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本日(2023/10/11)、第360回オンライン「寅の日」!! #日常身辺の物理的諸問題 #traday #寺田寅彦

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「大気の物理学的実験室」!!

 私は、このコトバが大いに気に入っていた。
 誰かに教えてもらったのだろうか。それともどこかに書いてあったのだろうか!?
 今となってはわからない。ともかく自分の暮らす「空間」をこう表現することが大好きだった。
 
 「天気の変化」のすべては、この「実験室」のなかで起こった!!

▼本日(2023/10/11)は、第360回オンライン「寅の日」である。
 10月のテーマは、なんと私の大の苦手な「物理学」についてである。

【10月テーマ】「寺田物理学とは!?」

 である。本日は、その1回目。「日常身辺の物理学的諸問題」を読む。

◆本日(2023/10/11)、第360回オンライン「寅の日」!!

●「日常身辺の物理的諸問題」(青空文庫より)


▼最初にくだらない私の繰り言を。
 私は昔から、「物理」大嫌い人間だった。
 理科の教師になって、生徒たちと一緒になって「物理」を学ぶなかではじめて気づいた!!
 「物理」は面白い!! と。
 授業を離れて、久しくなると やっぱり再び「物理」が苦手になりつつあった。
 それにストップをかけてくれたのが、寅彦である。

 「物理学」と「寺田物理学」どこがちがうの!?
 前置きはこれぐらいにして、読み進めよう。

 毎朝起きて顔を洗いに湯殿の洗面所へ行く、そうしてこの平凡な日々行事の第一箇条を遂行している間に私はいろいろの物理学の問題に逢着(ほうちゃく)する。そうしていつも同じようにそれに対する興味は引かれながら、いつまでもそのままの疑問となって残っているのである。今試みにその中の二三をここにしるすことにする。

こうはじめられると、ついつい寅彦ワールドに引き込まれていくのである。
具体的な例もこうあげていた。
 

 第一は金だらいとコップとの摩擦によって発する特殊な音響の問題である。

 
 同じく摩擦に関した問題で日常おもしろいと思うものがもう一つある。それは雨の日の東京の大通りを歩いているときにしばしば経験させられることであるが、人造石を敷いた舗道が非常にすべりやすくなることがある。

 日常の「あるある」問題が、その「ふしぎ!?」が「物理学」だよと教えてくれていた。アリガタイ!!
 寅彦がこう言うから説得力を持ってくる。
 しかし私の希望するところはだれか日本人でこの方面に先鞭(せんべん)をつけてくれる人があればいいと思うのであるが、日本ではたいてい西洋の学者がまずやり始めて、そうして相当流行問題になって来ないと手を着ける人が少ないようであるから、まず当分はこれらも例の「ばからしい問題」として、私の洗面台とそうして東京の街路の上に残されることであろう。

▼さあ、いよいよ本格的な「寺田物理学」のはじまりである。

 水滴の合流するしかたの統計的方則に関しては現在の物理学はほとんど無能に近いと言っても過言ではない。これに類する多くの問題は至るところに散在している。たとえば本誌(科学)の当号に掲載された田口※(「さんずい+卯」、第4水準2-78-35)三郎(たぐちりゅうざぶろう)氏の「割れ目」の分布の問題、リヒテンベルク放電像の不思議な形態の問題、落下する液滴の分裂の問題、金米糖(こんぺいとう)の角(つの)の発生の問題、金属単晶のすべり面の発生に関する問題また少しちがった方面ではたとえば河流の分岐の様式や、樹木の枝の配布や、アサリ貝の縞模様(しまもよう)の発生などのようなきわめて複雑な問題までも、問題の究極の根底に横たわる「形式的原理」には皆多少とも共通なあるものが存在すると思われる。

つづけてこう言う。
しかし以上のいわゆる非再起的の場合でも、統計的の意味ではちゃんと決定的再起的である。そうして「方則」も統計的には立派に存在しているのである。翻って従来の決定派の物理学について考えてみても一度肉眼的領域を通り越して分子原子電子の世界に入ればもはやすべての事がらは統計的、蓋然的(がいぜんてき)な平均とその変異との問題にほごされてしまう。

 しかし、寅彦はどこまでも冷静だった。
それは私が結局何物もないところに何物かを求めているためであろうか。それがそうではない証拠にはちゃんと眼前の事象が存在している。すなわち事象は決してめちゃくちゃには起こっていない。ただわれわれがまだその方則を把握(はあく)し記載し説明し得ないだけである。

 そして、最後にこうしめくくる。
そうかと言ってみずからこれらの多くの問題のどれもに手を着けることは到底不可能である。それで私が今本誌の貴重な紙面をかりてここにこれらの問題を提出することによって、万一にも、好学な読者のだれかがこの中の一つでもを取り上げて、たとえわずかな一歩をでも進めてくれるという機縁を作ることができたら、その結果は単に私の喜びだけにはとどまらないであろうと思うのである。

 寅彦がこう書いたのは、昭和六年(1931)だ。
 今から92年も前のことである。
 今、寅彦の「日常身辺の物理的諸問題」の謎解きはどこまですすんでいるのだろう!?
 「物理学」って面白いのかもしれない!!

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