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本日(2024/05/14)、第379回オンライン「寅の日」!! #雑感 #理科教育 #traday #寺田寅彦

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▼不思議なものである。
 ずっと見慣れた「風景」が、まったくちがう景に見えてきた。
 その景に、なにか意味あるようにも思えてきた。
 それは、きっと「動く大地」を科学する をはじめたことと関係あるにちがいない。
 「科学する」とは そんなことなのかも!?

▼本日(2024/05/14)は、第379回オンライン「寅の日」である。
 5月テーマは、4月テーマにひきつづき

【5月テーマ】「寅彦と科学教育」

 である。
 本日はその2回目、読むのは 「雑感(『理科教育』より)」である。


◆本日(2024/05/14)は、第379回オンライン「寅の日」!!

● 「雑感(『理科教育』より)」(青空文庫より) 


▼前回の「研究的態度の養成」から、10年がたっていた。
 同じく『理科教育』への寄稿であった。
 体験的「理科教師論」からはじまっていた。

それは教科書や講義のノートの内容そのものよりも、むしろそれを教わった先生方から鼓吹された「科学魂」といったようなものであるかと思われる。
 ある先生達からは自然の探究に対する情熱を吹き込まれた。ある先生方からは研究に対する根気と忍耐と誠実とを授けられた。

 科学教育の根本は知識を授けるよりもむしろそういう科学魂の鼓吹にあると思われる。しかしこれを鼓吹するには何よりも教育者自身が科学者である事が必要である。先生自身が自然探究に対する熱愛をもっていれば、それは自然に生徒に伝染しないはずはない。実例の力はあらゆる言詞より強いからである。

ただ先生自身が本当に自然研究に対する熱があって、そうして誤魔化さない正直な態度で、生徒と共に根気よく自然と取込み合うという気があれば十分である。先生の知識は必ずしもそれほど広い必要はない。いわゆる頭の良い必要はない。

 私などそう言われると、ほっとするのだった。

▼それだけでない。きわめて示唆的な提言もしてくれていた。

先生自身の題目の研究をした方がよいと思う。先生自身の研究の挿話は生きた実例としてどれだけ強く生徒に作用するか分らない。

 間違いを教えたとしてもそれはそれほど恥ずべき事ではない。また生徒の害にもならない。科学の歴史は一面から見れば間違いの歴史である。間違える事なしには研究は進められない。誤魔化さないことだけが必要である。

何でも手近な題目を取扱い、そうして、自然が如何に分らない事だらけであるかという事、その分らない事が、熱と根気で向って行けば少しずつ少しずつ分って行く事、その少しずつ分って行く少なくも分ったような気がして行く事が如何に愉快なものであるかという事などを実習したらいいだろうと思う。先生の分らない事は大抵誰にも本当はよく分らない事である。分らない事は恥でも何でもない。分らない事を分ったような顔をするほど恥ずべき事はない。

 そして、またもうひとつの提言もしていた。
 手近い実例の人を動かす力は偉大なものである。そういう意味で、教師は時々は我邦(わがくに)の科学者の研究を生徒に紹介するがいいと思う。遠い西洋の大学者の大研究よりも手近い日本の小学者の小研究の方が遥かに切実な印象を日本の生徒の頭脳に刻みつけるであろう。そうして生徒自身の研究慾を誘発するであろう。

96年前の文章である。
もちろん時代背景もちがう。
しかし、時空を超えて、今なお有効なこともいっぱいあるのでは!?   

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