 

 まだまだ古ぼけたポンコツ頭には、具体的なイメージが定着していなかった。
 このころ「完成」した断層 
 そして、「活断層」としての今!?

▼より地域にこだわろうとしたら、やっぱり「日本列島」そのものの歴史をみておく必要がありそうだ。
 何度でも繰り返しておこう!!

●「日本列島」
 2500万年史!!

(つづく)

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「動く大地」を科学する(41) #動く大地 #現在進行形 #科学する #山崎断層 # #活断層 #地震 #プレートテクトニクス

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▼「南海トラフ地震 巨大地震注意」の話から、再び今暮らす地域の「動く大地」に話をもどそう。
 地域を東西に貫く中国自動車道!!
 その西に顕著に見られる「山崎断層帯」!!
 有名な「活断層」である。

▼今一度、その存在に注目しておこう。

◆「科学の眼 身近にある活断層 山崎断層帯」(姫路科学館)

 必見の解説だ!!

▼この「活断層」は動いた!!
 ちょうど40年前の話だ。

●5.30あれから40年の歳月が!! #山崎断層 #地震 #左横ずれ断層 #動く大地 #科学する

▼「南海トラフ地震」とはちがうタイプの地震であった。
 プレート内部での地震だった。
 「左横ずれ断層」の活断層!!
 東西から力を受けていた!! それと「プレートの動き」との関係は!?
 「科学」するはつづけておきたいものだ。

(つづく)
 

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「動く大地」を科学する(40) #動く大地 #現在進行形 #科学する #南海トラフ地震 # #巨大地震注意 #気象庁 #プレートテクトニクス  

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▼「動く大地」を科学する を少し休んでいるあいだに
 
 「動く大地」!!
  
 はにわかによりリアルな話となったきた。
▼ 気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
 「過度に恐れず 備え再確認を」と同時に
 「南海トラフ」って!? を自身ても学んでおきたい。

◆南海トラフ地震について(気象庁)

▼巨大地震発生のメカニズムに注目すると同時に「プレートテクトニクス」にも注目したい!!
 フィリピン海プレート
 ユーラシアプレート
 太平洋プレート
 北米プレート
 
 もはや「プレートテクトニクス」はアタリマエ!?

▼自分が今 暮らす地域の「動く大地」との関係は!?
 そこが、やっぱりいちばん知りたいところだ。
 「科学」し続けたいところはそこだ!!

(つづく)

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【Web更新8/11】24-32 「理科の自由研究」の研究 等 更新!!

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朝顔やのぼりて未来覗きたり 24/08/08撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-32
週末定例更新のお知らせ
 はや夏休み半分が過ぎた!!
 「できなかった」ことばかりが積もっていく!!
 でも
 「できた」ことも多い!!
 こちらに目を向け残り半分の「夏の創造」に向かおう。
 ゆっくり ゆっくり 楽しく!!

◆表紙画像集2024 更新 朝顔
 夏休み定番植物と言えば「朝顔」!!
 歳時記では「秋」だ。
 今年もヒマワリ、フェンスに巻き付きながらのぼってきた。
 これ以上はのぼれない「限界」だ。
 「限界」に達した朝顔は、「未来」を覗いているようだった。

◆「理科の自由研究」の研究 更新!!
 私の「自由研究」の「今」をならべてみた。
 こうしてみると、それは私自身の持病=「ばっかり病」の遍歴をリストアップしたみたいだ。
 さあ、この夏にあらたな展開を見せるのは、どの「ふしぎ!?」だろう。
 自分でも楽しみである。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 8月テーマは「寺田物理学の行方」である。
 「物理学」そのものもよくわかっていない人間が、大げさなテーマをあげたものである。
 そんな人間も惹かれるものがある「寺田物理学」!!
 「寺田物理学」って何!?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから19週目である。
 4号-4個、5号-7個の「ハスの実」が黒くなりはじめていた。
 これもまた今年の夏の成果かもしれない。

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2024年・私の「自由研究」は今!!(9) #コヒガンバナ #ヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会 #実生ヒガンバナ実験 #自由研究 #大人の自由研究

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コヒガンバナは2倍体だから、「種子」をつくりそれでも殖える!!
 このアタリマエを、私は9年かけてやっと昨年証明した。
 では10年目の今年どんな展開があるのだろう!?

