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【理科の部屋】30周年記念オフ は11/23(祝・木)!!(2023/06/30版) #理科の部屋 #30thrika #記念オフ

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▼本日で、6月が終わる。
 2023年の「折り返し地点」ということになる。
 夏休みの計画等を考えられているころだろう。
 2023年の後半の計画も、夏休みにはじっくり考えたいものだ。

▼2023年の後半の最大のイベントとしては、【理科の部屋】30周年記念オフが企画されている。
 何度も案内しているところですが、現時点でわかっている範囲でのことを再びあげておきます。

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■【理科の部屋】30周年記念オフ

【日時】2023年11月23日(祝・木)午後~

【会場】 ナリカ(旧中村理科)
        (東京都千代田区外神田・最寄駅:JR御徒町など)
     
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▼<内容>について、まだ決まっているものはないのですが、ぼんやりと頭にあるものをあげると次のようなものです。
 ・【理科の部屋】30年の歩みからうまれた理科教材
 ・【理科の部屋】30年の歴史のなかで展開された【企画】モノ!!
 ・「これから」の【理科の部屋】
 ・30周年記念ミニレクチャー
 等など

 せっかくみなさんが集う企画ですので、オプション企画もあってもいいですね。

▼ひるがえって考えてみると、【理科の部屋】30周年「記念オフ」こそメイン企画ですから、人と人が出会い、語り合うことこそが最大の楽しみですよね。
 親好のある人との「再会」はうんと愉しみ!!
 はじめての人との「出会い」はさらに愉しみ!!
 響き合い・出会い・学び合い・高め合う!!
 は【理科の部屋】の原点ですから。

  情報は発信するところに集まる!!
  情報は交叉するところに生まれる!! 

 

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サイエンスコミュニケーター宣言(444) #日本理科教育史 #現代理科教材発展史 #理科の部屋30年史

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▼ほんとうに長くなった「現在地」の確認作業であるが、いよいよ最後になった。
 最後の5つ目の「座標軸」はこうだった。

(5) 日本理科教育史を現在進行形のかたちでまとめる。

 これは、またまた大げさな「座標軸」であった。
 
「日本理科教育史」!!
これに関して、私にも可能な取り組みをいくつかはじめていた。
そのひとつが「「日本理科教育史」をプロットする」というシリーズある。
現在はその51回目まできている。その50・51回目は、先般から話題になっている「鉄と硫黄の化合実験」であった。

●「日本理科教育史」をプロットする!!(51) #鉄と硫黄の化合実験 #大竹三郎 #理科教室 #理科実験法の再検討 #教材論

このシリーズの取り組みには、多くの人の協力が必要だった。
ひとりの作業には限界があった。
多くの人たちの共同作業として取り組むことにより、今まで描かれたことのない「日本理科教育史」が見えてくるにちがいない!!

▼もうひとつ以前より取り組みはじめていることがある。

◆「現代理科教材発展史」!!

 である。まだまだ現在進行形であるが、いくつか具体化したものがある。

◆現代理科教材発展史『スライム』

◆現代理科教材発展史「究極のクリップモーター」


▼より進行形の「歴史」にふれておく。
 繰り返し言うが、【理科の部屋】は今年30周年をむかえる。
 きわめて個人的な拙いメモ書き(覚え書き)の30年史をあげておく。
 
◆【理科の部屋】30年史年表

 何度も繰り返し言うが、これらも多くの人が愉しみながら「歴史」を語り合うことにこそ意味があると思う。
 「これから」もきっとそこから見えてくるはず。
 

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サイエンスコミュニケーター宣言(443) #理科教育コミュニティ #理科の部屋 #ヒューマンネットワーク #不易流行

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▼やっぱりあった!! ついにみつけたまっすぐ立つネジバナを!!
 こんなときにピンぼけ画像とは…

 自分でもはじめて気づいて、ネジバナの「右巻き」「左巻き」を報告したら、
 FBで、「全くねじれていないものもあるよ」と教えてもらった。
 さっそく例の群生地に出かけて行きさがしてみた。
 100本以上のネジバナを観察してみて、ついに最後の最後にねじれていないものを一本みつけた。
 あせってしまったせいだろうか、何枚も撮ったはずがいずれもピンぼけとは。
 
 いずれにしても、レスポンスのある世界は面白い!!

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▼サイエンスコミュケーターとしての「現在地」の確認をつづけよう。
 4つ目の「座標軸」である。

(4) あらたな理科教育コミュニティの構築!

 ずいぶん大げさな「座標軸」を設定したものである。

▼「あらたな」というコトバを聞くと、いつも思い出す一文があった。
 それは、寺田寅彦の「科学上の骨董趣味と温故知新」のなかにあった。
 寅彦はこう言っていた!!

自分は繰返して云いたい。新しい事はやがて古い事である。古い事はやがて新しい事である。

 
▼私にとって、「理科教育コミュニティ」と言えば【理科の部屋】がある。
 その【理科の部屋】は、今年で30周年を迎える。
 ネットの世界で30年と言えばやっぱり「古い事」である。
 「やがて新しい事」となるためには…!?

 ホンモノの「流行」は「不易」を内包する!!
 ホンモノの「不易」は「流行」を創造する!!

(つづく)

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第35回オンライン句会「寅の日」7月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼寅日子先生も、【五月雨(さみだれ)】の句をけっこうたくさん詠んでいた。

 五月雨や窓を背にして物思ふ (明治31年)
 五月雨や写し物する北の窓 (明治31-2年)
 五月雨や土佐は石原小石原 (明治34年)

▼「俳句は、詠み手と読み手の共同作業によって成立する文芸である」とよく言われる。
 このことは、このオンライン句会をはじめてみて、いたく実感しているところである。
 自分がそのつもりでその景を詠んでみても、読み手はまったくちがった角度から、その景を解釈し膨らませてくれる!!
 そこにあらたな世界が拡がっていく!!
 これぞ句会の醍醐味である。

▼こんな面白いことはやめられない。
 7月定例句会の案内をあらためてあげておく。

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第35回オンライン句会「寅の日」7月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2023年7月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2023年7月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2023年7月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼オンライン句会をはじめた当時にくらべると、少し自由な環境が整いつつある。
 でもやっぱり「オンライン句会」にこだわってしまうのである。
 「オンライン」であることのアリガタさを存分に享受しているからである。

 あいかわらずつづける「ひとり吟行」である。
この夏は ぜひとも行動範囲をひろげたいものだ!!
 あらたな景に出会いたいな!!
 


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【Web更新6/25】23-26 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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通学路足元照らす半夏生 23/06/23撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】23-26
週末定例更新のお知らせ
 6月最後の週末定例更新だった。
 ということは、2023年も「折り返し地点」ということになる。
(1)捨てる !!
(2)詠む !!
(3)発信する !!」
(4)動く!!
 はどこまできたのだろう!?

◆表紙画像集2023 更新 半夏生
 今年も「半夏生」が、通学路の側の溝から律儀に顔を出してきた。
 「今年も半分過ぎたよ」のシグナルを送ってくれているかのように。
 誰か気づいてくれるかな!?

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 今回は、ひときわ ゆっくり ゆっくりと 「現在地」を確認していく。
 やがて少しでも「これから」が見えてきてくれることを願いつつ。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 6月テーマ「寅彦と植物学」は、これからも追い続けたいテーマである。
 牧野富太郎の「赭鞭一撻」と寅彦はどう交叉したのだろうか!?いつかきっと…。
 7月テーマは「寅彦と気象学」デアル!!

 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから13週目である。
 遅れていた「立ち葉」がやっと立ち上がった!!
 これからの展開が楽しみである。

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本日(2023/06/25)、第351回オンライン「寅の日」!! #病室の花 #traday #寺田寅彦

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「右巻き」 それとも 「 左巻き」 !?
 この螺旋形にどんな意味があるの!?

