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2024年・第1号大賀ハスに「あこがれの4日間」がやってきた!!(2024/06/29) #大賀ハス #あこがれの 4日間

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▼ついに今年も、大賀ハス観察池に「あこがれの4日間」がやってきた!!
 観察池の蓮根の植え替えをしてから13週目の前日の昨日(2024/06/29)のことだった。
 一昨日の夕方には花芽はぱんぱんにふくらんできていた!!
▼「あこがれの4日間」がはじまることが予想できたので、早朝より観察池に行ってみた。
 最初は予想がはずれたかとおもったが、やがてそのときはやってきた。
 ハスの花が咲くとき、「ポッン」と音がするという話があるが、それはまちがいである。
 そうおもわせるほど、いっきょに花が開いてくるのである。
 もう8時過ぎには全開のようだった。
 雌しべは10個
 雄しべ 多数!!

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▼そもそものはじまりは、ここからはじまった。

●「大賀ハス」種子入刀!!(2008/05/17)

 ずいぶん遠くまできてしまったものだ。
 これで、何度目の「あこがれの4日間」を楽しむことになるのだろう。

▼9時近くには少しずつとじはじめたようにも見えた。
 お昼までには完全に閉じてしまうのだった。
 この開閉システムにもすごく興味あった。
 どんな「時計」のからくりがうめこまれているのだろう!?
 そして、二日目の朝にはきっちりと…!!
 いちばん本番の二日目が雨とは …

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「動く大地」を科学する(32) #動く大地 #現在進行形 #科学する #新生代第四紀 #新生代新第三紀 #プレートテクトニクス

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▼やっぱり何度でも言おう。
 これらの山々が、ごく最近の新生代第四紀につくられたなんて「ふしぎ!?」でならなかった。
 ほんとうかな!?
  なかなか時間のスケールと空間のスケールが自分のなかで定着しなかった。

▼数字だけを追ってみよう。仮に年間1㎜だけ高くなつたとしよう。
・1㎜/年 → 100万年 で 100万㎜ =100 0000 ㎜ 
         =100 000 ㎝
        =100 0 m
ここには1000mを越える山はなかった。
 『変動する日本列島』の中にも、次のような一節があった。

 ようやくこの百万年間の近畿の地殻変動のプロセスがはっきりとしてきた。それは平均すると年一ミリメートル程度であるとはいっても、毎年一ミリメートルずつ徐々に進行してきたものではなさそうである。ふだんは動かざる大地としてひずみエネルギーを蓄積しておいて、千年単位ぐらいで、地震をともないながら、一挙にジャンプするように進行してきたとみられる。千年では一メートルの変位が断層に沿ってもおこり得る計算である。(『変動する日本列島』P119より)

▼もういちど地元「はりま」にもどって、第四紀とはどんな時代だったのか。
 「はりま」の大地に第四紀になにが起こったのか復習をしておこう。
  
 このとき、やっぱり最高に参考になるのは次だった。。

◆【お薦め本】『石と地層と地形を楽しむ はりま山歩き』(橋元 正彦著 神戸新聞総合出版センター)

  なかでも、最初にとりあげられている
 「はりまの大地はどのようにしてできたか」(同書P7) 
  の「第四紀」を再度参考にさせてもらおう。 

(5)山が高くなり、段丘や沖積平野ができた(260万年前~)
・今から260万年頃より新しい時代を第四紀という。
・第四紀は氷河時代であり、氷期と間氷期が繰り返し訪れた。
・今の瀬戸内海あたりは、新第三紀鮮新世の終わり頃(300万年前頃)から沈降をはじめていて、細長い湖ができていた。
・120万年前になると、ここに海水が進入をはじめます。
・その後、氷期と間氷期の繰り返しによる海面の昇降によって、海が入ったり退いたりを繰り返し、やがて東から播磨平野まで海が進入するようになった。
・この300万年前頃からできた地層を大阪層群という。
・大阪層群は、播磨では明石市や小野市、三木市などで見られます。
・日本列島は、300万年前頃から東西に圧縮され、西日本でも山地が隆起をはじめた。
・六甲山地の上昇は100万年前ぐらいから本格化した。
・播磨の大地はその影響を受けて東が隆起、西が沈降するという運動をするようになった。
・加古川流域では、この大地の隆起と周期的な海水面の変動によって、河川や海岸に沿って何段もの段丘がつくられた。
・一方、たつの市から西の海岸や家島諸島では、大地の沈降によって複雑に入り込んだ海岸が地形がつくられました。
・氷期には、寒冷な気候を反映した地形がつくられた。
・峰山高原や段ヶ峰周辺などに見られる化石周氷河斜面や岩塊流などです。
・氷期には海面が下がったために、大地に深い谷が刻まれました。
・ 完新世(約1万年前~現在)に入ると、最後の氷期も終わり、海面は徐々に上昇していった。
・それによって、かつて谷だったところや河口付近に泥や砂や礫がたまった。これが沖積層である。
・海面の上昇は縄文時代の今から6000年前が最大で、海は今の平野部に進入していた。
・その後、海が退き沖積層は広い平野となった。

▼徐々にであるが、私のなかでやっと
 
「動く大地」が、アタリマエになりつつあった。

なにか特異な現象ではなく、「動く大地」こそが自然であった。

(つづく)

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「動く大地」を科学する(31) #動く大地 #現在進行形 #科学する #第四紀 #新生代新第三紀 #日本列島2500万年史 #プレートテクトニクス

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▼うれしいことに「2500万年史」と歴史をしぼり込むことによって少しずつ見えてきたことがある。
 
◆『日本列島2500万年史』(監修 木村学 藤原治・森田澄人著 洋泉社 2019.11.11)

 をよりくわしくCGイラストながめながらプロットしてみよう。
 
▼今の私にはこれを詳しく読み解くなんてことはとてもできそうもない。
 <目次>風に概要をプロットするのみである。

【プロローグ】中生代~2500万年前
ユーラシア大陸の東縁だった列島誕生前史

日本列島形成史① 2500万年前(古第三紀)
・日本列島の原型をつくったイザナギプレートの消滅
・太平洋プレートが沈み込み大陸の東縁が分離
・赤道で生まれたフィリピン海プレート
 
▼続けよう。
【PART1】2500万~1500万年前
大陸から分離した2つの島弧期

日本列島形成史② 2000万年前(新第三紀)
・大陸の裂け目に海水が流入東西に広がり日本海が誕生
・海底拡大によって四国海盆が誕生した
・美しい扇型の海底凹地干島海盆が拡大した理由
・日本海の拡大により多数の海底火山が出現

日本列島形成史③ 1700万年前(新第三紀)
・日本列島はかつてすごい速度で回転した!?(寺田寅彦 日本海拡大説 1933)
・日本列島を分断する大きな溝「フォッサマグナ」の誕生
・日本列島史上最も高温に日本が亜熱帯化した謎


【PART2】1500万~300年前
日本海の拡大が完了 列島大噴火時代

日本列島形成史④ 1500万~1400万年前(新第三紀)
・南から来た火山島が日本列島に衝突し始めた!
・紀伊半島に巨大カルデラが出現

日本列島形成史⑤ 1200万~700万年前(新第三紀)
・2つのプレートが衝突して現在の北海道のかたちに
・西日本の大規模噴火で四国の山々が生まれた
・大規模カルデラ噴火で海だった東北が陸地に

日本列島形成史⑥ 600万年前(新第三紀)
・伊豆弧の衝突で丹沢山地がつくられた
・東北日本の隆起によって日本海と太平洋が分離

日本列島形成史⑦ 400万年前(新第三紀)
・400万年かけて30㎞も大移動した琵琶湖
・海底から隆起した付加体が新たな日本列島をつくる

▼そして、いよいよである。
【PART3】 300万年前~現在
東西圧縮により山国日本が誕生

日本列島形成史⑧ 300万年前(新第三紀)
・日本列島の山々が急速に隆起した!
・前弧海盆が埋め立てられ日本一広い関東平野が誕生した
・沖縄トラフができて南西諸島はサンゴ礁の島になった

日本列島形成史⑨ 100万年前(第四紀)
・古東京湾の誕生!関東平野はほとんど海だった
・古富士が爆発的な噴火を繰り返し富士山誕生へ
・氷期に大陸と日本列島は繋がっていた!?