▼一方、日本のふつうのヒガンバナは3倍体だから「種子」をつくらない。
 このアタリマエをなかなか受け入れることができなかった。
 あんなに野を真っ赤に染めるヒガンバナ!!
 あの「花」のなかには「変わりダネ」がいてもいいのでないか!?
 私は「種子」を探しつづけた。
 そして、2013年11月13日 ついに「自然結実」ヒガンバナ群生地をみつけた。
 それ以降、毎年アタリマエのように「種子」をみつけた。
 多い年には
 【2019年】530個
 【2021年】823個 も!!

▼それらの「種子」を使っての実生実験を繰り返しながら、ある仮説を立てた。
 日本のヒガンバナも、かなりの高頻度で「種子」をつくり殖えるのではないか。
 この仮説を立証するためには、多くの事例が必要であった。
 多くの人で取り組むためのWebテキストを作ってみたりした。まだ試案だ!!

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2022版 試案 2022.10.15)

▼事情あって、この「研究」も途中断念しなければならないかと思っていた。
 しかし、うれしいことに 再度継続できる可能性もでてきた!!

 ヒガンバナの「ふしぎ!?」はまだまだ終わらない。
 今年の猛暑は、ヒガンバナ開花時期にどう影響するだろう。
 実生コヒガンバナは、いくつ咲くだろう!?

(つづく)

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2024年・私の「自由研究」は今!!(8) #ヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会 #実生ヒガンバナ実験 #自由研究 #大人の自由研究

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▼それはきわめて単純な「ふしぎ!?」からはじまった。
 秋のお彼岸が近づくと、田の畦、川の土手などで今までなにもみられなかったところに花茎がスルスルとのびてきた!!
 あれ、葉は!?
 このエネルギーはどこから!?
 と思っているあいだに、野を真っ赤な松明の行列にしてしまった。
 ヒガンバナ、曼珠沙華!!
 ずっと身近にありながら、なんと「ふしぎ!?」な植物だろう。

▼その「ふしぎ!?」を一度まとめたこともあった。

◆ 『人の暮らしに密着するヒガンバナ』
(会報「自然保護」2011年3・4月号/発行:日本自然保護協会)

▼自分ひとりでその「ふしぎ!?」を追うのではなく、多くの人と情報を共有しながら研究を楽しみたかった!!
 そこで、「学会」までたちあげてしまった。

●Facebook版「日本ヒガンバナ学会」


▼「自由研究」の名に値する取り組みがはじまったのはその後であった。
 その後の展開をまとめたこともある。
 なんと言っても、特筆しておくべきは「自然結実」ヒガンバナの種子の「発見」と、
 その「種子」から育てる「実生ヒガンバナ実験」だ。

◆私のヒガンバナ研究・その後

(つづく)

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2024年・私の「自由研究」は今!!(7) #磁石石 #雷の化石 #電流と磁界 #自由研究 #大人の自由研究

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▼「ふしぎ!?」はどこから生まれるか。
 私の場合、授業なかでということも多かった。

◆【電流と磁界】実践DB

▼「電流」と「磁界」の不思議な関係!?
 そんな授業のなかから、「磁石石」の「ふしぎ!?」は生まれた。

●科学読み物「カミナリの化石!?「磁石石」」

▼この「ふしぎ!?」に夢中になりました。
 私の思い出深い「自由研究」ネタとなりました。
 方位磁針を持って、「雄島」等を訪ねたこともありました。
 多くの人に教えてもらいながら「磁石石」を追いつづけました。

 しかし、ずっと気になっていることがありました。
 その「ふしぎ!?」のはじまりとなった「高山」に、私自身がまだ出かけていなかったのです。
 近いうちにぜひとも実現したいと思っています。

▼またあらたな「ふしぎ!?」が生まれ、あらたな教材(<科学読み物>)づくりにツナガルといいな。

 ときに私の「自由研究」は、楽しい「教材研究」でもあるのです!!