 いつものひとり吟行できまって休憩する場所がある。
 その池の土手に腰を下ろす。今まで気づかなかった、腰を下ろした真後ろにネジバナの群生地があった。
 何気なく見てきた螺旋形に、じっくり見ていると右巻きと左巻きがあるように見える。
 なにかルールがあるのかな!?
 
 とびだすのは、あのコトバだ!!
 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」


▼本日(2023/06/25)は、第351回オンライン「寅の日」である。
 6月のテーマは次のようにしていた。

【6月テーマ】「寅彦と植物学」

今月3回目の本日は、「病室の花」を読む。

◆本日(2023/06/25)、第351回オンライン「寅の日」!!

●「病室の花」(青空文庫より)

▼この年(大正9年)から約2年間大学を休んで静養していた。
 そのときに発表した随筆である。
 病室に居るだけで、これだけでけの「観察眼」とは 驚くばかりだ。
 

 いつでも思う事ではあるが、いかに精巧をきわめた造花でも、これを天然の花に比べては、到底比較にならぬほど粗雑なものである。

色彩や形態に関するあらゆる抽象的な概念や言葉を標準にして比較すれば造花と生花の外形上の区別は非常に困難な不得要領なものになってしまう。「一方は死んでいるが他方は生きている」という人があるかもしれない。しかしそれはただ一つの疑問を他の言葉で置き換えたに過ぎない。実際の明白な区別は、やはり両者を顕微鏡で検査してみて始めてわかるのではあるまいか。

こんな事を考えながらベコニアの花をしみじみ見つめていると、薄弱な自分の肉眼の力ですら、花弁の細胞の一つ一つから出る生命の輝きを認めるような気もする。

 病室にあっても「科学者」寅彦の「軸足」はぶれなかった!!
 いや、むしろ病室だからこそ見えた「輝き」だったのかも知れない。

▼寅彦の不思議はいつもふくらんでいった!!

いったい自然はどうしていつもの習慣にそむいてこの植物の生殖器をこんなに見すぼらしくして、そのかわりに呼吸同化の機関たる葉をこれほどまでに飾ったのだろう。植物学者や進化論者に聞いたら何かの学説はあるかもしれないが、それにしても不思議な心持ちがしないではいられない。

残った葉もほんのちょっと指先でさわるだけでもろく落ちるのであった。何かしら強い活力で幹から吹き出しているように見えた威勢のよかった葉がきわめてわずかな圧力にも堪えず、わけもなく落ちるのが不思議なようにも思われた。このようにして根もとに近いほうから順序正しくだんだんに脱落して行くのであった。

 この文章の本意は、やっぱりいつものように最後にあった!!
今こうしてただ病室をにぎわしてくれた花の事だけを書いてみると入院中の自分の生活のあらゆるものがこれで尽くされたような気がする。人が見たらなんでもないこの貧しい記録も自分にとってはあらゆる忘れがたい貴重な経験の総目次になるように思われる。
 
 
 寅彦はいつ読んでもやっぱり面白い!!

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サイエンスコミュニケーター宣言(442) #授業の科学 #中学の理科 #授業の構想 #脱学校 #教材論

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▼「子規庵の糸瓜」5年目はここまで育ってきた!!

 子規庵で「おすそ分け」してもらった5粒の「種子」!!
 いのちツナゲバここまできた。
 今年の糸瓜忌(子規忌)にはどこまで行っているだろう!?
 楽しみである。

▼サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」の確認つづけよう。
 3つ目の「座標軸」はこうだった。

(3) 中学校「理科」カリキュラム全課程実践的検討!!

  サイエンスコミュニケーターと「授業」!?
  この関係について、私には変わらぬ思いがあった。
・理科の授業はサイエンスコミュニケーションの最前線である!!
・理科教師は最前線のサイエンスコミュニケーターである!! 

▼少し時間がたってしまったが、自分なりの「構想」を語っていた。

◆私の「ふしぎ!?」からはじめて「卒業論文」にいたるまでの中学校3年間「理科」全課程を構想する!!
 新・中学校「理科」を構想する(2016年版)

 blogの「記録」をまとめただけのものであり、不完全なものである。
 自分で読み返してみても、反省すべきことばかりで恥ずかしいかぎりある。
 しかし、中学校「理科」全課程についてふれたものと自負している。
 これ以上でも、これ以下でもない!!

▼「授業」を語るとき、どうしてもふれておきたいのは「教材論」である。
 私の「教材試論」はここまできていた。

◆新・私の教材試論

 「教材」と聞いて思い出すコトバがあった。
 それは『やさしくて本質的な理科実験4』(評論社)の巻頭言の最後にあった。

 理科ぎらい、理科ばなれがいわれますが、そんな状況のなかで実験書、ものづくりは花ざかりのようです。超教科は脱学校を生みだしています。(それはあだ花か。)私たちは脱学校のなかから、学校での学習が再構築されると考えていますが。
 それは、これまでの蓄積の成果を自らのものとして、子どもの要求に敏感に反応し対応できるように自らをつくっていくことによるしかないのではないでしょうか。
 2001年8月   鈴木清龍・若生克雄

(つづく)


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サイエンスコミュニケーター宣言(441) #道楽の科学 #私の科学 #共愉の科学 #サイエンスイベント #サイエンスムーブメント

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▼まだ私の「○○の科学」遍歴史をつづけよう。
 「等身大の科学」にこだわるうちに、私はひとつの疑問をもちはじめた。
 「等身大」と言いつつも、人それぞれ置かれた立場や環境によって、「等身大」の大きさや、文脈の異なる「科学」があるのではないか!?
 と思い始めたのである。
 不勉強な私だけの「等身大」だけでなく、他の人の「等身大」も面白いのでは!!
 そこで、興味深く思いはじめたのは、他の人の文脈から表出するアタリマエの「科学」。

●「私の科学」!!

 他の人の「私の科学」を聴くことは、実に楽しかった!!
そこから学ぶことは実に面白かった!!

▼そんな流れのなかから、到達した「○○の科学」の「現在地」は次にあった。
 
●「共愉の科学」(convivial science)!!

 「共に愉しみ合う科学」「共に学び合い高め合う科学」デアル。
 ワイワイガヤガヤと、それぞれの「私の科学」が交叉し、まったくあらたな「科学」が創出される!!
 それをめざして!!
 そのあたりが第一座標軸の「現在地」であろうか。


▼少しダラダラ気味になってきた第一座標軸から、第二座標軸に移ろう。
 第二座標軸は

(2) サイエンスイベント・ムーブメントに参画する。

 デアル。

▼この座標軸は、自分自身が自由に動きながら学ぶこと(無手勝流に)を前提としていた。
 その点からしても、現在はピンチだった!!
 「参画」と「参加」とは少しちがう。
 「これから」 私にもできることは何だろう!?

 サイエンスイベントって何!?
 サイエンスムーブメントって何!?
 イベント「理科」と授業「理科」とのちがいは!?
 
(つづく)

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サイエンスコミュニケーター宣言(440) #道楽の科学 #等身大の科学 #萃点の科学 #デクノボーの科学

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▼今年5匹(頭)目のコガネグモに出会った!!
 
 今年出会うのは、すべて少し小ぶりに見えるのは気のせいかな!?
 もうすぐ雨だというのに、元気に「狩り」もしていた。
 数日はここに居てくれるだろうか。
 さあ、今年は何匹のコガネグモと出会うことができるだろう!?

▼私の「○○の科学」変遷史の「現在地」をつづけて追ってみよう。
 「これから」が見えてくることを願いつつ。
 次は

●「等身大の科学」!!

 「等身大」というコトバにもともと惹かれていた!!
【お薦め本】『科学のこれまで、科学のこれから』(池内 了著 岩波ブックレット)
・『寺田寅彦と現代 ~等身大の科学を求めて~』(池内 了著 みすず書房)
 あたりに興味があった。
 意識して、「等身大の科学」を多用していた。してみると、オンライン「寅の日」ともツナガッテいるのかも知れない。

▼次のお気に入りの「科学」は

●「萃点の科学」!!
 
