「植物の世界」を科学する(16) #植物の世界 #光合成 #デンプン #植物とタンパク質 #タンパク質 #延原肇
▼私にとって、ながい間「いつかは」と思いながら、そのままにしてきてしまった「宿題」がいくつかあった。
「植物の世界」にも、そのひとつがあった。
◆「タンパク質を教えよう」(延原 肇『理科教室』1979年11月号P90~)
▼少し古い話なので、少していねいにその文脈を追ってみよう。
先生方は、観察のあと、「学校のまわりの植物は、でたらめにはえていると思ったのに、光のとり合いという単純な法則で貫かれているとは」とたいへん驚くとともに、学校のまわりの自然を見通せたよろこびを語っていた。(同書P90より)
つづけてこう言われていた。
そこでは全部の先生が光合成を中心に系統化したいと主張された。種子をたくさん作るのも、激しい光のとり合い競争とむすびつけて考えねばならない。きびしい環境は光とり競争がおこらないようにするが、環境に対する適応が要求される。何をとっても、直接・間接に光合成につながる。(同書P90より)
ここまでは、大いに納得できる話であった。
▼ところが、ここで一人の子どもの疑問からの問いかけがあった。
「ジャガイモは、養分を葉で作ることはわかった。だけどデンプンは水にとけないでしょう。どうして葉から根のほうにいくのだろうか。植物は光合成で養分をつくるけど、それをたべる毛虫はデンプンでからだができているのだろうか。草を食う牛はタンパク質でできているのに、草にはデンプンしかない。おかしい」というのである。たった一人の疑問だったが、その波紋は学級にひろがり、今までの学習効果に水をさすことになった。ジャガイモで光合成を教えるのは割合スムーズにいくが、単に肥料=養分説を否定するだけでよいのだろうか。(同書P91より)
ナルホドである。
今読んでみてもたしかに説得力をもつ。
▼そして、この提案へとツナガルのである。
このとき、タンパク質を持ちだしたのである。この前に、サークルで植物のタンパク質さがしをやった。私は、植物にタンパク質があると思うかとサークルの先生方に聞いた。みんな、タンパク質はもっていないという。そこで、ニンヒドリン反応で、路ばたからとってきた雑草のいろいろな部分をつぶして反応をしらべた。みんな、「あっ」といって驚いたのである。 (同書P91より)
今では、自分たちでもこの追体験をしたのかも忘れてしまっていた。
(つづく)
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