(つづく)

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2024年・私の「自由研究」は今!!(6) #丹生の研究 #朱 #水銀 #自由研究 #大人の自由研究

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▼「自由研究」でもっとも肝要なことは
 私の「ふしぎ!?」を置き去りにしないこと!!
 だと思っていた。
 
 どうしても置き去りにできない私の「ふしぎ!?」がいくつかあった。
 「丹生」はそのうちのひとつだった。
 
◆「丹生」を追う

▼この「ふしぎ!?」のはじまりは古かった。
 今から38年前(1986年)の、生徒の夏休みの「自由研究」にはじまる。
 当時勤務していた学校の校区に「仁豊野」という地名のところがある。その地名は「二(丹)+フ(生)+ノ(野)」に由来するというのがその自由研究の主旨だった。郷土研究家に聞き取りをして、それをまとめたものらしかった。
 「丹」が生まれる地だというのである。
 丹とは硫化水銀=朱である。

 私は、面白いと思った!!
 同時に「ふしぎ!?」が生まれた!!

 自分でも確かめたくなってきた。それ以来「丹生」を追うことをはじめたのである。

▼「ふしぎ!?」は次々とあらたな「ふしぎ!?」を生んだ。
 最初は想像もしていなかったような展開を見せることになった。
 ネットの世界が、おおいに助けになった。
 そして2018年12月末に「これから」として3つの項目をあげていた。
 今また再掲する。
 
(1) Webページ『「丹生」を追う』の充実を図る。
 まずはすぐさま可能なことからはじめてみよう。
・参考文献等の紹介
・参考になりそうなページのリンク集
・関連施設、研究機関等の一覧

(2) 『「丹生」を追う』旅に出たい!!
(a) 奈良・桜井市、宇陀市
(b) 伊勢
(c) 大分・宇佐
(d) 全国各地の丹生神社・丹生の地名が残るところ
(e) 全国の水銀鉱山跡
等々
 あげればきりがなく候補地が出てくる。
 これまでに行った場所も、繰り返し訪れてみたい!!
 ゆっくり ゆっきり 急ごう!!

(3) 「水銀(Hg)文化」を追跡する!!
 先の『邪馬台国は「朱の王国」だった』(文春新書 蒲池明弘著)に、蒲池氏はたいへん興味深いことを書いていて( ゜o゜)ハッとさせられた。

高校の化学の授業で習った元素の周期表では、水銀は80という原子番号を与えられ、79番の金のすぐ右に置かれています。水銀と金が隣り合っていることに“世界の秘密”めいたものを感じてしまいます。(同書 p174より)

▼と書いてはや6年以上がたとうとしています。
 コロナ禍などの事情もあり、これ以降ほとんど動けていないです。
 でも、けっしてその「ふしぎ!?」を置き去りにしてしまったわけではありません。

 可能なことから、ゆっくり ゆっくり汲み尽くそう!!
 次はどんな「ふしぎ!?」が待っているのだろう!!

(つづく)

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2024年・私の「自由研究」は今!!(5) #雲見 #大気の物理学 #Webテキスト #自由研究 #大人の自由研究

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たしかにこの後はげしく雨が降り始めた!!

 「雲見」は私の究極の道楽であった。
 これほど簡単で有益な自然観察はなかった。
 見えるはずのない大気の動くが見えてくるのだった。
 「上がるとザアザア」はほんとうだったのだ。
▼「雲見」は道楽であると同時に、永遠の私の「自由研究」ネタでもあった。
 この楽しみを共有するためのWebテキスト試案までつくっていた。

◆Webテキスト試案『「雲見」を楽しもう!!』

▼Webテキスト試案はそれだけにとどまらなかった。
 試案の作成そのものが、「自由研究」のテーマにもなった。

●Webテキスト試案「アメダス」(PDF版)
●Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)
●Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」
●Webテキストミニ試案「ウィンドプロファイラ(風の横顔)」

▼Webテキスト『天気の変化』の試みの醍醐味は、このあとの展開にあると思っている。
 しかし、残念ながら次なる展開はまだはじまっていなかった。
 さあ、どうしよう!?