 南方熊楠の世界への興味である。
 「熊楠」について5つの仮説をたてたこともある。ぜひまた「熊楠」を訪ねたいものである。

▼次のお気に入りは、まだ輪郭すら自分でもわかっていなかった。
 でもたいへん興味があるのである。

●「デクノボーの科学」!!

 「それってどんな科学!?」と人に聞かれてもよう答えなかった。
 答えを求めて、旅をしたこともあった。 
 ぜひとも、近く「賢治」も訪ねてみたい!!

(つづく)

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サイエンスコミュニケーター宣言(439) #道楽の科学 #常民の科学 #ケの科学史 #草木染め #金属の歴史 #丹生

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▼サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」確認作業を ゆっくり ゆっくり 進めよう。
 一つ目の「座標軸」をくりかえそう。

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求!

 私の「○○の科学」遍歴をくわしく追ってみよう!!
 まずは

●「常民の科学」

 である。

▼「常民の科学」は、私の勝手な造語である。
 「常民の科学」とは何かを語る拙い文章を残していた。

◆『常民の科学』を授業に!!

 35年も前の拙い文章は、思いばかりが先行していて、なんとも恥ずかしいかぎりである。
 しかし、ここに「原点」があることも確かである。

▼その「常民の科学」の「現在地」はどこにあるのだろう!?
・「もうひとつの科学史」(ケの科学史)
・「草木染め」
・「金属と人間の歴史」
 等など 
 「授業に!!」と呼びかけながらも、今はその「授業」にも直接にたずさわっていない。
 しかし、今なおのすべての「教材」「科学」を考える根っこのところにこれがあるのは確かである。
 
 東の畑の「最上紅花」の棘が目立ちはじめた!!

▼今なお、「こだわり」つづける取り組みもあった。

◆「丹生」を追う!!
 
 せっかく自由に動ける環境が整いつつあるというのに…。
 「これから」何が可能であろうか!?
 ゆっくり 急ごう!!

(つづく)

 

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2023年7月のオンライン「寅の日」は #寅彦と気象学 #traday #寺田寅彦

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▼私が知る範囲では、「雲見」というコトバを使ったのは宮沢賢治が最初だと思っていた。
 「蛙のゴム靴」(青空文庫より)のなかで次のように使っていた。

  ある夏の暮くれ方、カン蛙ブン蛙ベン蛙の三疋は、カン蛙の家の前のつめくさの広場に座(すわ)って、雲見ということをやって居りました。一体蛙どもは、みんな、夏の雲の峯みねを見ることが大すきです。じっさいあのまっしろなプクプクした、玉髄(ぎょくずい)のような、玉あられのような、又(また)蛋白石(たんぱくせき)を刻んでこさえた葡萄(ぶどう)の置物のような雲の峯は、誰(たれ)の目にも立派に見えますが、蛙どもには殊(こと)にそれが見事なのです。眺(なが)めても眺めても厭(あき)ないのです。そのわけは、雲のみねというものは、どこか蛙の頭の形に肖(に)ていますし、それから春の蛙の卵に似ています。それで日本人ならば、ちょうど花見とか月見とか言う処(ところ)を、蛙どもは雲見をやります。
「どうも実に立派だね。だんだんペネタ形になるね。」
「うん。うすい金色だね。永遠の生命を思わせるね。」
「実に僕(ぼく)たちの理想だね。」

▼2023年7月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期である。
 「雲見」は、賢治の専売特許かと思っていたら、寅彦もなかなかの「雲見」名人だった!!
 気象関係の随筆も多い。
 そこで、7月テーマは次のようにしたい。

【7月テーマ】「寅彦と気象学」

 2023年7月には3回ある。

■2023年7月のオンライン「寅の日」!!
◆第352回オンライン「寅の日」 …7/07(金)
◆第353回オンライン「寅の日」 …7/19(水)
◆第354回オンライン「寅の日」 …7/31(月)

▼気象関係はもともと寅彦の専門領域でもある。
 だから関連の随筆も多い!!
 はじめて読むものも含めて、次の3作品としたい。
 「夕凪と夕風」 「瀬戸内海の潮と潮流」 「颱風雑俎」である。

■2023年7月のオンライン「寅の日」!!

◆第352回オンライン「寅の日」 …7/07(金)「夕凪と夕風」(青空文庫より)

◆第353回オンライン「寅の日」 …7/19(水)「瀬戸内海の潮と潮流」(青空文庫より)

◆第354回オンライン「寅の日」 …7/31(月)「颱風雑俎」(青空文庫より)

▼賢治の「雲見」!!
 寅彦の「宇宙見物」!!
 と勝手にきめつけていたところもあった。
 いずれにしても、このふたつが今の私の究極の道楽なった。

 7月はあらためて寅彦の「観察眼」から大いに学びたい。
 

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【Web更新6/18】23-25 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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蕊立ちて花唱うや額の花 23/06/16撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】23-25
週末定例更新のお知らせ
 もともとものごと「ゆっくり」な私だが、とくにこのごろ「ゆっくり」になってきている。
一週間ごとに、「計画」らしきものをつくってはみるがうまくできたことはまずはない。
 よほど少なめに「計画」しても同じである。
 飽きもせずに今週も自分に向かって言うのだった。

 ゆっくり ゆっくり 急ごう!! と。

◆表紙画像集2023 更新 紫陽花・額の花
 庭の額紫陽花の蕊たちが、梅雨晴れ間にみごとに立ちはじめた。
 先日のファラデーラボで「アジサイの花」の授業を受けたばかりである。
 なおさら、意志的に額紫陽花の「花」を楽しむことができた。
 毎年、こんなみごとだったかな!?

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 なんでもかんでも「科学」に関するものは、このページにほり込んできた!!
 いちど「整理」してみたくなった。
 サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」を確認しながら。
 そしたら「これから」が少し見えてくるような気がして。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 6月テーマは、「寅彦と植物学」である。
 6月は もう一回ある。まだまだ面白い展開がいっぱありそうだが!?

◆「コウガイビル」を追う 更新!!
 しばらく「休けい」しようと思っていたら、第62号コウガイビルに出会ってしまった。
 Webテキスト試案「コウガイビル」を ゆっくり 急ごう!!
 見たことで どうしても伝えたいことは !?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから12週目である。
 池の水面は、浮葉に覆われてしまった!!
 さあ、いよいよだと思うのだが。
 今年は少し遅れているのかな!?

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サイエンスコミュニケーター宣言(438) #道楽の科学 #常民の科学 #等身大の科学 #共愉の科学 #サイエンスコミュニケーター

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▼庭の額紫陽花の蕊たちが立ちはじめ、「花」を主張しはじめた!!

 まったく同じ景でありながら
 まったくちがったものに見えてくる瞬間があった!!
 それは景ばかりのことではなかった。

▼「サイエンスコミュニケーター」というコトバもしかりであった。
 この「サイエンスコミュニケーター宣言」というシリーズをはじめてからもはや13度目の夏がやってきた!!
 私自身の環境も状況も大きくかわってきた。
 動きながら、考えることを「私流」と自認してきた私にも大きな「制限」でてきた。
 ポンコツ度を増してきたことも確かである。

 そこで、あらためて今の「現在地」を確かめてみようと思う。
 今回は、今までに増して ゆっくり ゆっくり と「整理」しながらすすめようと思う。

▼今の「現在地」の確認と言えば、やはりあの5つの座標軸である。

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求!
(2) サイエンスイベント・ムーブメントに参画する。
(3) 中学校「理科」カリキュラム全課程実践的検討!!
(4) あらたな理科教育コミュニティの構築!
(5) 日本理科教育史を現在進行形のかたちでまとめる。

 「座標軸」自身の更新を検討する必要性がでてきたのかも知れない。

▼とりあえず、ひとつずつ「現在地」を確認してみよう。

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求!
 私には「○○の科学」遍歴があった!!
 思い出すものをアトランダムにあげてみると次のようなものだ。

・「常民の科学」
・「等身大の科学」
・「高いレベルの科学」
・「デクノボーの科学」
・「萃点の科学」
・「私の科学」
・「共愉の科学」(convivial science)!!
等など
 
 である。今回は、これもまたひとつずつゆっくりていねいに「現在地」を追ってみたい。

(つづく)
 

 

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「植物の世界」を科学する(20) #植物の世界 #光合成 #野菜の植物学 #野草 #種子 #栽培 #キャベツ #ブロッコリー

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あれっ!? やっぱりキャベツとブロッコリー同じ仲間なんだなぁ!!