 なんというドラスティクなスペクタルドラマだ。
 これから何度でも繰り返し、CGイラストを見直してみよう。

(つづく)

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第47回オンライン句会「寅の日」7月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼ネジバナの季節である!!

 寅日子先生の「沓掛より(一 草をのぞく)」(青空文庫より)を読んでいると、その観察眼のするどさに驚いてしまう。
 つい寅日子先生だったら、このネジバナをどのように観察しただろう!?
 と思ってしまった。

▼オンライン句会「寅の日」でも、この観察眼には注目していた。
 おっ これぞすごい観察眼・観察力だ!!
 と思う句には、「特別賞 藪柑子賞」を設けていた。

▼オンライン句会 「寅の日」の7月 月例会の案内をあらためてあげておく。

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第47回オンライン句会「寅の日」7月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2024年7月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2024年7月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2024年7月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

***************************************************************

▼さてさて7月はどんな

「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!

 が詠まれるだろうか。
 楽しみである。
 ひとり吟行の範囲も広げて、たっぷり自然を観察したいものである。
 観察の「記録」に一句を!!

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「動く大地」を科学する(30) #動く大地 #現在進行形 #科学する #第四紀 #新生代新第三紀 #日本列島2500万年史 #プレートテクトニクス

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▼ありふれた目の前の景が、地球の歴史からすればごくごく最近できたものである。
 なんとなくわかったつもりになっても、にわかには信じがたいことだった!!
 具体的なイメージがわいてこないのである。

▼そんなときいい本をみつけた。
 最近の日本列島形成史を細密なイラストで表現してくれているのである。

◆『日本列島2500万年史』(監修 木村学 藤原治・森田澄人著 洋泉社 2019.11.11)

▼最初に日本列島形成史4つのポイントを紹介してくれていた。
・POINT1 2500万~1500万年前 拡大する日本海
・POINT2 3000万~1500万年前 四国海盆の拡大
・POINT3 1700万~1500万年前 フォッサマグナの形成
・POINT4 300万年前~現在   東西圧縮により列島は山国に

▼さらには
・古地理図に見る! 日本列島2500万年の変遷
・日本列島形成史にかかわっている4つのプレート
 「北米プレート」
 「太平洋プレート」
 「ユーラシアプレート」
 「フィリピン海プレート」

 目の前の風景と日本列島の歴史をツナグ!!
 私の課題はまだまだ遠い!!

(つづく)
 

  

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「動く大地」を科学する(29) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #市川誕生 #新生代新第三紀 #第一瀬戸内海 #第二瀬戸内海

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▼梅雨に入って、やっぱり市川の水かさは増えていた。
 その流れを見ていると
 浸食・運搬・堆積のながいながい「歴史」を想像してしまう。

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▼そもそも市川はいつごろから、このように流れているのだろう。
 とても原初的な疑問が再び浮かんできた。

●市川誕生はいつごろか!?

▼「市川誕生物語」に再度挑戦してみよう。
まずは
◆「福崎町史 第三巻」資料編Ⅰ  
 「福崎の地史」から
引用させてもらおう。 

●新生代新第三紀(約2500万年前から約200万年前まで)
・いまから約2500万年前、福崎付近は多分現在のアジア大陸の一部だった。
・その陸地は侵食が進み、起伏の少ない準平原であった。
・この準平原にまだ市川は、いまの状態では流れていなかった。
・その先に瀬戸内海もなかった。
・しかし、1700万年前ごろから大地は裂けはじめ大陸からの分離が開始される。
・いわゆる日本海の誕生である。
・約1600万年前の中新世中期のころ、ばらばらになった陸塊が南東の方向に移動。
・福崎町の南には太平洋からいり込んでできた海が岡山、広島、島根の各県を横切り多島海を形成しながら日本海につながった。
・瀬戸内海、それも第一瀬戸内海のはじまりである。
・この海も約1000万年前になると土地の全般的な上昇にすっかり干上がってしまった。
・中新世後期から鮮新世前期、約5~600万年前になると土地の上昇にともなって火山活動がはじまる。
・福崎町にほど近い宍粟郡のダルガ峰(千種スキー場)はこのころの火山。
・鮮新世の中期から後期、約200~300万年前になると、いまの瀬戸内海の付近で局地的な沈降がはじまる。
・湖沼が点在しはじめる。
・この湖沼群の一部に太平洋からの海水が進入して第2の瀬戸内海が形成される。
・市川が現在のように流れはじめたのは、このころからである。
・このようにして時代は第四紀に移っていく。
・この時代になって日本列島は東北日本と西南日本がしっかりと結合し、現在の場所に位置するようになった。
・もちろん、今日われわれになじみのある風景も、この時代に完成された。

▼「市川誕生」に関しての記述のある部分を、さらにピックアップしてみると

●いまから約2500万年前、福崎付近は多分現在のアジア大陸の一部だった。
・その陸地は侵食が進み、起伏の少ない準平原であった。
・この準平原にまだ市川は、いまの状態では流れていなかった。
・その先に瀬戸内海もなかった。

●鮮新世の中期から後期、約200~300万年前になると、いまの瀬戸内海の付近で局地的な沈降がはじまる。
・湖沼が点在しはじめる。
・この湖沼群の一部に太平洋からの海水が進入して第2の瀬戸内海が形成される。
・市川が現在のように流れはじめたのは、このころからである。
・このようにして時代は第四紀に移っていく。

 ここでの一応の<結論>として

●市川の誕生は、今から約200~300万年前!!

 流れた先に「第二瀬戸内海」があったのか。

(つづく)

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【Web更新6/23】24-25 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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梅雨晴間径にぎはふや小紫 24/06/21撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】24-25
週末定例更新のお知らせ
 6月もはやあと一週間を残すのみとなった。
 それで2024年もはや半分が終わる。
 折り返し地点だ!!
 やれたことは何!?
 やれなかったことは何!?

 一週間 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2024 更新 コムラサキの花
 梅雨晴れ間 西の庭のコムラサキの花がみごとであった。
 これが秋に、たわわにみのる あのコムラサキの実になるかと思うと、じっと観察してしまうのだった。
 花から実へ アタリマエだけどやっぱり「ふしぎ!?」

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「動く大地」を科学する 不勉強な私は、今さら知ることも多い。
 逆に言えば、はじめて知って感動することも多い。
 このシリーズのネタは当分尽きそうにない。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 7月のテーマは、一見科学とは関係ないようなテーマにした。
 「寅彦と連句」である。
長年の宿題、「寺田物理学と連句的!?」ひとつでも解をみつけることできるかな。


 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから12週目である。
 3号大賀ハスが、いつのまにやら2号を追い越してしまった。
 1号大賀ハスの「あこがれの4日間」はいつだろう!?