 実はここからが、ほんとうの「自由研究」なのかも知れない。

(つづく)

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本日(2024/08/06)、第386回オンライン「寅の日」!! #量的と質的と統計的と #traday #寺田寅彦

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▼科学者・寺田寅彦の随筆をオンライン「寅の日」というかたちで読み始めて13年目になる。
 高校時代に現代国語の教科書に、随筆(「茶わんの湯」!?)が載っていたといううっすらとした記憶がある程度で、寺田寅彦のことをよく知らなかった。
 はじめは面白くなくなったら、すぐやめるつもりだった!!
 ところが話がちがってきた。
 面白いのだ!!読むたびに面白くなっていくのだった。
 にわか寅彦ファンの私が「わかった!!」と言えばウソになる。
 繰り返し読んでいる今も、面白さの理由(わけ)を読み解けているわけではない。
 しかし
 やっぱり 面白いのだ !!
 これって なに!?

▼本日(2024/08/06)は、第386回オンライン「寅の日」である。
 8月のテーマは、その寺田随筆の醍醐味でもある「寺田物理学」についてである。

【8月テーマ】「寺田物理学の行方1」

 である。その一回目の本日は「量的と質的と統計的と」を読む。

◆本日(2024/08/06)は、第386回オンライン「寅の日」!!

●「量的と質的と統計的と」(青空文庫より)


▼なんとも「科学」の本質をつくような話から展開されていく。
 「質的」とは
 「量的」とは

第一義たる質的発見は一度、しかしてただ一度選ばれたる人によってのみなされる。質的に間違った仮定の上に量的には正しい考究をいくら積み上げても科学の進歩には反古紙(ほごがみ)しか貢献しないが、質的に新しいものの把握(はあく)は量的に誤っていても科学の歩みに一大飛躍を与えるのである。ダイアモンドを掘り出せば加工はあとから出来るが、ガラスはみがいても宝石にはならないのである。
 現代のように量的に進歩した物理化学界で、昔のような質的発見はもはやあり得まいという人があるとすれば、それはあまり人間を高く買い過ぎ、自然を安く踏み過ぎる人であり、そうしてあまりに歴史的事実を無視する人であり、約言すれば科学自身の精神を無視する人でなければならない。
 なんともこういう言い切りもまた寅彦の魅力のひとつであった。 そして、いつしか寅彦ワールドに引き込まれていくのだった。
これらの発見の重大な意義はと言えば、それらのものの精密なる数値的決定より先にそれらのものが「在(あ)る」ということを確立することである。もっともそのためには精密な計画と行き届いた考察なしには手を出せないことは言うまでもないことであるが、その際得る数字の最高精度は少なくも最初には必ずしも問題にならないのである。おもしろいことにはこの種の Residual effect はしばしばそれが「発見」されるよりずっと前から多くの人の二つの開いた目の前にちゃんと現在して目に触れていても、それが「在る」という質的事実を掘り出し、しっかり把握(はあく)するまでにはなかなか長い時を待たなければならないのである。
 いよいよ寅彦の本意に近づいて行く。
 もちろん質的の思いつきだけでは何にもならないことは自明的であるが、またこれなしには何も生まれないこともより多く自明的である。西洋の学界ではこの思いつきを非常に尊重して愛護し、保有し、また他人の思いつきを尊重する学者が多いのであるが、わが国ではその傾向が少ないようである。「ただの思いつきである」という批評は多く非難の意味をもって使われるようである。思いつきはやはり愛護し助長させるべきであろう。
そのために、物理的に見ていかにおもしろいものであり、またそれを追求すれば次第に量的の取り扱いを加えうる見込みがあり、そうした後に多くの良果を結ぶ見込みのありそうなものであっても、それが単に現在の形において質的であることの「罪」のために省みられず、あるいはかえって忌避されるようなことがありはしないか、こういうことを反省してみる必要はありはしないか。  むしろそういう研究を奨励することが学問の行き詰まりを防ぐ上に有効でありはしないか。
 なんとも示唆的なコトバにつながるのだった。