 玄関先で、小さなブロックの育苗トレーを使って、キャベツとブロッコリーの「たねまき」をしていた。
 キャベツが前で、後でブロッコリーであった。
 発芽して、苗に育つその姿を見ていると、そっくりだ!!
 やっぱり同じ仲間なんだなあ!!

▼再び【お薦め本】『見てびっくり野菜の植物学 ゲッチョ先生の野菜コレクション』(盛口 満 文・絵 少年写真新聞社)を見てみた。
 「キャベツの七変化 その1 その2」のページには次のようにあった。

 野菜の品種とは何でしょう?野菜はみんな、もともとは野生の植物でした。
 最初、人々は野生のままの植物を、いろいろ利用していました。
 そのうち身近なところに植えて世話をするようになったのです。
 身近で世話をするうちに、同じ植物にも個性があることがわかります。
 そうして、よりすぐれた個性のものが選ばれ、受けつがれていくうちに、だんだんともとの野生の姿とは変わった形や性質へと、姿を変えていきました。
 (同書P34より)

 キャベツのご先祖様はケールにはじまり、やがて葉が丸まった、おなじみのキャベツへと姿を変えました。ブロッコリーやカリフラワーも、キャベツと同じご先祖様から生みだされた野菜たちです。
(同書P37より)

 やっぱりそうだよな!!
 うんと納得できるのだった。
 かくなるうえはあのおなじみの「キャベツ」「ブロッコリー」に育つまで観察してみたいな。

▼「植物の世界」を科学する のシリーズはなかなか直線的には進まなかった!!
 それは、アタリマエのこと。
 それだけ「植物の世界」は、豊かで面白いということだ。
・光合成
・光とり競争
・野菜の植物学
・花と実(たね)
・植物のタンパク質
 等など
 行ったり来たりしながら「植物の世界」を楽しみたい!! 

▼「野菜のたねまき」から発展して、こんな提言があったことも思いだした。

●「飼育栽培のポイント 野草のたねをまく」(笠井守 『理科教室』1988年 5月号P84~)

(つづく)

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62号コウガイビルに出会った!!(2023/06/12) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #Webテキスト #テキスタイル

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「また、コウガイビルおったで~!!」

 畑に出ていた妻が、少し階段をのぼってきて叫んでいた。
 二階でイヤホーンで、「録音」を聞いていた私はそれにしばらく気づかなかった。
 正直に言うと、「えっ、またか…」という気持ちがなかったわけではない。
 しかし、そのままにしてしまうと、もう報告もしてもらえず、もう「あいつ」と出会うことができないかも知れない。
 大急ぎで、階段を下りていった!!
 人生62匹目のコウガイビルとの出会いであった。

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▼最初に「あいつ」にであったのは、2008.11.14である。
 それから、およそ15年!!
 この「ふしぎ!?」のかたまりのような生き物とつきあってきた。
 それ以前にも出会っていただろうが、私が知らなかったというだけの話かも。
 この間、ずっと同じ方法で「飼育(!?)観察」を続けて来た。

◆「コウガイビル」を追う!!
 
▼あの「水生プラナリア」に負けずに、教材化をめざすと言いながらも、いっこうにその展望が見えてこないことに少しあせっていた。
 多くの人の「知恵・知識」をお借りして

●Webテキスト試案「コウガイビル」

 を構想したいと思っていたのだが。

 今回もやっぱり、前回までと同じように「ナイロン袋」に少量の水といっしょに62号コウガイビルを入れた!!

▼Webテキスト試案「コウガイビル」のことをおぼろげに思い描く中で、思い出すコトバがあった。
 「テキスタイル」!!
 デアル。

 ”テキスタイル”ということばは、いつとはなしに造り出され、使用されるようになった。”わたしたち”の造語である(textile=織物ではなくて、text+style=textyleである。)”わたしたち”が教えたい、わかってほしいと願う事柄がきまったからといって、それはまだテキストではない。テキストは、発問と、資料と、実験と、読み物などで構成されるが、とりわけ、どんな発問を、どんな順序で用意するかが重要である。いや、内容がきまってから「さて発問は?」というのでなくて、事例に関する発問、事例を法則の支配下に位置づけさせる発問、等を考える過程の中で、”わたしたち”の中に次なる内容が求められ、獲得されていくのである。(『極地方式入門』(高橋金三郎・細谷純編、国土社1974.3.20) p174より)

 私がどうしても伝えたいコウガイビルの「ふしぎ!?」とは!?
 ゆっくり ゆっくり 急ごう !!
 
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ファラデーラボ 「 生き生きと自然の本質と姿をとらえたい 」(2) #ファラデーラボ #かがくカフェ

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▼またまたお楽しみの第二部です。
 その前に、第1部のなかでお話を聞いて最中に高田さんが持ってきてくださった「オオムラサキ」が、羽化がはじまった!!
 貴重な「瞬間」をみんなで観察させてもらった。
 
▼第二部は次々と発表された。
【天神川の氾濫について 宇野さん】
・天井川の基礎からのミニレクチャー!!
・この機会にプロから、キホンから教えてもらった。
・「はじめて」の学びは面白いものだ!!
・河川の工事はいつやるの?
・工事は「上流」「下流」どちらから?
・堤防の「内」はどちら?
・川の「右岸」はどちら?
・阪神電車の駅は、橋の上にあるというのはホント? 等など

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▼ ファラデラボのML等の話題にも関連して
【硫化鉄の実験 森本さん】
・「硫化水素」発生で、新聞記事等で話題になっている実験をやって見せてもらった。
・この実験をやることの意義は!?
・実験の工夫と発展は?
・安全に実験を行うためには?
・理科実験の安全性とは!? 危惧することは!?

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▼つづいて
【石灰岩などについて 円尾さん】
・石灰岩に含まれる化石について
・いつものあの「ロープパズル」!?
・大型スズメバチ 大きい!!
等など

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▼最後に。
【「理科実験」「これから」等について 森本さん】
・「理科実験」の更新は必要ないのか!?
・次のステップの「実験」は!?
・これからの「教科書」は!?
・第1部講師の三上さんも加わっていただき、有意義な話し合いがもたれた。

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ファラデーラボ 「 生き生きと自然の本質と姿をとらえたい 」(1) #ファラデーラボ #かがくカフェ

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▼先日(2023/06/11)は、楽しみな第145回ファラデーラボの「かがくカフェ」であった。

◆第145回ファラデーラボ「 かがくカフェ」
●話題提供 :三上 周治さん(小・中・高・大学の教師(現小学校理科専科))
●テーマ :「 生き生きと自然の本質と姿をとらえたい 」
     ー私が目指してきた自然科学教育とこれからの課題と展望ー

▼きわめて豊富な授業実践から、出てくる「提言」の数々は説得力を持っていた!!
 作為的な「自然」ではなく
 「生きざまを教えて欲しい!!」
 と熱く語ってくださった。
具体的な実践例のお話は、わかりやすく楽しい!!
 それに、具体的なモノがある!!それがまたまた凄い!!
 