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「動く大地」を科学する(28) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #チャート #付加体 #日本列島7億年 #一家に1枚

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▼その「チャート」とは、放散虫の遺骸の積み重なってできた岩石だった。
 放散虫は死ぬと、その珪質の殻はゆっくりとマリンスノーとなり海底に沈んでいき、1000年に数ミリずつ積もってやがて硬くなり、チャートがつくられた。
 そんな遙か遠くの海底で堆積してできたチャート!!
 いつ頃に堆積したものだろう!?
 それがどうしてここにあるのか!?
 どんな「動く大地」の物語があったのか!?
 
▼ゆっくり ゆっくり 急ごう!!
 ときに、日本列島全体の「動く大地」の物語をも視野に入れておこう。
 そう言えばと思いだしたものがある。
 「一家に1枚」シリーズだ。
 
◆一家に1枚 日本列島7億年 


▼実に多くの情報がこの1枚のポスターに盛れ込まれていた。
 すべての情報をいっきょに理解することなんてできない。
・日本列島7億年の歴史年表として
・「動く大地」は今も現在進行形!!
・「第四紀」はごくごく最近のこと
・「2億5000万年後の日本列島」!?

▼「主文脈」の2つの項目があがっていた。
●プレートの沈み込み帯 

●付加体と「海洋プレート層序」

 全体の「解説」もぜひ何度も目を通しておきたい。

▼しばし、壁にこのポスターを貼り付けておくことにした。
 「中生代 ジュラ紀」をおさえてみた。
 そのころの「日本列島」はどうなっていたんだろう!?


(つづく)

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【お薦め本】『日本列島の生い立ちを読む』(斎藤靖二著 岩波書店)

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▼「動く大地」を科学する のシリーズはまだまだ続けるつもりだ。
 とは言っても、ついつい暗礁にのりあげてしまう。
 「次にどこに行って、何を!?」
 が見えなくなってしまうのである。
 「これなら、もっとちゃんと勉強しとくんだった」と悔やんでみてもしかたない。
 しかし、これを途中断念する気にはなれない。
 こんなとき、シロウトの私にピッタリとくる参考文献はないものだろうか。
 捜していた。
 そして、本棚のスミでこの本みつけた。
 
▼読んだことがあるようだ。
 マーカーでチェックしたところがあるので、しかし 忘れてしまっていた。
 あらためて読んでみて、ぜひとも【お薦め本】にあげたくなってきた。


◆【お薦め本】『日本列島の生い立ちを読む』(斎藤靖二著 岩波書店 2007.8.8)

 
 例によって、3つの【お薦めポイント】をあげておく。

(1)地質学の基本の「き」から語ってくれている!!
(2)あらたな「知見」で、日本列島の歴史をより面白く語っている!!
(3)地域のフィールドワークに誘ってくれている!! 

▼では少しだけくわしく
(1)地質学の基本の「き」から語ってくれている!!
 いつまでたってもシロウトの私には、「はじめに」の巻頭のコトバが妙にうれしかった。

「地質はどうもわかりません」と、これまでつきあってきた多くの方からいわれてきました。もちろん地質を専門にしていない方達からです。これにはどうやら二つの異なった意味あいがあるようです。ひとつは、野外で崖に露出している地層や岩石を見たときに、何をどのように観察するのか、あるいはどのように考えるのかがわからないというもので、岩石や化石などの知識が増えると解決する問題です。もうひとつは困ったことに解決しにくい問題で、地質をやっている人(地質屋と呼ばれたりします)にしかわからない用語と理屈が多くて、地質の話を理解することができないというものでした。(同書 「はじめに」ⅴ より)

 自分の不勉強を棚に上げてですが、まったく同感でした。
 この一文により、私はこの本をぜひとも【お薦め本】にあげたくなったと言っても過言ではありません。
 この本全体を通して、最初の「地質はどうもわかりません」に応えようとしてくれているように思えた。
 私のようなやっかいなシロウトには、「今さら人には聞けない」蓄積された「ふしぎ!?」がいくつもあった。
 そのことについて、とてもわかりやすく基本の「き」から語ってくれていた。 
 例えばこうである。
 当時の地質学のデータはほとんどヨーロッパに限られていたので、地質時代の名称にはヨーロッパの地名や部族名が用いられています。古生代のカンブリア、オルドビス、シルル、デホンといった名称はイギリスのウェールズ地方の地名や部族名で、石炭紀はイギリスの夾炭層に由来しています。二畳紀はドイツの二枚重ねの地層ダイアスからきたものですが、同時代の海成層に用いられるペルム紀はウラル山麓の地名に由来するものです。中生代の三畳紀はドイツの大きく三つに重なってみえる地層から、ジュラ紀はフランスとスイスの国境ジュラ山脈からとられたものです。白亜紀は、チョークのラテン語であるクレタにもとづくものですが、ヨーロッパではチョーク層がこの時代代表する地層だからです。新生代の第三紀はイタリアで、第四紀はフランスでよく研究されました。いずれも、その時代の地層を最もよく観察できる地域を中心に地層の順番が調べられ、その中の化石内容がその時代を代表するものとして研究されたのです。(同書P16より)

 知ってしまえばなんということのないことかも知れませんが、なんだそうだったのか!!
とうれしい気分になったりするんですよね。
 今やごくごくアタリマエに語られる「付加体」ですが、やっぱりシロウトはそのアタリマエを、繰り返して聞きたいものなんです。
 移動する海洋プレートが、チャートや枕状溶岩を海溝まで運んできたのでしょう。そして、プレートが地球内部に沈み込んでいくときに、一部がはぎ取られ、そこに堆積していた砂泥互層とともに陸側に押しつけられのでしょう。このようにして陸側に付け加えられたものを、「付加体」いいますが、四万十帯の謎は、それを付加体とみることでみごとに解けてしまったのです。(同書P87より)
 

(2)あらたな「知見」で、日本列島の歴史をより面白く語っている!!
「付加体」「プレートテクトニクス」などは、今となっては、あらたな「知見」というよりはアタリマエすぎるほどアタリマエの「科学」なのかも知れない。
 それでも骨董ボンコツ頭の私にはやっぱり新鮮だ!!

 ところがいまでは逆に地層としてはめちゃくちゃなもののほうが、非常に面白くなりました。プレート・テクトニクスという観点から新しく見直すことができるようになり、微化石や放射年代を利用して、複雑な地質体でも解析する手法が確立されたからです。日本列島には、新しい眼で見直して労力を払えば、驚くような発見を秘めている岩石や地層がまだまだありそうです。そんなに大げさな発見でなくても、たとえば礁性石灰岩を見て、それが遠い熱帯の海域からここまで、長い時間をかけて移動してきたのだと理解することができれば、だれでもある種の感動をもつことができます。
 みなさんも、野外に行ったときにはぜひ崖を観察してください。崖にはその土地の成り立ちだけでなく、日本列島の生い立ちとか、地球の動きまで記録されています。(同書P146 より)

 そう言われると、やっぱりその「記録」を読み解きたくなってきますよね。
 
▼そして、最後のお薦めポイントに行きます。
(3)地域のフィールドワークに誘ってくれている!! 
ここが本命です。
 裏山の崖とか、橋の下の崖といった身近なところに、自然の秘密、それも地球の大きな営みが隠されています。どんな地層や岩石がでていても、そこには地表環境の変遷、マグマの活動、あるいは地下での変成作用が記録されています。丹念に観察していくと、氷期・間氷期のリズムや、海洋底が拡大し移動する、そして海洋プレートが沈み込む、大陸地塊も移動し、ついには衝突して山脈を形成する、地球の大きな動きが見えてくるのです。 地層に直接手を触れみると、もっと地球の動きを実感できることでしょう。(同書P146より)
    