▼そして時代を超えた問題提起になって行くのだった。

しかしもしそういう人たちがかりにそういう人たちとは反対にわざわざ難儀で要領を得ない質的研究をしている少数な人たちの仕事を、意識的、ないしは無意識的に discourage しあるいは積極的に阻止するようなことが、たまにならばともかく、学界一般の風(ふう)をなすようなことがあったとすればどうか、そういう事が実際にあるかないか。これも一応反省してみなければならない。

科学という霊妙な有機体は自分に不用なものを自然に清算し排泄(はいせつ)して、ただ有用なるもののみを摂取し消化する能力をもっているからである。

 そしていよいよ本論へ進んでいく。
 統計的数字を取り扱うことが「量的」であるかないか、従来の古典物理学で言うところの量的であるかないか、これは議論にもならないような事であるが、しかし事実上往々、たとえば地球物理学の問題における統計的研究は物理学上の量的研究とは全然別種のものと見なされ、どうかするとそれがかなり有益であり興味あるものであっても、「統計的だから」というわけをもって物理的なるものの圏外に置かれ、そういう仕事を行なう人たちには「統計屋」なるあまり愉快でない名前がさずけられる場合もあった。実際多くは統計屋であったかもそれはわからない。しかしそういう事実からして、統計的研究――物理学方法論から見た一つの方法としての――が本質的に無価値なるがごとき「感じ」を与えるようになるとしたら、それもまた憂うべきことである。

 こういう時代において、それ自身だけに任せておくととかく立ち枯れになりやすい理論に生命の水をそそぎ、行き詰まりになりやすい抽象に新しい疎通孔をあけるには、やはりいろいろの実験が望ましい。それには行ない古したことの精査もよいが、また別に何かしら従来とはよほどちがった方面をちがった目で見るような実験的研究が望ましい。ことにこの眼前の生きた自然における現実の統計的物理現象の実証的研究によって、およそ自然界にいかに多様なる統計的現象がいかなる形において統計的に起こっているかを、できるならば片端から虱(しらみ)つぶしに調べて行って、そうしてそれらの現象の中に共通なる何物かを求めることが望ましく思われる。

 この難儀の問題の黒幕の背後に控えているものは、われわれのこの自然に起こる自然現象を支配する未知の統計的自然方則であって、それは――もしはなはだしい空想を許さるるならば――熱力学第二方則の統計的解釈に比較さるべき種類のものではあり得ないか。マクスウェル、ボルツマン、アーレニウスらを悩ました宇宙の未来に関するなぞを解くべきかぎとしての「第三第四の方則」がそこにもしや隠れているのではないか。

 要するに、従来のいわゆる統計物理学は物理学の一方の庇(ひさし)を借りた寄生物であったのであるが、今ではこの店子(たなこ)に主家(おもや)を明け渡す時節が到来しつつあるのではないか。ほんとうの新統計的物理学はこれから始まるべきではないか。

 この提案に至っては、ポンコツ頭の私の理解の範疇をはるかに超えていた!!
 しかし、わからぬままに面白さを感じる!!
 これはなに!?


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【Web更新8/4】24-31 「理科の自由研究」の研究 等 更新!!

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採集の最初の頁蚊帳吊草 24/08/03撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-31
週末定例更新のお知らせ
 暑い!!
  暑い!!と絶叫している間に8月がはじまってしまっていた。
 「夏の創造」プロジェクトは何の動きもできぬまに日が過ぎていく。
 できることから可能なかぎり汲み尽くそう!!
 ゆっくり さらに ゆっくり 

◆表紙画像集2024 更新 蚊帳吊草
 あれはいつの夏休みの宿題「植物採集」だったんだろう?
 見よう見まねで、家の周りの植物を新聞紙にはさみ込んだ記憶が
 最初が あの硬い茎をもつ「カヤツリグサ」だったような
 今年の夏 炎天下のもと この「植物」が異様に目立っていた。

◆「理科の自由研究」の研究 更新!!
 今年の私の「自由研究」=大人の「自由研究」の今 をたしかめている。
 書きながら私の2つの相反する持病が発症!?してくる。
 「ばっかり病」と「あれもこれも病」!!
 困ったものだ。

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 いつもの「雲見」と俳句「歳時記」の今月の更新である。
 あらたな展開があることを楽しみにしている。

◆「日本理科教育史」をプロットする!! 更新!!
 戦後の日本の理科教育史のなかで、「プレートテクトニクス」はどんな位置をしめてきたのだろう。
 そして、今の「現在地」は !?
 