 「一粒のアサガオの種子から いくつの花が いくつの種子が!?」
 こんな凄い実践聞いたことない。
 一粒の種子で育った「アサガオの標本」が、ラボの部屋の前から後ろまでところ狭しと拡げられた!!
 これにはみんな度肝を抜かれた!! 
 もうこれだけで圧倒された!!

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▼これはまだまだ序論で、次々と持論が展開された。
 今回は「花と実(種子)」などを中心に語ってくださった。
 具体的なモノも見せてもらいながら、授業体験もさせてもらったので楽しかった。
 「アジサイの花は花ではない(やっぱり花だ)!?」
 の授業は、まったくタイムリーな授業だ!!
 「花とは!?」を問いかける面白い展開だ!!
 追体験授業やってみたくなってくるな。
 「チューリップの花と種子」
 「ジャガイモの実と種子」
 等など 次々と見せてもらった。
 (これは持ってきてくださったモノのほんの一部である!!)
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▼これ以外にも
「教科書の問題」
「学力テストの問題」
「これからの授業の課題」についても、くわしく面白く話をされた。
「シロツメクサのさや(種子)さがし」もなかなか楽しませてもらった。(私は(^_^;))
 用意されたモノについての話だけでなく、臨機応変にいろな話題に対応してのお話は示唆的なものばかりだった。
 これこそ、これまでの幅広い豊かな実践を物語るものだった。
 ありがとうございました。 

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(つづく)

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本日(2023/06/13)、第350回オンライン「寅の日」!! #花物語 #traday #寺田寅彦

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▼いつも「土佐の寅彦」詣の起点としている寺田寅彦記念館を出て、川沿いに少し歩くと公園内にその「昼顔文学碑」があった。
 そこには、「花物語 一 昼顔」の冒頭の部分が彫り込まれていた。

 

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▼本日(2023/06/13)は、記念すべき第350回オンライン「寅の日」である。
 6月のテーマは次のようにしていた。

 

【6月テーマ】「寅彦と植物学」

 

 今月2回目の本日は、名作「花物語」を読む。

◆本日(2023/06/13)、第350回オンライン「寅の日」!!

●「花物語」(青空文庫より)

 

▼最後に記載されていることによれば、明治41年(1908)十月にあの『ホトトギス』に掲載された随筆である。
 その年は、寅彦は数え年31歳であった。
 また「年譜」によれば
 10月1日、論文「尺八の音響学的研究」で、理学博士となった年でもあった。

 

 先にあげたように「文学碑」になるまでの名作である。
 「花物語」には、9つの花にまつわる「物語」(思い出話)が出てきた。
一 昼顔
二 月見草
三 栗の花
四 のうせんかずら
五 芭蕉の花
六 野ばら
七 常山の花
八 りんどう
九 棟の花
 どの「物語」も読めば読むほど味わい深いものである。

 

 最初にあげた「一 昼顔」の冒頭を引用させてもらおう。

 いくつぐらいの時であったかたしかには覚えぬが、自分が小さい時の事である。 宅(うち)の前を流れている濁った堀川(ほりかわ)に沿うて半町ぐらい上ると川は左に折れて旧城のすその茂みに分け入る。 その城に向こうたこちらの岸に広いあき地があった。 維新前には藩の調練場であったのが、そのころは県庁の所属になったままで荒れ地になっていた。 一面の砂地に雑草が所まだらにおい茂りところどころ昼顔が咲いていた。

 少年時代の寅彦の顔が見えてくるのだった。
 そして、こうしめくくる。
二十年後の今日故郷へ帰って見るとこの広場には町の小学校が立派に立っている。 大きくなったら登れると思った天文台の砂山は取りくずされてもう影もない。 ただ昔のままをとどめてなつかしいのは放課後の庭に遊んでいる子供らの勇ましさと、柵(さく)の根もとにかれがれに咲いた昼顔の花である。
今度は、31歳の寅彦の顔が見えてくるだった。

 

▼9つの「物語」はそれぞれ独立しており、直接的には関係していない。
 しかし、私にはいくつか共通したトーンが流れているように思えてならなかった。
 
 とくに「土佐」に関連するような「花物語」を引用させてもらおうとおもう。

 

「四 のうせんかずら」から

 小学時代にいちばんきらいな学科は算術であった。 いつでも算術の点数が悪いので両親は心配して中学の先生を頼んで夏休み中先生の宅へ習いに行く事になった。 宅(うち)から先生の所までは四五町もある。 宅うちの裏門を出て小川に沿うて少し行くと村はずれへ出る、そこから先生の家の高い松が近辺の藁屋根(わらやね)や植え込みの上にそびえて見える。 これにのうぜんかずらが下からすきまもなくからんで美しい。 毎日昼前に母から注意されていやいやながら出て行く。 裏の小川には美しい藻もが澄んだ水底にうねりを打って揺れている。

 

 

「七 常山の花」より

  自分はその時虫かごのふたをあけてかぶと虫を引き出し道ばたの相撲取草(すもうとりぐさ)を一本抜いて虫の角(つの)をしっかり縛った。 そして、さあといって子供に渡した。 子供は泣きやんできまりの悪いようにうれしい顔をする。 母親は驚いて子供をしかりながらも礼をいうた。 自分はなんだかきまりが悪くなったから、黙ってからになった虫かごを打ちふりながら駆け出したが、うれしいような、惜しいような、かつて覚えない心持ちがした。 その後たびたび同じ常山木(じょうざんぼく)の下へも行ったが、あの時のようなみごとなかぶと虫はもう見つからなかった。 またあの時の親子にも再び会わなかった。

 

「九 棟の花」より

 一夏、脳が悪くて田舎(いなか)の親類のやっかいになって一月ぐらい遊んでいた。 家の前は清い小みぞが音を立てて流れている。 狭い村道の向こう側は一面の青田で向こうには徳川以前の小さい城跡の丘が見える。 古風な屋根門のすぐわきに大きな楝(おうち)の木が茂った枝を広げて、日盛りの道に涼しい陰をこしらえていた。 通りがかりの行商人などがよく門前で荷をおろし、門流れで顔を洗うたぬれ手ぬぐいを口にくわえて涼んでいる事がある。 一日暑い盛りに門へ出たら、木陰で桶屋(おけや)が釣瓶(つるべ)や桶のたがをはめていた。 きれいに掃いた道に青竹の削りくずや鉋かんなくずが散らばって楝(おうち)の花がこぼれている。

 

さすがの名文を読みながら、考えてしまった。
私には、いくつの「花物語」があるかな!?

 ちなみに朝ドラ「らんまん」の今週のテーマは「ユウガオ」だ!! 

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【Web更新6/11】23-24 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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南天の花割れこぼるるや通学路 23/06/09撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】23-24
週末定例更新のお知らせ
 いかにも梅雨期という天気が続く!!
 そもそも梅雨って何!?
 ときに地球規模の大気の動きから考えてみるのも面白い!!
 私たちはどこに暮らしているの!?

◆表紙画像集2023 更新 南天の花
 この時期に大好きな花のひとつに南天の花がある。
 白い花が群がって咲いている。
 包み込む花弁が、割れて黄色の蕊が見えてきている。中央の雌しべの柱頭はちょっと赤い。
 その様は、まるで小さな卵が割れたかのようである。
 割れた花弁は、雨にうたれ通学路にいっぱいに!!。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「植物の世界」を科学する シリーズでは、今さらのごとく植物体のタンパク質を追ってみた。
 考えてみるとアタリマエのこと!!
 でも、そのアタリマエを自分で確かめてみる科学も面白い!!
 
◆「クモ学」のすすめ 更新!!
 コガネグモたちの活躍がめだつ季節となってきた。
 近くには、3号コガネグモまで出現してきた。
 今年は、どんな「ふしぎ!?」に答えてくれるかな。

◆【ヒガンバナ情報2023】 更新!!
 あきらめかけていた2022年に採集・回収したヒガンバナの「種子」が「発芽・発根」した。
 やがて地上部から姿を消していくのだろうか。
 今度はいつ「出葉」してくるだろう。

 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから11週目である。
 観察池の水面を二重に覆うかのような「浮葉」がでてきた。
 葉柄もかなりしっかりしてきている。
 さて、「立葉」はいつ!?