 うれしいことに、自分の暮らす地域のフィールドワークに誘ってくれているのです。
 具体的な各地域での実践研究例が、豊富な資料とわかりやすい図で語られいます。

 気になるところを繰り返し読み返しながら、「動く大地」を科学する を続けて行きたいと思っています。

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2024年7月のオンライン「寅の日」は #連句雑俎 #traday #寺田寅彦

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▼「連句的」!!
 このコトバをはじめて聞いたのは2014年の11月末のことだったと記憶している。
 「寺田物理学とモンタージュ」にふれて、お話を聞いたときだった。
 ほんとうの意味もよくわからないまま、興味を惹くコトバだった。
 オンライン句会「寅の日」のなかでも、「連句」はときどき話題となっていた。
 
▼2024年7月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 7月はこの「連句」に挑戦してみたい。

【7月テーマ】「寅彦と連句」

 2024年7月のオンライン「寅の日」は3回ある。

■2024年7月のオンライン「寅の日」!!
◆第383回オンライン「寅の日」 …7/01(月)
◆第384回オンライン「寅の日」 …7/13(土)
◆第385回オンライン「寅の日」 …7/25(木)

▼では何を読むか!?
 寅彦はいくつもの随筆のなかで「連句」にふれていた。
 なかでも、いちばんまとめて書かれいるのが「連句雑俎」である。
 長編であり、なおかつ私にはきわめて難解である。
 すべてが挑戦のつもりで、一ヶ月かけてこれを読み解いてみたい。
 さあ、はたしてどこまで…!?

■2024年7月のオンライン「寅の日」!!

◆第383回オンライン「寅の日」 …7/01(月)「連句雑俎」(1)(青空文庫より)

◆第384回オンライン「寅の日」 …7/13(土)「連句雑俎」(2)(青空文庫より)

◆第385回オンライン「寅の日」 …7/25(木)「連句雑俎」(3)(青空文庫より)

▼最近「挑戦」というコトバが妙に新鮮に響く。
 どうせ私には無理と思うより、ダメモトでやるだけやってみよう!!
 と思うようになってきた。
 もちろん、「俳句」だけならともかく「連句」までという気持ちはある。
 しかし、まったくあらたな世界が…の期待もある。
 「挑戦」してみよう!!


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2024年・今年もたくさんのジャガイモの実を!! #ジャガイモの花と実 #品種 #メークイン #キタアカリ

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▼なんと17個もあった!!
 ジャガイモの実!!
 あんなみごとに花を咲かせていたのだからアタリマエと言えばアタリマエ。
 でもやっぱり「ふしぎ!?」

▼梅雨に入るまでになんとかと少しあせっていた。
 今年もすでに数個だけ、まるで「ミニトマト」の実がなっているのを確認していた。
 しかし、実際に掘り出しはじめてびっくりしてしまった。
 黒シートの上に、ゴロゴロところがっているではないか。
 枯れた枝にふらさがった実も!!
 まるで「ミニトマト」にもわけがあった。
 ジャガイモもトマトも、ナス科の仲間であるという。

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▼掘った畝のジャガイモの品種は
・メークイン

・キタアカリ
 実ができやすい品種ってあるのかな。
 それともなにか別のわけがあるのかな!?

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▼ならべた「ジャガイモの実」を見ていると圧巻デアル!!
 そして、やっぱり思い出すのはあの名著である。
 「科学読み物」の金字塔!!

◆【お薦め本】『ジャガイモの花と実』(板倉聖宣著 楠原義一画 福音館)

この面白さはどこから。
 

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本日(2024/06/19)、第382回オンライン「寅の日」!! #科学と文学 #traday #寺田寅彦

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▼「柳田國男と科学教育」!!
 大きな声で言うのもちょっと気恥ずかしい大風呂敷。
 浅学な私が語るには大きすぎるテーマだった。しかし、興味だけはあった。
 「常民の科学」というコトバはそんななかから生まれた!!
 庄司和晃先生に直接お会いして、教えてもらいたいと思っていた。
 実現した!! しかし、その機会は一回限りのものとなってしまった。

▼本日(2024/06/19)は、第382回オンライン「寅の日」である。
 6月テーマは

【6月テーマ】「寅彦と科学と文学」

 である。
 読むのは 2回ともズバリ「科学と文学」である。本日はその2回目。


◆本日(2024/06/19)は、第382回オンライン「寅の日」!!

● 「科学と文学」(2)(青空文庫より) 


▼一回目の最後に引用させてもらった文はここだった。

 そういうことから考えても、科学者が科学者として文学に貢献しうるために選ぶべき一つの最も適当なる形式はいわゆるエッセーまた随筆の類であろうと思われる。

 ここにこの随筆の本命があると思っていた。
 科学者の随筆のすすめ!!
 これを書きたいがためにこの長編「実験ノート」を書いた。
 それが、私の勝手な理解であった。
 それはいろいろ表現のしかたを変えていた。
 科学が文学と握手すべき領域は随筆文学、エッセー文学のそれであるかと思われる。

 これに反して科学者が科学者に固有な目で物象を見、そうして科学者に固有な考え方で物を考えたその考えの筋道を有りのままに記述した随筆のようなものには、往々科学者にも素人(しろうと)にもおもしろくまた有益なものが少なくない。

 それはとにかくとして、現在において、科学者が、科学者としての自己を欺瞞することなくして「創作」しうるために取るべき唯一の文学形式は随筆であって、そうしてそれはおそらく、遠き「未来の文学」への第一歩として全く無意味な労力ではないと信ずるのである。

 科学者が自分の体験によって獲得した深い知識を、かみ砕きかみ締め、味わい尽くしてほんとうにその人の血となり肉となったものを、なんの飾りもなく最も平易な順序に最も平凡な言葉で記述すれば、それでこそ、読者は、むつかしいことをやさしく、ある程度までは正しく理解すると同時に無限の興趣と示唆とを受けるであろうと思われる。

▼寅彦は、さらに親切だった。
 私たちにホンモノとニセモノの見分け方も指南してくれていた。アリガタイ!!

そういう永久的なものと、悪い意味でのジャーナリスチックなものとの区別は決してむつかしくはない。要するに読んだ後に、読まない前よりいくらか利口になるかならないかというだけのことである。そうして二度三度とちがった時に読み返してみるごとに新しき何物かを発見するかしないかである。

そして、「文章作成術」も指南してくれているのだった!!
そういう種類のものにはやはり必ず何かしら独創的な内察があり暗示があり、新しい見地と把握(はあく)のしかたがあり、要するになんらかの「生産能」を包有しているある物がなければならないのである。

 それで、考え方によっては科学というものは結局言葉であり文章である。文章の拙劣な科学的名著というのは意味をなさないただの言葉であるとも言われよう。

これと反対に、読んでおのずから胸の透くような箇所があれば、それはきっと著者のほんとうに骨髄に徹するように会得したことをなんの苦もなく書き流したところなのである。

最後まで自分自身の「文脈」に引き寄せての勝手な読み解きであった。
私もいつの日か、
「柳田國男と科学教育」をテーマに随筆が書けたらうれしいな。
  


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「動く大地」を科学する(27) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #ため池 #姫ヶ池 #銀の馬車道

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▼「動く大地」を科学する を無手勝流にすすめることを目的として、まずはフィールドワークというほど大げさなものではないが、思いつきの気儘な小さな旅をつづけている。
 すると
 思わぬ「発見」があったり、「気づき」がある。
 それがまた楽しい!!
▼目的から、すこしずれた「わき道」「寄り道」が面白い。
 このときもそうだった。
 
・この地には思っていた以上に「ため池」が多い!!