 大賀ハス観察池は蓮根の植え替えから18週目である。
 4号、5号の果托もやがて大きくふくらんできた。

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「日本理科教育史」をプロットする!!(55) #プレートテクトニクス #付加体 #地球科学史

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▼正直に言うと、私にはまだまだ目の前にひろがる景と「プレート」「付加体」等とツナイデ考えることができなかった。
未だに「プレートテクトニクス」はアタリマエではなかったのだ。
 私の不勉強を棚に上げての話だが
 なぜなんだろう!?

「日本理科教育史」をプロットする!!というシリーズをきわめて間歇的であるが続けていた。
 この「プレートテクトニクス」についても、いつかはプロットしておきたいと思っていた。
 「いつかは」を思っている間に、機をのがしてしまいそうなので、不案内なのを承知の上でプロットを試みたい。

 

◆【お薦め本】『プレートテクトニクスの拒絶と受容 戦後日本の地球科学史』(泊 次郎著 東京大学出版会 2008.6.2)

 

 この本の「プレートテクトニクス関連年表」から、直接「理科教育史」に関連しそうなところだけプロットしてみる。

●1970年 文部省.高校指導要領改訂.地学で大陸移動・海洋底拡大説を教えることに(実施は1973年度から)
●1971年 上田誠也『新しい地球観』
●1986年 プレートテクトニクスにもとづく教科書出版

 

▼私は授業のなかで、どうあつかってきたのだろう。

◆【大地の動きをさぐる】

 ここで参考にしただろう文献をあげておく。
●1973年 『大地の動きをさぐる』(杉村 新著 岩波書店 1973.8.23)
●1985年 『変動する日本列島』(藤田和夫 岩波新書 1985.6.20)

 

▼さて、問題はその後である。

 「プレートテクトニクス」の理科教育における「現在地」は!?

 小中学校ではどんな授業実践があったのだろう!?
 詳しい先生方の話を聞きたいものだ。

(つづく)

 

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2024年・私の「自由研究」は今!!(4) #クモ学 #自由研究 #大人の自由研究

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▼ナガコガネグモ!!
 8月になって登場するクモがかわってきた。
 コガネグモは今年は11号まで見ていた。それ以降すっかりご無沙汰である。
 変わって登場してきたナガコガネグモの飾り(隠れ帯)は、縦一直線だった。
 じっと見ていると、奇妙な動きをした。
 脚の屈伸運動をした!! 
 なんだろう威嚇 それとも!?

▼クモたちの観察をしていると、次々とその「ふしぎ!?」が生まれてくるのだった。
 これもまた、現在進行中の私の「自由研究」ネタのひとつだった。

●「クモ学」の研究 ~クモはすごいぞ!!~

▼とは言っても、昔から興味があったわけではなかった。
 はじまりは2013年の夏だった。
 今も最高に「ふしぎ!?」なのは、こんなに不思議で面白い生きものとごく身近に一緒に暮らしていたことに気づかなかったことだ!!
 「ふしぎ!?」だ!!

◆「クモ学」のすすめ


▼「クモ学」研究のいいところはいっぱいある。
・身近にいっしょに暮らしている。
・その気になれば、すぐに出会うことができる。
・ネット(網)で待機していることが多い。ダカラ観察しやすい!!
・わかっているつもりになっているだけで、「ふしぎ!?」がいっぱい!!
・糸ワザの数々 ~クモはすごいぞ!!~

 さて、「これから」は、クモたちに訊いてみよう!!