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「植物の世界」を科学する(19) #植物の世界 #光合成 #デンプン #植物とタンパク質 #タンパク質 #ヨモギ #尿試験紙

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▼延原氏・笠井氏の提案が、その後どんな展開を見せたのかよく知らなかった。
 少なくとも私の場合、中学校の「植物の世界」で、<お話>ぐらいにあつかったことがあるかも知れないが、実験した記憶がなかった。
 だから、「いつかの宿題」と思ってきたのだろう。
 今回のこの機会をのがしたら、もう自分でやることはないような気がしてきた。
 さっそくネツトで「尿試験紙」を手に入れてみた。
 乳鉢等は、身のまわりにあるもので代用した。

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▼「尿試験紙」については、笠井氏の提案をよく読まずに、「タンパク質」のことばかり頭にあり、最初は「タンパク質」専用のものを注文してしまい、後でおすすめの「ブドウ糖」と「タンパク質」を同時に検査できるものを追加注文した。

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▼ヨモギで実験する前に、卵を使って、「タンパク質」があると黄色はどのように変化するかを見てみた。緑色から青緑っぽく変化した。
 また「糖」があると、どう変化するか見てみた。
 思っていた以上に「糖」が含まれていることにも驚いた。

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▼いよいよヨモギをすりつぶし、その汁に「試験紙」をつけてみた。
 さあ、瞬間勝負の実験である!!
今度は、別の植物でもやってみたいなあ。
 
 植物も「タンパク質」を含んでいる!!
 アタリマエ!? 
 アタリマエを「科学する」のが面白い!!

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 (つづく)

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「植物の世界」を科学する(18) #植物の世界 #光合成 #デンプン #植物とタンパク質 #タンパク質 #尿試験紙 #笠井守

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▼延原氏の提案は、その後どんな展開を見せたのだろう。
 しばらくたって、より具体的な提案がなされていた。

◆「植物の体のたんぱく質を調べる」(笠井守 『理科教室』1982年5月増刊号 P98~)


▼繰り返しの部分もあるが、やっぱり興味深いので引用させてもらう。

 6年の「体のつくりとはたらき」の学習で、「消化」もとり扱っています。動物は、「消化」はしても、合成はできません。植物の体内にある栄養を「消化」して、自分の栄養に使うのです。とすると、植物体の中には、動物の体内にあるすべての栄養素が、当然入っていなければなりません。(同書P98より)

 そこで、植物体の中にある栄養素を調らべてみました。草は、90パーセント位は水分です。残りの10パーセントの中には、糖も、たんぱく質も、脂肪も、ミネラルも入っています。はこべや、なずな、ヨモギなどの中には、なんと3%近くのたんぱく質が入っています。うさぎなどは、そのたんぱく質を利用しているのです。水分は十分にあるので、あらためて水を飲む必要もありません。草食動物が「大ぐい」の理由も、この辺にあります。(同書P98より)

 きわめてアタリマエのことばかりです。
 でも、40年以上経った今でも私には新鮮に響いてくるのです。


▼続いて、具体的な実験方法が指示されていました。

<用意するもの>
磁性乳ばち、ヨモギ、はこべなどの野草(なんでも良い)
尿試験紙(薬局なら、どこにも売っています)
 (後略)
<実験のやり方>
 ① 野草をきざんで、磁性乳ばちに入れ、よくすりづします。
 ② すりつぶした汁に、尿試験紙をつけます。
(ただ、それだけで、おしまいです。)
(同書P98より)

▼最後には、こうまとめられていました。

 動物は植物が一生懸命作り上げた栄養を、そのまま消化し、生きているのです。この世に植物がなかったらすべての動物は、ほろんでしまいます。人間もまたしかりです。植物の偉大さと、すばらしさを、子どもたちに教えたいものです。(同書P99より)

今さらですが、尿試験紙を手に入れて挑戦してみたくなりました。

(つづく)

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「植物の世界」を科学する(17) #植物の世界 #ジャガイモの実 #光合成 #デンプン #植物とタンパク質 #タンパク質 #延原肇

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今年もやっぱりあった。「ジャガイモの実」!!

 それはまるで「ミニトマトの実」のようであった。
 梅雨の晴れ間、遅れていたジャガイモ掘りをやった。
 ジャガイモの「でき」も気になっていたが、やっぱりあの「ジャガイモの実」が気になっていた。今年特によく花が咲いていたのは「メークイン」だった。
 花の咲いたあとは、みつけることができていた。
 ナラバ「ひとつぐらい実が…」と探したが、いっこうにみつからない。
 そして、最後の最後に ひとつだけ実みつけた!!
 まあまあの収穫と同時に うれしかった。

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▼話が「花と実」に少し逆戻りした。

◆「タンパク質を教えよう」(延原 肇『理科教室』1979年11月号P90~)

をつづけよう。

 「植物にタンパク質があるか」と子どもに聞く。今まで「ある」という答えはなかった。そこで、植物の分析表をみせる。それにはタンパク質何%とかいてある。しかし、子どもは納得しない。それで、雑草をつぶしてしらべてみる。これには、尿タンパクの検査に使う試験紙を使った。これには子どもは本当に驚く。(同書P91より)

 簡単な方法も提案してくれていた。
 さらに
 なぜこのようなだし方をするのか。それは植物も動物も、からだはタンパク質でできていることを認識させ、生物という概念の第一歩を作らせたいからである。それがないと、植物の学習を動物と対比しておこなう出発点ができないのである。光合成も、植物に光があたらないとき、自分たちがおなかをすかしている状態をそこにあてはめるという把握を子どもにさせたのである。そうでないと、光合成がわかったとはいえないだろう。
 (同書P92より)

▼さらに、その主文脈へとすすでいく。

 植物のからだにタンパク質があることを確認したあと、このタンパク質を作る原料として、デンプンの学習に入る。光があたると葉にデンプンが形成されることの確認をすれば、デンプンがからだを作る原料になるという養分の概念がかなりよく子どもたちにできる。そこで、タンパク質を作るもうひとつの原料として、肥料をあげる。このように、肥料の位置付けをやっておかないと、中学校にいっても高校にいっても、植物の養分は肥料だという考えがふっ切れない。(同書P92より)

▼そして、最後にこの提案の主旨をこう説く。

 動物の生活を追求するのは割合やさしい。子どもは自分のことを動物にあてはめて考えるからである。しかし、植物はこうはいかない。植物にも、自分のことをあてはめて考える糸口を、子どもたちにあたえる必要があるというのが、この提案である。(同書P92より)

(つづく)

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「植物の世界」を科学する(16) #植物の世界 #光合成 #デンプン #植物とタンパク質 #タンパク質 #延原肇

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▼私にとって、ながい間「いつかは」と思いながら、そのままにしてきてしまった「宿題」がいくつかあった。
「植物の世界」にも、そのひとつがあった。

◆「タンパク質を教えよう」(延原 肇『理科教室』1979年11月号P90~)


▼少し古い話なので、少していねいにその文脈を追ってみよう。

 先生方は、観察のあと、「学校のまわりの植物は、でたらめにはえていると思ったのに、光のとり合いという単純な法則で貫かれているとは」とたいへん驚くとともに、学校のまわりの自然を見通せたよろこびを語っていた。(同書P90より)

つづけてこう言われていた。
 そこでは全部の先生が光合成を中心に系統化したいと主張された。種子をたくさん作るのも、激しい光のとり合い競争とむすびつけて考えねばならない。きびしい環境は光とり競争がおこらないようにするが、環境に対する適応が要求される。何をとっても、直接・間接に光合成につながる。(同書P90より)

