本日(2023/07/19)、第353回オンライン「寅の日」!! #瀬戸内海の潮と潮流 #traday #寺田寅彦
▼流体が自転している部分を「渦」といい、渦の強さを「渦度」という!!
「大気の物理学実験室」において、この「渦度」は重要な意味をもっていた。
私たちは暮らしの中で、この「渦」をよく目にする。
その「渦」のもつ意味を考えてみるのも、けっこう面白いかも知れない。
▼本日(2023/07/19)は、第353回オンライン「寅の日」である。
7月のテーマは
【7月テーマ】「寅彦と気象学」
である。その2回目の本日は、「瀬戸内海の潮と潮流」を読む。
◆本日(2023/07/19)、第353回オンライン「寅の日」!!
▼今回の流体は瀬戸内海の海水である。
まずは「キホン」から、寅彦に学んでみよう。
一体、海の面はどこでも一昼夜に二度ずつ上がり下がりをするもので、それを潮の満干(みちひ)と云います。これは月と太陽との引力のために起るもので、月や太陽が絶えず東から西へ廻るにつれて地球上の海面の高く膨(ふく)れた満潮(みちしお)の部分と低くなった干潮(ひきしお)の部分もまた大体において東から西へ向かって大洋(おおうみ)の上を進んで行きます。
このような潮の波が内海のようなところへ入って行きますと、色々に変った事が起ります。ことに瀬戸内海のように外洋(そとうみ)との通路がいくつもあり、内海の中にもまた瀬戸が沢山あって、いくつもの灘(なだ)に分れているところでは、潮の満干もなかなか込み入って来てこれを詳しく調べるのはなかなか難しいのです。
ナルホド!! アリガタイ!!
まったく基礎知識のない私などには、納得のいくうれしい説明だ。
出典が『ローマ字少年』となっていることからみても、子どもたち向けの「科学読み物」のようだ。
もちろん今日の「大人」が読んでも存分に楽しめる内容だ。
私もはじめて知ることが多かった。
東京辺と四国の南側の海岸とでは満潮の時刻は一時間くらいしか違わないし、満干の高さもそんなに違いませんが、四国の南側とその北側とでは満潮の時刻は大変に違って、ところによっては六時間も違い一方の満潮の時に他の方は干潮になる事もあります。
また、内海では満干の高さが外海の倍にもなるところがあります。このようにあるところでは満潮であるのに他のところでは干潮になったり、内海の満干の高さが外海の満干の高さの倍になるところのあるのは、潮の流れが狭い海峡を入るために後れ、また、方々の入口から入り乱れ、重なり合うためであります。
このような訳ですから広い灘と灘を連絡する海峡の両側の海面の高さが時刻によって著しく違うようなところも出来ます。そうすると水面の高い方から低い方へ海の水が盛んに流れ込むので強い潮の流れが出来ます。瀬戸内海にはこのような場所が沢山にあります。
▼納得のできるうまい説明が続く。そして、いよいよ「鳴門の渦潮」へと迫っていく。
このほか名高い瀬戸や普通の人の知らぬ瀬戸で潮流の早いところは沢山ありますが、しかし、何といっても阿波(あわ)と淡路(あわじ)の間の鳴門なるとが一番著しいものでしょう。この海峡は幅がわずか十五町くらいで、しかもその内に浅瀬の部分があるので深いところは幅五町くらいなものです。この瀬戸の両側では潮の満干が丁度反対になるので、両側の海面が一番喰い違う時は高さが五尺ほど違います。
流れの最も強い下流の方には方々直径七、八間(けん)ほどの漏斗(じょうご)形の大渦巻が出来ます。
さらにうれしいことには、いつものように「科学する」に誘ってくれます!!
これからだんだん暑くなりますから、田圃(たんぼ)の小流れのようなところで、板片(いたぎれ)などで水を堰(せ)き止めて早吸の瀬戸や鳴門の模様をこしらえてみるのも面白かろうと思います。
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