 これも、きっとどこかでこの地の「動くの大地」の物語とツガッテイルハズ!!

▼このとき出会った池は「姫ヶ池」!!
 道のすぐそばには「姫ヶ池のお姫様伝説」の案内板。
 なるほど池の中の燈籠は傾いていた。
 
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▼あわせて「銀の馬車道-日本初の高速産業道路-」の説明もあった。
 これもまたこの地の「動く大地」の物語と無縁とは言いがたい。
 イモズル式に興味をツナイデいくとひょっとしたらうんと目的に近づくということもあるかも知れない。
 
(つづく)

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【Web更新6/16】24-24 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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紫陽花やこの先の路地行き止まり 24/06/14撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】24-24
週末定例更新のお知らせ
 6月も半ばが過ぎた。
 梅雨を通りこして真夏がやってきたような暑さだ。
 やりたいけどやれない
 やり残しが少しずつたまってしてしまうが、思いきって 断捨離 ダ!!
 週末定例更新の区切りはそれを加速してくれる!!
 そんな気がするのだった。
 さあ 今週は何を!?

◆表紙画像集2024 更新 紫陽花
 紫陽花を見ると必ず思い出す公園があった。
 その公園を散策するのが最高に楽しみだった。
 しかし、もうそこには行けない。
 またあらたな散策コースをみつけたくなって、いろいろ試している。
 「探す」は いつも面白く 楽しい!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「動く大地」を科学する を続けている。
 フィールドワーク(小さな旅)のネタはつきそうにない。
 猛暑はちょっときついものがある。
 でも面白すぎて、ついつい… 困ったものだ。

◆「クモ学」のすすめ 更新!!
 ゴミグモの暮らしに興味がでてきた。
 そもそも「ゴミ」とは どんな役割があるのだろう!?
 単なる偽装か!?
 それにしては目立ちすぎないのかな。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから11週目だった。
 ついに 今年も 「花芽」が見えて来た!!
 それも ほぼ同じ場所にWでだ。
 花茎はグングンのびていく!!
 「あこがれの4日間」が楽しみだ。

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「動く大地」を科学する(26) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #長池 #春日山 #住吉山 #高倉山 #日光寺山

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▼久しぶりに長池の土手に立ってみた。
 しばし長池の歴史に思いを馳せた。
 巨大な台地に大きなため池!!
 そこから見える景は、今またちがった意味をもちはじめていた。

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▼毎日のように市川の対岸から見る山々!!
 地図の等高線をなぞる作業で4つの山の高さが浮き彫りになっていた。
 南から
・春日山(飯盛山) 197.9m 
・住吉山  200.4m
・高倉山  257.4m
・日光寺山  408.8m

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▼地質図とも見比べながら、その山がいつごろどのようにしてできたのだろうか想像してみる。
 この謎解きは、今の私にはまだまだ遠い遠い道のりであった。

▼第四紀にすべてが起こったというのはほんとうだろうか。
 そして、「動く大地」の物語は、今も現在進行形!?

 ゆっくり ゆっくり急ごう!!

(つづく)

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今年はゴミグモとも仲良くしよう。(2024/06/13) #クモ学 #コガネグモ #ゴミグモ

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▼(゚o゚)ゲッ!!
 ゴミグモが、その定位置を離れていた。
 「狩り」だろうか!?
 ゆっくり観察する間もなくゴミ屋敷(失礼!!)の定位置にもどった。

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▼コガネグモは10号まで来ていた。
 しかし、10号は「X」の「飾り」を残したまま居なくなってしまった。
 引っ越ししたのだろうか。
 ともかく、それ以降11号にはなかなか出会えていなかった。
 どうしたんだろう。
▼その点、ゴミグモはなかなか引っ越しをしない。
 ネットの中央に縦に食べかす、脱皮がら、塵芥などのゴミを並べて「ゴミ屋敷」をつくり偽装する。
 引っ越すときは、「ゴミ屋敷」を解体するのだろうか!?
 それはともかく
 観察をするこちとしてはなかなかアリガタイ!!
 「ゴミ屋敷」を発見することは簡単だからだ。
 「ゴミ屋敷」の主に直接対面するのはむつかしいが。
▼今年は、少しこのゴミグモと仲良くしてみたい。
 手持ちの図鑑(=『日本のクモ』(新海栄一著 文一総合出版))をあけてみて、びっくりした。
 ひとくちに「ゴミグモ」といってもいっぱいその仲間がいるのだ!!
 コガネグモ科ゴミグモ属
・ヨツデゴミグモ
・オノゴミグモ
・ゴミグモ
・ヤマトゴミグモ
・シマゴミグモ
・ミナミノシマゴミグモ
・クマダギンナガゴミグモ
・ヤセゴミグモ
・カラスゴミグモ
・ハマゴミグモ
・マルゴミグモ
・トゲゴミグモ

 定位置を離れていたあのゴミグモはどれだろう!?
 やっぱりクモ学はどこまでも面白い!! 

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「動く大地」を科学する(25) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #古宮 #チャート #放散虫 #付加体 #鈴の森神社

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▼前回の「駒ヶ岩」の案内板の最後にこうあった。
「辻川にある鈴の森神社の氏神である鈴の森明神が神馬に乗って駒ヶ岩から古宮に向かって跳んでいったと伝えられており、その際にできた蹄跡が残っていると言われています。」
 その「古宮」に行ってみることにした。
 「古宮」とは、この南東にある「鈴の森神社」の旧の宮があったとされているところだ。

▼ずいぶん以前になるが訪れた記憶があった。
 記憶もうすれ、まわりの様子もずいぶん変わってしまっていた。
 周辺をうろうろしたが行き着けず、近くで農作業をする人に尋ねてやっとたどり着いた。
 教えてくださった方は、作業をやめて近くまでつれていってくださった。
 深謝。
 「古宮」については、『はりま山歩き』の橋元正彦さんのページがとても参考になった。
 
◆福崎町「古宮」のチャート岩体 - 兵庫の山々 山頂の岩石

▼田んぼのなかに忽然と大きな岩体がというふうではなくなっていた。
 それにしても、こんなところに「チャート」の大きな岩体とは!?
 「チャート」とは、放散虫の遺骸が積み重なってできた岩石。
 遠い遠い海の底で堆積していった堆積物がなぜここに!?
 それはいつごろのことなんだろう!?
 海洋プレートの沈み込みによる付加作用!?
 私にはまだまだよくわかっていなかった。
 私の「動く大地」の謎解き物語は、まだまだつづきそうだ。

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▼このすぐ近くには「鈴の森神社」「柳田國男生家」へつづく道があった。
 さあ、次はどこに行こうかな。

(つづく)

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「動く大地」を科学する(24) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質図 #駒ヶ岩 #丹波層群 #中生代ジュラ紀 #砂岩頁岩 #チャート

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▼ そこの案内板にも確かにそうあった。
 あの柳田國男も「故郷七十年」のなかで次のように書いていると。

 市川の川っぷちに駒ヶ岩というのがある。今は小さくなって頭だけしか見えていないが、昔はずいぶん大きかった。高さ一丈もあっただろう。それから石の根方が水面から水面から下へまた一丈ぐらいあって、蒼々とした淵になっていた。

 さら案内板には、
「國男兄弟は、夏になるとこの岩の上で衣を脱いで、そばの淵で泳いだり、うなぎの枝釣りをして遊びました。また、市川で泳いでいるとガタロ(河童)が出て、お尻を抜かれるという話をよく聞かされたそうです。」
 とつづいていた。
 
