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【お薦め本】『石は元素の案内人』(田中陵二 文・写真 福音館)

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▼ちょっと恥ずかしい話だが、私は正直言って、ごく最近まで「青空」と「原子論」が頭のなかでつがっていなかった!!
「青空」のわけが「レーリー散乱」で説明ができても、それと「原子論」は別の話という認識だった。
 このアタリマエがなぜ!?

▼同じようなアタリマエが、認識できていなかったのでは!?
 そんなことを思わせるタイトルの本にであった。
 それが、今回の【お薦め本】である。

◆【お薦め本】『石は元素の案内人』(田中陵二 文・写真 福音館 2024.1.10たくさんのふしぎ傑作集)

 月刊「たくさんのふしぎ」の傑作集として、このたび発刊された本書は実に面白い!
ぜひとも手にしたい一冊だ。
 例によって、お薦めポイント3つを最初にあげておく。

(1)「石」と「原子論」をツナイデくれる本だ!! 
(2)著者自らが撮った豊富な写真が美しくすばらしい!!
(3)徹底して、「元素」にこだわりつづける実験に感動だ!!

▼ではひとつずつ少し詳しくふれていきます。 

(1)「石」と「原子論」をツナイデくれる本だ!! 
アタリマエすぎるほどアタリマエのこと!!
 でもついつい抜けてしまっていること。著者は巻頭でそのことを再認識させてくれていた。

空や地面や自転車、あなたやわたし。パン、水、塩や砂糖、鉛筆、黒板、窓ガラス、草、木、犬やパソコン、そして空気。今あなたの目にうつるこの世界のすべてが、たった90種類の「元素」組み合わせでできています。
 元素とは、それ以上分けることのできないろ、目には見えない小さなつぶのことです。 (中略)
 どれもちがってみえる、この世界のあらゆるものが、ほんとうにそんなかぎられた元素からからできているのか? そもそも、この世界はほんとうに“つぶ”でできているのか? じつは、それをおしえてくれるヒントをにぎっているのが、石なのです。石をながめながら、いっしょに考えてみましょう。(同書P2より)

このコトバがすべてを語っていた。

・塩、鉱物の世界へ
・自然のなかから元素を集める
・元素の結晶たち
・この世界のもと (元素の周期表)
 次々と展開していく話はどれもすばらしい!!すごい説得力を持つ!!

著者の「原子論」へのこだわりは随所に見られた。 
一例をだけ引用させてもらおう。

 水晶にかぎらず、鉱物の結晶の種類により、となりあう面と面がつくる特徴的な角度はそれぞれきまっています。これを「面角一定の法則」といいます。結晶が、原子のあつまった精緻でくるいのない小さな小さなジャングルジムのつみ重ねでできている、わたしたちの目にも見える証拠です。(同書P21より)

 石(結晶)が、「原子論」を可視化してくれているのです!!
 アリガタイ!! 

 最後のページの作者紹介に次の一文があった。
「2023年、チームで発見した光る新鉱物「北海道石」が世界的な機関に新鉱物として認められ、この石の筆頭記載者、命名者となった。」
なに、あの「北海道石」の!!
なるほど、話の展開の仕方がうまいのも納得がいく。
授業の展開の仕方にも大いに参考になりそうである。

(2)著者自らが撮った豊富な写真が美しくすばらしい!!
 (1)のポイントと深く関係するが、ともかく話の展開がうまい!!
 誰にもわかりやすく説得力をもつ。
 すべての写真は著者の撮ったものだそうだ。
 文の展開に沿ったリアリティのある写真が多いのはそのせいだろう。
 写真はどれもとても美しくすばらしい。
 極めつきは巻末の「元素の周期表」だ。

この世界のもと 元素の周期表
 この周期表は、各元素を私が撮影した写真でつくりました。
周期表とは、すべての元素をならべて、にた性質のもので分類した表です。
およそ、原子ひとつのおもさの順番にならんでいます。
自然界は、92番ウランまでの90種の元素でできています。
 (43番テクネチウムと61番プロメチウムをのぞく)
原子番号93番以降の元素は、すべて人工的につくりだされた元素です。
 (同書p46-47 より)

 これは付録にしては豪華すぎる!!
 これを見るためだけで、この本を手に入れても損はしない!!


▼最後の3つ目だ。
(3)徹底して、「元素」にこだわりつづける実験に感動だ!!
 これが、ひょっとしたら最高のお薦めポイントかも知れない。
「自然のなかから元素を集める」が最高に面白い!!
・鉄をとりだしてみよう
・銅をとりだす(孔雀石から)
・ヨウ素をとりだす
 実験のあとこうまとめています。

 実験からわかるように、わたしたちの身近にある元素といえども、自分ひとりの力でとりだすのはそう簡単ではありません。それでも、やってみると過去の人びとの苦労が体験できます。そして、鉱物と元素のたしかな結びつきをかんじられます。自分で元素の結晶をとりだすのはおもしろいなぁ、とわたしは思います。(同書P35より)

最高に気に入ったのは
・原子になるまで割ってみよう(同書P36より)
岩塩(約2センチ)を繰り返し半分に割っていきます。
半分に、またその半分に…ずっとずっと写真が出ているんです。   
 これがとってもいいですね。!!
 そして、こう言います。
 もし、これを77回くりかえせば、ひとつのナトリウム原子とひとつの塩素原子の組にまで小さくできることでしょう。(同書P38より)

 半分21回まで写真をとっているから説得力ありますね!!
 「半分72回目ぐらいの大きさ」
 として、特別な電子顕微鏡の写真まであげているんですね!!
 この「こだわり」好きですね。

 『石は元素の案内人』にナットクです!!

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