 ここまでは、大いに納得できる話であった。

▼ところが、ここで一人の子どもの疑問からの問いかけがあった。

 「ジャガイモは、養分を葉で作ることはわかった。だけどデンプンは水にとけないでしょう。どうして葉から根のほうにいくのだろうか。植物は光合成で養分をつくるけど、それをたべる毛虫はデンプンでからだができているのだろうか。草を食う牛はタンパク質でできているのに、草にはデンプンしかない。おかしい」というのである。たった一人の疑問だったが、その波紋は学級にひろがり、今までの学習効果に水をさすことになった。ジャガイモで光合成を教えるのは割合スムーズにいくが、単に肥料=養分説を否定するだけでよいのだろうか。(同書P91より)

 ナルホドである。
 今読んでみてもたしかに説得力をもつ。

▼そして、この提案へとツナガルのである。

 このとき、タンパク質を持ちだしたのである。この前に、サークルで植物のタンパク質さがしをやった。私は、植物にタンパク質があると思うかとサークルの先生方に聞いた。みんな、タンパク質はもっていないという。そこで、ニンヒドリン反応で、路ばたからとってきた雑草のいろいろな部分をつぶして反応をしらべた。みんな、「あっ」といって驚いたのである。 (同書P91より)

 今では、自分たちでもこの追体験をしたのかも忘れてしまっていた。

(つづく)

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2023年・今年もコガネグモと出会った!!(2023/06/05) #コガネグモ #クモ学 #隠れ帯 #コガネグモの狩り #ゴミグモ

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居た!!居てくれた!!
 今年もまた「コガネグモ」に出会った。

 腹部をむけているので、背のあの独特の「黄色と黒のストライブ」は見えぬにくい。
 あの出糸突起(糸疣)、面構え(失礼!!)には見覚えがあった。
 そして、なによりのわかりやすいのはあの「隠れ帯」だ!!
 まだ未完なのだろうか!? 
 「X」字形の「隠れ帯」は、まだ「ハ」字形だった。

▼これで、2013年の夏にはじめて出会って以来、連続して毎年同じような場所で彼女たちに出会っていることになる。
 そのすべてをここに「記録」していた。

◆「クモ学」のすすめ
 

 シロウト「クモ学」は、はじめて知ることばかりだった。
 こんな身近に、こんなに面白いものが!!

▼そもそものはじまりは、このコガネグモの「狩り」を偶然見たことからはじまった。

●コガネグモの「狩り」を見た!!(2013/07/09)

 このみごとな「狩り」に魅了された。
 感動した!!
 こんなにすごいやつがこんな身近に居るなんて!!
 このときまで、恥ずかしながら彼女の名前すら知らなかったのである。

▼今年の1号「コガネグモ」をじっくり観察したあと、まわりを見渡してみると 居た!!
 背を向けて、「X」字形の「隠れ帯」がみごとだが、体は小さすぎる。
 「コガネグモ」の小さいものだろうか?
 それとも「コガタコガネグモ」だろうか。
 近くにはゴミグモのネツトもみられた!!
 
 いよいよ今年も「クモ学」シーズンの到来である!!

 2023/06/06も1号「コガネグモ」を見に行ったら、「隠れ帯」はみごと「X」字形になっていた。
 あれ、いつのまに!?
 「隠れ帯」も「糸疣」から出すのかな!?
 そもそも「隠れ帯」って何!?

 今年はどんな「ふしぎ!?」と出会うかな!!

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実生ヒガンバナ(2022年採集分)は今!!(2023/06/05) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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やっぱりそれは「発芽・発根」だった!!

 ヒガンバナの「種子」が「発芽」する!?
 考えてみれば、不思議なはなしだった。あるはずのないヒガンバナの「種子」!!
 その自然結実したヒガンバナの「種子」から育てる実生実験の結果、「発芽」すること確かめていた!!
 いや、それは「発芽」というより「発芽・発根」とい方がふさわしいと思っていた。
 2022年採集分については、半ばあきらめていた。しかし、それはちがうかった。
 
 「種子」から緑の部分がのびていた!!
 そして、その先が少しふくらんでいた。「鱗茎(球根)の赤ちゃん」だろう。
 そこから、根毛のような根がでてくるのだった。そして、その根が「鱗茎(球根)の赤ちゃん」を土のなかにひっぱり込むのだ!!

▼2022年採取・回収した59個の「種子」を使っての実生実験をはじめたのは2023/03/21だった。

●59個のヒガンバナ「種子」の実生実験をはじめた!!(2023/03/21) #自然結実 #3倍体 #ヒガンバナの種子 #実生実験

 はじめた「種子」にナンバーリングしていた。
 今回、「発芽・発根」が顕著だったのは、「№ 42」である。
 「種子」の採取場所 「福崎S」、採集日「10/25」、回収日「12/15」が特定できた。

▼その「種子」を採集したときの様子を「記録」していた。

●今こそ、「自然結実」ヒガンバナを!!(2)(2022/10/25) #自然結実 #ヒガンバナの種子 #水栽培 #日本ヒガンバナ学会

 あそこの、あのときの「種子」がと思うと感慨深いものがある。

▼実生実験中の育苗トレーのシェルターをとって、じっくりと観察していると「№ 42」だけではないようだ。
 「№ 18」「№ 19」もかもしれない。
 いずれも自然結実ヒガンバナ定点「福崎」で採集したものだ!!

 暫定「発芽・発根」率は
 3/59×100= 5.0 % 
  
 このあと、どう展開するのだろう楽しみである。

(つづく) 

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【Web更新6/4】23-23 オンライン「寅の日」 等 更新!!

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曇り空明かりつけるや花石榴 23/06/01撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】23-23
週末定例更新のお知らせ
 梅雨時である!!
 大きな災害が起こることも考えられるいやな季節である。
 同時に「恵みの雨」の季節でもある。

 この時季でなければみることができない「景」もしっかり見ておきたい!!

◆表紙画像集2023 更新 花石榴
 梅雨空に鮮やかな朱色した花石榴はお似合いである!!
 まるで暗闇に燈明を灯したようである。
 この時季ならではのみごとな「景」である。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 6月テーマは「寅彦と植物学」である。
 牧野富太郎にツナガルところも読みたいものである。
 個人的には<赭鞭一撻>にツナガルものも!?と思っているが、少し欲張りかも知れない。

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 毎月のように、「雲見」と俳句「歳時記」の更新をしたにすぎない。
 梅雨時の今こそ、5つの試案の可能性を問う機会があったらうれしいな。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから10週目である。
 観察池の水面は、ほぼ「浮葉」で覆われてしまった!!
 「立葉」はいつだろう!?
 そして…!?

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2023年6月(水無月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼寅日子先生も【蝸牛】がとても気になったようだ。

 蝸牛の角がなれば長閑哉 (昭和3年)
 蝸牛は角があつても長閑哉 (昭和3年)

 どうやら蝸牛にも大好きな居場所があるようだ。

▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。

(1) 蛍獲て少年の指みどりなり 山口誓子
(2) 引つ越してしまふ子と行く蛍狩 田口茉於
(3) 六月や身をつつみたる草木染 大石香代子
(4) 立ちどまり蜥蜴ふりむく石の上 小澤 實
(5) 乾坤に根引の菖蒲よこたはる 三橋敏雄
(6) 太陽の苦しく揚る栗の花 小山玄紀
(7) 紫陽花や団地一棟もぬけのから 今井 聖
(8) 捻り花あの世へ人はぞろぞろと 西池冬扇
(9) 鵜舟に在りわが身の火の粉うちはらひ 橋本多佳子
(10) おもしろうてやがてかなしき鵜舟哉 芭蕉

▼次は無手勝流シロウト「選句」である!!
 あなたは!?