▼河川公園の方を歩いていて、対岸に見えるあれがそうだろうと気づいたので行ってみたくなった。
 橋を渡り、対岸にいって「駒ヶ岩」を確かめてみた。
 道路には、標識もしっかり出ていた。
 近くには、大きな案内板もあった。

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▼いかにも硬そうな大きな岩体である。
 岩石は、丹波層群の砂岩頁岩の互層であるという。
 砂岩は緻密でいかにも硬そうである。
 この硬さで、長年市川の浸食に耐えてきたのだろうか。
 そう言えば、今も川底に同じような岩石がみられるところもある。

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▼えっ「丹波層群」!?
 「福崎町史」では、「丹波帯」について次のように記してあった。

丹波帯は福崎町で最も広い範囲を占め、町の中央部の基盤を形成している。本帯は約2億年前の中生代ジュラ紀はじめの地層からなるが、この地層は泥起源の頁岩や粘板岩のなかに、しばしば海底火山でできた緑色岩、暖かい海で形成された石灰岩、同じく海でつくられるチャート、それに砂岩などがはさまれている。

 案内板にはもうひとつの話が書かれていた。  
「辻川にある鈴の森神社の氏神である鈴の森明神が神馬に乗って駒ヶ岩から古宮に向かって跳んでいったと伝えられており、その際にできた蹄跡が残っていると言われています。」
 どれがその「蹄跡」なんだろう!?

 さあ、次はこの「古宮」だろうか

(つづく) 

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【お薦め本】『変動する日本列島』(藤田和夫著 岩波新書)

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▼これまでに、今年になって10冊の【お薦め本】をあげてきました。
 それらは、自分なりに読んでみて、面白いと感じたことを中心にお薦めポイントをあげて来ましたが、今回はすこしちがうことをねらってこれを書いてみることにします。
 
▼あげるのは、ほぼ40年前に出された新書本です。

◆【お薦め本】『変動する日本列島』(藤田和夫著 岩波新書 1985.6.20)

 ひょっとしたら、多くのひとの本棚のすみに眠っているかも知れません。
 調べてみたら、今も古書店で安価に入手可能でもあるようです。
 手許になければ、この際入手をお薦めします。 
 
 今回はちがうと言っておきながら
 いつものように無理やり、お薦めポイント3つあげれば次のようになります。
 今回の私のほんとうの「ねらい」は(3)にあります。

(1)私の「動く大地」の物語の「原点」がここにある。
(2)「動く大地」を科学する を進めるためのヒントを与えてくれる。
(3)この本の「その後」が知りたい。

▼では少しだけくわしく行きましょう。
 
(1)私の「動く大地」の物語の「原点」がここにある。
 私の拙い「授業」の取り組みの一端はここに記録していた。

◆【大地の動きをさぐる】実践DB目次
~大地の動きを「現在進行形」でとらえよう~

初期のプラン・授業実践を見れば一目瞭然だった。
 ・近畿トライアングル(同書P7~等他所で)
 ・「山崎断層」地震 (同書P67~74)等など
 この本の影響をもろにうけていた。
 今読み返してみても「原点」はここにあったのかと納得するばかりである。
 なにしろこの本は、著者が提唱した「近畿トライアングル」からはじまっていた。
 また、1995年1.17の兵庫県南部地震の後、いちはやく
【理科の部屋】オンライン学習会第2期(1995.4~1995.10)のテキスト
 としてとりあげたのもこの本であった!!
私の「動く大地」の物語の「原点」がここにあると思わせてくれるのである。

 
(2)「動く大地」を科学する を進めるためのヒントを与えてくれる。
 私は、今 自分の暮らす地域(大地)を舞台にした「動く大地」の物語を描きたいと思っている。
 もっと言えば、今、視界の中にある「あの山」「あの川」「その坂道」「その風景」の物語を知りたいと思っていた。
 その点、著者は西日本を中心した「日本列島」の変動を語っておられる。
 これはアリガタイ!!
 比較的見慣れた「風景」の物語になっているのは、「これから」にも多くのヒントがもらえる。

▼さあ、これを書いているほんとうの「ねらい」ところに行こう。
(3)この本の「その後」が知りたい。
 この本の最終章「日本山脈」の最後をつぎのようにしめくくっていた。

 第四紀地殻変動の産物である日本列島は、その箱庭的自然の美しさと同時に、その背後にもろさを秘めている。自然は、短期間をとれば静止しているようにもみえるけれども、数十年、数百年、数千年の単位でカタストロフィックな変化をともないながら動いている。そして数万年、数十万年単位では、より大きな変動をしてきたのである。これが自然のむしろ正常な動きであることを知り、その様相を正しく理解しながら列島の開発をはかる智恵を、われわれは持たなければならない。(同書 P226より)

 こう書かれてほぼ40年である。
 その後、この本に書かれていた内容について、さらにあらたな知見が加わったということはあるのだろうか。
 この分野に疎い私はよく知らないが、この本の後を受けるような本はでてきたのだろうか。 シロウトの私にもよくわかるこの本の続編のようなものはないのだろうか。
 教えてください!!
 これが、今回の【お薦め本】のほんとうのねらいです。
 あなたの【お薦め本】を教えてください。
 よろしくお願いします。

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【Web更新6/9】24-23 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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明日託し光り受けるや花柘榴 24/06/08撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】24-23
週末定例更新のお知らせ
 植田に雨が降る!!
 そんな季節だ。
 少し暮らしのリズムがくるってきそうな季節でもある。
 こんなときはなおさら  
 ゆっくり ゆっくり なのかもしれない。

◆表紙画像集2024 更新 花柘榴
 庭の花柘榴が、曇天に灯りをともすように咲いてきた。
 少しははやい遅いはあってもやっぱり律儀に。
 秋にはどれだけの柘榴の実ができるだろう!?
 このアタリマエ、可能な限り見ておきたいものだ。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「動く大地」を科学する やや間歇的にはなってきているがつづけている。
 何度繰り返しても、なかなかこの時間のスケールが頭にはいってこない。
 どうやら「第四紀」こそが問題のようだ。
 それは地球の歴史から言えば、ごくごく最近のこと!?

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 6月のテーマは「寅彦と科学と文学」
 私には縁遠いテーマにも思われるが、どこか惹かれるものを感じるのはどうしてだろう。

 
 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから10週目である。
 立葉の数もふえてきて池はにぎやかになりつつある。
 葉のうえを降った雨粒が転がる!!
 これだけでもなかなかのミモノである。

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「動く大地」を科学する(23) #動く大地 #現在進行形 #科学する #姶良火山灰層 #等高線 #山地形成 #新生代第四紀 #最終氷河期

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▼頭は完全に「0」ベースに逆戻りしてしまっていた!!
 なにから、どう手をつけていいのやらすっかり迷ってしまっていた。
 実に単純な作業からはじめてみた。

 町全体の地図(1/25,000)で、等高線50mごとにエンピツでなぞってみた。

 ルーペ片手に、ゆっくり ゆっくり
 これがなんとも楽しい作業となった。
 
▼はじめて気づくことも多かった。
 見えている山の高さも実感できた。
 思わぬ「発見」も多かった。

 ずっと捜している場所があった。
 「矢口奥池」!!
 人に問えばすぐ教えてもらえることかも知れなかった。でも、やっぱり自分で捜してみたかったのだ。
 「町史」には、次のようにあった。

