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本日(2023/07/07)、第352回オンライン「寅の日」!! #夕凪と夕風 #traday #寺田寅彦

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▼梅雨晴れ間の「雲見」も楽しいものである!!
 
 「雲見」は、大気の動きも教えてくれているようだった。
 自分が暮らす「大気の物理学実験室」が、海陸風の典型のところと知ったのは恥ずかしながら最近のことであった。

●播磨平野(姫路)の海陸風の統計的解析―海面水温との関係(河 野 仁・西 塚 幸 子)


▼本日(2023/07/07)は、第352回オンライン「寅の日」である。
 7月のテーマは

【7月テーマ】「寅彦と気象学」

 である。その1回目の本日は、「夕凪と夕風」を読む。

◆本日(2023/07/07)、第352回オンライン「寅の日」!!

●「夕凪と夕風」(青空文庫より)

▼自分の暮らす地が「海陸風」の典型の場所であることをはじめて知るのに、今回読む「夕凪と夕風」は大いに関係があった。
 この風については、長年身をもって感じながらもそう認識していなかったのだ。

 まずは「夕凪」をこう語っていた。

 夕凪は夏の日の正常な天気のときにのみ典型的に現われる。午後の海軟風(かいなんぷう)(土佐ではマゼという)が衰えてやがて無風状態になると、気温は実際下がり始めていても人の感じる暑さは次第に増して来る。空気がゼラチンか何かのように凝固したという気がする。その凝固した空気の中から絞り出されるように油蝉の声が降りそそぐ。そのくせ世間が一体に妙にしんとして静かに眠っているようにも思われる。じっとしていると気がちがいそうな鬱陶(うっとう)しさである。

この「ふしぎ!?」を寅彦はほっておかなかった。
 どうして高知や瀬戸内海地方で夏の夕凪が著しく、東京で夏の夕風が発達しているか、その理由を明らかにしたいと思って十余年前にK君と共同で研究してみたことがあった。

 
▼ここからの展開は、さすが寅彦である。
それには日本の沿岸の数箇所の測候所における毎日毎時の風の観測の結果を統計的に調べて、各地における風の日変化の特徴を検査してみたのである。その結果を綜合してみると、それらの各地の風は大体二つの因子の組合せによって成り立っていると見ることが出来る。

その一つの因子というのは、季節季節でその地方一帯を支配している地方的季節風と名づくべきもので、これは一日中恒同なものと考える。第二の因子というのは海陸の対立によって規定され、従って一日二十四時間を週期として規則正しく週期的に変化する風でいわゆる海陸軟風に相当するものである。そこで、実際の風はこの二つの因子を代表する二つのヴェクトルの矢の合成によって得られる一本の矢に相当する。
 
 さらには、こうとも言っていた。
そうして海陸の位置分布の関係でこの凪の時間が異常に引延ばされるらしい。

 きわめて納得である。
 自分の暮らす地の「アメダス」の風の「記録」を見て、さらに納得するのだった!!
 もう夏は始まっていた!!

 最後のアイロニーたっぷり文章も、寅彦随筆の魅力のひとつである。

「浮世の風」となるとこんな二つや三つくらいの因子でなくてもっと数え切れないほど沢山な因子が寄り集まって、そうしてそれらの各因子の結果の合成によって凪になったり風になったりするものらしい。
 このごろはしばらく「世界の夕凪」である。いまにどんな風が吹き出すか、神様以外には誰にも分りそうもない。

 こう語ったのは、昭和9年、寅彦最晩年の前年のことであった。

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