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2024年8月(葉月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼いつもお世話になっているNHK「俳句」テキストの今月号(8月号)に、堀本裕樹先生が吟行についてたいへん興味深いことを書いておられた。
 ●「特集 おさんぽ吟行案内」(堀本裕樹)
「季語を探してみよう」からはじまる、私のような初心者向け「吟行・句会」のすすめだ。
 たいへんわかりやすくためになった。
 猛暑日のつづく毎日だか、時間帯、コースを工夫してひとり吟行(おさんぽ)を続けたいものだ。

▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、前述のテキストだ。

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。

(1) 阿弖流為を内より照らし大ねぶた 伊藤伊那男
(2) ねぶた来る闇の記憶の無盡蔵 黒田杏子
(3) 朝顔や百たび訪はば母死なむ 水田耕衣
(4) 万華鏡のぞく色なき風の中 橋本榮治
(5) 西瓜赤し若かりし日の文庫本 宇佐美魚目
(6) その一角が大文字消えし闇 田中裕明
(7) 行き過ぎて胸の地蔵会明りかな 鷲谷七菜子
(8) 荒海や佐渡に横たふ天河  芭蕉
(9) 永眠のまえの永住あまのがわ 池田澄子
(10) 火薬箱匂ひもたてずきりぎりす 加藤かけい

▼次は私の勝手な<選句>修業である!!
 
【私の選んだ名句ベスト3】

(8) 荒海や佐渡に横たふ天河  芭蕉

(3) 朝顔や百たび訪はば母死なむ 水田耕衣

(7) 行き過ぎて胸の地蔵会明りかな 鷲谷七菜子

【次点】

(5) 西瓜赤し若かりし日の文庫本 宇佐美魚目

【選評】
・名句中の名句!!「雲見」【宇宙見物】を俳句にツナグ!!
・朝顔と母は妙にツナガル!!
・「地蔵会(盆)」は私の中にも思い出す「明り」の記憶が。
・赤き西瓜と文庫本みごとな取り合わせだ。

▼先の堀本先生は次のようにしめくくっておられた。
  「吟行句会の醍醐味は、俳句を通して風景や出来事を
  共有しながら、共感し、
  それぞれの視点の差異を楽しめること」
 と。

◆第48回オンライン句会「寅の日」8月例会案内!! 

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2024年8月(葉月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼ 8月(葉月)の「雲見」だ。
 8月の「雲見」を予想する前に7月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴    4     
・巻雲    2 
・巻積雲   1 
・巻層雲   0     
・高積雲   2  
・高層雲   2  
・層積雲   2   
・積雲   10    
・層雲    0
・乱層雲   7
・積乱雲   1

  一日一枚のシールを原則としている。朝の9時現在を基準としている。
  7月で目立ったのは、「積雲」10と「乱層雲」7だ!!
  やっぱり梅雨だったんだ。
  7月もアメダスの記録(「福崎」)から最高気温~最低気温をメモしてみた。
 「夏日」=「日最高気温が25℃以上の日」  5日
 「真夏日」=「日最高気温が30℃以上の日」 13日!!
 「猛暑日」=「日最高気温が35℃以上の日」 13日!!
 やっぱり「危険な暑さ」はほんとうだったんだ。
 8月はどうなるだろう!?

▼2024年8月(葉月)の「雲見」の予想に入ろう。
 前年の天気図を参考にすることにしよう。
 では昨年の2023年8月の天気図を参考に見てみよう。

◆日々の天気図 2023年8月 (気象庁)
・「台風」の文字が目立つ!!そう台風のシーズンなんだ。
・「局地的大雨」「線状降水帯」「記録的大雨」の文字も!!
・恐れる「猛暑日」は何日ぐらいになるだろう。
・可能な対策を考えて暮らしたいものだ。
・もくもくシールは何がふえてくるかな!?「快晴」「積雲」
・「積乱雲」がふえそうな気もする。

▼次は「雲見」の旅 計画だ。
【2024年8月 「雲見」の旅】
・7月の「雲見」の旅は、残念ながらこの猛暑で計画だおれになっている。
・近くの「小さな旅」も!!
・18きっぷ買い込んで準備だけはしているが。
・「動く大地」を科学する とセットで!!

▼「雲見」の科学!!
 これほど簡単で奥が深い科学はない。
 科学することの 面白さ!!楽しさ!!
 科学することの有効性!!(役に立つことを教えてくれる)

 さあ、今月も空を見上げよう!!

 

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