 たとえば矢口奥池にそそぎ込む小川沿いに発達した扇状地堆積物中からは、2万4000年前に南九州の姶良火山の爆発の際に飛来した、AT火山灰層(厚さ20㎝)ほかが見出され、町域の麓屑も近隣地域と同様、最終氷河期中の形成であることが実証された。

▼そうだあのAT火山灰層だ!!
 いちどはあきらめかけていたが、やっぱりそこに行ったみたくなった。

◆「姶良火山灰を追え」

▼いろな人に教えてもらいながら、やっとその場所についた。
 残念ながら、周り様子はすっかり変わり、「姶良火山灰」には出会えなかった。
 しかし、まだあきらめたわけではなかった。
 
 地図で確かめ「現地」に行ってみる!!
 それだけでけっこう楽しいフィールドワークだ。

(つづく)

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「動く大地」を科学する(22) #動く大地 #現在進行形 #科学する #地質時代 #市川誕生物語 #新生代新第三紀 #新生代第四紀

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▼「動く大地」の物語を、今自分の暮らす「大地」を舞台に具体的にイメージしようとするがなかなかむつかしい。
 まわりに見える山や川の物語に興味がある。
 もう一度、まったくの0から出発してみよう。
▼幸か不幸か、自由に自動車を乗り回すことができなくなってしまった。
 せいぜい「自転車」でがやっとだった。
 ここは思い切って、「歩く」でいくことにした。
 市川沿いを、今まで歩いたことなかったコースで歩いてみた。
 はじめて見る風景だった!!
 見慣れた山も、ちがった角度から見ればちがった風景だった。

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▼そうだ!!
 この「市川誕生物語」に焦点をあてて、いままでにあげてきたことを再度繰り返してみよう。
 まずは「町史」からである。
◆「福崎町史 第三巻」資料編Ⅰ  
 「福崎の地史」から

●新生代新第三紀(約2500万年前から約200万年前まで)
・いまから約2500万年前、福崎付近は多分現在のアジア大陸の一部だった。
・その陸地は侵食が進み、起伏の少ない準平原であった。
・この準平原にまだ市川は、いまの状態では流れていなかった。
・その先に瀬戸内海もなかった。
・しかし、1700万年前ごろから大地は裂けはじめ大陸からの分離が開始される。
・いわゆる日本海の誕生である。
・約1600万年前の中新世中期のころ、ばらばらになった陸塊が南東の方向に移動。
・福崎町の南には太平洋からいり込んでできた海が岡山、広島、島根の各県を横切り多島海を形成しながら日本海につながった。
・瀬戸内海、それも第一瀬戸内海のはじまりである。
・この海も約1000万年前になると土地の全般的な上昇にすっかり干上がってしまった。
・中新世後期から鮮新世前期、約5~600万年前になると土地の上昇にともなって火山活動がはじまる。
・福崎町にほど近い宍粟郡のダルガ峰(千種スキー場)はこのころの火山。
・鮮新世の中期から後期、約200~300万年前になると、いまの瀬戸内海の付近で局地的な沈降がはじまる。
・湖沼が点在しはじめる。
・この湖沼群の一部に太平洋からの海水が進入して第2の瀬戸内海が形成される。
・市川が現在のように流れはじめたのは、このころからである。
・このようにして時代は第四紀に移っていく。
・この時代になって日本列島は東北日本と西南日本がしっかりと結合し、現在の場所に位置するようになった。
・もちろん、今日われわれになじみのある風景も、この時代に完成された。

▼では、その「新生代第四紀」にいては、
『石と地層と地形を楽しむ はりま山歩き』(橋元 正彦著 神戸新聞総合出版センター)   
「はりまの大地はどのようにしてできたか」(同書P7)
を再度参考にさせてもらおう。

(5)山が高くなり、段丘や沖積平野ができた(260万年前~)
・今から260万年頃より新しい時代を第四紀という。
・第四紀は氷河時代であり、氷期と間氷期が繰り返し訪れた。
・今の瀬戸内海あたりは、新第三紀鮮新世の終わり頃(300万年前頃)から沈降をはじめていて、細長い湖ができていた。
・120万年前になると、ここに海水が進入をはじめます。
・その後、氷期と間氷期の繰り返しによる海面の昇降によって、海が入ったり退いたりを繰り返し、やがて東から播磨平野まで海が進入するようになった。
・この300万年前頃からできた地層を大阪層群という。
・大阪層群は、播磨では明石市や小野市、三木市などで見られます。
・日本列島は、300万年前頃から東西に圧縮され、西日本でも山地が隆起をはじめた。
・六甲山地の上昇は100万年前ぐらいから本格化した。
・播磨の大地はその影響を受けて東が隆起、西が沈降するという運動をするようになった。
・加古川流域では、この大地の隆起と周期的な海水面の変動によって、河川や海岸に沿って何段もの段丘がつくられた。
・一方、たつの市から西の海岸や家島諸島では、大地の沈降によって複雑に入り込んだ海岸が地形がつくられました。
・氷期には、寒冷な気候を反映した地形がつくられた。
・峰山高原や段ヶ峰周辺などに見られる化石周氷河斜面や岩塊流などです。
・氷期には海面が下がったために、大地に深い谷が刻まれました。
・ 完新世(約1万年前~現在)に入ると、最後の氷期も終わり、海面は徐々に上昇していった。
・それによって、かつて谷だったところや河口付近に泥や砂や礫がたまった。これが沖積層である。
・海面の上昇は縄文時代の今から6000年前が最大で、海は今の平野部に進入していた。
・その後、海が退き沖積層は広い平野となった。

 なんでもゆっくりな私は、やっと少しずつ少しずつ「市川誕生物語」の景がみえてくるのだった。
 ゆっくり 急ごう!!
(つづく)

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本日(2024/06/07)、第381回オンライン「寅の日」!! #科学と文学 #traday #寺田寅彦

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▼今年も身近にやってきたコガネグモは、はや10号にもなっていた!!
 じっくり観察できると喜んでいたら、「X」の「飾り」だけ残して居なくなってしまった。
 「引っ越し」だろうか!?
 それとも!?
 「引っ越し」なら、たて糸とも横糸ともちがう特製の「飾り」を回収せずにとはモッタイナイ!!
 家主の居ないのにシロカネイソウロウグモだけか居た!?
 シロウト「クモ学」は、観察したことをまず「記録」することからはじめたい。

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▼本日(2024/06/07)は、第381回オンライン「寅の日」である。
 6月テーマは

【6月テーマ】「寅彦と科学と文学」

 である。
 読むのは 2回ともズバリ「科学と文学」である。本日はその1回目。


◆本日(2024/06/07)は、第381回オンライン「寅の日」!!