【私の選んだ名句ベスト3】

(1) 蛍獲て少年の指みどりなり 山口誓子

(4) 立ちどまり蜥蜴ふりむく石の上 小澤 實

(7) 紫陽花や団地一棟もぬけのから 今井 聖


【次点】

(3) 六月や身をつつみたる草木染 大石香代子

【選評】
・指「みどりなり」がとてもいい!!もうすぐだ我が家まできたら、連絡しなければ。
・瞬間ピタッととまるんですよね。あるあるデスね。
・「一棟もぬけのから」ある工業団地の今!?と読んでしまった。たしかにあそこに紫陽花が…。

・「草木染」には、ひとつの思い入れがあるんですよね。「六月や」ととってもいい取り合わせだ。

▼<俳句修業>の究極は、やっぱり「句会」参加だ!!
 オンラインにこだわりつづけることによって、うんとハードルはさがった。
 「句会」参加の愉しみをぜひ!!

◆第34回オンライン句会「寅の日」6月例会案内!!


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2023年6月(水無月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼6月がはじまって3日目である。
 6月の「雲見」を予想する前に5月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴   5    
・巻雲   4  
・巻積雲  0  
・巻層雲  3       
・高積雲  2   
・高層雲  0       
・層積雲  5  
・積雲   6   
・層雲   0
・乱層雲  6    
・積乱雲  0 

 これはあくまで午前9時(原則)の記録であり、一日のうちでも大きく変化することもよくある。
 「雲見」を楽しむ目安にすぎない。 
 「快晴」5+「積雲」6=11
 「層積雲」5+「乱層雲」6=11
 おおざっぱに5月の「雲見」をとらえるとこうだった。 
 またしても日最高気温~日最低気温の「記録」をアメダスの「記録」を利用して、メモ欄に記入してみた。
 この作業をすすめながら、あらためて「気温」の重要性を認識するのだった。アタリマエすぎるほどアタリマエのこと!!
 「天気の変化」とは、太陽からの熱エネギーの再分配なのかも!?
 なんと、「夏日」(最高気温25℃以上の日)は、15日もあったのである。
 「真夏日」は、1日だった。
 暑い暑い夏ははじまっていた!!
 「梅雨入り」は5/29!! 

▼遅れてしまったが、6月の「雲見」の予想に入ろう。
 まず昨年の6月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2022年6月 (気象庁)

・昨年の「梅雨入り」にくらべれば、今年ははやいのだろうか?
・いきなり「梅雨前線」と「台風2号」の影響を受けている!!
・大気のダイナミックな動きに注目しながら、「雲見」をつづけよう。
・「線状降水帯」のコトバがいっきょに連発されている。大きな被害が出ないことを願う!!
・さて「夏日」「真夏日」は何日ぐらいになるだろう!?「猛暑日」は!?

▼次は、長年のお気に入りの参考本だ。

◆『12ヶ月のお天気図鑑』(武田康男・菊池真以著 河出書房新社)

 6月の画像のタイトルだけ引用させてもらう。
 このうち自分でもどれだけの景を見ることができるだろう。

「夏の満月」
「梅雨空」
「驟雨」
「朝もや」
「夏至」
「梅雨の中休み(五月晴れ)」
「紫外線」
「さば雲」
「麦秋」
「山雲」
「雨上がり」
「環水平アーク」
「暖湿流」
「夜光虫」
「短い夜」

▼リアル「雲見」の旅 !!
 うんと「制限」されるようになってしまった。
 
 その分、可能性の追求を試みたいものだ。
 
 「雲見」「宇宙見物」は私の究極の道楽だから!!

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Twitterはじめて5,001日目に思うこと!! #Twitter #Twitter的

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梅雨晴れ間の青空がひときわうれしい!!

 Twitterをめぐる環境が大きく変化しようとしていた。
 ポンコツ頭の私にはとまどうことしきりである!!
 しかし、ここでやめようとは思わなかった。

▼ずっと愛用してきた「Tween」に続き、「Twilog」(今は更新できるようであるが)まで使われなくなった。
 根本から理解していない私には、すぐに対応できない。
 その、「Twilog」が教えてくれた。
 
 2009/09/23にはじめたTwitterは、本日で5,001日目デアルと!!

▼Twitterをめぐる環境は大きく変化してきているが、なんとしても変えたくないものがあった。
 それが「Twitter的」である。

「Twitter的」とは
 私の勝手な造語である。6つのキーワード・概念からなる。
 Twitterそのものだけを意味しない!!

 Twitter的=
「リンク」
「シェア」
「フラット」
「等身大」
「リアルタイム」
「アクティブ」

 
「Twitter的」は私にとっては「これから」も不易である。

▼変わったのはTwitterをめぐる環境だけではなかった。
 私自身に大きな「制限」が出てきた!!
 「制限」が出てくることで、見えてくる「これから」もあった。

 どこまでも、「Twitter的」でありたいものだ!!

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本日(2023/06/01)、第349回オンライン「寅の日」!! #草をのぞく #traday #寺田寅彦

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▼寺田寅彦は「科学と文学」のなかで、次のように言っていた。

 顕微鏡で花の構造を子細に点検すれば、花の美しさが消滅するという考えは途方もない偏見である。花の美しさはかえってそのために深められるばかりである。花の植物生理的機能を学んで後に始めて充分に咲く花の喜びと散る花の哀れを感ずることもできるであろう。

 寅彦の軸足はつねに「科学」にあった!!

▼本日(2023/06/01)は、第349回オンライン「寅の日」である。
 6月のテーマは、朝ドラ「らんまん」にはじまる折からの牧野富太郎ブームにちなみ次のようにした。

◆6月テーマ 「寅彦と植物学」

 
 同じ土佐の寺田寅彦と牧野富太郎どのように交叉し、響き合ったのだろう。
 本日は、その第1回目である。「草をのぞく」(「沓掛より」より)を読む。


◆本日(2023/06/01)、第349回オンライン「寅の日」!!

●「草をのぞく」(「沓掛より」より)(青空文庫より)


▼寅彦と「植物」 どんなつき合いだったのだろう!?

子供の時分に少しばかり植物の採集のまね事をして、腊葉(さくよう)のようなものを数十葉こしらえてみたりしたことはあったが、その後は特別に山野の植物界に立ち入った観察の目を向けるような機会もなくて年を経て来た。

 ところが
最近にある友人の趣味に少しかぶれて植物界への注意が復活しかけたのと、もう一つには自分の目下の研究の領域が偶然に植物生理学の領域と接触し始めたために、この好機会を利用して少しばかりこの方面の観察をしようと思ったので、まず第一の参考として牧野(まきの)氏著「植物図鑑」を携帯して行って、少しずつ、草花の名前でも覚えようと企てた。
 
 ここであの「植物図鑑」の登場である!!
 そのあとの寅彦の「観察眼」に恐れ入るばかりである。
 そして、次のようなことにまで言及していた。
自然界ではこのように、利己がすなわち利他であるようにうまく仕組まれた天の配剤、自然の均衡といったようなものの例が非常に多いようである。

▼ここからの文が、とても寅彦らしかった。

 この数日間の植物界見物は実におもしろかった。もっともこんなことは、植物学者、あるいは学者とまでは行かずとも、多少植物通の人にとっては、あまりにも平凡な周知の事実であるかもしれないが、始めて知ったまるの素人(しろうと)には実に無限の驚異と、従って起こる無数の疑問を提供するものである。

 こうして秋草の世界をちょっとのぞくだけでも、このわれわれの身辺の世界は、退屈するにはあまりに多くの驚異すべく歓喜すべき生命の現象を蔵しているようである。

  こう言いきる寅彦がすばらしい!!
 また、最後のアイロニーたっぷりの「まとめ」も、いかにも寅彦らしい!!
 今でも浅間の火口へ身を投げる人は絶えないそうである。そういう人たちが、もし途上の一輪の草花を採って子細にその花冠の中に隠された生命の驚異を玩味(がんみ)するだけの心の余裕があったら、おそらく彼らはその場から踵(くびす)を返して再び人の世に帰って来るのではないかという気もするのである。

 だから寅彦の随筆は面白い!!
 


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