● 「科学と文学」(1)(青空文庫より) 

▼実に長編の作品である。
 寅彦自身も最後に記しているように、これは一つの「実験ノート」である。
 各自が自らの「文脈」に引き寄せながら読むのがふさわしいのではないかと思っている。

 自分に響いてくるところを、私の「文脈」に引き寄せてピックアップさせてもらおう。

全くそのころの自分にとっては科学の研究は一つの創作の仕事であったと同時に、どんなつまらぬ小品文や写生文でも、それを書く事は観察分析発見という点で科学とよく似た研究的思索の一つの道であるように思われるのであった。

象形文字であろうが、速記記号であろうが、ともかくも読める記号文字で、粘土板でもパピラスでも「記録」されたものでなければおそらくそれを文学とは名づけることができないであろう。

 ここで登場する「記録」こそ、私には最高のキーワードに思えるのだった。
人間霊知の作品としての「学」の一部を成すところの科学はやはり「言葉」でつづられた記録でありまた予言であり、そうしてわれわれのこの世界に普遍的なものでなければならないのである。

 言葉としての科学が文学とちがう一つの重要な差別は、普通日常の国語とはちがった、精密科学の国に特有の国語を使うことである。その国語はすなわち「数学」の言葉である。

 そして、うんと納得する次のコトバにつながるのだった。
一方で、科学者の発見の径路を忠実に記録した論文などには往々探偵小説の上乗なるものよりもさらにいっそう探偵小説的なものがあるのである。実際科学者はみんな名探偵でなければならない。

▼さらに次なるキーワードへと展開される。

 歴史は繰り返す。方則は不変である。それゆえに過去の記録はまた将来の予言となる。科学の価値と同じく文学の価値もまたこの記録の再現性にかかっていることはいうまでもない。

 そして、「お気に入り」のコトバがここで出てくる。
 顕微鏡で花の構造を子細に点検すれば、花の美しさが消滅するという考えは途方もない偏見である。花の美しさはかえってそのために深められるばかりである。花の植物生理的機能を学んで後に始めて充分に咲く花の喜びと散る花の哀れを感ずることもできるであろう。

これこそが、寅彦のスタンスと言ってよいのだろう。
そして、科学者の役割を次のように提言していた。
 それで、そういういろいろな物の見方に慣れた科学者が人間界の現象に対してそういう見方から得られるいろいろな可能性を指摘してそれに無関心な世人の注意を促すということは、科学者としてふさわしいことであって、そうしてむしろ科学者にしてはじめて最も有効に行ない得らるる奉公の道ではないかとも考えられるのである。

 さらに具体的に次のように言っていた。
科学者が科学者として文学に貢献しうるために選ぶべき一つの最も適当なる形式はいわゆるエッセーまた随筆の類であろうと思われる。

 科学的「エッセー」「随筆」が、ここにおける最大のキーワードである。
 実はここを言いたいがために、私には「科学と文学」を書いたのではと思われる。
 さらに詳しくは、次回につづけたい。

 私も私なりのシロウト「クモ学」を「記録」し、「随筆」が書けたらいいのにな。

(つづく)

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【Web更新6/2】24-22 Webテキスト『天気の変化』の可能性!?等 更新!!

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吟行のあらたな路や白十字 24/06/01撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】24-22
週末定例更新のお知らせ
 6月最初の週末定例更新である。
 毎週きまった曜日にきまったモノの「ゴミ出し」をする。
 それにあわせて、断捨離を決行したいところであるが、なかなか進まない。
 それはなに!?
 未練それとも…!!

◆表紙画像集2024 更新 ドクダミの花 白十字
 あらたな「ひとり吟行」のコースをみつけた。
 これがなんともいい!!
 川沿いである。みえてくる景はいっぺんしていた。
 路地のドクダミの花が、真っ白く新鮮に見えた。
 
◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 毎月の「雲見」と「俳句歳時記」だけの更新である。
 タイトルのWebテキストの新展開を期待しつつも。
 
◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「5.30 あれから40年!!」が、今の「動く大地」を科学するにつながるものでありたい。
 【お薦め本】は今年10冊目!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 子規庵の糸瓜(6年目)の植え替えをした。
 糸瓜忌に間に合うかな。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから9週目。
 立葉が元気よくのびてきた。
 葉にはみごとな撥水作用で水玉がころがっている。
 これを見ているだけでも面白い。

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2024年6月(水無月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼今年もやっぱりあのジャガイモの実をみつけた。
 まるでミニトマトだ!!
 あんなにみごとにいっぱい花が咲いていたのだから、実ができてアタリマエ!!
 そんなアタリマエを「科学」したい。
 その「科学」と「俳句」をツナグ!!
 それはとんでもない無謀なことなんだろうか!?

▼さあ、今月もそのための名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。

(1) みなぎりて水のさみしき植田かな 草間時彦
(2) 勾玉の深みどりなる梅雨入かな 秋篠光広 
(3) やはらかき紙につつまれ枇杷のあり 篠原 梵
(4) 紫陽花やはなだにかはるきのふけふ 正岡子規
(5) 名を書いてわが形代となりにけり 大石悦子
(6) 夢を見るために置きたる蛍籠 山本一歩
(7) 短夜の赤子よもつともつと泣け 宇田喜代子
(8) 一碧の水平線へ籐寝椅子 篠原鳳作
(9) 嘴の潰れてゐたる荒鵜かな 辻 恵美子
(10) 五月闇隠岐の漁火かも知れず 森田 峠

▼さて、次は今月もまたシロウトの「選句」修業である!!
 
【私の選んだ名句ベスト3】

(1) みなぎりて水のさみしき植田かな 草間時彦

(6) 夢を見るために置きたる蛍籠 山本一歩

(4) 紫陽花やはなだにかはるきのふけふ 正岡子規

【次点】

(3) やはらかき紙につつまれ枇杷のあり 篠原 梵

【選評】
・これぞ今の前の田の景だった。「水のさみしき」とは!!
・麦わらで編んだ「蛍籠」を思いだした。
・客観写生と「科学」!!ここにテーマをみる。

・「やはらかき紙」と言っただけで、あまりにも多くを語っていた。

▼「科学する」と「俳句」を詠むをツナイデみたい。
 とんでもないシロウトの挑戦が続く。
 人の挑戦をみるのもまたオモシロイものである。
 それらすべてをひっくるめて「句会」参加は面白い!!
 さあ!!

◆第46回オンライン句会「寅の日」6月例会案内!!


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2024年6月(水無月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼前の田の田植えは終わった。
 さあ、6月(水無月)の「雲見」だ。
 6月の「雲見」を予想する前に5月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴   6      
・巻雲   3  
・巻積雲  0  
・巻層雲  6       
・高積雲  0   
・高層雲  1   
・層積雲  0    
・積雲   6     
・層雲   0
・乱層雲  8 
・積乱雲  1

  一日一枚のシールを原則としている。実際は迷うことがおおかった。
  5月で目立ったのは、「乱層雲」8と「巻層雲」「快晴」「積雲」6だ!!
  全体として、よく雨が降ったという印象である。
  5月もアメダスの記録(「福崎」)から最高気温~最低気温をメモしてみた。
 「夏日」=「日最高気温が25℃以上の日」
 5月は17日もあった。
 「真夏日」はまだなかった。

▼2024年6月(水無月)の「雲見」の予想に入ろう。
 前年の天気図を参考にすることにしよう。
 では昨年の2023年6月の天気図を参考に見てみよう。

◆日々の天気図 2023年6月 (気象庁)
・昨年も台風が温帯低気圧に変わり、今年と同じようなスタートとなっている。
・「梅雨入り」はいつごろになるだろう。
・豪雨災害の起こらぬ事を願う。
・紫陽花はいつ頃開花するかな。
・ヒマワリ、子規庵の糸瓜はどこまで成長するだろう。大賀ハスは!?
・もくもくシール多くなるのは何かな!?

▼次は「雲見」の旅 計画だ。
【2024年6月 「雲見」の旅】
・6月も「雲見」の旅は「動く大地」を科学する とセットで!!
・近くの「小さな旅」をいっぱいやりたい。
・あらたなひとり吟行のコースをみつけた!!
・列車での「雲見」の旅は計画中!!(四国)

▼あらたな吟行コースは、川沿いである。
 あらたな景の発見につながることを期待している。
 「雲見」と防災・減災をツナゲル季節でもある。

 どんな「雲見」ができるか楽しみである!!
 

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